土曜日に開催している「ハー・ストーリィ ビジネスカレッジ」のクリエイティブコースに、私も参加させていただきました。講師は中国放送の門田プロデューサー。広島では唯一、地方局のヒットメーカーとして知らせる人です。全国ネットのゴールデンタイムに、地方番組「週刊パパタイム」をぶつけて最高視聴率33%をという記録を立てた人でもあります。
彼との出会いは、副社長のさとうみどりの紹介でした。さとうは、昔、局の大道具さんでした(さすが頼もしい)。私たち2人が創業した当時、私たちの奮闘ぶりを聞いて、なんと90分のドキュメンタリー番組で「主婦たちの会社起こし」を追っかけ取材してくれました。
私たちにとって本当に記念の番組となり、今でも入社してきた社員にはこのドキュメンタリーを見せています。
私にとっては、テレビ局のディレクター→プロデューサーという道を華々しく歩んだ人という外からのイメージしかありませんでしたが、改めて組織の中で、自分のしたい番組を地方にありながら作っていく彼の努力、考え方、姿勢に感銘しました。近い人の話って意外にちゃんと聞くことがなくて、驚きの連続です。
まず、彼は新卒で入社したときに、夢をいくつかもっていました。たとえば地方で深夜番組を作りたい、とかヒット番組をつくりたい、とか、ミーハー的な夢としては浜田省吾に会いたいとか、吉田拓郎に会いたいとか・・・。そのためにきっかけやチャンスが来ると、土日の休みを利用してでも仕事に参加したといいます。また、昔から学生などアルバイトの人たちで、いいなコイツと思う人には、サラリーマンでありながら、自分のお金でバイト料を払ってスタッフにして育てていたそうです。常に「いつかこんな番組をつくりたい」「いつかこんなことをしたい」という思いを何十年と変わらず持ち続け、人事異動で営業になったときも、いかにスポンサーを見つけて自分のしたい番組を作るか、というように意識や思考を変えてきたそうです。
そうしてミーハー根性で、浜田省吾や吉田拓郎にも会い、そのときにしっかりと縁を作り、のちにそれぞれのドキュメンタリー番組を自分の企画で手がけています。ミーハーがいつしかオリジナルの企画を実現させるまでになっていくところもさすがです。
夢の実現方法を門田さんは、「夢を描く」→「いつもいつも思う」→「思うと、いろいろ考える」→「実現に近づきそうな行動を起こす」の繰り返しで、近づいていくといいます。
また、同じ実行をするのでも、さらに番組としては、「したい番組を作る」だけではなく、ヒットさせることで評価が高まります。そこで、ヒットをさせるコツを彼は、[コンセプト]→[切り口]→[オリジナリティ]というステップで進めるそうです。これは、私たちの企画の立て方やクチコミで売れる商品のステップと似ています。
具体的に番組を例にいえば、「コンセプト」は広島の町の情報を提供する番組を作る!と考えていたとしても、それだけでは人は観てくれない。そこで情報番組を人に見てもらうためには、どうしたら見てくれるのか、という「切り口」が重要になる、といっていました。[切り口」は言い換えれば、「見せ方」「伝え方」です。クチコミでいえば「人が伝えるフレーズ」です。彼の番組でいえば、「お父さんを主役に」とか「深夜はHな番組で」といったように、基本は広島の情報番組であっても、人が興味を惹くテーマを探し、ひきつけることでヒットを作るそうです。あわせて、もっとも重要なのは、真似ではなくオリジナリティ。たとえば広島の番組なら、東京の番組を真似しがちですが、地方を逆手にとって、広島にしかできないことにトコトンこだわることで、地方だからこそ地方の人が大勢見たくなる東京ではできない内容を作ればヒットする、という法則です。
「オリジナリティを考えるということは、長く続くことなんです」というひと言はインパクトがありました。私たちもマーケティングではよく「独自性」とか、私の場合は[一本立てる]というのをよくいいますが、彼しわく、オリジナル性は寿命を長くさせるコツなのだそうです。なるほどそれを考えたことはありませんでした。いわれてみると、もの真似はブームやヒットのものが多いでしょうが、誰もしていないことの場合は、類似がないので息が長くなる、というのは言えるかもしれません。まさに企業の生き残りのヒントと同じです。
今、彼は広島の山の中を舞台にした「愛しのヒナゴン」という映画のプロデューサーです。これも昔の夢の中に「いつか映画をとる」というのがあったそうです。
そうそう、私も映画を作る動きをしているので(門田さんには、甘いぞー、といわれましたが)結局、お互いに応援しあって成功させましょう!ということで盛り上がりました。
みなさん、「愛しのヒナゴン」をよろしク御願いします(門田さん、見てる?)