立場と責任

テレビで子どもを平気で虐待したり殺してしまう大人の事件があとを絶ちません。前にも書きましたが辛くてやるせなくて苦しくて、その子たちの気持ちを考えると涙があふれてきて憤りがとまりません。

少し前に娘と話しをしているときに、私が無意識に「そういえば○○さんって、すごく性格がいいのよね。誰にきいてもステキっていうし、みんなほめるのよ」と私の知人のことを話すと、娘が怪訝な顔をして「どうして大人なのに、性格がいいとか悪いとかという話しになるの?大人は性格がよくて当たり前じゃないの?大人同士が性格がいい、といってほめるなんて何だかヘン」といわれました。
教育をうけ、さまざまな経験を積んで大人になります。子どもたちは大人にしかられたり、教えられたりして成長していきます。上から物を言う大人たちが「性格がいい」とほめることそのものがヘンで、性格の悪い人がいることが問題で、大人は子どもからみたら、ちゃんとしていて当然だろう(いや、当然であってほしい)と子どもからすれば思いたい、というのはなるほど分かります。

大人は体も口も腕力も子どもより強いのは当然です。心が育たないまま体だけがしっかりと大人になり、子どもを作ることは誰にでもできてしまいます。そういう性的なことだけは本能的にもっているから、「大人にふさわしいかどうか」は関係なく、子どもを世に送り出し、自分たちの稚拙さ、未熟さを棚に上げて、子どもたちに当たったり、道具や所有物のように扱ってしまう大人が世の中にはたくさんいます。それが子どもから見ると納得できないし、不思議でしょうがないようです。たしかに不思議なことです。極力そんな大人を輩出しない社会を作っておかなければ、これからさらに不幸な子どもたちが増え、愛し方、愛され方がわからない大人が増加していってしまいます。

でも、人間だから完璧なんてありえません。本当は「大人だから」とか「当然」といわれると大人もとっても苦しい。ビジネスの世界でも、責任者、管理者、役員、経営者・・・とにかく人の上に立つ立場になると、「責任者なんだからこれぐらい当然のはず」と部下や周囲から望まれるようになります。自分はたいしたことないのに、そんな立派じゃないのに、と思っていても、目上、大人、先輩、責任者と誰かより立場が上になると、下にいる人は「当然の理想的姿」を望みます。
それを自覚して、未熟な自分をそこに人格を高めていく努力をする人ならまだしも、それができない大人は実はとても多いと思います。

「大人だから性格がよくて当たり前なはずなのに・・・なぜこんな大人が・・・」
子どもから見れば、本当にそれは納得できないことでしょう。
責任や立場を持つことは大変だけど、やっぱりあとに続く人たちのために、できればその期待に応える【責任】を持って生きていかなければ、自分の行動は自分だけのものではなく、未来の人に影響を及ぼしていくのだと感じました。

「性格がいいから大人なの」「大人になるっていうことは性格がよくなるってことだよ」
本当は自信を持って子供にそう伝えたいけど、実は子どもも大人も対して変わらないし、思うほど大人は成長できないことを大人になって知ります。

「大人が性格のよしあしを話題にすることそのものがヘン」・・・という子どものひと言にドキッとし、大人としての立場と責任を改めて気づかされました。

コメント一覧新しくコメントを投稿する ]

コメントを投稿する

メールアドレスとお名前は必須となります。
メールアドレスは管理者のみに通知され、公開されません。

Profile

日野佳恵子(ひの・かえこ)。島根県生まれ。90年創業。女性(主婦)マーケティングの パイオニア企業として注目を集める。企業・主婦・ハー・ストーリィの三者共働型マーケティングを開発する。「クチコミュニティ・マーケティング」は登録商標。 [ 続きを読む ]

日野の生い立ち物語
日野佳恵子の著書
HERSTORY
ハー・ストーリィは、主婦マーケット専門のマーケティング会社です。「主婦の力をプロデュース」を合言葉に、web媒体とリアルネットワークを活用し、主婦のおしゃべりをコンテンツにするクチコミュニティ®・マーケティングという独自の名称で、事業を展開しています。

Information