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- 【特集】女性のウェルビーイングからビジネスを創造する勉強会
WELL WOMAN発表会に潜入! ビジネスプラン一挙大公開! HERSTORY主催の女性の健康課題を学んでビジネスプランを創造する異業種ワークショップWELL WOMAN第2回のビジネスプラン発表会レポートです。貴重なビジネスプランを一挙に大公開 講師陣 2022年 WELL WOMAN 第2期プロジェクト参加企業様 監修/協力・パートナー企業 子どものいたずらで、ママの固定概念を吹き飛ばそう 子育てを変えるで賞「いたずらんど!」 【受賞理由】最近、人々が集う場としてトレンドとなっている銭湯という場を選んだことは、 時代をキャッチしているといえる。また「いたずらんど!」というネーミングも素晴らしい(日野)。常に自分たちの課題を深堀りし、こうでなければならないという固定観念を持たない 姿勢で臨機応変にビジネスモデルを変化させた点が評価できる(永田)。スーパー銭湯だけ でなくさまざまな場所での展開の可能性がある。BtoB の視点から幅広い領域での取り組み ができそう(参加者)。 ■子育て中に感じる孤独は母親の内面と相関 私たちは女性の貧困という社会課題に着目し、女性の正規雇用比率が低下しやすい「出産 後のママ」を中心に女性のウェルビーイングを考えました。大阪府八尾市の 4 カ月および 3 歳半健診に参加した母親を対象にした無記名アンケートによれば、子育て中に感じる孤独は、 子育てへの満足感や自信の有無などという母親の内面と相関するもので、その原因は母親自 身の自己効力感の欠如。つまり、「自分にはうまく子育てできる能力が備わっていない」と思っ ていることにあることが分かりました。また別の調査では、実に多くの母親が理想の母親像 になれず自信を失い自分を責めている姿が浮き彫りになっています。私たちはその原因となっ ている、母親自身の固定概念を取り払い、自分自身を認めることのできる状態こそが母親の ウェルビーイングであると捉え、子どものいたずらでママの固定概念を吹き飛ばす「いたず らんど!」というサービスに着手しました。 ■ママが「自分で自分を認められる」人生をサポート 私たちは、母親の孤独や不安を解消できる場を設けたいと考え、「いたずらんど」という事 業を考えました。スーパー銭湯に併設した「いたずらんど」では、年齢ごとに分けたスペー スに保育士が常駐、安心して子どもたちが遊ぶことができます。また、子どもがやりたくな るようなグッズを用意、「だめ!」「やめて!」など言わなくてもいい環境を提供し、ママの持つ固定観念を取り払うきっかけを作ります。 「いたずらんど!」の特徴は4つ。「1. ターゲットはママ」「2. 危ない、汚れる、壊れる、 迷惑をかけるなどを気にしなくていい空間」「3 . 大変な育児の中にあっても子どものいたず らを笑い飛ばせるきっかけを作る」「4. 共通体験を通してママ同士の関わりを作る」ことです。 そして「いたずらんど」の事業を継続させるために、年齢に合わせたさまざまな事業を提供、 負の感情をプラスに転じるための事業展開を続け、子どもの成長だけでなく、ママが「自分 で自分を認められる」人生のサポートを続けていきたいと考えています。子育てを日々がん ばっているママが、大変なことも笑い飛ばせるように、また自分で自分を認められるように なってほしいと思います。 カラダもココロも元気に。好年期実現のための新しい朝食スタイル 新しい朝になるで賞「なないろ朝食便」 【受賞理由】宅食業界の中でマーケットの少ない「朝食×和食」に着目した点が評価できる。私自身が使ってみたいサービスでもある(日野)。思いついたさまざまなアイデアの根幹を考える中でたどり着い た更年期。アイデアを広げたり絞ったりを繰り返しながら本質 に行き着くというプロセスを十分に味わえたと思う(永田)。 自分も更年期世代のビジネスでいろいろな案を検討したが、食事サービスは思い付かなかった。ぜひ利用してみたい (参加者)。 ■家族や仕事を優先し「自分のこと」は後回しにしてきた更年期世代 私たちは、更年期世代の女性が毎日明るくイキイキと過ごせることを願い、商品・サービスを検討してきました。まさに今、更年期を迎えているのは、女性ホルモンの分泌量が大きく変化する40代後半〜50代の女性で、いわゆる第二次ベビーブーム世代を含みます。また政府は今年に入り「女性の更年期障害に関する 実態調査と支援策の検討」を明言。国を挙げた更年期対策が 始まる今こそがビジネスチャンスであると捉えました。更年期世代 の女性を見ると「女性が家事育児をすることが当たり前」と考え られた時代背景もあり、専業主婦は全てが子ども優先のワンオペ育児をこなしてきました。妊娠・出産しながら復職したワーキングママの第一世代は、ワンオペ育児と出世のハードルを抱えながら 仕事と育児を両立。 雇用機会均等法の第一世代である独身キャリア組は、男性と同様の職についたものの、出世という見えない 壁に向かってキャリアを築いてきました。それぞれの更年期世代 の女性たちは、家族や仕事を優先し「自分のこと」は後回しにしてきた世代でもあります 。 ■「更年期を好年期に変えて女性の笑顔を つくりたい!」という目標を掲げて そこで私たちは、カラダもココロも不調を抱える更年期を、「好き」 という漢字を使って「好年期」に変えることをコンセプトとし、変化を迎えるココロもカラダも愛して10 年先までイキイキとした 自分でいられる期間と定義しました。40~60 代の女性を対象としたある調査で今後の人生をより充実させるために必要なことを 聞くと全ての年代が健康と体力、関心の高い美容では全ての年代でバランスの良い食事だったことに着目、好年期のための朝食 習慣を届ける「なないろ朝食便」というサービスを考えました。 このサービスは、更年期世代に合わせて、質はもちろん、薬膳や発酵など更年期の不調ケアにつながるメニュー展開や料理のおいしさを引き立たせるデザインの使い捨て容器を採用しまし た。今回、年齢や性別、業種が異なる6人が「更年期を好年期に 変えて女性の笑顔をつくりたい!」という一つの目標に向かって 意見交換、価値観の違いを昇華させた過程は、社会のウェルビーイングにつながったのではないかと感じています。 ■掲載元 HERSTORY REVIEW 2022年11月号vol.64→ 詳しくはこちら 『女性のウェルビーイングからビジネスを創造する WELL WOMAN発表会に潜入!ビジネスプラン一挙大公開!』 ■WELLWOMANプロジェクト → 詳しくはこちら
- 【一般社団法人グラミン日本】女性視点を活かしたWebサイトに リニューアル。反響が大幅に向上。
一般社団法人グラミン日本 理事長 百野 公裕 氏 女性支援のマイクロファイナンス機関「グラミン日本」。ロゴ変更、Webリニューアルに合わせ女性視点での見直しを依頼。反響が大幅に向上。 グラミン日本様は、2006年にノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行の日本版。困窮者への無担保のマイクロファイナンス(小口融資)、就業支援などを行っています。2022年2月にリブランディングを実施し、ロゴマークを刷新。4月に公式サイトをリニューアルしました。ハー・ストーリィは、サイトのリニューアルにおいて女性視点から助言させていただきました。リニューアルサイトのオープンから約3カ月後の7月、リブランディングに至る経緯やサイト制作の苦労話などについて、百野公裕代表、事務局長の中川理恵さん、広報チームの奈良千尋さんにお話を伺いました。 グラミン日本 理事長 百野 公裕 氏 〈プロフィール〉 愛知県生まれ。米国公認会計士。 外資系コンサルティングファーム PwC、プロティビティ(旧アーサーアンダーセン)でマネージング・ディレクターとして勤務。 2017年8月よりグラミン日本準備機構の設立メンバー(プロボノ)として、グラミン日本の設立準備に参画。 2018年9月に前職を退職し、グラミン日本理事/COOに就任。 2019年10月より現職。 ■共創プロジェクトの目的 ・グラミン日本の独自性の明確化を模索。世界的な知名度のある「グラミン銀行」(バングラディシュでムハマド・ユヌス博士によって創設されたマイクロファイナンスモデルは2006年にノーベル平和賞を受賞)を祖とするグラミン日本らしさについて迷っていた。 ・関わるメンバーが多いため、ブランディング、CIを整理する上での方向性、意識統一に向けた整理に課題があった。 ■共創プロジェクトの内容 ・「誰に向けて」「何を」「どうしたいのか」を整理。特にシングルマザーに向けての発信を中核に女性視点での発信についてチーム内での学習会を開催し施策のポイントを意識統一。 ・ロゴマークの変更、Webデザインは、対象となる女性たちが共感し、自分たちの居場所であると感じることを意識。当事者の写真、等身大表現をアドバイスしプロジェクトを伴走。 ■導入成果 ・リニューアルした途端に実績、資料、数値を聞かれることがなくなった。サイトで支援を受ける人やボランティアスタッフの写真を見て、活動内容が伝わるようになったことは大きい。 ・問い合わせやボランティア志願の方に「実際にどんな人を支援しているかイメージが沸いた」とリクルーティングにも効果を実感している。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ■リブランディングで認知度アップを狙う 日野:まず、グラミン日本の立ち上げの経緯と事業内容について、ご紹介いただけますか。 百野さん:私たちは、1983年にバングラデシュでムハマド・ユヌス氏によって創設され、世界40ヵ国以上で活動するグラミン銀行グループの日本法人です。2018年の設立以来、マイクロファイナンスを活用し、生活困窮者に対する経済的な自立支援を行っています。具体的には、グラミン銀行の貸付モデルを踏襲し、5人一組の互助グループに融資しています。 通常お金を借りるには前年度の収入額などが必要ですが、私たちは、信用情報を照会しなくてもお金を貸付けできる免許を取得しています。預金取扱金融機関ではないので、「グラミン銀行日本」ではなく「グラミン日本」なんです。活動資金は、個人や法人、政府などからの寄付や出資で賄っています。他にも内閣府の休眠預金を活用するなど、さまざまな仕組みを利用して資金調達しています。 グラミン日本を立ち上げた2018年は、シングルマザーの相対的貧困と子どもへの貧困の連鎖がメディアでクローズアップされ始めた頃でした。そんな状況の中、グラミン銀行の創業者で日本法人の名誉会長でもあるユヌスさんと話し合い、 グラミンは日本でも貧困問題に注力すべきだという結論に至りました。 日野:設立が2018年9月。リブランディングを決断されたのが2021年で、初めて私たちがお会いした6月には、すでにロゴのリニューアルを検討されていましたよね。そこに至るおよそ3年間の歩み、リニューアルの理由と経緯をお話しいただけますか。 百野さん:日本には、年間所得122万円以下で生活している、いわゆる相対的貧困とされる人がおよそ2千万人います。6人に1人の割合です。300万以上の所得を経済的自立と定義付け、そこを目指して支援を行っています。ワーキングプア、学生、高齢者などいろんな人がいて、最初はそのすべてを対象に支援活動を行っていました。 でもユヌスさんから、特に女性、中でも子どもを持つ女性の支援に注力してほしいと言われたんです。もともとユヌスさんがバングラデシュで始めた支援の対象は99%が女性で、グラミングループ全体も女性支援に力を入れています。そこで、グラミン日本も支援対象を女性に振り切ることにしたんです。 それに合わせて、公式サイトの内容も変える必要がありました。進むべき方向性が定まったので、このタイミングで全面的なリブランディングを行い、グラミン日本の認知度を上げようと考えました。 日野:どんなサイトにリニューアルされたいとお考えでしたか。 百野さん:私たちの役目は、一歩踏み出そうとする人に手を差し伸べること、扉を開けたいと願う人の背中を押すことなので、彼女たちが「応援されている」と感じられるようなイメージにしたいと思いました。 具体的には、まず「貧困」という言葉を多用せずに私たちの考えや活動を伝えたいと思いました。この単語から思い浮かべるイメージは人によってバラバラですし、そのために貧困の現状が認識されづらいと感じていたので。 次に、マイクロファイナンスだけではなく、就労支援で女性の自立を目指していることも打ち出したいと考えました。コロナ禍では食糧や生理用品などの物資支援が主流でしたが、アフターコロナでは経済的な自立が重要です。 ■女性に特化した専門性とブランディング力に期待 日野:なぜハー・ストーリィにご依頼いただいたのでしょうか。 百野さん:女性支援に振り切ることから、女性の視点が重要だと考えました。そして、ちょうどブランドリニューアルを決めたタイミングで御社との出合いがあったんです。リニューアル前のサイトをひとめ見た日野さんが「ハートマークの手、男性の手に見えますね」と指摘されたとき、これは自分には絶対気づけないと思いましたね。 女性目線でのマーケティングを専門的にやっている会社を他に知りませんでしたし、女性の自立を支援されている会社です。女性を支援したい企業や団体の目に留まる機会が増え、より共感いただけるのではという期待もありました。 また、「グラミングループは他の団体とは格が違うのだから、ブランドをきちんと表現すべきだ」とおっしゃっていただいたことも大きかったです。 ■キービジュアルはリアリティを重視 百野さん:ブランドリニューアルの方向性を内部で共有し、意思統一することが非常に難しいと感じていました。そこで、まずは日野さんにマーケティングの打ち合わせに入っていただき、直接話していただく場を5回ほど設けました。その後で全体会議にも参加していただきました。最初の何回かは内容がブレてしまい、そのたびにビシッと軌道修正していただきました(笑)。みんなで一緒に話を聞くと違いますね。だんだん目線がそろってくるのが分かりました。 奈良さん:「支援の受け手側と提供側、双方の顔が見えるようにするといい」というアドバイスを受け、シングルマザーの方々に写真の掲載許可をいただいたり、ボランティアを集めて撮影したりしたことですね。グラミン日本の広報チームとしては初めての試みで手探りでしたが、おかげで顔の見えるサイトに近づいたかな、と思います。キービジュアルの重要性を学びました。 日野:本当に素敵な写真をたくさん集められましたね。ご苦労されたことと思いますが、人はリアルしか信じません。特にソーシャルビジネスではリアリティが大事です。生き生きした表情の写真とレンポジでは、与える印象が全然違います。今後も写真のストックは増やされるといいですよ。 ※サイトページのビフォー(左)アフター(右) ■メッセージは、言い切った方が刺さる 日野:私たちがアドバイスした中で、特に参考になったことがあれば教えてください。 奈良さん:メッセージをどう打ち出すか話し合っているとき、日野さんに「なぜ女性を支援すると言い切らないんですか」と聞かれ、答えることができませんでした。2018年から3年間、貧困の解消をテーマに活動をしてきて、女性に限らずいろんな人を支援してきました。そういった過去に未練というか配慮のようなものがあったんですね。「女性を支援すると決めたのなら、言い切った方が刺さる」というアドバイスをいただいていなければ、今のサイトはなかったと思います。 最終的にブランドメッセージには「女性を中心として」という文言を入れ、キービジュアルも女性に絞り、ロゴやカラーも女性を意識したものにしました。現在は法人向けサイトやシングルマザー向けのサイトを制作中で、迷ったときはハー・ストーリィ様からいただいたコメントを見返しています。 百野さん:多様性の重要性が叫ばれている中で、女性だけに支援するのはどうかという思いもありました。でも、実際に困窮している人の多くは女性なんですよね。ブランドリニューアルを進めているさなか、ジェンダーを無視した政治家の失言がありました。直後に経済同友会の講演があり、企業もジェンダーを無視した言動はダメだという共通認識ができました。私たちにとっては世の中の流れが追い風になった形で、振り切って良かったと思いました。 中川さん:私は、女性は環境によって生活や考え方が全く違うという御社の分析レポート、29種類のペルソナを見て「ああ、そうだ。こういうことだったんだ」と全員が腑に落ちた瞬間が印象に残っています。 左から事務局長の中川理恵さん、百野代表、広報チームの奈良千尋さん ■活動内容が理解され、実績を求められなくなった 日野:リニューアルサイトの評判、反響はいかがですか? 百野さん:以前は必ず実績を聞かれましたが、リニューアルした途端に聞かれなくなりました。私にとってはこれが一番大きな変化です。たぶんサイトで支援を受ける人やボランティアスタッフの写真を見て、活動内容を理解できたからでしょう。資料で数字を見せる必要がなくなりました。 奈良さん:グラミングループの一員として、ロゴのモチーフはグラミン銀行と同じ「家」にしました。「家」は安心できる場所の象徴でもあります。新しいロゴは明るくシンプルで私自身も気に入っていますし、社内でも好評です。 中川さん:「一歩前へ」という前向きなメッセージが伝わるロゴだと思います。私たちが実現したいと思っている、支援者が未来に向かって歩き出す姿がイメージできます。何より、私たちの理念や活動内容を説明するとき、このロゴを見せながらだと話しやすいし、相手に伝わりやすいんです。 新ロゴマーク ■活動を全国に広げ、地方の女性も支援していく 日野:どのような活動に力を入れていきたいかなど、今後の展望をお聞かせください。 百野さん:自立するには働いてお金を稼ぐ必要がありますが、スモールビジネスの起業は難しいため、安定した雇用も大事です。そこでマイクロファイナンスだけではなく、昨年から就労支援も始めました。企業に協力いただき、デジタル関連の知識や技術を身につけることで、DX人材としての就労支援などを進めているんです。 リモートワークが広まったことで、地方でもスキルがあればサポーター企業に雇用してもらえます。先日は、株式会社MAIAとSAPジャパン株式会社と進めている、女性デジタル人材の育成や就労支援を行う事業「でじたる女子活躍推進コンソーシアム」で、愛媛県と連携協定を結びました。すでに仙台支部はありますが、全国にグラミン日本の支部を作ろうと考えています。企業だけでなく政府にも協力を仰ぎ、官民連携を図りながら、マイクロファイナンスと就業支援の両方を全国展開していくつもりです。 ■女性のマーケットの大きさを、広く伝えてほしい 日野:ハー・ストーリィに対して、今後のご期待やご要望がありましたらお願いいたします。 百野さん:大企業ほど女性を戦力とみなしておらず、女性のマーケットを小さいと思っています。でも実際に人口の半分は女性ですし、女性の方が長生きですし、女性が就きやすい職業も増えているし、働き方も多様化しています。女性のマーケットは非常に大きいものだということを、もっと広く伝えていただきたいです。 日野:2018年の立ち上げ当時にはなかったコロナに加えて、今は円安やエネルギー問題もあり、多くの人が経済的に苦しい状況にあります。百野さんからエールをお願いいたします。 百野さん:日本人はよく自分を他人と比べますが、それが苦しみを生む場合も多いように思います。他人との比較はやめ、どれだけ成長したのか過去の自分と比べてみてください。 日野:官民連携を図りながら、全国展開を目指すグラミン日本。今後、より多くの人に影響を及ぼしていくのではないでしょうか。リブランディング、活動の窓口となるサイト制作に関わることができ、うれしく思います。またご一緒できる日を楽しみにしています。本日はありがとうございました。
