徹底的に聞く、同行する、暮らしてみる
最近、ヒット商品の仕掛け人の方にインタビューする機会をいただいている。
広告業界の専門雑誌「宣伝会議」主催の『プロモーションケーススタディ』という講座で、進行役・コーディネイターをするためだ。
また、新刊企画として「定番、ロングセラー製品のブランドマーネージャーに聞く」という取材もしている。
この二つの仕事で、誰よりも得をしているのは、どう考えても私自身だ。
ヒット商品、ロングセラー商品の仕掛けには、従来にない斬新な視点、トライアルの新しい取り組みにチャレンジするなど、共通項がいくつかある。
その中で、最近の大ヒット商品の開発担当者たちに、はっきりと見られる調査方法が、「定量では見えない定性調査に徹底してこだわる」という姿だ。
定性調査とは数値化できない生の声で、インタビューやヒアリングなどがあげられる。以前から行われている手法ではあるが、さらに近年は、定性の質をより徹底して追求する傾向にある。
たとえば、架空の顧客像を作るペルソナ化という手法。これは、定量、定性の両面から導きだした主たる顧客像を架空に作りだし、この顧客が喜ぶであろう商品やサービスを考えていく、というもの。
また、エスノグラフィー調査と呼ばれる「行動観察」という手法も増えている。花王はいち早くこのエスノグラフィ調査を導入し、顧客を半年間観察、インタビューするなど、消費者理解に取り組んでいる。
そういえば、P&Gに関する本を読んでいたら、調査方法に、「Living it」(暮らしてみる・・・社員が消費者と一緒に生活して用事や買物をする)、「Working it」(働いてみる・・・社員が小売店の店員となって働いてみる)という社内プログラムがあるという。
また、人と人が直接会う調査だけでなく、もちろん最近は、ネット上のブログのコメントを読む、ツイッターの内容を集める、といった「コメント収集と分析調査」も重ねて行われている。ネットは、しがらみなく、自由に、本音を語っていることが、かえって教えられるヒントも多い。
こうして、ヒット商品の仕掛け人たちは今、定量と加えて、『人の声や生身の顧客の行動そのもの』という定性調査をトコトン深めている。
「徹底的に聞く」「同行する」「暮らしてみる」という、できるだけ顧客と同化を試みてこそ、本当の顧客心理が見えてくる、というものだ。
ヒットが出ない、売れないという場合、お客様がわからない、見えなくなった、、、というよりも、「お客様のことを今まで本気で見ていない」が、正しいのかもしれない。
そういえば、「明日は、ギャル家族のディズニーランド行きに同行の予定です!」と答えられた商品開発の方がおられた。たしかにこの例は、紙のアンケート用紙だけでは見えてこないことだらけだろう、、、と今から想像する。
来月は、いよいよ『女性と企業の対話ポータルサイト 暮らしの根っこ』をオープンさせる。
何度も何度もリリースしては、納得できずに一年を費やしてしまった。
「ワタシが主役」という書籍を昨年出して、あれから一年。本当に世の中は、生活者主導の「声を聞く社会」へと変わった。
お待たせした関係各位にお詫び申し上げます。でも、新しいサイトに、ぜひご参加していただきたい。
9月14日、「声を聞く、生活者主導マーケティングの実態~ソーシャルマーケティングとどう付き合うか」と題して、セミナーを開きます。定性調査の手法についても触れていきます。
お申し込みはこちらから
https://www.herstory.co.jp/oubocom/hs_seminar/

