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黒のリスクと女性を惹きつける店舗戦略

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.76

女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第76回目は、黒の使用に関する注意点や、女性客を惹きつける店舗づくりの重要性について、解説いたします。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。

 

ジェンダーレス時代のモノトーン支配とロゴデザインの変化


近年では、ジェンダーレスやユニセックスといった男女兼用の商品が増えていますが、「兼用」となるとモノトーンが圧倒的に多くなります。数年前には、アパレルブランドのロゴがどこも類似のモノトーンになって判別がつかないという論争がネットで話題になりました。デジタルが中心の生活になると、多くのロゴは認識しやすいシンプルでモダンなデザインに寄っていく傾向があります。


ファッションに見る男女の違いと女性の多様な選択肢


もともと、男性のトレンドカラーには変化の幅が少ないです。出かける場所や服のアイテムも限定的で、女性服のようにパンツ、スカート、ワンピースといった上下の組み合わせによる複雑な色合わせを必要とするアイテムは少ないのです。


一方、女性はトレンドを意識したファッションが早いサイクルで回ります。そのため、アパレルのファッションが似たり寄ったりになりやすい傾向があります。近年のアパレル不況により、このようなビジネスモデル自体に変化が求められていますが、それでも女性たちはサステナブルを意識しながら、些細なデザインや色の組み合わせを楽しむ人が多くいます。


「私はピンクが好きじゃない」「モノトーンが好き」という人が増えている一方で、女性はタイプ別やテイスト別に、多様な選択肢から自分に合ったものを選ぶことができる点が、まさに女性視点マーケティングの特徴です。また、女性はファッションアイテムにもバリエーションを求める傾向があります。


スポーツウェアやキャンプウェアであっても、機能性は重要ですが、それに加えて色や柄、デザイン、さらにはボタンの形に至るまで、さまざまな中から選べることが楽しいのです。


黒の使い方に潜むリスクと、女性を惹きつける店舗づくりの重要性


唯一、黒に注意点があります。黒は、女性そのものを外側から覆ってしまうような場所では使わないようにしてほしいです。たとえば、室内の壁全面や床全面、天井全面、外壁全面などが該当します。特に、子育て中の女性が多く訪れる店では、黒の量には注意が必要です。天井や外壁全体を黒で塗りつぶしてしまうと、女性や子どもが立ち寄ることが少なくなってしまいます。


これは私自身がコンサルティング先で、何度も本当に体験した事例です。オープンから数日間はかっこいいと近づいても、1ヶ月もすると誰も近づかなくなるということが起こります。


真っ黒は、暗闇をイメージさせます。危険や恐怖、閉塞感が女性の本能によって回避されるのです。


ユニセックスなブランドや店舗では、ロゴがモノトーンであっても、白の量を増やし、ナチュラル感や明るい自然光を大切にしてほしいです。樹木の茶や緑を足して、自然な優しさを作り出しましょう。優しさで迎えなければ、お客様が立ち寄らない店になり、客商売の意味がなくなってしまいます。



次回は、擬音語、擬態語について解説していきます。



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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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