- 【株式会社東武ストア】駅直結の新店舗に女性視点を活かし、モノを売るだけでなく、人をつなげる場としての可能性を探る。
株式会社東武ストア 代表取締役社長 土金 信彦 氏 地域のお客様の食と暮らしを支えるスーパーマーケット。駅直結の新店舗に女性視点を活かし、モノを売るだけでなく、人をつなげる場としての可能性を探る。 東京、埼玉、千葉エリアで食品を中心としたスーパーマーケットを展開している株式会社東武ストア様。2021年3月、64店舗目となる「東武ストア新河岸店」が東武東上線「新河岸駅」(埼玉県川越市)に直結した複合ビルの2階にオープンしました。店舗立て替えにより3年間の休業、上層階に女性専用マンション「ソライエアイル新河岸」を持つ複合ビルといったこれまで経験のない出店に向き合うため、ハー・ストーリィは、地域の実態調査や女性視点での店舗プランニングなどを担当させていただきました。オープン間もない4月、当初課題への対応の様子や滑り出しの状況などについて土金信彦社長に伺いました。 株式会社東武ストア 代表取締役社長 土金 信彦 氏 〈プロフィール〉 1955年4月26日生(65歳)埼玉県出身 1979年3月 中央大学商学部卒業 1979年4月 東武ストア入社 2001年3月 同社日配食品部長 2003年3月 同社惣菜部長 2009年2月 同社商品本部長 2009年5月 同社取締役商品本部長 2012年5月 同社常務取締役商品本部長 2016年4月 同社常務取締役営業本部管掌兼商品本部長 2016年5月 同社専務取締役営業本部管掌兼商品本部長 2017年3月 同社取締役専務執行役員商品本部長 2018年3月 同社取締役副社長執行役員営業統括 2019年3月 同社取締役社長(代表取締役)、現在に至る > 株式会社東武ストア ■共創プロジェクトの目的 年齢や時間帯での買い物行動の変化については日頃より分析を行い、数値的なデータを基に店舗づくりを行ってきた。その結果、商品の品質や価格等が優先事項となり、売り場での女性客に魅せる(楽しく追加購入していただく)企画ノウハウが社内に構築されていなかった。女性客のニーズに寄り添いながら、商品を提案する売り場企画を具体的に取り込もうと新店オープンのタイミングで始動した。 ■共創プロジェクトの内容 今回ご依頼いただいた、新河岸駅周辺に住む地域女性たちの声を徹底分析。周辺利用者データも参考に顧客像のクラスターイメージをメイン、セカンド、サードと3つ作り、実際の女性たちに生声インタビュー。地域女性の声を分析して、店舗コンセプトメッセージやどんな商品をどんな風に提案されていたらうれしいのか、など女性のインサイトに基づいた店づくり ■導入成果 ・地域密着のお店を創る上でのお客様視点の取り入れ方が社内に理解、導入できたことは大きい。中でも塾が周辺に多いことで、学生や子育ての方々が立ち寄れる商品の重要性を再認識した。 ・女性向けのマンションとの併設立地だったことを考慮し、1人暮らしの女性が欲しい商品の充実や地産地消の充実などはお客様に評価されている。見せ方などにも新たな視点が持てるようになった。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ■「男性と女性の認識の違い」に気付き、女性視点に着目 日野:2019年に私鉄系スーパーマーケットが集まる(株)八社会で講演させていただいた時、土金社長に初めてお目にかかりました。2020年から、新店のオープン準備に携わらせていただき、社員の皆さまに向けてお話する機会も頂戴しました。弊社にご依頼いただいた理由から、お聞かせいただけますか。 土金さん:講演の資料で、「世界の消費の64%は女性が買っている(出典:ウーマンエコノミー)」という記述がまず目に飛び込んできました。当社も、現場で働く従業員の7割が女性です。これまで、女性向けの売り場作り、女性が活躍できる職場について考えてきましたが、なかなか具体的な形になりませんでした。それが、日野さんの講演で「そもそも事実確認する左脳が優先の男性と、左右の脳で考える女性は違う」「男性はBuy(目的買い)で、女性はShopping(買い物をする)」という話しを聞き、ハッとしました。男性と女性の認識に違いはあると分かっていましたが、「何が」違うのかをこれまで深く考える機会がありませんでした。これは私も含め全員が勉強させてもらわなければと思い、日頃から女性のお客様に接している店長、社員に向けた講演をお願いしました。2020年下期にご講演いただいた内容は、社内で大変好評でした。 日野:小売業の方は、お客様に女性が多いことはみなさんご存知ですが、女性と男性の判断に差があることは、あまり研究されていないのでしょうか。 土金さん:当社では年齢や時間帯での買い物行動の変化については日頃より分析を行っています。コロナ禍の今、高齢者の方が混雑を避けて午前中の買い物に移行しています。高齢者の方が好まれる商品等については注視しています。例えばお弁当であれば、午前中は小サイズ・和風系の品揃え、お寿司であれば、午前中は巻き物、午後はにぎり寿司といった具合です。商品によりボリュームや内容を変えることはしていましたが、マーケティングにおける男女の視点の差という観点から商品作りは行っていませんでした。 日野:商品はご覧になっていたけれど、お客様へのプレゼンテーション、見せ方についてはあまり気になさっていなかったということですか。 土金さん:これまで、商品の品質・価格等が優先されていました。もちろん、プレゼンテーション・見せ方についても注意を払っていましたが、女性視点という意識はありませんでした。 そうしたところから、2020年下期からオープンを前にした新河岸店の店舗作りについてもアドバイスをお願いすることにしました。 ■「ほしい」に応えたら、品切れ続きの商品も 日野:新店舗が入る駅ビルは、1階テナントにカフェや保育園、フィットネスが入り、上層階には女性専用マンションがあることなどから、顧客層も女性が多いことが想定されました。現状はいかがですか。 土金さん:お客様はそれらすべてを一つの施設としてみますが、私たちはどうしても個々のパーツで見て、複合ビルであってもストアはストアとして考えてしまう。ただ今回は、鉄道の施設そのものに「女性視点」というプランがあったので、施設と一体感を持たせた店作りをしようと考え、迷わずハー・ストーリィさんにお願いしました。お陰様で滑り出しは上々です。 私は2019年5月に社長に就きました。新店は新たなトライの場所であり、その中で新しいマーチャンダイジングを積み重ね進化して行かなければなりません。これまでの当社は、大きな投資をして新店を出しても足踏み状態が続いていました。社長になり、マーチャンダイジングを進化させるためには私たちの器の中だけで考えていても殻は破れない、日野さんたちに外から殻を突いてもらったら変われるのではないかと考えたのです。 ※「塾帰りの子どもにちょっといいおにぎりを食べさせたい」という母親のインタビューコメントからも実現。コンビニエンスストアとちがった手作り感がうれしい 日野:私どもが行った街中や駅周辺の実態レポート、利用者様インタビューの声を内装や陳列などに反映してくださり、本当に素敵な店舗になっています。お客様のご利用も多いと伺い、私たちもうれしいです。 土金さん:インタビューでいただいた「塾の送り迎えの途中でサッと買い物をしたい」「平日夕方は惣菜を一品買いたい」という声に応えて入り口近くに惣菜を置いたり、レジ回りには翌朝用のヨーグルトや牛乳を揃えました。焼き立てパンやご褒美スイーツを求める声も多かったので、近隣の川越店で朝焼いたパンを昼過ぎから品揃えしています。 スイーツは評判が良く、私が行く度に売り切れているので発注量を増やすのですが、増やしても増やしても売り切れています(笑)。お客様に喜んでいただけて何よりです。 ※近隣にベーカリーがないため要望が多かったパン商品。高級ラインでも売り切れの日が続出 ■数字や効率より「楽しめる」レイアウトで回遊性アップ 日野:店内のレイアウトについても、ずいぶん工夫をなさっていますね。 土金さん:駅直結の施設は売り場が縦長になりがちですが、レイアウトで長さを感じさせないようにしました。男性はスペースがあると、どうしても坪効率、棚効率など数字を捉えてどこに何を置くか決めがちですが、女性はゆったり選べる楽しさを好むと伺いましたので、入り口に近い青果売り場の先に少し広いスペースを取るなどしました。 その効果もあり、奥までお客様が足を運んでくださっています。勉強させていただいたように、数字には出ない部分が女性のショッピングを後押しするということ。なるほどと、納得しました。最近は社内で、「レジ回りにもう少しゆとりを持たせては」といった議論が出るようになりました。 ※地元を応援したい気持ちに応えるべく企画した、地産地消コーナー。地元のお菓子などの商品を取り込んで応援 日野:女性が滞留し、商品を見て楽しんでいる様子を社員の皆さんが実感し、結果として数字にも表れつつあるということでしょうか。 土金さん:まさにそうです。そういったモニタリングが私たちには不足していました。地域を調査することはありましたが、価格やどの店を選ぶかといった相対的な比較で終わっていたので、「こうだったらいいな」といった「生の声」はつかめませんでした。 今の場所は立て替えのために3年間のブランクがあったことが心配でしたが、お陰様でいいスタートが切れています。 ※人気飲食店監修・ご当地レトルトカレーなど、バリエーション豊富に揃え選ぶ楽しみ、手に取りたくなる棚の見せ方を実現 ■会話を重ねてアプリ開発など、女性社員の感性に期待 日野:女性社員の方も期待に応えて頑張っていらっしゃいます。 土金さん:昨年の後半、お客様向けに情報発信するアプリの開発を男性チームが進めていましたが、日野さんの講演を聞いて男性の私たちではいいものは作れないと思い(笑)、一度白紙に戻し女性チームを立ち上げて一から作り直しました。最初は感性も乏しく見えましたが、日に日に良くなり、良いものができたと思います。 日野:女性たちのプロジェクトの進捗を見て、何か男性との違いは感じられましたか。 土金さん:私もそうですが、男性は「こういうモノを作ろう」と先に結論があり、そこから選択肢を考えがちです。しかし、女性は何度も会話をし、いろいろな話しの中から一つのものができ上がっていくので、これはずいぶん違うなと思いました。いろいろな話も、決して無駄にはなっていない。 日野:女性は一つ一つ納得しながら進んでいるので、そのプロセスを通過された皆さんは今後すごく活躍すると思います。 土金さん:先日、「#ワークマン女子(※)」に行ってみました。やはり女性客が多かったですが、皆さん、レジ前にある男性向けや子どもの商品も買っていて、誘い方がうまいと思いました。人の顔を出したPOPも目に付きました。私たちは文字で表現しがちですが、それでは誰も読まない。絵の表現は分かりやすいし、特に女性の方は感覚でパッと捉えるんでしょうね。当社もその点をご指摘いただいていたので、最近は顔写真などを出したPOPが増えつつあります。 (※) #ワークマン女子:作業服販売のワークマンの中で、女性をメインターゲットにした新コンセプトの店舗 女性社員の声を取り入れて作ったマスコットキャラクター。最後は数種類の中から全従業員に投票していただき決定。従業員参加型でキャラクター育成を実施中 ■ハー・ストーリィに期待すること 日野:ハー・ストーリィに対して、今後のご期待やご要望がありましたら、お教えください。 土金さん:当社は経営理念に「お客様のより良い暮らしに貢献する」と掲げていますが、今の時代、「より良い暮らし」とは何か。私が入社した時代は車を持つ、家を建てるなど、基本的にモノを持つことが「より良い暮らし」で、私たちもモノを提供することが使命でした。 しかし、コロナ禍の中で何を提供する事が「より良い暮らし」に貢献できるのかは、男性の私たちだけで考えただけでは答えが見つからない気がします。女性視点も交えて考えた時、初めてより良い暮らしのヒントが見えてくるのかなと思います。 日野:モノがあふれている今、モノからコトへ、コトから意味へ、意味から意義へ、フェーズが変わっていると考えています。そして世界中でSDGsやソーシャルという言葉が広がり、「消費する自分に責任が返ってくる」ということを多くの人が分かっています。 さらに、コロナによって直接的な接触が制限されてコミュニケーションが断絶しているので、自分の行動や消費が地域の何かや誰かに還元したり、何かの変化が見えるところに人が集まり始めています。 例えば、買い物を通じて誰かとつながることができるように店舗や流通さんが媒介になってくれるとすごく喜ばれると思います。 土金さん:そうしたヒントをいただいたので、地元を応援したい気持ちに応えようと、隣駅の川越から地元のお菓子やお酒、地元農家さんの野菜などの商品を取り込んでいます。 最近、川越エリアでものづくりをする若い方の活動が増えています。それらを紹介するインフォメーションボードも川越店内に作りました。そういった人を応援したいという方々が増えるかもしれないし、間接的に人や何かをつなぐ取り組みが、結果的にいつか当社に戻ってくるような仕組みが作れるのではないかと思っています。これまでの単なる販促物をお客様とのコミュニケーションツールにしていく。 こうした事で、物を売る場が人をつなげる場に変化していく気がします。ハー・ストーリィさんからヒントをいただいた中で、できるところからやっていきたい。 ※「作った人の顔がみえる」を実現した地元の農家さんの野菜売り場 日野:コロナ禍のいま、安心して人と会える場所は少ないです。でも、お店は店長さんや店員さんもいるので、安心して買い物ができるセーフティーゾーンであり、特に女性にとってはコミュニティの場にもなると思います。 今後は、お子さまやお母さん、家族みんなの元気でしあわせな暮らしを応援する役割を果たしていかれるのではないでしょうか。これからをますます楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。 ■対談を終えて 日ごろから地域のお客様を大切にされ、努力をされている東武ストア様。 女性視点の買い物行動に関心を持っていただきました。最初は、社内向けの講演会を開催。社長の号令の下、皆様一丸となって新店づくりに取り組みされ、感動しました。私たちも、自分が行きたいお店づくりを考えました。女性視点のお店が広がることを応援させていただきます。
- 女性たちが見ている10年後の消費社会 市場の8割を左右する「女性視点マーケティング」
昭和、平成、令和――大量生産、大量消費の時代は終わり、 モノからイギ消費へ、“感じる"マーケティングの時代になった。 自分、夫、子供、親、友人、地域、社会。 幅広い領域で「買う力」 「選ぶ力」を持つ女性へのマーケティングは必須の課題。 「女性視点マーケティング」とは、もうひとつのマーケティングである。 そして、女性消費者は、マーケットに大きな影響をもたらす消費リーダーであることを考えれば、女性視点マーケティングを今からでも急ぎ実践することは、見えなかった世界が広がっている可能性に満ちていることに気がつく。 女性消費者にしか感じ取れていない“未踏の地=新市場"を開拓するヒント。 ワークマン、スープストックトーキョー、ディーンアンドデルーカ、GUなど、女性の感性に訴え、選ばれている企業の事例を紹介。 次世代につながる消費キーワードを、さまざまなデータとたくさんの事例を通して解説していく。 【目次】 プロローグ 女性視点から社会を見れば、10年先が見える 第1章 女性トレンド最新キーワード 第2章 女性に関するデータの変化を見れば未来が見える 第3章 女性は買物の9割に影響を及ぼす消費リーダー 第4章 女性視点マーケティングのビジネスモデル事例 第5章 女性視点マーケティングの成功に導く5つの理解 第6章 女性視点マーケティングの実践トレーニング 第7章 2021年以降、伸びる女性マーケットと着眼点 第8章 女性特有の「ブルー消費」は空白ゾーン 第9章 女性たちが見ている10年後の消費社会 ------------------ 著書:日野佳恵子 出版者:同文舘出版 出版日:2021/2/5
- 【佐川グローバルロジスティクス株式会社】物流業界のトップランナーとして国内外のお客様をサポート。 「モノが売れない」時代の到来に、独自目線を持つ女性リーダーを増やして新規開拓を目指す。
