大手ビールメーカーとの調査から見えた、お酒・ノンアルの飲み分けに見る消費者心理。
- 1月26日
- 読了時間: 5分
更新日:1月29日
ライフステージで変わる“女性インサイト”と“売場への本音”

※イメージ画像はAIを用いて生成しています。
近年、若者のアルコール離れが指摘されるとともに、ライフスタイルの変化により職場や友人同士での「飲み会」も減少傾向にあります。こうした「外飲み」文化が転換期を迎える中、お酒を飲む人も飲まない人も互いを尊重し合い、自分に合ったお酒との健全な付き合い方を提唱するアサヒビール株式会社協力のもと、消費者の飲用実態を調査しました。
調査を通じて浮かび上がったのは、「お酒を飲む/飲まない」という二択では語れない、女性たちの切実な心理(インサイト)と、売り場への明確な本音でした。
調査概要
全国の女性759人を対象に、お酒・ノンアルコールの飲用状況や飲み分けの実態、おつまみの選び方やスーパーマーケットのお酒売り場に対する意識についてインターネット調査を実施。分析にあたっては、年齢や家族構成といった属性だけでなく、ライフステージや生活背景を踏まえた独自の視点で分類を行い、行動の背景にある心理(インサイト)を読み解いています。

弊社独自の分析フレームワークに基づき、女性消費者を分類
ライフステージで激変する「母の飲み分け」事情
今回の調査で最も特徴的だったのが、子育てのフェーズによる母親たちの劇的な飲酒習慣の変化です。
乳幼児期世帯層(25〜44歳/0~未就学児の子どもと同居)
妊娠・授乳期後も無意識に続く“長期セーブ”
妊娠・出産・授乳期における物理的な制限は一般的ですが、注目すべきはその後の行動です。 授乳期を終えても「子どもは夜に急変しやすい。いつでも車で病院へ連れて行けるような状態でいたい」という子供の急病や夜間の緊急対応に備え、無意識にお酒をセーブするという気持ちがみられました。低アルコールやノンアルコールを選択し続ける切実な背景には、生活の優先順位の変化が表れています。
青年・成人期世帯層(45~64歳/高校生以上の子どもと同居)
子の成長と共に訪れる“お酒回帰”で一番楽しむ時期
一方、子どもが成長し、自分の時間が持てるようになる「青年・成人期ママ」層では、一転して全クラスターの中でもお酒を楽しむ意識が最も高い層へと変化が見られました。家事や育児のあとのリラックスタイムとして、確固たる飲用ニーズが存在しています。
若手シングル層(独身/25〜39歳)
「翌日に差し控えたくない」タイパ志向
アルコール離れの主役と思われがちですが、その理由は健康志向や節約だけではありません。「翌日の仕事や予定に影響を出したくない」「二日酔いで時間を無駄にしたくない」という、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する現代的な価値観が、お酒を控える要因となっています。

出典:女性クラスター別ノンアルコール飲料を選ぶ理由
おつまみ選びに見る合理性と「家族との共有」
家庭での飲用が主体となる中で、女性たちが選ぶおつまみの傾向にも独自のインサイトが見られました。
シニア層: ナッツやチーズなど、自身の健康意識や嗜好を優先した選択が中心です。
ママ層: 自分用のおつまみを別途用意するのではなく、子供と一緒に食べられる「スナック菓子」や、家族の夕飯のおかずを兼ねる「スーパーの惣菜」を自分のおつまみに充てるという、非常に合理的かつ家族中心のシェア行動をしています。

出典:女性クラスター別、よく買うおつまみやお菓子
売り場への本音:男性視点の提案から、女性が選ぶ場へ
本調査では、スーパーマーケットのお酒売り場に対する女性たちの要望も非常に明確でした。多く挙がったのが、どうしても男性目線に感じるという声です。
たとえば、「ビール×枝豆・唐揚げ」といったステレオタイプのセット提案や、量・価格訴求が中心の売り場です 。これらは合理的である一方、女性からは「無機質で選ぶ楽しさがない」と距離を感じさせてしまうケースも少なくありません 。調査から見えてきたのは、女性たちが「納得して選びたい」「楽しく選びたい」というニーズです。
直感的な選びやすさ:育児中の時短ニーズに応える、度数別・味別・シーン別の整理された陳列。
新しい発見の提案:お菓子や惣菜との意外なマリアージュを提案する、専門家やスタッフ推奨の「試したくなるPOP」の充実。
多様な選択肢:「酔いたくないけれど雰囲気は楽しみたい」ニーズに応える、低アルコール・ノンアルコール商品の拡充。
こうした生活者インサイトに基づく理解こそが、商品開発や売り場づくり、コミュニケーションを次の段階へ進める鍵になるといえるでしょう。

出典:自由回答で出た、おつまみに関するニーズ
女性の選択を理解することが、次の売り場をつくる
今回の調査で浮き彫りになったのは、女性にとってのお酒やノンアルコールの選択が、単にお酒が好きか嫌いかという嗜好の話ではなく、「家族への責任」や「時間の効率化」といった生活背景が、購買行動を決定づけているという事実です。
ライフステージごとに大きく変化する心理
表面的なデータだけでは見えない生活背景
「お酒離れ」という言葉では捉えきれないリアルな実態
今後のマーケティングにおいては、こうしたインサイトに寄り添い、従来の「スペック訴求」や「男性的なセット売り」から脱却し、女性が新しい食の楽しみを発見できる空間へとアップデートしていくことが求められています。
弊社では、独自の「女性消費者分類10クラスター」を用いることで、「顧客の本音が見えない」「新しい売り場提案の根拠が欲しい」という課題に対し、データに基づいたプロフェッショナルな解決策をご提案します。生活者の行動の裏側にある「なぜ」を読み解く調査・分析にご関心のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



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