六本木ヒルズの事故に思う

こちらも連日のように報道されている六本木ヒルズの回転ドアで六歳の男の子がなくなった事件。・・・。本当に痛ましい。事故が母親の目の前で起ったことを想像するだけで、お母さんは気が狂いそうだったろうと思う。その時間がどれほど恐怖だっただろう・・・。あわせて回転ドアのメーカー、六本木ヒルズ関係者の心中も察する。企業経営者として本当に考えさせられる。
誰もが事故など起こしたくないと思っている。起きて欲しくないと思っている。そのために神経を使って日々を生きている・・・はずだ・・・。
しかし、報道が進むにつれて、自分たちの目線でものを見ているという結果が引き起こしたのではないかと感じずにはいられない。大人は子供の目線を忘れがち。子供の行動を想定せずにものごとをすすめてしまう。回転ドアという発想自体が、もともと空調、電気などの効率、コストダウンがペースとなって作られたものだ。またそうした視点でメリットを語ることで商売になるし、企業も導入を検討しやすい。そこには「人」の行動心理は不在だ。経営のコストダウンの機械開発という着眼点には、「人不在」なら「子供はさらに忘れられた存在」ではなかっただろうか。子供はくるくる回るものが好きだ。自分たちの行動の未熟さなど考えず、動いているもの、面白そうなものは好んで近づく。だから遊園地が大好きだ。そんなことはちょっと考えればわかる。きっと、今回もうれしそうに飛び込んだのだろう。元気な男の子ならありえること。こんなこと、ちょっと考えれば分かるはずなのに、忘れてしまう。
事故防止のため、と手前に貼られたテープも不思議すぎる。それが子供にわかるはずもない。こうした事故が起るたびに、「使う人の視点」を巻き込んだ製品開発が行われたのかどうかが聞きたくなる。開発後に、子供たちに使わせてみたのだろうか。老人に通ってみてもらったのだろうか。親子に歩かせてみたのだろうか。そうした人たちの意見は取り入れたのだろうか。まさかとは思うが開発者たちだけで、健常な大人だけでテストをして市場に出したのではないだろうか・・・。
「買う人に使ってもらう」「使う人の意見を聞く」「使うと想定される人たちでテストをする」こうした視点は、大切どころか、当たり前のことのはずなのになぜか大企業でも平気でしない。
ちょっとしたことのはずだ。特別なことではないはずだ。「使い手」の気持ちで物事を考えていないということが露呈する事故があまりに多すぎる。簡単なことのはずがなぜか作り手、売り手になるとできない。できないことそのものを自覚して、できないからこそ、強く強く意識していくことが望まれる。

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日野佳恵子(ひの・かえこ)。島根県生まれ。90年創業。女性(主婦)マーケティングの パイオニア企業として注目を集める。企業・主婦・ハー・ストーリィの三者共働型マーケティングを開発する。「クチコミュニティ・マーケティング」は登録商標。 [ 続きを読む ]

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