佐川グローバルロジスティクス株式会社 代表取締役社長 森下 琴康 氏 社員研修は講師の質がものを言う日野さんの自らが組織を動かす経験値こそ直に社員に聞いてほしい 佐川急便株式会社をはじめとした事業会社で構成される総合物流企業グループ、SGホールディングスグループの一員で、先進的なロジスティクスを提供している佐川グローバルロジスティクス株式会社様。ハー・ストーリィでは、社内公募した上位職を目指す女性社員向けのリーダー研修などを通して、広い視野と知見、意欲を持ってリーダーシップを発揮できる人財を育成するお手伝いをしています。社会の流れを受けて大きな変化が見込まれる物流業界において、女性社員が持てる力を発揮することで開拓を目指す将来的な展望などについて森下琴康社長に伺いました。 佐川グローバルロジスティクス株式会社 代表取締役社長 森下 琴康 氏 〈プロフィール〉 1988年4月 東京佐川急便㈱ 入社 2006年3月 佐川急便㈱ 鴨川店 店長 2010年6月 佐川急便㈱ 甲信越支店 支店長 2012年9月 SGホールディングス株式会社 グループマネジャー 2014年6月 佐川急便㈱ 執行役員 営業担当 本社営業部長 兼務 2016年3月 佐川グローバルロジスティクス㈱ 取締役 2016年9月 佐川グローバルロジスティクス㈱ 代表取締役社長(現在に至る) > 佐川グローバルロジスティクス株式会社 ■共創プロジェクトの目的 パートを含め約7割が女性社員。社員の多くはルーティンワークに長けてはいるが、これからの会社のビジョンを実現するには全体を俯瞰する目を持つ人財、よりよくなる改善する目を持つ人財を育成していく必要があると感じていた。これまでにも社員研修は実施してきたが、これといった成果を上げることができていなかった。 ■共創プロジェクトの内容 社内公募した上位職を目指す女性社員向けのリーダー研修を実施。4カ月の研修の中で、ロジカルシンキングと課題解決力、リーダーシップとチームマネジメントのスキルについてサポートしました。 ■導入成果 ・研修会社は多数あるが、HERSTORYから得た成果は、女性の生き様、マーケティングやビジネスを創造する力そのものを共に学んだ時間。女性社員にとって大きな刺激と活性化につながった。 ・チームでビジネスプランを考えて経営陣にプレゼンをする機会を持ったことで、会社のビジョンの理解、強み、そして女性ならではの視点が活かせる着眼を得られたことは今後の社内に貢献できる。 ■INTERVIEW 取材日:2020年12月時点 インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ■日野さんの自らが組織を動かす経験値こそ直に社員に聞いてほしい、私が尊敬できる人に教えてほしいと思い、日野さんのプログラムを選びました。 森下:リーダー育成や新入社員向けの研修を何社かにお願いしましたが、望んだほどの成果はありませんでした。圧倒的に足りないと思ったのは、インストラクター自身の実業の経験値です。自分で何かを企画し、責任ある立場でリーダーシップを取って人や事業を動かした経験がない方たちだったので、教育プログラムは良くできていて理論はあっても、こちらが納得できる経験談を聞くことはできませんでした。それに対して、日野さんご自身がものすごくたくさんの経験を持っていらして、私自身がいつも多くのことを教えてもらっています。それも納得できることばかりなので、私が大事にしている部下は、私が尊敬できる人に教えてほしいと思い、日野さんのプログラムを選びました。 ■「モノを買わない」流れを受け、成長する海外への進出のためには女性の活躍が必要 森下:日本全体が、モノを買わない方向に進んでいます。自動車や自転車を買う人が減り、ファッション業界もシェアリングにシフトしつつあります。こうなると、我々3PLの業界にも影響が出てきます。私たちのお客様であるアパレル、化粧品やコスメ、医療関連、電子部品・精密機器などを製造・販売する企業の方々は、売り上げが減っているとおっしゃいます。僕自身は所有欲があるので欲しいモノは買いますが、社会的には「モノは所有しなくても必要な時に使えればいい」という方向に価値観が変化しています。この点に、お客様も我々も強い危機感を持っていて、国内でも新しいサービスの展開を模索しています。そのためにも、未来を創造し、行動につなげられる人材を育てることが急務で、女性社員たちにはその力があると思っています。 国内市場が縮小することが予測されていくので、消費が伸びるに国に進出を考えるのは当然の流れです。 例えば中国のような人口が多い国は10代など若年人口も多く、生活水準が上がる流れにあるのでマーケットにチャンスがあります。日本の10倍の人口がいるのに対し3PL分野で動く金額は日本と同等なので、今後まだまだ伸びると思います。そのような国で事業を拡大していきたいですし、日本で学んだことや蓄積したノウハウは海外でも生きると思います。今の若い社員には中国、ベトナム、インドなどの海外でも働いてほしいです。 ■自ら判断することでビジネスを進める 森下:これからは海外市場がますます現実味を帯びてきています。女性社員でも出張や海外赴任にもチャレンジして欲しいと考えています。 海外で仕事をする時は、自分で考え、判断できることがより大切になります。中国のビジネスマンは判断が早い。でも日本人に判断を求めると、「本社に聞いてみる」と待たされ、揚げ句にペンディングされることがあります。これも日本の文化ではありますが、世界に出ていく時はこうした対応も変えていかなければいけません。日本式の生産管理や倉庫業務に関するノウハウは役に立つと思います。でも海外進出する時は、日本人だけで出向いて商売を展開するのはかなり難しいし、できたとしても日系人相手の仕事しか取れません。ですから現地に浸透するためにもマネジメントもセールスも現地の人にお願いし、ベトナムに行ったらベトナム人と商売したいと考えています。そんな場面ではきちんと意見を言い、迅速に判断できる人材が求められます。 ■業務上の女性のハンデは限りなく少なくなってきた リーダーシップと巻き込む力でチーム力アップへ 森下:そうした現状から、今いる女性社員の方には国内での新ビジネスを創出したり、独自の着眼点や積極性を持って欲しいという気持ちがあります。 何人かには既に一定のポジションを任せていますが、リーダーは圧倒的に少ない状況です。今は女性が持てないほど重いものはほとんどないので、作業面で女性にハンデはありません。かつてあった長時間労働も今はなく、時短も育休も使えて、男性が育休を取ることもあるなど職場環境は整っています。ただ、女性リーダーのロールモデルがいませんでした。運送業が主な業務で男性中心だった時代にできた風潮が、組織が大きくなり、業務内容が変わった今も固定概念になっているのかもしれません。マネジメントの仕方も変わっているのに、これまでのやり方から変われない男性が多いことも要因かと思います。 森下:研修を受けた社員からは「世の中を見る目が大きく変わった」という声がありました。情報をインプットするだけで世界が変わるということはあると思います。僕としては彼女たちに女性管理職のロールモデルになってほしいというのが、願いです。 既にリーダーになった女性たちには「周りの人が付いてきてくれない」といった悩みがあります。自分が変化した経験から、同僚や部下にも変化してほしいと思って「こうしてみたら」と経験を伝えて後押ししようとしても、なかなか行動に移さない、付いてきてくれないようです。そういう人達にはどうしたら周りを巻き込めるか考えて欲しいし、まだそういう経験がない人はこれから変われるチャンスはいくらでもあると思ってほしい。女性が力とスキルを身につけることでチーム力がアップすることを願っています。 女性社員向けのリーダー研修の様子 日野さんの研修を通じて、「判断力」「決断力」を養って欲しい。彼女たちにとっては日野さんがロールモデルであり、直に接することができたことが大きな収穫になっていくと感じています。 またこの研修を通じて女性たちから出てきたアイデアや企画は実行するところまでやってみる。机上の空論にならないように、実践的な学びを得られたことがとても良かったと思っています。 ■対談を終えて SGホールディングスグループのロジスティクス事業を担う佐川グローバルロジスティクス株式会社の森下琴康社長とはある経営セミナーがご縁で「女性トップリーダー育成プログラム」を導入させていただきました。今や物流はなくてはならない社会インフラです。法人の業種・業態別にロジスティクスソリューションを法人顧客の課題に合わせて提供する強みを持つ佐川グローバルロジスティクス。顧客にはアパレル、化粧品・コスメ、Eコマース等の女性視点が重要な取引先も多く今後の女性トップリーダーたちの活躍に期待が高まります。全国各地から集った女性たちとマーケティング思考と女性視点の融合から新たな事業が創造されることを期待しています
- 【敷島製パン株式会社】SNS専任部門を設置しファンサイトの会員数急増。お客様の声や社会のニーズをスピーディに掴み、商品開発や販売に活かし続ける。
敷島製パン株式会社 代表取締役社長盛田 淳夫氏 2020年には創業100周年を迎える敷島製パン株式会社様。Pascoブランドの「超熟」は食パン市場でNo.1シェアを占めるなど、数々の人気商品を送り出されています。 ハー・ストーリィでは同社のファンサイト(パスコ・サポーターズ・クラブのサイト「Pascoとおいしい時間」)やSNSのアドバイザーをさせていただいています。SNS専任の部門を設置し、お客様の声や世の中のトレンドを掴む同社の商品開発や販売、目指す未来について、盛田社長に伺いました。 敷島製パン株式会社 代表取締役社長 盛田 淳夫氏 〈プロフィール〉 昭和52年 4月 日商岩井株式会社入社 昭和57年10月 敷島製パン株式会社入社 昭和62年11月 常務取締役生産本部長 平成 4年11月 代表取締役副社長 平成10年11月 代表取締役社長 > 敷島製パン株式会社 > パスコ・サポーターズ・クラブ ■共創プロジェクトの目的 お客様の声をストックしておく部門を中心にして社内のコミュニケーションを活発にしなければと思い、SNS専任の部門「SNSマーケティングコミュニケーション室」を立ち上げ、ファンのコミュニティサイトの活性化を目指しました。 ■共創プロジェクトの内容 お客様とダイレクトにコミュニケーションがとれるサイトの企画から運営まで、その大切にしなければいけないポイントなどノウハウを女性視点マーケティングでサポート。ニーズをスピーディに掴み、 独自のマーケティングに活用。 ■導入成果 メーカーは、消費者との接点をとることが難しい中で、顧客とのコミュニケーションをダイレクトにできるサイト「パスコ・サポーターズ・クラブ」の運営をご支援いただきました。女性はクチコミ、SNSは情報伝達のツール、という女性視点とニーズを多数ダイレクトに得られるようになりました。今後も大切に活かしていきます。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ■単なる井戸端会議ではないクチコミの重要性 日野:盛田社長は数年前、私の著書をお読みくださり、そこから経営者団体に講演で呼んでくださったことが縁でしたね。当初は私たちハー・ストーリィにどんなことを望まれていたのでしょうか。振り返っていただければと思います。 盛田さん:男女の視点の違いなど、日野さんのお話はとても興味深く聞かせていただきました。私自身の普段の視点とはまったく異なる視点が、世の中には存在すると、はっきりと気づかされた気がしました。「クチコミ」に関しても、今までは井戸端会議的なものだと思っていたのですが、日野さんによれば「今の時代、クチコミはSNS」。当社はこれまでにもSNSというワードをテーマに話し合いの場を設けてきましたが、それを導入することによるリスクの方に議論が展開されてしまい、なかなか踏み出せずにいました。だからこそ、その分野に通じている日野さんにお声がけし、SNSがどんな効果を生むのかをお話しいただきながら、それをいかに活用して、お客様との新たなチャネルをつくっていくかを提案してほしいと思いました。 ■店頭催事やCMには無いインタラクティブな交流を 日野:SNSが私たちの生活の中に急に入ってきて、ライフスタイルを大きく変えていますね。Pasco様でも2003年にパスコ・サポーターズ・クラブを立ち上げてお客様の声を商品開発や販売促進に取り入れようとする動きがあったようですね。SNSを導入する以前からお客様の声を積極的に聞きたいという姿勢を強く感じました。 盛田さん:実際のところは、クラブの担当以外は、社内でもほとんど活動内容が見えていないという状況でした。情報のスピードが速い今の時代は、お客様の声を拾い、共有し、事業に反映させることが迅速にできなくてはなりません。社外とのコミュニケーション以前に、まずお客様の声をストックしておく部門を中心にして社内のコミュニケーションを活発にしなければと思い、SNS専任の部門「SNSマーケティングコミュニケーション室」を立ち上げることを決めました。 ■SNS専任部門を立ち上げ、顧客コミュニケーションを強化 日野:兼任ではなくて、専任の部門にされたのは、大胆でしたね。 パスコ・サポーターズ・クラブの運営管理も、「SNSマーケティングコミュニケーション室」が手掛け、会員様向けコミュニティサイト「パスコ・サポーターズ・クラブ 『Pascoとおいしい時間』」(https://www.pasco-sc.fun)が2017年にオープン。たった1カ月でこれまでの倍に会員数を増やすことができました。 パスコ・サポーターズ・クラブ 『Pascoとおいしい時間』サイトトップ 盛田さん:専任スタッフたちがフットワークよく取り組んでくれているようで感謝しています。それまで、パスコ・サポーターズ・クラブは商品モニターを実施したりとクローズドな会として情報をいただくことが目的になっていたのですが、今回は中身が大きく変わり、会員様自ら楽しんでいただけるコミュニティとなり、今まで以上に双方向に情報を活発にやりとりできるようになったことは大きいです。 パスコ・サポーターズ・クラブ 専任スタッフと会員によるお茶会の様子 ■変化する時代のなかで、「現状維持」は「後退」を意味する 日野:パスコ・サポーターズ・クラブの会員様向けサイトがオープンした時期と、「インスタ映え」が流行る時期とがちょうど重なりましたね。 盛田さん:日野さんに相談を持ち掛けた当初はFacebookが全盛だったのに、今はInstagramの方が若い女性たちを中心に広がりを見せているようですね。1年でもトレンドは大きく変化する。私は常々、社員に「現状維持=後退」と伝えています。常に前に踏み出していく改善と革新の姿勢を持っていなければ、世の中からあっという間に取り残されてしまう。今の環境が居心地が良くても、自分の意志とは関係なしに外部環境は変化するものなのです。気がつけば、時代の流れに置いていかれてしまうリスクがある。外の声を取り入れるための社内体制を整えることは、この考えに則ったものでした。 ■「パスコ・サポーターズ・クラブ」での声と、売り場での肌感覚を、商品開発の鍵に。 日野:なるほど、「SNSマーケティングコミュニケーション室」が発足したことで、社内にも情報のキャッチアップの仕方に変化が生まれるなど、よい効果はありましたか。 盛田さん:経営会議でもSNSの話題はよく出ます。また、営業スタッフにも、お客様が店頭に行き、Pasco商品を手にとるまでに接しているメディアはチラシではなくスマホであることは浸透しつつあります。例えば今は、スーパーの売り場でスマホを見ながら買い物をしている人が増えてきました。その目的はさまざまだと思いますが、料理動画を見ながら、それを自分でも再現しようと、野菜や精肉の売り場に行く人は少なくないでしょう。購買行動まで変えてしまうSNSやスマホの特性を、私たちは深く理解しなければならないと思います。 同時に、リアルな世界での肌感覚を鍛えることも、とても大切だと思います。次のトレンドの予測をするためには、パン売り場だけ見ていてはだめ。他の売り場、他の業界のトレンドを見ることが大切だと思います。 SNSマーケティングコミュニケーション室の会議風景 ■社会貢献をめざして「つくり」、最終消費者に向き合って「売る」 日野:なるほど、2020年に創業100年を迎えられるPasco様だからこそ、パンを消費する生活者の変化に敏感になり、新たな挑戦の糧とされているんですね。 盛田さん:売り場を見ていると、日々変化を感じます。核家族化が進み、単身世帯も増えている昨今、1斤6枚では多く、ハーフパック(半斤分・3枚入り)が着実に売り上げを伸ばしています。ケーキでも、大きなものよりも小さなホールケーキやアソート系がよく出ます。 日野:国産小麦「ゆめちから」を100%使った製パンに挑戦されたのも、市場のニーズを捉えて他社との差別化を図るためだったのでしょうか。 盛田さん:差別化が第一ではありません。当社の創業の理念として「金儲けは結果であり、目的ではない。食糧難の解決が開業の第一の意義であり、事業は社会に貢献するところがあればこそ発展する。」があります。 初代社長盛田善平は、米騒動の時、「小麦粉からパンをつくって米の代わりに供給すれば、米不足の解消になって世の役に立つのではないか」と考え、当時経営していた製粉工場の小麦粉を使って、製パン事業を始めました。 現在においても、食料自給率の低さは、日本の大きな問題のひとつです。2007~2008年ごろには、世界的な穀物相場の暴騰がおきました。当時の製パン業界では、小麦粉は100%輸入に頼っている状況であり、食料自給率向上とは無関係のように思われがちでした。海外からの小麦が輸入されなくなったらパンづくり自体ができなくなる危機感を抱き、ほとんど目を向けられていなかった国産小麦でパンづくりに挑戦しようと取り組みをはじめました。先進国の中で最低水準の日本の自給率を、どうにかして上げるために、私たちも貢献したいと思い、国産小麦「ゆめちから」で、100%国産小麦のパンをつくることをめざしてきました。