経験のない人にいい仕事を望んではいけない
テレビを見ていて、たまたま女子大学生が「今、ニートの研究をしているんです」といい、「ニートの研究って?たとえば?」と司会が聞くと、「どういう家庭環境だとニートを作るか、という調査をしたんです。そしたら、家庭環境が複雑とかではまったくなく、親が子供に、自分のしたいこと、好きなことをしていいよ、といっているところが多いことがわかった」と答えていました。
これには私も最近、心あたりがある。子供ではなく、大人の場合・・・。
たとえば弊社に、マーケティングを学びたい、ハー・ストーリィで勤めたいといって転職をしてくる人がいる。弊社は成果主義が導入されている。つまり「売れる人が給与が高くなる」という仕組みがある。中途で入社をしてくると、研修期間はあるけど、それでも遅くて一年、早くて半年以内には成果が求められる。成果とは基本的に「自分の数字+営業職として会社に貢献すべき数字」だ。
すでに数字責任を持っている人や弊社に数年在籍している人たちは、この制度の中で生きてきた人だから、あとから入ってきた人に、「中途だから即戦力ですよね」と望む。
当然、それが最高だけど、中途=社会経験がある=前職の仕事経験であって、必ずしても「数字達成のできるマーケッターとしての完成」はしていない。
それどころか、多分、いきなり30代、40代の人が会社を辞めて「好きなことしたい」「花屋をはじめたい」「カフェをしたい」と思って独立しても、だからといって成功する人は少ない。年が多く、社会人を経験していれば、マーケティング力が全員高く、売上げが稼げ、成功できる・・・なんてことはありえない。
とくにこの日本では、学校時代から、「稼ぐ」ことを教えていない。どこか「お金の話」はタブー感があり、本当は社会に出て、何屋になっても、給与を得たり自営業をするには、食べていくためにお客様からお金がいただける【マーケティングセンス】が必要となる。マーケティングセンスとは、「店づくり力⇒集客力⇒販売力⇒改善発展力」の循環だ。
中でも、女性で社会人になって、この「自分で数字を作り出す力」を養っている会社は、多分、リクルートぐらいだろう。
経営者になって、多くの会合に出ると、男女を問わず若手経営者の多くはリクルート出身。これは有名な話。逆にいうと、リクルートはどんどん優秀な人が独立してきて、それでも大丈夫な会社・・・。はっきりいって凄いこと。
では、リクルートがどうしてこんなことが出来ているか・・・というと実は、「最初から新卒採用しかしない」「全員が採用担当意識」「営業会社として同じような先輩がどんどん集まっている環境がある」という風土・土台を作ることからはじめた歴史がある。
さて、一般のほとんどの会社ではこうした風土に徹底してこだわった会社がない。
なおかつ急成長の会社であれば中途入社を増やすから、どうしても「同じカラー」の土俵ができない。それどころかすでに他の会社の癖が身についてきている人たちの集団になるから、新しいカラーに全体色を作るのは新卒だけで採用を繰り返してきた会社の多分、10倍の労力がかかる。
それは中途がいけないとか新卒がいいという意味ではまったくない。それが自然なのだ。
話は戻るけど、「ニートの話」を聞いたとき、「見た目は大人だからといって、即社会でまともな人生を自らが選択し、生きていける人ではない、ことを周囲の指導すべき立場の人間が知っておく」ことがいかに重要かを感じた。
ではどうするのか。指導すべき立場の人は、「自分の得意は?」「自分のしたいことは」「自分の夢は」という前に、まずは「どんな得意な世界があり、どんなしたいことを見つけられ場があり、どんな夢が世の中には存在するのかを体験させること」が役割。個性の時代、ほめてのばす、好きを仕事に・・・と私もよくいう。しかし、これを勘違いする人がとても多い。
個性は、ある一定の土俵の上で発揮するもの。その土俵を与えるのは、導くべき指導者(親や上司)であり、コーチ役。
たとえばスマップが、ばらばらの個性なのは、スマップという土俵があるから生きる。イチローがすばらしいのもチームという土俵があるから発揮する。土俵はオーナーや監督、コーチが作るもの。個性はその上で発揮されるもの。メンバーの最高の成果、パフォーマンスが発揮できる土俵を作るのは、すべてオーナーや監督、コーチという演出集団の力なのだ。
「自由にしていいよ」ほど、人を育てない指導方法はない。
明確にチームとしての理念、方針を伝え、本人に何をしてほしいのか(チームのポジションを与える。ピッチャー、キーパーなど)を明確にし、その場所で最大の力が発揮できるトレーニング方法を与え、そのメニューをきちんとこなすよう指導する。それが指導する人たちの仕事。
何も与えず、何もルールがなく、何も役割を明確にしない場所で、「好きを仕事」には、最悪の結果となる。マネジメント者の責任が大きい。


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ん・・・・・納得。即戦力の意味合いが履き違っていたりすることが多い。『自由にやって下さい』は片言の英語も喋れない人をニューヨークの真ん中に放り出したまま、ほったらかしにするのと同じ事?!会社でも中途採用で入った会社は個人にとっては文化が違う。個々によりストレスの付加や気持ちの持ちようが十人十色。新卒後に入った会社の文化を何時までも遺伝子のように持っていることが殆どだから、分かっていてチャンスの場を提供したり、ツールを渡して、なおかつ、環境の中でのルールをきちんと理解してもらって殻を破るならばそれなりに、じんわりと行くならばサポートするくらいの度量が必要。思い当たることが多い内容でした。
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