現場体験

先日、ある会社の飛び込み営業に同行させていただきました。その企業から新しい営業スタイルを作りたい、というご相談があり、現状調査のために、いっそのこと体験しよう!と思って営業マンの仕事に同行を希望したのです。
飛び込み営業というスタイルは、正直、現代では受け入れにくい方法になってきました。営業という仕事は、求人雑誌などでも人気がないと聞きます。これも「飛び込み」というイメージを引きずっていることが関係しています。
弊社は、基本的に反響営業という形をとっていて、飛び込みはしません。それだけに第一線で飛び込み営業をしている人たちの現実は、衝撃でもありました。
私が同行したのは、その会社の全国1500人の社員の中で、トップの方でしたから、なおさら刺激的でした。前職では高級車を売っていたそうで、そのときも日本一を六年連続とったという50代の男性でした。約4時間。20件。個人、店舗、会社事務所などなどを回りました。トップセールスマンの方は、まず、外から家や建物を見て、入るところを決めています。私が想像していたのは、並んでいる家に次次、順番に飛び込むという感じだったのですが、彼は、外から見て、「ここにする」「ここは駄目」「あっちがいい」というのです。数件で、私も自然に分かったことは、「開放的で明るい」という家や店であることでした。たとえば、家であれば、庭に奥さんが出て水まきをしていると、外から声をかけます。玄関先でそうじをしていたら声をかけます。店なら、窓が大きくて光が差し込んでいるような店で、外から中がみえる美容院、パン屋、コンビニでした。
彼に聞くと、「成績の悪い人は順番に次次と飛びむけど、それはかなりのロス。人はドアをピンポンされてあけるのは、とても嫌なものです。こちらも、相手が嫌がる様子やときには罵声を浴びたり、シッシッという感じで追い払われることが続くと精紳的に辛い。でも、庭仕事をしていたり、玄関先に出ている人はとっても解放的な状態にあって、声をかけると、断り方も感じがいいんです。状況って人をとても変えるから、僕はできるだけ自分が話しやすい場所でお客様に声をかけています。そのほうが相手にとっても、気が楽なはずです」ということです。
また、「毎日、ちゃんとノルマを達成させて、翌日に持ち越さない。みんなは、今日は駄目だから明日がんばろう、と後ろへ後ろへ貯めていって、月末に苦しくなってます。僕は日々、必ず目標をクリアさせることを繰り返しているから、毎月トップなんです。夕方にはゆとりでお茶もできますから、会社から帰るのも一番早い。僕はトップになる、と決めているから、毎日、きちんと自分で立てた目標を実践しているだけです!」とさわやかにいわれた。
どんな業界でも、こうしたトップの人と出会うと、目標の決め方、生き方には学ぶことが多い。飛び込みセールスの世界でトップになる人は、特別精神面が強いわけでも凄腕なワケでもなく、自分自身が楽しくわくわくできる方法を知っている様子だった。
たった4時間だったけど、いい勉強をさせていただきました。
でも、やっぱりこれは誰にでもできる仕事ではないので、これからの若い人がチャレンジしやすい反響型も含めて、いろいろ考えてみます。

鈴木さん!本当に勉強になりました。わざわざ私のために、いつも以上のスピードで一日のノルマを達成させ、お茶タイムまで確保してくださった神業を見せていただき感激しました。プロは凄いです。アメリカでは営業のプロは、高度な専門職で、商品はその都度、依頼主の物を何でも売ると聞きます。鈴木さんも「僕は何でも売る自信があります。営業は物売りではなく、人と人との気持ちの交流のプロですから」という言葉が印象的でした。
それは、ビジネスの形がどうあれ、共通のテーマだと思います。参考にさせていただきます。

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日野佳恵子(ひの・かえこ)。島根県生まれ。90年創業。女性(主婦)マーケティングの パイオニア企業として注目を集める。企業・主婦・ハー・ストーリィの三者共働型マーケティングを開発する。「クチコミュニティ・マーケティング」は登録商標。 [ 続きを読む ]

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