創業100年を迎える2020年には「社内で国産小麦の使用比率20%」を目標に掲げています。 売り上げを伸ばしているハーフパック(半斤分・3枚入り)の商品群 ■生活者の変化をつぶさに捉えたいという企業姿勢を、SNSがバックアップ 日野:創業の精神を大切にしながら、新しい時代に向けて、着実にブランド化されているのですね。 盛田さん:「つくる」という点においては、広く社会に貢献したいという思いが強いです。そして、「売る」という点においては、やはり最終消費者の方々を大切にしたいと思っています。かつては、開発スタッフがつくった商品を営業スタッフが売りに行くという流れが主流でしたが、現在は逆。マーケットを熟知している営業スタッフの声を吸い上げた商品開発が必要です。米騒動の時も米の価格高騰に対する人々の不満を吸い上げて、私たちはマーケットを確立してきました。「売る」場面においては不満や期待と向き合う真摯な姿勢を大切にしています。 日野:それであればなおさら、SNS専任の部門をつくって正解でしたね! 盛田さん:その通りなんです。お客様の不満や期待と向き合い、また、お客様同士が作用し合って生まれる新たな話題にも向き合っていきたいです。SNSはそのトレンドを追うために最適な手段だと思います。時には、商品が、つくる側の狙いと違った使われ方をして話題を呼ぶ、なんてこともありますよね。情報が拡散してゆく時代に、そういうことも楽しみながら、お客様との信頼関係を築いていきたいと思います。 『超熟』のCMに登場するキッチンカーの出張イベントも開催、お客様とのコミュニケーションを図る ■ハー・ストーリィに期待すること 日野:ハー・ストーリィとしては、2016年からパスコ・サポーターズ・クラブのサイト「Pascoとおいしい時間」やSNSのアドバイザーをさせていただいていますが、その後、ターゲット層についてのレクチャーやご相談へのご対応、今後、私たちに求めることがあるとすれば、どんなことでしょうか? 盛田さん:やはり、外部からの視点を取り入れることを大切にし続けていきたいと思っています。自分たちの視点だけでマーケットをとらえていては、「井の中の蛙」ですから。当社は歴史が長い分、当社固有のモノやコトがたくさんあると思います。それらを一緒に振り返り、また、新しい時代に求められていることを模索していければうれしいです。 日野:かつてのマーケットに合わなかったことが、今、改めて求められている、ということはよくあります。最近のレトロブームもありますから、創業当初の菓子パンなどを掘り起こしていくと新たな発見があるかもしれませんね。また、私たちの最近の調査で、「パン」という存在は人間にとって「癒しのアイコン」という結果が出ています。雑貨や文房具の絵面としてパンが用いられていたりと、パンの「柔らかさ」や「香ばしい香り」というイメージは人々の幸せな気持ちに結び付くのです。そうした、「幸せ」をつくる企業様のお手伝いができて、私たちも光栄です。今後もPasco様のサポートを継続させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。 ■対談を終えて 手元に一冊の本があります。「ゆめのちから 食の未来を変えるパン」(ダイヤモンド社)盛田社長の著書です。 この本には、創業者の「食糧難の解決が開業の第一の意義であり、事業は社会に貢献するところがあればこそ発展する。」という理念を盛田社長が受け継ぎ、「国産小麦のパンを作って多くの方々に食べていただくことで食料自給率向上に貢献する」(P10)という強い思いをもって、国産小麦のパンづくりに向かっていく経緯、関係者たちとのやりとりの実話がまとめられています。身近な場所で見かけるPascoのパンに、こんな物語があることを知ることで、消費者としての私たちもまた国内需給率のこと、日本の暮らしや食生活について考えさせられます。 いつもおだやかな笑顔で迎えてくださる盛田社長。ほんの数時間の中に、いつも経営の本質、商売への向き合い方を教えていただけています。 ハー・ストーリィが得意とする「お客様視点を掴み届ける」ことを外部サポーターとしてこれからもご支援してまいります。何よりもパン大好きな私は、Pasco様とのご縁そのものがしあわせな時間をいただいています。ご発展を応援してまいります。
- 【株式会社メガネトップ】新卒社員の7割が女性の会社で考える「女性視点」のマーケティング。今の市場を把握し、時代のニーズをつかむ戦略へ。
株式会社メガネトップ 代表取締役社長 冨澤 昌宏 氏 アイケアなら眼鏡市場といっていただけるNO.1の店づくりを目指して 「ちゃんと選ぶなら眼鏡市場」でおなじみの眼鏡市場など全国、海外へと眼鏡店舗ブランドを拡げているメガネトップ様。社名の通りメガネのトップ企業として成長を続けています。目と耳の健康サポート企業として日本全国津々浦々に店舗網を広げています。 ハー・ストーリィでは、女性客や若いファミリー世代が行きやすい店づくりを支援するためにそのノウハウ提供、研修、コンサルティングなどをお手伝いしています。中でも大型ショッピングモールなど子ども連れも多く訪れる店では、目的買いだけではなく、気軽に立ち寄るお客様の入店率を増やすことが大きなテーマ。女性視点ならではのノウハウで、立ち寄り率を上げ、売上につなぐための仕組みづくりについてお伺いしました。 株式会社メガネトップ 代表取締役社長 冨澤 昌宏 氏 〈プロフィール〉 1981年生まれ。亜細亜大学卒業。 2005年㈱メガネトップ入社。 創業者・冨澤昌三会長の長男。 07年常務取締役、09年6月より現職。 メガネトップは80年設立。97年株式上場。 13年にMBO(株式公開買い付け)を実施。非上場化。 > 株式会社メガネトップ ■共創プロジェクトの目的 ・「アイケア」を掲げる眼鏡市場。身近な相談先として、老若男女それぞれの顧客視点に立てる店舗づくりを目指す。男性店長が9割のため女性視点を理解し、接客できるノウハウを社内に定着させる。 ・社員の70%が女性社員。積極的に女性社員の活躍の機会とフィールドを提供するために女性視点マーケティングの導入を行う ■共創プロジェクトの内容 全国各地に広がる眼鏡市場。中でも、ショッピングモールや商店街などは女性客や子ども連れが多い。ファミリーを対象として接客や店づくりの成功ノウハウを内製化することを目指し女性視点マーケティング®を導入 ■導入成果 女性客の多い店舗を対象に女性視点マーケティング®を導入。理論と実践型の研修を行い、 多くの男性店長が成果を上げています。 全国約900店舗の眼鏡市場には、ショッピングモールのテナントなど女性客が多く集まる場所も多数あります。店長の多くは男性です。男性でも理解できる女性視点マーケティング®を社内で学び、成果を実感しています。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ■女性マーケティングの重要性を社員に伝えるきっかけに 日野:冨澤社長と出会ってから1年が経ちましたね。メガネトップ様といろいろなことに取り組ませてもらいましたが、この1年で気づきや変化、得たものはありますか。振り返りながらお話を聞いていけたらと思います。 冨澤さん:弊社は半医半商といわれるような、少し専門的な知識が求められるメガネという商材を扱っています。ロードサイドで店舗展開を続けてきたこともあり、車社会のお客様を対象としてきたので、商品の見せ方やお店のありかたに気を配ってきました。また、社員教育など、対人のふれあいにおいては礼節に重きをおきながら進めてきており、そこに好評をいただいていたと自負する部分もありました。でも時代とともに、女性視点がマーケティングや消費行動でより多くフォーカスされる中、正直弊社には足りていないと感じるようになったんです。今まで男性視点はあるものの、女性視点というものをあまり意識していませんでした。男性と女性では買い方も違うし求めてるものも違うとわかっていたものの、具体的にどうあるべきなのかわかっていませんでした。我々も社内で、女性マーケティングのうわべだけを聞いてしまうと、今度は男性が取れなくなるのでは?結果的に底上げにはならないのでは?と思っていたんです。 でもそれは誤解でした。社会の変化のなかで、企業として成長して多くのお客様に好意を持っていただくためには、やはりそれぞれの顧客視点に立って社会の変化に向き合って展開しなくてはならない。そうした中で、女性視点はすごく重要だし、眼鏡市場が伸び悩む中で、女性顧客の獲得は重要なポイントだと思います。商品開発など自社内では進めていたものの、女性マーケティングの重要性を社員の皆になかなか上手に伝えることができていませんでした。御社の話を伺って、正直女性視点というのを勘違いしていた点もあったと気づかされたんです。気づきを与えてもらえたことはかなりプラスになりましたね。今までうまく伝えきれなかった思いが、御社の力を借りたことで、第三者の視点の客観的なデータに基づいた市場の意見を社内に発信することができました。役職などに関わらず意思を伝えられたので、よい機会だったと思っています。 ■男女の「価値観の違い」に気づき、視界が開けた 日野:良くも悪くも男性組織の会社は、目指した方向に向かってみんなで取り組むぞという社内の雰囲気があるところが多いかと思います。そういう意味では、自分の意見を言うのが難しいとか、そういう文化を打ち破ったのかもしれませんね。女性視点でマーケティングを考えるというのも、収穫が多かったのでは。 冨澤さん:男性は点でものを見る、女性は面でものを見るというお話を聞いて、なるほどなと思いましたね。あとは我々は、メガネ、商材を売るときに、買っていただきたいと思う気持ちのまま、ダイレクトに売りに行っていたなと思うんです。女性はおまけの方に注目するからおまけから売りに行くという発想を聞いて目から鱗でした。自分はわりとバランスよくものを見れている方だと思っていたのですが、無意識に男性視点だったんです。 店頭で七夕のイメージを演出。お客様に入口の笹に短冊をつけていただくイベントを開催。大好評で立ち寄り率が大きくアップした ■時代の流れを読み、ロゴを一新 日野:歴史もある中で、時代も変わってきましたよね。業界にもいろんなタイプの競合が出てきたし、ファッションアイテムも増えてきました。メガネトップ様は昨年(2017年)の12月にロゴを一新されましたね。より発展するうえで、目指すべき方向や位置付けはどのようにお考えですか。 冨澤さん:眼鏡市場を立ち上げたのが2006年12月なのですが、その当時のデザインだったり、我々が考えているコンセプトをより伝わりやすいかたちで展開したのが、以前の白黒の大正ロマンや昭和を感じさせるロゴでした。その時は、追加料金なしというコンセプトでお客様に支持いただいて、商品よりコンセプトで売れていたんです。ただ10年経って、競合他社の追随もあり、以前は新規のお客様が多かったのも時の流れで再来のお客様が増えていきました。コンセプトも含めてマンネリ化してしまっていたのかなと反省しました。これからシェアを伸ばして業界で圧倒的な支持を得る業態を作っていくとなると、これまでのお客様も大事にしながら、いかに新しいお客様を獲得するかが鍵。来てもらったお客様に、やっぱり眼鏡市場で買ってよかったなと思ってもらうだけでなく、買った思い出も含めて他の人にも話したくなるような店づくりをしないといけないなと思いました。そうすると、旧タイプのロゴは、広告戦略も含めて男性視点が多く表現されているのではないかと気づいたんです。若い方からすると、おじいちゃんおばあちゃん、親世代の店だと思われてしまって足が遠のいてしまっていたんですね。ここで改めて、幅広い世代の人に支持してもらえるお店としてさらに進化することが必要な時期だったので、ロゴの一新に踏み切りました。 2017年に一新したロゴ ■「温故知新」で柔軟な組織づくりがこれからのテーマ 日野:女性マーケティングや商品、お店のコンセプト、ターゲットを今一度立ち止まって考えることで新しい見え方ができてきたところだと思います。特に社長の中で、これから取り組もうと思っていることがあれば教えてください。 冨澤さん:次の世代の眼鏡市場をつくっていかなければと考えています。次の世代のボードメンバー、組織を築くのが私の役割なので、守るべきものは守りながら、消費者や市場の変化をしっかり捉えて、柔軟な組織をつくっていきたいです。今は多様性が求められたり多くの価値観があるため、以前に比べると商品のヒット率は限りなく低くなっています。その変化に気づける人が前線にいてそれに対応でき、ときには権限委譲もしながら対応できる組織をつくることが、成長していくうえで重要なことではないかと思うんです。となると、御社のように、男性と女性の目線の違いがあることをまずしっかり理解することが、我々の会社の中で、また接客して販売するスタッフの意識として、求められています。 日野:これからより広い視野で柔軟な組織をつくっていくことがメガネトップ様のひとつの目標でもあると思います。海外なども視野に入れていらっしゃるのですか。 冨澤さん:正直、海外は国内よりもハードルが高いです。文化も違いますし、男女だけでなく宗教の違いもあります。それでいくと優先順位としては国内で盤石なものをつくらないといけないと思っています。眼鏡市場を海外にも展開することで、「あの海外展開している、眼鏡市場」というふうにお客様に思ってもらう必要性があれば、橋をかけていくことも必要かもしれませんね。時代や環境が変わって、これから店舗で働くスタッフに海外の方も出てきた際には、海外にも拠点をつくりながら人材交流をおこなって、人員確保の目線で海外を考えていくことになります。海外に関しては、さまざまな課題解決の手段のひとつとして捉えていけたらいいですね。 ■一番の強みは「人」。人を大事にする企業であり続けたい 日野:ひとことで、メガネトップ様の強みや特徴の、どこが一番魅力的と伝えたいですか。 冨澤さん:ネットでモノも当たり前に買えて受け取れる時代に、これだけの店舗数を持てるのは、「人」だと思います。言われたことを素直にやるのも大切な組織のひとつの規律だと思いますが、理念を理解して、それに沿った行動がそれぞれの価値観の中でできる。会社のベクトルに合わせながら、楽しく仕事ができる環境をつくっていくことがさらに人を強くすると思います。「人にフォーカスを当てることのできている企業」だということが他社との差別化であったり、お客様により伝わりやすい強みだと考えます。 店舗の立ち寄り率を上げるためのVMD研修を全国各地で開催 ■ハー・ストーリィに期待すること 日野:ハー・ストーリィとして、マーケティングのお手伝いをさせていただきましたが、今後、私たちに求めることがあるとすれば、どんなことでしょうか? 冨澤さん:他社の事例をもっと教えていただきたいです。売り上げをあげること、顧客を増やすこと、ひいては社員が楽しく仕事ができる環境。そのための手段というのは、いろんな環境や時代、立地条件や人員数、もちろん業種によっても変わってくると思います。そういう意味では、我々の視野はまだ狭いんです。過去の成功体験にとらわれて、なかなか新しい判断ができないこともあります。御社はいろんな企業様とお付き合いされて、成功も失敗もいろんな事例をお持ちです。それをご紹介いただいて、視野を広げるサポートをしてもらえるとありがたいです。また、弊社ではこれから女性の活躍推進、活躍できるフィールドをもっと広げていこうと考えています。新卒社員の7割が女性なので、もっともっと女性を輝かせるような環境づくりや女性視点、女性マーケティングのアドバイスをいただきたいです。 日野:新卒が7割ということで、メガネトップ様の中でも風向きが変わってきているところですよね。女性視点、女性マーケティングのアドバイスをうまく活用していただけたらと思います。最近の営業会議で女性2人が発表したそうですね。これまでにはなかったことですよね。拍手も起きたとか。役員が参加する中で、改めて男性だらけのなかで発表となると緊張したと思います。責任感や強い思いがあったからこそ、ああいう立派な発表ができたのでしょう。今後の活躍にもさらに期待しています。本日はどうもありがとうございました。 ■対談を終えて インタビューをさせていただいた約1年前に、ご縁をいただき「女性視点マーケティング」を店舗にテスト導入いただきました。全国各地にあるロードサイド店舗だけではなく、若いファミリー層の多いショッピングモールでの店舗はどうあるべきか、をトライいただき数値成果を出すことができました。私たちにとっても眼鏡の販売は初めてでしたが女性視点の法則に自信を持つことができたありがたい体験でした。引き続きご縁をいただき全国各地にノウハウを広げるサポートをさせていただきたく思います。
- 【ネッツトヨタ静浜株式会社】他社との競争を勝ち抜くカギは人と店舗にあり。イベントを接点に顧客のニーズを把握、 マンネリ化を避ける動きも店舗から生まれる好循環に。
ネッツトヨタ静浜株式会社 専務取締役 営業本部長 竹林 栄吉 氏 静岡市から浜松、湖西市までで17店舗を展開するネッツトヨタ静浜株式会社様。トヨタ自動車の4つの販売チャネルのうち、ヴィッツなどのコンパクト車種やヴォクシーなどのミニバン車種などをラインアップし、トヨタの新しいお客様層を拡げていくチャネルです。 ハー・ストーリィでは同社の企業理念「地域に愛される店舗づくり」を実現するための研修「ひまわり笑顔プロジェクト」を行っています。女性目線の店づくりから始まり、現在は差別化に向けた取り組みをご一緒させていただいています。静岡市、浜松市を中心に17店舗でイベントを自主運営、モチベーションをアップできる理由を伺いました。 ネッツトヨタ静浜株式会社 専務取締役 営業本部長 竹林 栄吉 氏 〈プロフィール〉 昭和52年 トヨタカローラ静岡入社 昭和55年 ビスタ店設立と同時に転籍 平成 8年 DUO店店長 平成11年 サービス部長、DUO、お客様対応担当部長 平成15年 取締役 平成16年 ネッツトヨタ静浜に転換 平成24年 常務取締役 平成28年 専務取締役 > ネッツトヨタ静浜 ■共創プロジェクトの目的 地域密着の車販売店として、男性はもちろんのこと、女性やお子様連れ、市シニア層など、広く誰もが気軽に立ち寄りやすいと感じていただける「ファミリーの地域に愛される店舗づくり」を社員と共に学び、実行し、店舗集客につなげ、皆がわくわくする店を創りたい。 ■共創プロジェクトの内容 ・クライアントの企業理念である「地域に愛される店舗づくり」を実現するための研修「ひまわり笑顔プロジェクト」を実施 ・女性目線の店づくりから始まり、現在は差別化に向けた取り組みをご提案 ■導入成果 全社で行っている「ひまわり笑顔プロジェクト」を軸に、各店舗にお客様が行きたくなるようなイベントを定期的に企画実施。各店舗から参加した選抜メンバーたちが、実践する力をつけ、自発的かつ積極的にイベント集客に取組めるようになった。「ひまわり笑顔プロジェクト」が社内で継承され途切れないようにするために、参加したメンバーが店舗内で率先して回りを巻き込めるようになった。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ■きっかけは「男性視点」と「女性視点」 日野:竹林専務はサービスエンジニアのご出身ですが、技術と販売、両方のフィールドを深くご存知だからこそ、車に乗る楽しさをより多くのお客様に知っていただきたいという思いが強いんですね。 竹林さん:はい。ただ、私が入社したころと今とではだいぶ社会環境が変わってきました。車を選ぶ人が男性だけでなく女性が増えてきたことを受けて、ビスタ店時代から女性視点で様々な事を改善しようとしてきました。例えば、事務仕事が主だったスタッフに接客を主とした業態に変えたり、女性スタッフのみを集めて接遇研修を行ったり、店舗の近所の女性に集まって頂き、ハード面、接客面について意見を頂き改善していくなどを実施してきました。それはそれなりに成果を生むことが出来ましたが、長年の男ムラ的(男性中心)な自動車会社特有の体質には改めて考えさせられました。そこで、社内で議論を重ね本格的に女性目線で出来ることを検討し、ハー・ストーリィの日野社長のような女性の外部講師を招いて改善を実現することにしました。例えば女性のお客様に来ていただき、良いところ、改善したほうが良いところについてそれぞれご意見をいただきました。できることから変えていき、少しずつ効果を実感していました。でもその矢先に、新しい課題が生まれてきたんです。 日野:以前はディーラーごとに取り扱い車種が異なっていましたが、その境がなくなったことでトヨタ販売店間の競争が激化。そのため競争に打ち勝つことができるアイデアが必要だったんですよね。 ■チャネルは違うのに同じ車種が購入可能。差別化の強み「人材」でネッツファンを増やす 竹林さん:お客様はトヨタなら、もしくはネッツならどこに行っても同じと思われている方が多くいらっしゃいます。今までは、それぞれの会社が違う車を扱っていました。しかし近年同じ車をトヨタ系列全てで扱うようになり、ブランドの違い、魅力を差別化することがとても難しくなってくる。しかも、4チャネルの中ではネッツ店は歴史が浅く、下手をすれば既存のお客様が他チャネルへ流出してしまうことも考えられました。店舗の外装など、ハード面を充実させるとなると時間もコストもかかる。だから、まずはソフト面。人材を活かした取り組みをして、近隣のどのチャネルよりも「面倒見のいいネッツ店」を目指したいと、日野さんに改めて相談をしたんです。 ※4チャネルとは:トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店のこと ■店舗ごとの自主企画「ひまわり笑顔プロジェクト」でファンを増やす 日野:竹林さんからのお話を受け、私どもは「ひまわり笑顔プロジェクト」という社内企画をお手伝いさせていただきました。 竹林さん:それまで教えていただいた企画をつくる勉強やPOPの書き方は、どれも現場の最前線で活かせるものばかりでした。ですから次はちゃんと目に見える形にし、効果を出していこうと、地域に愛されるお店づくりを大テーマに各店舗の若手を選抜し、1年間、VMDやPOP作成をはじめ、接客接遇研修を実施しました。そして、学んだことを店舗に持ち帰り、それぞれの店舗の課題解決に活かしてきたんです。 日野:その取り組みから店舗ごとの自主企画イベントが派生したのですね。 竹林さん:はい。それまでも自主企画をやっていましたが、物を差し上げることが中心の企画ばかりでした。また、本部がつくった折込チラシやダイレクトメールを使いながら各店舗で営業をしてきました。でも、いつも言われたことだけをやる受け身の姿勢だと、だんだん「やらされ感」が出てきて楽しくない。お客様に直に接しているのは店舗スタッフなのだから、誇りと責任をもってアクションを起こしてもらう仕掛けが必要でした。 日野:本部の考えを現場に伝えたとき、温度差はありませんでしたか。 竹林さん:確かにありました。今まで本部がやっていたことをなぜ店舗がやらなければならないの?と「やらされ感」はありました。普段の仕事をしながらイベント当日に向けて準備しないといけない、手間暇がかかるのは事実です。そこで、私たち経営陣は各店舗のスタッフリーダーが現場をまとめやすい雰囲気がつくれるよう、サポートしてきました。 日野:現場の意思統一はとても大切ですね。また、メンバー編成は男女問わず、若手を集めたことがポイント。新しいアイデアで変えていこうとする空気が生まれますね。ちなみにプロジェクト名にある「ひまわり」は御社のコンセプトですね。 竹林さん:そうです、「ひまわり」のように皆が同じ方向を向いて元気でイキイキと笑顔で接客することを目指しています。自主企画イベントは2年目に入っていますが、各店舗のモチベーションが上がってきたように思います。元々改善活動をやっていたものですから、週に一度は全員集まって問題点を出し合う風土ができています。そこにイベントの企画が議題として入ってくることで、それぞれが主体的に店舗活性化のためのアイデアを出すこともスムーズに行われるようになりました。最終的には店舗のメンバーの一体感が育まれたと思います。それが大きな成果です。 日野:自主企画イベントがきっかけで仕事への向き合い方が変わるだけでなく、スタッフ間の雰囲気までよくなる。いい相乗効果ですね。 他店で探してきたイベント材料を共有する動きが出てきたり、ネットを活用したらアイデアがたくさん載っているのも発見でき、ヒントとなることがわかってきました。 ■営業スタッフの「武器」(お客様へのお声掛け材料)を増やす 竹林さん:イベントは社内の雰囲気を変えるだけでなく、営業面でも効果が出ています。営業スタッフはお客様にアプローチするための武器が必要ですが、新車や車検のご案内だけでなくイベントへの招待からお客様と接点を持つことができれば、強みになる。お客様もネッツトヨタ静浜に対して気軽に話ができるようになる。その関係性の構築がとても大切だと思います。 日野:商品をプッシュするだけでなく、イベントを介在させることで自然に信頼関係が育まれる。今後の購買につながる行為ですね。素晴らしいです。 竹林さん:ありがとうございます。武器が増えると、営業スタッフたちも自信が持てるし、安心する。だからまたイベントをやりたくなる。好循環が生まれて来ていますし、これからも期待しています。 ■営業の武器は社内活性化の武器。いきいきと働く姿は時にお客様を巻き込むことも 竹林さん:私たちは春夏秋冬でいろんな企画をしています。例えばハロウィンのおばけやサンタクロースになりきってイベントに出演したりもします。その場面を撮影し、ポスターにして掲示しているため、どの店舗がどんな企画をしているのかが分かります。スタッフ同士で「あの店舗ではこんなことやってるんだ、負けていられない」という競い合う気持ちが生まれて、私たちが店舗を訪問すると「専務、見てくださいよ!」と声がかかりますし、最近ではスタッフの方から自分たちの企画を見せてくれるまでに。それまでは引っ込み思案みたいなところがあったので、いま、とてもいい方向に向かっていると思います。またお客様からのCSアンケートにも参加型イベントやっているね、いいことですね、とお褒めの言葉をいただいています。 日野:そんなコメントも!うれしいですね。 ハロウィンイベント ■最近特に心に残っているイベントはありますか? 竹林:直近のイベントなのですが、当社のスタッフの代わりにお客様が主催者になってくれたことがありました。 日野:お客様が主催者!? 竹林:はい。土日の2日間で「お客様感謝デー」を開催したのですが、企画のひとつに「プラモデルづくり体験」がありました。これは、プラモデルづくりが趣味のお客様からの提案でして、毎回いろいろな催しがあると知ったお客様が「俺たちがやってあげるよ」と乗り込んで来てくださった。ブースを設けて自由にやっていただきました。(笑)。 日野:えー! お客様ご自身が出展したいと持ち掛けてくれたのですね。イベントが浸透してきて親しみが生まれている証です! うれしい限りです。「お客様感謝デー」は年に一度のイベントで、ネッツトヨタ静浜の17店舗が一斉に別々のイベントを企画、実施していますが、そのときは2,500組以上の来場者があり、前年対比110%と、大きな成功を収めることができました。 お客様感謝デーのチラシ ■工夫次第で顧客の周辺まで取り込むチャンスが生まれる 商品の売買だけが顧客とのコミュ二ケーションではない。長期的な視点で関係づくりを心がけ、ファンを獲得 日野:新しいお客様の獲得もできたのではないですか? 竹林さん:特に小さなお子様と奥様向けのイベントが多かったこともあり、ご家庭内の2台目の車をネッツトヨタ静浜でお選びいただくための開拓ができました。新規のご来店数が85組あり、そのうち奥様や免許を取得した息子さん、娘さんが所有する希望が33件。既存のお客様の家族関係からこれだけ開拓できるのは、やはりイベントがあったからだと思いますし、チラシのキャッチコピーで「ご家族の分もお任せください」と謳ったのがよかったのだと思います。 日野:なるほど。他社車の乗り入れはなんとなく後ろめたいような気がするものですが、それでも来ていいと言われれば、ハードルが下がりますね。 竹林さん:それがとても大切なんですね。車は決して安価な買い物ではありませんが、だからといってディーラーは敷居が高くて行きづらい場所になってはならないと思います。イベントの企画は増販期などと重なると準備時間が思うようにとれずに苦労することもありますが、とにかく継続し、その時その時で新しい内容を投入することでマンネリ化しないように努力していきたいですね。 ■ハー・ストーリィに期待すること 日野:これからもイベントを継続しながら、どんなことを実現していきたいとお考えですか? 竹林さん:顧客名簿に記載されているけど数年お会いしていないというお客様は多くいます。また、新車を購入して2、3年以内ですと、ディーラーに行く理由もなく、営業スタッフは接点づくりの難しさを感じてきました。そういう層に対してイベントをきっかけにコミュニケーションを図り、顧客名簿に記載のあるすべてのお客様へお声がけができるような体制を構築していきたいと思います。 日野さんには最初に女性目線の大切さを教えていただきました。今回のイベントでも女性や子ども向けのハンドマッサージやネイルが人気で、改めて重要視していくべきだと感じました。先にもお伝えしたように、ディーラーは敷居を下げて、親しみやすい雰囲気をもっと出していく必要があります。接遇も四角四面ではなく、笑顔と元気を意識していきたいですね。私たち自動車業界はまだまだ「男性社会」です。日野さんからの新しい提案にも期待していますし、できれば現地現物で女性目線のアドバイスもお願いしたいところです。 日野:新しいお店の構想もあるとお聞きしました。お力になることができたらうれしいです。本日はどうもありがとうございました。 ■対談を終えて ネッツトヨタ静浜さまは、以前に一度、一店舗単体での女性客マーケティングの導入をトライされ少し時期尚早という感があり断念した経験があります。しかし、車の販売を取り巻く環境は年々競争が激化し、2年前より再度、全店舗でトライというタイミングを迎えました。 今回、もっとも大事にしたのは「地域のお客様」という視点と「各店舗が自主自立で集客力をつける」こと。プロジェクトの名前は、イメージキャラクターを活かして「ひまわり笑顔プロジェクト」。各店舗から若手を中心に2名をプロジェクトメンバーに任命、毎月一回本社会議室に集まり「お客様視点と店舗とは」「演出・POP・陳列装飾」「地域イベント開催」などをご指導してきました。店舗では毎月1回「自主企画」を設けて実践、その取り組みによる集客の効果、お客様の反応などを年に1回の全社大会で発表し合い、優秀チームが表彰される仕組みも導入。PDCAを繰り返してノウハウを溜め、各店舗全員が自ら考え行動し、自主的にお客様を集めてもてなす風土が定着してきました。二期生、三期生とプロジェクトメンバーも毎年交代して発展されています。あきらめずにトライされ、素晴らしい組織・体制を作り上げたネッツトヨタ静浜さまの熱き想いを、これからもご支援してまいります。
- 【株式会社フヨウサキナ】愛用者約100万人! 女性支援のパイオニア的存在。 「キレイになることで女性が変わる。女性が変われば世界が変わる」 創業者である父の想いの中に、進むべき未来がある。
株式会社フヨウサキナ 代表取締役副社長 浅田 盾子 氏 35年クチコミ中心の販売の原点は「売りつけない」こと ホームエステという言葉もなかった時代から「家庭でエステサロン級の本格的な肌のお手入れを」というセルフホームエステを提唱してきたのが、北海道札幌市に本社がある株式会社フヨウサキナ様です。今年4月に代表取締役会長 奥村久雄氏が逝去、5月にお嬢さまの浅田盾子さんが代表取締役副社長に就任。先代から受け継いで来た女性活躍への想い、女性にとって働きやすく真の自立を仕組み化した販売システム、販売のトップとして全国1300店あまりをとりまとめる浅田盾子副社長、「日野佳恵子のお客様インタビュー」初の女性登壇です! 株式会社フヨウサキナ 代表取締役副社長 浅田 盾子 氏 〈プロフィール〉 北海道札幌市出身。創業者奥村久雄会長の長女。大阪樟蔭女子大学卒業、平成7年より株式会社フヨウサキナのしごとに取り組み、マネジャー(販売代理店)職を経て平成28年5月より現職。プライベートでは三児の母。 ■共創プロジェクトの目的 女性が美しくなることを応援することがサキナの使命。創業者の想いを引継ぐと共に、女性後継者として「きれいになることは楽しい」と愛され続ける事業のあり方を追求 ■共創プロジェクトの内容 女性を美しくすると同時に、女性が活躍する会社でもあるサキナ。より美しく輝く女性を増やすための経営を外部の目からサポート ■導入成果 創業者の代から、常にサキナの経営、組織、ブランド、お客様とのコミュニケーションについて客観的な位置でアドバイスをいただいています。女性を中心とした組織だからこそ女性視点マーケティングとクチコミは強力な理解者です。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ■サキナについてお伺いします。創業はいつ頃ですか。 浅田さん:サキナはセルフホームエステの会社で、美容器具や化粧品を扱っています。北海道札幌市に本社があり、今年で創業35周年になります。 2008年のブランディングにより「SAQINA」ブランドを掲げ、トータルビューティーパートナーとして、一人ひとりの内側にある本質的な美しさを引き出す美容法を提唱しております。 当社は昭和57年(1982年)に私の父・奥村久雄が創業しました。前身は扶洋薬品株式会社という富山の置き薬の会社でした。薬品事業部がありましたが、当時、化粧品販売はしていませんでした。 ■「売りたい」ではなく、「試して気に入っていただく」お客様の「試して満足した」実感が販売に結びつく 浅田さん:たまたま知人から「ホームエステマシンがあるのでぜひ試してほしい」という話を持ち込まれたのが創業のきっかけです。父は内心、美容機器には興味を感じなかった上に、女性全員をキレイにすることはできないと思ってエステマシンの販売には自信がなかったそうです。ただ何もしないで断るのは申し訳ないということで、母や母の友達、親戚のお姉さんなど7人の女性にお試しいただいたんです。父としてはモニターして「要らないわ」と言われれば断る理由ができると考えたんですね。 ところが7名のモニター全員が「ぜひ欲しい」と申し込みくださったんです。父は元々営業マンですから「売れる!」と直感的に思ったのでしょうね、需要に気がついて。 日野:最初は「売れない」と期待されていなかった、それが逆に「欲しい」と言われた。 浅田さん:それでセールステクニックを使えばもっと売れるはずだ、と考え、同じようにモニターを実施したのです。しかし、今度は誰も買わなかった。同じエステマシンで、条件も説明する人間もまったく同じなのに、全く売れなかった。何が違ったのかというと、「自分の心が違う」、前回は「買わなくてもいいよ」くらいの気持ちだったわけです。 日野:なるほど。最初の7人には期待もしていなかったんですものね。 浅田さん:はい。2回目では、父はお試しいただいて「買ってほしい」と思ったんですよね。 日野:「売りたい」、ということですね。 浅田さん:そうです。父の気持ちは「売りたい」だったわけです。自分の気持ちが違ったわけです。だから買っていただけなかったんだなって。そこから、売りつけるのではなくてお試しいただき、まず気に入ってもらう。気に入って納得していただいてご購入いただこう、と。それが販売の原点となりました。35年経ても相変わらずクチコミ中心で販売できるのは、お客様自身が「自分が試してよかったから、教えてあげたい。そして試して満足したから購入する」という気持ちがあるからですね。 ■リスクゼロで経済的自立を支える女性支援のパイオニア 浅田さん:当社は「サキナ商品」の総発売元で、全国に販売代理店が約1300店あります。その販売代理店を通してお客様の元に商品が届く仕組みになっています。販売代理店になるためには条件があります。販売実績や研修を受けてクリアした人だけが販売代理店になれます。特長としては、保証金や登録料、店舗や事務所、在庫、仕入れ、ノルマなどのリスクがゼロではじめられること。さらに全国48ヶ所ある当社提供のサキナビューティーラウンジという店舗があり、日々の販売活動拠点として無料で使っていただけます。 日野:ラウンジが販売代理店をされている皆様の共通の場所なんですね。 浅田さん:この仕組みも父が考えたものですが、女性が仕事をしていく上での一番のリスクである「お金」の負担をなくしたいと考えた結果です。毎月毎月ノルマがあると、いくらお客様のためと言っても「なんとか無理して売っちゃえ」という気になってしまいますよね。在庫もありませんし、売り上げノルマもないので、頑張った分だけご自身の収入になるシステムです。固定費がかからないので、自分自身のために売上をあげることができます。 日野:頭金も商品購入も店舗や事務所を構える必要もなく、自宅でできるから、まさにリスクゼロ。例えば、他社さんでは経費がかかるようになっていると聞いていますので、この業界では珍しいですね。 浅田さん:女性が継続して仕事をしやすいシステムだと思います。 日野:販売代理店は約1300店舗、愛用者のほとんどがクチコミっていうこともすごいですよね。 浅田さん:ありがとうございます。今現在、全国に愛用者が約98万人いて、間もなく100万人に達するところです。 ■クチコミで35年という歴史、何が良かったのでしょうか? どうして続けることができたと思われますか? 浅田さん:それは「商品力」だと思いますね。35年前の美容法が今でも古くならないんです。実際に「35年前から使っているのよ」という創業当時からの愛用者の方々がいますが、本当にびっくりするくらいキレイです。生きた実例ですよね。そういう方達がいらっしゃるということは、商品力の賜物だと思います。 日野:当時30歳だとすれば、今65歳ですよね。 浅田さん:全国のビューティーラウンジや自社開催のセミナーで全国を巡っていますが、驚くほどの年齢で、美しい人がたくさんいらっしゃいます。 日野:美魔女がいる、ということですね。 浅田さん:美魔女をはるかに超えています。この間お会いした方は86歳でした。販売店には90代の方もいらっしゃいます。 ■35年前当時のエステマシンのサイズは大きかったと思いますが、今は? 浅田さん:当時は大きかったですね。今は3機種ご用意していて、その他に持ち運びに便利な小型タイプもあります。 日野:デザインが洗練されていて素敵ですね。 サキナ ビジュー (saqina BIJOU) オールインワンタイプ ハイエンドモデル グッドデザイン賞受賞 ■「肌にとってどうなのか」を商品開発の基準とし品質を追求 日野:エステマシン以外に、化粧品も作り始めたきっかけはなんですか? 浅田さん:最初は「化粧品はお好きなものを、お使いください」と、当社では石鹸とピーリング剤の2種類くらいのアイテムしかリリースしていませんでした。ところがエステマシンを使っているうちにキレイになるお客様とそうではない人が出てきてしまって。調べてみると、どうやら化粧品によって効果がちがう、ということがわかりました。 日野:なるほど。ご本人が使っている化粧品だから、メーカーも様々ですものね。 浅田さん:ステマシンは微弱な電流の力を使うので、伝わりを良くすることが重要です。当時主流だったマッサージクリーム、一般的にはコールドクリームと呼ばれていますが、とても油分が多いので電流が伝わりにくくなってしまう。エステマシンでの効果をより実感していただくために、化粧品を開発することにしました。 日野:御社の商品はエステマシン専用に開発製造された化粧品、ということですね。 浅田さん:はい。例えばマッサージをするためのクリームは油分をベースにしたクリームと違い、水分をベースに油分と混じり合っている親水性タイプなのが特長です。水分ベースなので、電流が伝わりやすくなるんです。毎日使うマッサージ用ジェルも極力油分を少なく配合している水溶性のジェルなんです。そうすることによって、よりマッサージの効果が肌に伝わりやすくなると考えているのです。どんな場合でも「お肌のために」ということを一番にしています。 日野:お肌目線で作っているんですね。 べ 浅田さん:良い、悪いの基準を「肌にとってどうなのか」という視点においています。当社の化粧品は3つのラインがあります。ベーシックケア、エイジングケア、そしてメンズケアです。当社の化粧品は天然系の成分にこだわっていて、どんな肌環境の人も安心してお使いいただけるように作っています。 ベーシックケアライン エイジングケアライン ■メンズケアラインは、洗顔とジェルとローションの3アイテムをご用意しています。 浅田さん:例えば肌を整えた後につける日焼け止めクリームは、UVのタイプによって肌への影響が変わってしまいます。当社のUV商品はノンケミカルで紫外線を散乱させるのですが、一般的には紫外線を吸収させるケミカルなものもあり、肌への負担を気にされる方も多いようです。当社の日焼け止めクリームは、光を散乱させる肌にやさしいタイプです。 エイジングケアライン ■自分を磨きキレイになりながら、研修やセミナーで自己成長を支援 日野:「女性ならでは」ということをどういった時に感じることが多いですか? メリットやデメリットは? モチベーションをあげるための方法はありますか?御社の商品は女性が買うものであり、販売される方も女性が多いですよね。 浅田さん:「人への思い」に尽きると言いますか、とにかく商品が好き。そして、父が築き上げてきた販売におけるサキナの考え方が軸として在り、そこに挑戦していくということでモチベーションがあがっているのだと思います。自分自身がコミットして挑戦して変わっていくことで、喜んでもらえていると認識しています。 日野:それは最初におっしゃったノルマがないというような、女性が仕事をする上でのリスクゼロという考え方ということですね。実際にどんな風に変わっていくんですか。 ■売ればいい、売ろう、ではなく、どんな気持ちでお伝えするかが一番大事 浅田さん:サキナの商品が好きになって「自分も販売してみたい」という、最初のスタート時の気持ちがとても大切です。サキナガイダンス(自社セミナー)ではライセンスに挑戦していくということだけではなくて、まず自分がキレイになりましょう、魅力的な自分になりましょう、ということを最初に伝えます。また、ただキレイになるのではなくて、魅力的で素敵な自分になるために、仕事の過程で実技試験や自己啓発にも繋がるセミナーを無料で提供しています。外部で受けたら同じ内容で30〜50万円はする、しっかりとした内容のものです。 普通だと、どうせだったら来て欲しい、どうせだったら買って欲しい、という風になってしまう。ですから私たちは自分自身の感情をコントロールできなくてはいけない、と考えています。もちろん現実的にはそんなに完璧な人はどれだけいるでしょうか、難しいですよね。ですので、当社では同じ内容ではありますが「販売の基本の考え方」を毎月繰り返し聞き、身につけられるようにセミナーを全国60カ所で実施しています。 日野:副社長ご自身で講師に行かれたりするのですね。全国を巡業して回ってらっしゃる。すごいですね。 ■早くキレイになるためにアフターフォローが不可欠 浅田さん:最近あるお客様から「盾ちゃん、最近お肌の乾燥が気になって」と相談されました。「今お化粧品、何を使ってるの?」って聞きましたら「エイジングケアラインよ。マッサージもちゃんと言われた通りにやってるのよ」っておっしゃるんです。 で、その方がかつてニキビ肌だったことを思い出して「もともとニキビ肌だったよね。今どういう風に整肌しているの」って聞きました。 日野:ニキビ肌の頃の整肌を続けていらした、ということですね。肌は変わっているのに。 浅田さん:そうなんです。当時から20年経っているから、お化粧水のつけ方を変えてみましょう、とアドバイスしました。化粧水をもう少し増やしてみよう、と。ベーシックケアラインの化粧水をまず2、3回たっぷり付けてから、ミルクそしてクリームを使ってみては、と提案しました。 そうしましたら、肌が激変されたんです。お客様はご自身の肌のことを知り尽くしているとお考えですが、肌も変化しています。このお客様は自分から相談してくださったのでよかったのですが、この経験からアフターフォローは欠かせないとさらに実感しましたね。 季節ごとに肌は違いますし、お肌は3年サイクルぐらいで変わると言われています。生活スタイルに合わせた商品の使い方や選び方など、アフターフォローを受けることでより早くキレイを手に入れていただけます。 ■20年以上も愛用いただける仕組みは女性ならでは?クチコミ力がすごい?女性特有のことなのでしょうか? 浅田さん:そもそも父はこんなものでキレイになるわけがない、と思ったところからスタートしています。それが実際にはキレイになることでこんなにも女性が喜ぶということに気づいた。女性にとってキレイになるということが、ここまでその人を変えるのだということを父は強く感じたんです。 日野:その実感がお父様の軸として強くあったんですね。 浅田さん:女性が変われば、世界が変わる。ほんとうにそう思います。たとえば肌の調子がすぐれない時って、化粧のノリが悪くて気持ちが沈むじゃないですか。そんな時に子供が牛乳をこぼしたらすごく怒ってしまったり、ちょっとしたことでイライラしたり・・・ ところが肌の調子がいいと、牛乳をこぼしたぐらいで怒ったりしないで機嫌よく過ごせますよね。そんな単純なことなんですけど、それが女性の日々の生活です。同じように、キレイになることで自信がついて彼氏ができた、とか、そんなこともありますよね。肌ってそこまで人を変えるんだ、という感動があるんです。 日野:つまり御社の場合は、女性の肌に直接つける「美」にかかわる商品やサービスだったことも大きい、ということですよね。 浅田さん:そうですね。やはり「商品力」だと私は思います。 ■「非日常的」「楽しい」空間で女性のモチベーションをアップ 日野:今、「女性活躍」と言われて、急きょ意識的に女性に活躍してもらわなければ、と取り組んでいる企業も増えてきています。そういう企業に向けて何かメッセージをいただけますか。 浅田さん:いまの年齢になってわかるんですけれど、女性のモチベーションとは、例えば出張して飛び回りたい!とか、もちろんご自宅でやっている方もいらっしゃるんですけど、こういう空間、ビューティーラウンジにきて非日常を味わいたい!とか、そんなことでアップするのではないでしょうか。 日野:そうですよね。オシャレして銀座まで出て行こう、ということが非日常そのものですものね。オフィスでも会議室もいいけれど、ちょっとした休憩室や食堂を心地よい空間にするということがとても大事かもしれませんよね。 浅田さん:そこに行きたくなる、ということがとても大切ですよね。行くと楽しい、お家を忘れられる、とかね。私も子どもが3人います。みんな大きくなってしまいましたが、小さかった頃は子どもを追いかけ回す毎日で、家にいるとオシャレもしない自分になっていました。そして今は、そんな自分にはなりたくないって思っています。だからたまに一人でいるときに「奥さん」って声かけられると嫌ですね。子どもと一緒じゃないでしょって(笑)。 日野:女性は、ちょっと非日常を感じるという時間を大切にしたいんですよね。 浅田さん:一歳でも若くみられたい、というのも女性の常で、本音ですよね。年齢をぴったり言い当てられるようなそんなストライク感さえ、嫌なものです。女性はいつでも、いくつになってもキレイになりたい、と思っていて、今より汚くなりたいという人は絶対にいないんです。今を維持できるだけでも、本当にすごいことですよ。 ■この仕事を始めるきっかけは何だったんですか? 浅田さん:彼氏に振られたんです。振られただけだったらよかったのですが結婚が破談になってしまって…、7年付き合った彼で、私は専業主婦をするつもりで仕事をしていなかったんですよ。私は甘やかされて育っていますから、そんなことがまさか自分の身に起きるなんていうことが信じられなくて、まさかうそでしょう! 仕事も探さなくちゃならないしって、思って。当時は実家に住んでいまして、兄が出かけるというので私も気分転換に車に乗せてもらったんです。すると着いたところがサキナのセミナー会場だったんです。 日野:その時初めてセミナー会場に足を運ばれたわけですか。 浅田さん:何気なく会場に入ってみたら、親戚のおばさんのように親しくお付き合いがあった知人が講師で話していたんです。その人が講師をやるんだったらちょっと聞いてみようと思って、入ってみました。 ■そんな流れで、話を聞いてみたら? 浅田さん:一番最初に感じたのは「結構いいこと、やってるんだな!」と。その時は「魅力あるパーソナリティになる10ヶ条」という話をされていて、その10ヶ条を身につけると人生でも仕事でも成功できる、という内容でした。 日野:その10か条を守ると人生でも成功者になれるし、仕事でも成功する、ということですね。 浅田さん:その時23歳だったんですけど、会場にいらしているみなさんが自分を魅力的にしたいと思っている、ということを知ったんです。衝撃でした。私は、自分を魅力的にしたいなんて、一度も思ったことがなかった。大好きだった彼のために魅力的でいようって思ったことはあっただろうか、逆に私のこと好きでしょ幸せにしてねって思っていたんです。 日野:なるほど。 浅田さん:それまでずっと私を振った彼が悪いと思っていたのですが、自分にも原因があったんだっていうことに気づきました。胸のつかえがようやくとれた、私が変わればいいんだなって、気持ちの切り替えができました。その話をしたら、兄がサキナをやってみたらって。兄は私より先にアドバイザーになっていました。父の娘なのでやるからにはしっかりやらなくちゃいけない、曖昧な気持ちで参加しちゃいけないと、どこか生真面目な自分がいましたが、兄は「辞めたくなったら辞めればいいんじゃないの」って。 日野:じゃあ、気軽な感じでスタートできたんですね。 浅田さん:ええ。それでも彼に振られたりして落ち込んでいるわけですから、大きな目標など持てるわけもなく、まずはアドバイザーになろうと思いました。 日野:お兄様がよいきっかけをくれたんですね。 浅田さん:そこで、まず最初に仲の良い親友に教えたいと思ったんです。彼女は失恋した時も気持ちのケアを一生懸命してくれた。でもその子はお金がない環境で、買えないことがわかっていたのです。奨学金を返していましたし、兄弟が多いのも知っていましたから。それでも一番最初に教えたいと思ったんですね。で、体験に来てくれて3回目に「私、買う」って言うんです。「どうしたの」と聞いたら、「だってラウンジに行くのがとっても楽しいから」って。当時彼女が勤めていた職場は愚痴の言い合いみたいになっていて、前向きな人がいなかったそうなんです。ラウンジに行くと前向きになれるって。「えー、そこっ?」て、びっくりしました。 日野:ビューティーラウンジではいろいろな人と出会えるし、年齢層も幅があるのがよかったんでしょうね。 浅田さん:みんながキレイだった、というのも衝撃だったようです。 日野:エステマシンだけでなくて、ラウンジの空間が楽しいということが、大きかったんですね。いい友達に支えられましたね。 ビューティーラウンジ ■未来の話を聞かせてください。 浅田さん:女性の働きやすい環境とサポート体制を整えていますが、もっともっと広げたいと思っています。全国を回っていますと「サキナが大好き!」と言ってくれるご愛用者様がたくさんいらっしゃるんです。例えばサキナカフェという特別な空間を作って、愛用者の方にもっともっと喜んでいただけたら素敵ですよね。一般で来られる方たちとはちょっと差別化したサービスの提供などを考えています。異業種とのコラボでしたらサキナ保育園とか、ができたらいいなぁとか。まだ妄想段階ですがアイデアを温めています。 日野:充分にありえるお話だと思います。 浅田さん:新規のお客様を拡大していくというのも大事なことですが、今いるお客様に満足いただくためにはどんなサービスを重視したらいいか、ということも課題です。 ■この20年で時代は変わりましたか?それとも女性だけ変わっていない? 浅田さん:基本は変わっていないと思います。父は愛されキャラで、たくさんの方に愛されていました。そんな父の口癖が「私についてくるのではなくて、考え方についてきてほしい」。そこは実現していかなければいけないなぁと思っています。 日野:なるほど。お父さまの言葉を実現して行くということですよね。 ■ハー・ストーリィに期待すること 日野:御社とのおつきあいはお父さまのご縁からはじまって7年になりますね。 浅田さん:日野社長との出会いは「クチコミュニティマーケティング」のご本を読んでからです。クチコミってすごい!そしてとても自然なことだなと思いました。衝撃的でしたね。いいものを読むとすぐ誰かに知らせたくなるので、父や奥山社長に話しましたら、日野さんなら知ってるよ、ということでつないでいただいたご縁です。 日野:そうでした。 浅田さん:今までずっと中に中に目を向けようとやってきたところを、ハー・ストーリィに出会ってから、外を見ようという視点に変わりました。定例会の時にはリフレッシュし、現場目線ではなくてお客様目線になるようにと発想の切り替えができるようになりました。販売店を持った時に、お客様目線で答えを出していくということはとても大切なことです。現場経験がなくてもお客様目線だったら自信をもって答えをだせます。社員の場合は、販売店から言われると現場経験がないので、揺れるわけです。お客様目線だったら揺れませんよね。パンフレット一つ作るにしても素人であるお客様が見てどうなのか、という視線で見ていくということです。そういうことを社員に伝えながら、一人ひとりの社員の力をフル活用していきたいと考えています。 日野:ありがとうございます。これからも客観的な視点をもちながら、ますますの飛躍を期待しております。 ■対談を終えて フヨウサキナ様とは長いお付き合いで、わたし自身も刺激を受けています。女性たちが輝く社会を創るために長年尽力され、素敵な女性たちが日本中で活躍されています。浅田盾子さんはキュートでありながら冷静かつオーラのある素晴らしいリーダー。フヨウサキナ様の未来がこれからますます楽しみです。
- 女性のためのもっと上手な話し方
5万人以上の男女購買行動研究のプロによる、 女性が一目置かれる話し方の本、ついに登場! 自分では一生懸命話しているつもりなのに、相手に伝わっていない気がする……そんな悩みはありませんか? 仕事における話すシチュエーションで、相手から「?」と思われる女性は少なくありません。では、その「?」と思われる理由はどこにあるのでしょう。 本書では、女性が仕事で認められるために身につけておきたい話し方の秘訣をお伝えしていきます。 話が長い、目的が定まらない、伝えたいことが伝わらない、話が脱線する、感情的になる、気をつかいすぎる、人の話題をしがち……などなど、女性が陥りがちな失敗ポイントはたくさんあります。これらを一つ一つ解決し、伝わる話し方の原則をおさえることで、周りからの評価が驚くほど変わります。また、ビジネスは男性社会。男性に響く話し方をマスターすることなくして、成功はありません。 本書の話し方を身につければ、より自分の力を発揮し、仕事を楽しむことができるはずです。 ------------------------ 著書:日野佳恵子 出版者:ディスカヴァー・トゥエンティワン 出版日:2015/4/16
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1. 弊社プライバシーポリシーについて 弊社は、弊社プライバシーポリシー ( https://www.herstory.co.jp/policy) に従い、個人情報の適切な取扱い及び保護に努めます。 2. 個人情報の利用目的 ご提供いただく個人情報は、弊社プライバシーポリシーに定めるほか、次の目的のために使用いたします。 (1)当社もしくは当社顧客のために実施する、マーケティング調査のために必要な下記等の業務を行うため ①モニターの募集 ②アンケートやインタビュー等の調査の対象者選定 ③調査依頼の送付 ④調査結果の集計・分析 ⑤統計資料等の作成 ⑥弊社報告書、弊社ホームページ等での調査結果の公表(ただし、匿名性を確保して加工したものに限ります。) (2)弊社サービス(アンケート、懸賞等を弊社に依頼する企業から委託を受けて配信若しくは送付する情報を含む)に係るメールマガジン配信やDM送付のため。 (3)商品や資料、試供品、プレゼント等送付、謝礼等支払、抽選のため。 (4)これらに付随する目的のため。 3. 個人情報のご提供について 個人情報のご提供については任意となりますが、ご提供いただけない場合、ご提供に不備がある場合にはご応募、お申し込みいただけない場合がありますので、あらかじめご了承ください。 4.個人情報の管理と外部委託について 弊社は、取得した個人情報について、不正アクセス、漏えい、滅失、毀損などのリスクに対し、適切な安全管理措置を講じております。 また、業務の一部において、個人情報の取扱いを外部に委託することがあります。 その場合は、委託先に対して適切な監督を行い、必要に応じて契約等により安全管理措置の実施を義務付けます。 取得した情報は、利用目的の達成後、適切な方法により速やかに削除・廃棄いたします。 5 個人情報の開示・訂正・削除について ご提供いただいた個人情報についてのお問合せや訂正、削除につきましては、下記の弊社お問い合わせ担当窓口までご連絡ください。 最終改定日 2025年7月2日:[4.個人情報の管理と外部委託について] の項目を追加 お問合せ担当窓口 〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋1-37-8 ワコーレ三軒茶屋64ビル 3F 株式会社ハー・ストーリィ 電話:03-6805-3743 電子メール: monitor@herstory.co.jp
- 【小浦グループ 小浦石油株式会社】社員、アルバイトがともに学び、 地域に密着した商品選びと店づくりに力をあわせ、 お客様を呼び込む「生活提案企業」に
小浦グループ 小浦石油株式会社 代表取締役社長 小浦 芳生 氏 祖父の先見性と行動力 明治35年(1902年)にいち早く石油に注目し創業、暮らしに欠かせない石油一筋の歴史を持ちつつ、近年はエネルギーおよび生活提案企業として事業を展開、『総合サービス産業』を目指す小浦グループ 小浦石油株式会社様。ハー・ストーリィでは同社のTSUTAYA事業のTSUTAYA貝塚26号線店リニューアルに合わせて顧客調査や女性視点からのアドバイス、陳列や提案コーナーなどでお手伝いをさせていただいています。 前職はお医者様、異業種出身の小浦社長に、ロードサイド事業で培った地域に根付いた顧客接点を多事業に活かすヒントや人材教育などについてお伺いしました。 小浦グループ 小浦石油株式会社 代表取締役社長 小浦 芳生 氏 〈プロフィール〉 昭和59年3月 兵庫医科大学医学部卒業 平成元年4月 兵庫医科大学医学部大学院卒業、医学博士 平成6年11月 小浦石油(株)代表取締役常務 平成9年11月に同 代表取締役専務 平成14年10月より代表取締役社長。コーワ商事(株)代表取締役社長、(株)宝泉丸油代表取締役社長も兼任。大阪青年会議所特別会員、大阪府石油商業組合・大阪府石油協同組合事理、関西ニュービジネス協議会会員、近畿コスモ会副会長、全国コスモ連合会理事、大阪ロータリークラブおよび日本内科学会に所属。 ■共創プロジェクトの目的 コンビニ、TSUTAYA、ガソリンスタンド、住宅リフォームなど多種多様な業種業態を展開している。中でも小売店は地域密着として女性やファミリーに愛される必要がある。そのノウハウを店長や社員に浸透させる ■共創プロジェクトの内容 地域密着のロードサイド店舗のTSUTAYA事業以前はレンタルビデオなどが主流だったが今後を考えて地域の人が欲する商品が提供できる店づくりを構想する。 ■導入成果 地域在住の周辺のお客様たちをHERSTORYの協力で集めてインタビューを行い、様々なご意見をいただくことができた。多数の店舗があるがすべてお客様の視点を取り入れることが重要と痛感した。お客様から「こんな店が欲しかった」「ありがとう」といわれることが多くなり新たな業態開発をHERSTORYに今後もお願いしていきます。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ■小浦グループ様の原点は石油販売とお聞きしていますが、創業はいつ頃ですか。 小浦さん:当社は明治35年(1902年)に曾祖父が小浦石油商会として創業しました 戦後、祖父の代に大阪に出てきたわけですが、当時は戦後復興の中で工場用の燃料を卸す会社が多かった時代です。しかし、映画やアメリカ車が好きだった祖父は、日本にもアメリカ映画に出てくるような豊かな暮らしが必ず訪れると考え、戦後の自家用車など持つ余裕のない時代に、自ら土地を購入し直営のガソリンスタンドを展開していきました。ちなみに、戦後日本に建築された給油所第一号が当社の給油所として記録に残されています。 日野:とても先見性と行動力がある方ですね。 小浦さん:はい、そうですね。一番多いときには大阪・和歌山を中心に関西圏に60店舗の直営スタンドを展開し小売り販売に取り組むとともに、大手企業の工場や配送センターへタンクローリーで燃料を供給する産業燃料分野でも幅広い営業活動を行ってきました。 日野:一般小売りのガソリンスタンド経営と工場を中心とした事業所への燃料の供給と2つの柱でご発展されたということですね。 ■自由化による業態変化にも柔軟に 日野:そこからまた枝葉の様に現在は様々な事業を展開されていますが、そのきっかけとなったのはどんなことだったのですか。 小浦さん:そこからまた枝葉の様に現在は様々な事業を展開されていますが、そのきっかけとなったのはどんなことだったのですか。1996年3月31日に時限立法であった特定石油製品輸入暫定措置法(特石法)が終了し、それまでは限られた人しか扱えなかった石油製品が誰でも輸入できるようになりました。 日野:一種の自由化ですね。 小浦さん:はい、それ以降全国で6万5000軒もあったガソリンスタンドが3万1000軒近くに減少してきています。 厳しい時代の到来に、ガソリンスタンド1本では先行き見通しが立たない。そこでロードサイドというガソリンスタンドの地の利を活かし、他の商材を販売することを考え始めました。このことで現在の小浦グループが地域に愛される生活提案企業として様々な事業を展開することになりました。 日野:TSUTAYA様やファミリーマート様のフランチャイズ展開もそれがきっかけだったということですね。 ■お客様のライフタイムバリューを一つでも多く提供するロードサイドで地域に根ざした経験が新事業の強みに 小浦さん:はい、TSUTAYA様とは17年、ファミリーマート様とは12年前になります。 これまでは一人のお客様に燃料油やカーケア商品を販売していなかった弊社が、お客様のより多くのライフタイムバリューを獲得するにはどうすれば良いのかと模索し始めたときに出会ったのがTSUTAYA様です。彼らは住宅地のロードサイド店を展開、レンタル・CD・DVDでお客様を集客し、違うものを提供することを始めようとしていました。同じ目線を持っていたので一緒にやれるのではないかということで始めまし 日野:ファミリーマート様もTSUTAYA様同様に土地を活かすという発想ですか? 小浦さん:TSUTAYAのレンタル単独店は、当初は50坪前後の店舗が多くありました。弊社が始めた頃は180坪前後の大きさとなり、その後MPSと呼ばれる時代になると、最低でも300坪は必要となりました。この10数年の間に顧客ニーズの変化と、それに対する変化対応を目の当たりに経験しました。 その結果、当初に考えていた、生き残るための給油所で扱えるパッケージとしては、規模の問題で別のパッケージを検討する必要があると判断しました。そこで考えたのがコンビニエンスストアでした。 ■時代を捉え、お客様を呼び込む仕掛けをつくる 日野:小浦グループではTSUTAYA、ファミリーマートを展開するホームライフ事業の他に、車を切り口にしたSS・カー事業を展開されていますね。 小浦さん:2000年に国が様々なことを自由化すると宣言し、実際に保険や車検など車関連の色々な分野が自由化される方針が出されました。それに対応して弊社は、認証工場ではなく指定整備工場を関西圏に3か所建設しました。いまでは年間約6000台の車検をさせていただいています。そして、単に車検だけではなく、通常のメンテナンスサービス、燃料販売、保険販売を含めたトータルサービスを提供できる体制を確立し、新車、中古車の販売に力をいれています。また3年前からは、コスモ石油が「コスモビークルリース」というマイカーリースを始め、弊社も取り扱っています。これにより、お客様は全ての必要コストが含まれて、毎月定額の支払いで車を使うことができるので利便性も高くなり、それまでは中古車しか検討されていなかったお客様が新車をリースで乗られるようになるケースが増えています。それに対応して、少しでも安く新車を購入していただけるように、トヨタや日産など殆どの国産メーカーの車を、特選価格でお客様に紹介する「バリュータス」という新車販売ブランドを立ち上げました。これにより、新車・中古車をより安く、しかも通常のメンテナンスを指定工場とガソリンスタンドネットワークで提供する、一体型のサービス提供を行えるようになりました。 TSUTAYA貝塚26号線店 書籍 日野:ちゃんと時代を捉え、一歩先を常にキャッチされておられますね。前職がお医者様という、異業種から入ってこられた目線をお持ちだからでしょうか。 小浦さん:それはどうでしょう、自分ではわからないですね。僕がよかったなと思うのは、TSUTAYAの増田宗昭社長とお会いして「TSUTAYAはレンタル屋ではない、企画会社だ」という話を聞いたときです。増田社長は、まずはお客様を呼ぶ、そのあとに個々の店の経営者や店員が考え、変化対応し続けないといけないと言い続けていらっしゃいます。ものを置いて売れる時代は終わりました。店の商品は自分達がお客様に紹介したいものを探してそれを置く、そういう時代になってきました。 日野:このTSUTAYA貝塚26号線店はFC(フランチャイズ)として初めての形態ですよね。本の売場をラウンド型にして、その周辺にその他の物販を置いたり、カフェスペースがあったり。 TSUTAYA貝塚26号線店 雑貨 ■FCでは初の店舗デザインもカフェスペースもお客様のニーズを聞いて自分達で作り上げた 小浦さん:昨年の12月にオープンしました。蔦谷書店モデルの要素を取り入れた店舗です。 10年、15年先を見据えた業態のトライ、新型バージョンです。直営でもやったことのないことをFCのロードサイド店で始めたわけです。 しかし、弊社はガソリンスタンドを経営していたときと同じで、あくまで地域にこだわり、その場所にあって商圏数キロのお客様が喜ぶものを常に意識しながら販売するものを考えていきたい。言われたものを置くだけではなく、お客様のニーズを聞き、自分達で考える力が大切です。 お客様座談会 ハー・ストーリィに期待すること 日野:小浦社長のお考えの中で、私達ハー・ストーリィを必要とされたところをお教えいただけますか。 小浦さん:TSUTAYAの増田社長が言うところの「まずはお客を呼ぶ、そのあとに個々の店の経営者や店員が考え、変化対応し続けないといけない」。これは自身が働く店、商圏のお客様をよく知り、自ら考え企画し店を編集していく力を身につける。そのためには、社員、アルバイトのスタッフを育てることが大切だと考えました。そこでハー・ストーリィさんのお力をお借りしたいと思った次第です。 日野:ありがとうございます。沢山の研修に入らせていただいております。 小浦さん:教育研修に参加した社員やスタッフがこんなに短期間に自主的にこういう店をつくれるようになったことは本当に素晴らしいです。これもハー・ストーリィさんのお力だと思っております。 日野:みなさん、スタッフの方が楽しそうにされていますよね。これまで手を出していいのか、悪いのかわからなかったが、やってもいいのね!という感じです。 小浦さん:社員も同じ事をアルバイトスタッフに伝えていたとは思うのですが、同じ研修を受けたことで、社員もスタッフも一緒だと受け止めてくれたのだと思います。これは内部ではできないことです。こういう研修をベースにしながら、自分達自ら商品を探し出してくる人材を育てていきたいです。 日野:私どももみなさんが育つように、これからも頑張りたいと思います。本日はありがとうございました。 ■対談を終えて 小浦芳生社長とは以前に一度、お仕事をさせていただいていました。そのご縁でTSUTAYA貝塚26号線店の改装をきっかけに思い出していただき、再びお声がけいただきました。 石油一筋だったという事業を引き継がれ、今では「生活提案企業」と自ら発信しておられるように多角的な事業をされています。 小浦社長は、感度が高くトレンド情報のキャッチも早い方です。さすが多彩な事業を同時に進められる方の頭の回転はすごい!といつも感動しています。なんと事業を継がれるまで本物のお医者様として医大で活躍だったとお聞きして驚きと納得です。 現在、私たちは、小売店舗事業を中心に、接客研修、店頭陳列サポート、POP技術の研修にも入らせていただいています。また店舗のお客様との懇話会等もお手伝いし、小浦グループのみなさまが、地域のお客様に選ばれるために必要な視点、技術をどんどんご提供したいと思っています。社員、アルバイトのみなさまがみるみる変わる姿はこちらもやりがいがあります。引き続きこれからもお互い情報交換のできるパートナーとして末永くよろしくお願いします。
- 【神戸トヨペット株式会社】7500人を超える女性会員組織を作り運営する「ブライト★ウーマン」。女性社員の女性視点を生かした店舗づくりが売上げにも貢献
神戸トヨペット株式会社 代表取締役社長 西村 公秀 氏 女性が“輝く場”の提供と機会を常に考えていた トヨタ自動車の販売チャネル「神戸トヨペット」様。ハイブリッドカー専門車検ではプリウス車検整備台数3067台(2014年度)で県内1位、T-up買取実績兵庫県No.1、プロサッカーチーム「ヴィッセル神戸」のオフィシャルスポンサーであり、Facebookも活用しながら積極的に顧客サービスに取り組まれています。5年前から女性スタッフによる女性ドライバーに向けたカーライフコンテンツ「ブライト★ウーマンクラブ」を運営、成果を上げていらっしゃいます。その背景や次のステップについて西村社長にお伺いしました。 神戸トヨペット株式会社 代表取締役社長 西村 公秀 氏 〈プロフィール〉 平成5年 神戸トヨペット株式会社入社。 平成14年 総合開発室・輸入車両部担当取締役 平成15年 総合開発室・輸入車両部担当常務取締役・営業副本部長 平成17年 営業部門・管理部門統括 代表取締役専務・営業本部長、レクサス事業責任者 平成18年 代表取締役副社長 営業本部長 平成20年より代表取締役社長 平成23年より鳥取トヨペット株式会社 代表取締役社長および株式会社トヨタレンタリース鳥取 代表取締役社長も兼任。 > 神戸トヨペット株式会社 ■共創プロジェクトの目的 女性社員が生き生きと活躍でき、それをきっかけに女性やファミリーのお客様がいつでも気軽に思い出してくれるディーラーとしての存在を創る。女性の強みを活かせる機会の提供と場づくり ■共創プロジェクトの内容 2005年から立上げた女性社員による女性に向けたカーライフ提案のコミュニティ 「ブライト★ウーマンクラブ」活動のサポート継続と活性化 ■導入成果 女性スタッフによる女性ドライバーに向けたカーライフコンテンツ「ブライト★ウーマンクラブ」を運営。立上げからすでに約10年。今では、ブライト★ウーマンに入りたいという女子学生がほぼ100%というほどブランディング効果を発揮。女子学生の入社動機にあがるほど広報効果に ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ブライト★ウーマン設立のきっかけを教えていただけますか? 日野:ブライト★ウーマンという女性視点の活動チームをつくられて5年になりますね。 西村さん:最初のきっかけは、現在、株式会社タクティーの新井社長がトヨタ自動車で常務役員をされていた時に、女性視点を生かした店舗展開を導入され、次々と成績を上げておられる姿を拝見したことでした。当時、私自身も弊社の女性社員に活躍の場を見出せないかと考えておりましたが、方法論を見つけかねていました。 そこで、新井社長へそのことをご相談させて頂きましたところ、ハー・ストーリィの日野社長をご紹介頂き、これがブライト★ウーマン活動発足のきっかけとなりました。 日野:お会いした当初は営業最前線に立つ女性の人材を新たに募集しようとお考えでしたよね。そこで私は今、社内におられる優秀な女性のみなさんを活用されては、とアドバイスさせていただきました。 西村さん:弊社には優秀な女性社員が大勢いることは十分理解しているつもりでしたが、彼女達を輝かせる選択肢は日野さんにご指摘頂くまで意識をしていませんでした。弊社は、全社員約1000人のうち2割が女性社員ですので、彼女達を今以上に活かせる仕組みが必要だと考え、日野さんへお力添えをお願いしました。 輝く女性社員=ブライト★ウーマンと命名 女性視点の店舗づくりからお客様への対応まで 「ブライト★ウーマン」の活躍の場は広く、深い 西村さん:私としては女性社員の制服を変えたり、肩書きも“ショールームスタッフ”から“店舗アシスタント”に変更したりと、様々な変革を講じたつもりでした。しかし、肝心の「どのように活躍して欲しいのか」を彼女達にちゃんと伝えられていなかった。「女性が輝いていない会社はだめですよ」と日野さんに指摘され、女性社員が“輝く場”として「ブライト★ウーマン(brightwoman)」を発足しました。 ブライドウーマンWEBサイト 西村さん:『いざ!!という時のお助けBOOK』については会員の皆様だけでなく、カートラブル対応のプロであるJAF様からも評価を戴いております。これ以外でもブライト★ウーマンが企画したアイテムやイベントは会員の皆様からご好評を戴いております。そして、女性のお客様向けのブライト★ウーマンクラブは毎月100人以上のお客様にご加入を頂いておりますので、今年中には会員総数が8000人を超えるのではないかと思います。 日野:素晴らしいですね。 神戸トヨペット様の中でブライト★ウーマンという女性の活躍が認められてきましたね。 ブライト★ウーマンクラブご案内資料とメンバーズカード 女性視点で「営業ではない営業」 女性社員の活躍が男性社員に刺激を与える 相乗効果こそ営業効果! 西村さん:おかげさまで彼女達の頑張りが、お客様をはじめとして様々な所で評価を頂ける様になってきました。 ブライト★ウーマンが今年で発足5年目を迎えるにあたり、これまで社長直轄チームとして活動をして来ましたが、7月に営業本部に事務局を移しました。今後は営業本部とも連携を取りながら、これまで以上に積極的に動いていきます。今は、やっと第一歩を歩み始めたばかりです。 私は、ブライト★ウーマン活動は今以上に高みを目指していけると考えています。そのためには、店長をはじめとする男性社員一人ひとりが“彼女達の活動が神戸トヨペットの成長に必要だ”ということを十分に理解して、協力することだと感じています。 また、彼女達もブライト★ウーマンの役割をさらに自覚し、店舗のアシスタント業務だけでなく、営業スタッフと一緒にお客様を訪ね、この冊子を手渡してご説明する。1軒でも2軒でも訪問を続けていくことで、彼女達のお客様への意識も変わってくると思います。 日野:現場の店長が女性の活躍に理解を示しているか否かで、店舗ごとの空気感の違いはあったように思います。また、女性社員も営業的な仕事に関わっていなかったことで、遠慮がちになることもあったかもしれませんね。 西村さん:ずっと男性中心の会社ですから。それは決して悪いことではないと思っていますが、その中で女性社員がしっかりと自身の長所や力を仕事に活かしきれていないことは、悲しいと感じていました。 昨年の1月、私は全社員が集まる年頭合同会議の場で、トヨタ自動車株式会社の販売店総合表彰である「準総合表彰」の受賞を目指すことを宣言しました。様々な指標をクリアすることは勿論ですが、この賞を目指し、受賞することで女性社員の皆さんがこれまで以上に輝き、しっかりと力を発揮してもらえる会社にしたいと思っていました。だから、私はその場で女性社員全員へ向けて「会社はあなた方を大切に思い、あなた方が輝ける場所をブライト★ウーマンを通してつくりたいと考えている。だから力を貸して欲しい」と伝えました。彼女達がそれにしっかりと応えてくれたことで、社員全員で素晴らしい成績を残すことができ、13年振りとなる準総合表彰を受賞できたと感じています。 また、日野さんとハー・ストーリィさんにサポートして頂いたことで、ブライト★ウーマンの活動も随分と社内全体に浸透し、女性社員が自らの力を発揮することができる基盤が出来てきたと感じています。 ブライト★ウーマン ミーティング 企業スローガンの「Dramatics Engine」の通り、 男性社員も女性社員も、“お客様の人生に寄り添い、 ドラマをつくりだすエンジン(原動力)”に 日野:来年は創業60年を迎えられますね。企業スローガンの「Dramatic Engine」と、そのコンセプトである“お客様の人生に寄り添い、ドラマをつくりだすエンジン(原動力)でありたい”という言葉は、社内にとってもブライト★ウーマンにもとても馴染むと思います。 西村さん:ブライト★ウーマンの活躍が、良い意味で男性社員にも刺激になっています。ブライト★ウーマンには今後、営業と動きながらも“営業でない営業”という新しいビジネスモデルを日野さんのお力添えを頂きながら目指してきたいです。 日野:女性は勝つことよりも、選ばれる、指名されることに生きがいを感じるものです。“営業でない営業”というのは女子的には満足して進めるかもしれませんね。 ハー・ストーリィに期待すること 西村さん:2012年にスローガンに「Dramatic Engine」を掲げスタートしましたが、少しずつ浸透してきたなと実感しています。そして、次の段階としてお客様をはじめ地域や仲間、企業同士のドラマづくりが未来づくりとなる様に、あらゆる情報を時系列に並べ、クリアにしていく必要があると感じています。その作業を行う時にはハー・ストーリィさんの情報力や日野さんからご教示頂くことで、一つずつクリアし着実に超えて行きたいと思います。 日野:未来のドラマをつくる、とても素敵な目標ですね。 弊社もハー・ストーリィという社名で、「彼女(her)の歴史(history)」という意味ですから、ご一緒にストーリーを紡いでいきたいですね。 神戸トヨペット様の歩みを今後ともサポートさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。 ■対談を終えて 神戸トヨペット様ともすでに長いお付き合いです。 女性のお客様も気軽に入れる店づくりをめざし、女性社員の視点を大切にした店づくりをしようと全国トヨペット店で始まった「奥様のミカタ」プロジェクトをきっかけに、定期的にお伺いするようになりました。 女性社員のチーム「ブライト★ウーマン(bright★woman)」の活動は年々バージョンアップし、本当に「輝き」を放ってきました。今では、新卒入社希望の女性が増え、なんと面談では100%の人が「ブライト★ウーマン(bright★woman)の活動が魅力的だったから」と答える存在になったと報告をいただき、本当にうれしく思います。 活動の一つ、記事内で紹介した小冊子『いざ!!という時のお助けBOOK』は、お客様から大好評で、「妻に渡したい」「女性社員全員に持たせたい」と拡がり、増刷を続けています。彼女達のアイディアがお客様に喜んでいただく活動として確実に種から花開き、実になってきました。 全社でも業績発展されている神戸トヨペット様は、私自身大変、勉強になります。これからもさらに地域での活動の輪を広げるお手伝いをしてまいりますので、よろしくお願いします。
- 【株式会社タクティー】飽和したカー用品市場、価値観の変化の対応策にお客様視点=「女性視点」を導入、高い評価と次のチャレンジが見えて来た
株式会社タクティー 代表取締役社長 新井 範彦 氏 過去に囚われない、「お客様視点」の徹底研究 トヨタ自動車株式会社のアフターマーケット戦略も担いながら、「みんなのガレージ・カーパーツのお店からカーストーリーのお店へ。」を合言葉に、全国90店舗を展開するjms (ジェームス)の運営でも知られる、株式会社タクティー様。自動車購買者に占める女性の増加に伴い、メーカーも女性をターゲットにしたモデルを数多く販売する中、女性にも親しまれる店舗づくりを積極的に取り組まれている同社代表取締役社長 新井様にお伺いしました。 株式会社タクティー(現トヨタ モビリティパーツ株式会社) 代表取締役社長 新井 範彦 氏 〈プロフィール〉 昭和53年4月トヨタ自動車販売株式会社 (現トヨタ自動車株式会社)入社。平成15年6月同社国内マーケティング部部長、平成17年6月同社カローラ店営業本部部長、平成20年6月同社常務役員(カローラ店営業本部・レンタリース事業部他)、 平成23年6月株式会社トヨタマーケティングジャパン副社長、平成25年4月株式会社タクティー常勤顧問、同年6月より同社代表取締役社長。 > 株式会社タクティー(現トヨタ モビリティパーツ株式会社) ■共創プロジェクトの目的 カー用品の店舗は、男性客が多くなりがち。女性客が立ち寄りやすくするためには、女性社員の視点をもっと店舗に活かしていける体制をつくりたい。店舗づくり、商品企画に女性視点が効果的に活かせるように、女性視点マーケティングを導入し、実践できるようにしたい ■共創プロジェクトの内容 男性視点だった売場(男性視点=車好き男性) これを「女性視点=女性+ファミリー(男女)」 という新たな視点から取り組みの軌道を変更 ■導入成果 カー用品のジェームスの運営で知られるタクティーは、トヨタ自動車のアフターマーケット戦略を担っています。カー用品店は、女性が立ち寄りにくいイメージ。そこで、お客様視点=女性視点と位置づけ、高い評価を得ています。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ■女性の気持ちをわからずして車のマーケティングはできない。カー用品も同じだと思う。 日野:今までカー用品店といえば男性のお客様が中心のイメージでしたが、社長に就任後、積極的に女性にも親しまれる店作り、商品開発に取り組まれていますね。 新井さん:ここ数年で、業界は大きく変化してきました。市販のナビ、タイヤそして車検などのメンテナンスをディーラーよりもお値打ちかつ魅力的な品揃えで展開してきたカー用品業界ですが、競合社との価格競争やネット販売などの参入により苦戦を強いられるようになりました。私に与えられたミッションは、飽和した市場と価値観の変化にどう対応していくのか。一言で言うと「お客様視点を徹底的に考える」。これを過去に囚われずに行うことです。 日野:お客様視点=(イコール)女性視点、ということですか? 新井さん:はい、従来はお客様視点=「男性」視点でした。私はトヨタにいたのですが、ファミリーにおける自動車購入の決定には奥様の意見が非常に大きい。女性の気持ちをわからずして車のマーケティングはできないと、トヨタは変わってきました。カー用品業界も一緒で、「男性」視点、「女性」視点を意識し、もっと色々なお客様が楽しめるような店舗にしていくと、まだまだチャンスは生まれると思って取り組んでいます。 日野:確かに車は家族で乗りますね。しかも旦那様より奥様のほうが時間的に多いかもしれません。 ■「男性」視点から、「女性」視点を意識した店舗改革へ 日野:実際に「女性視点」に注目すると、どんなことが見えましたか?具体的には何を変えられたのでしょう? 新井さん:集客装置としての店舗を見直すところから始めました。カー用品店ではタイヤとナビは2本柱ですので、タイヤを入口に山積みにしている店舗が多かったのですが、ファミリーで来た時に、タイヤの臭いは大丈夫なのか、女性や子どもは怖くないのか、こんな地震の多い国で大丈夫なのか、というように、コーナーごとにお客様視点で見てきました。その結果、これまでの店舗は”車のことをよく知っている人が、自分の必要なものを買いに来る、そんな店だったということを認識したわけです。逆に言うと、それほど車のことも店のことも知らない人も楽しめる、呼びこめる店舗にしたらどう変わるか、という可能性の発見でもありました。 日野:それでジェームスは今のコンセプト(「みんなのガレージ」)に変えていかれるのですね。 店舗(ビフォー)タイヤが山積みの入り口 ■全91店舗中、どのくらいが新しいコンセプトの店に改装されましたか? 新井さん:40店舗です。2015年度には全店舗の改装を終えたいと思っています。しかし改装は、お客様視点でのマーケティングの中のハード面であり、手段の一つに過ぎません。お客様にどうサービスしていくのか、女性の方にもわかりやすい展示、陳列、商品説明といった、特に女性客への対応を全ての項目で見直すのが目的で、店舗改装はそのきっかけだと思っています。げ、そしてマイホームを建てることができました。その報告を受けた時はとても嬉しかったです。 店舗(アフター)タイヤを1点1点セレクトショップのように展示。 木目のキャビネットも見た目にやさしく、エコの印象を与える ■女性スタッフによる、女性向け商品開発。女性顧客向けDMの導入。 日野:女性向けのDMも作られていますね。 新井さん:会員情報で性別が識別できるので、内容は男性向けのものと同じでも、女性の目をひく色使いやデザインを試しています。また「gg(girl’s garage)」というプライベートブランドで女性向け商品の開発も行いました。これは女性スタッフを集めたチームで取り組みました。 同社DM例。左が一般(男性向け)、右は女性専用 gg(girl’s garage:ガールズガレージ)のカーマットとシートカバー、ハンドルカバー 日野:女性視点を「店舗戦略」と「商品戦略」の両方に取り入れることで、女性スタッフの方々の活躍の場も広がっていますね。 新井さん:「この店親切だね」「私の事をわかってくれてるわ」「友達にも紹介したいな」などと思っていただけるように、先ほど説明したソフト面と合わせ、店頭スタッフの対応などに取り組んでいます。また当社女性スタッフも自分達の価値観で商品を考えた場合、どんな商品が欲しいかの議論も進めています。 ■現場が自らお店づくり。エリアサポートも強化 日野:お客様の評判はどうですか? 新井さん:ありがたいことに、お客様の評判、インナー的な評判のどちらもいいですね。ただお客様への対応など現場のスタッフの意識がもっと変わっていかないと、なかなか完成しないでしょう。やはり成果が出るまでには2、3年はかかると思いますが、継続していけば必ず成果は出ると信念を持ってやっています。実は四国の運営部がこの取り組みに共感し、四国のjms(ジェームス)の女性スタッフや事務局が一緒にミーティングをするといった展開が見られました。こうした動きが全国に拡がること、各エリアで「自分たちの手で変えていこう」と動くこと、これが目指す姿ですね。 日野:でも二本柱のうちの一つであるタイヤが山積みの店構えを変えるのは、かなりの決断では? 新井さん:もちろん調査もしましたし、モデル店でタブレットを使うなどの商談方法を試すなど、仕組みも総合的に考えました。1店舗、2店舗、3店舗と試し、ある程度いけると判断した上で踏み切りました。それでも現場では予想通りにいかないこともあり、常に発見と改善の繰り返しでした。各地の店舗からの相談に応じるエリアサポートと、事例別のマニュアルも手がけました。 ■女性視点をきちんと研究していくことで男性視点も明確になってくる 新井さん:日野さんに教えていただいたとおり、女性視点をきちんと研究すると、男性視点も非常に明確になってくる。今まではフワッと、個別のターゲットを意識せずに全方向で考えてきましたが、女性視点に気付くとターゲットは「車好きの男性」「女性」「ファミリー(男女)」と大きく3つのジャンルがあったと気づいた。一つのターゲットをクリアにすることで、他のターゲットの特徴までもが見えてきました。もう一つ、これは私がずっと考えたことですが、「女性視点マーケティング」と「女性マーケティング」は違うということ。「女性視点マーケティング」は女性に限らずシルバーやシニア、最近多い車に興味のない男性の方の視点でもあると言える。しかし「女性マーケティング」の場合、女性といってもいろいろな方がいて、例えばクルマ大好き女子から主婦、独身女性まで様々な視点を意識するというか。これは間違えないよう、社内でも「気をつけよう」と言っています。 日野:2つの違いをよく分かってらっしゃいますね。 ■「男子校」から「男性」「女性」それぞれに合う店へ ターゲットを見据え土地に合ったエリアマーケティングの模索 日野:今回、御社のチラシなどのデザインに関する「ガイドブック」を制作させていただきました。その際「印刷物で男性と女性の違いがあるということが、改めて見るとよくわかる」とおっしゃっていらっしゃいましたが。 新井さん:基本的にカー用品業界というのは、高校生に例えて言うと「男子校」だったんです。これを「男女共学」というコンセプトに変えようという話なのですが、全て「男女共学」にするというと、それはまた違います。一つの店舗でいろんな方に対応できる体制にしたいけれど、フワッと全体を見てはダメで、今は男子校から男女共学に、さらに言えば「男子組」もあれば、「女子組」もあれば、「男女共学組」もあるという分け方にした方が、よりjms(ジェームス)の店舗作りにはフィットするのかなと思っています。これは店舗の中のコーナーでも言えることだし、チラシやDMもそう。車好きの方用のページもあるし、女性コーナーもあるし、というような事ですね。そういう目で見てみると、ユニクロ等他業種の小売業もそういうのを意識されているのがわかります。いろんな方に来てもらうには、それぞれが、別々に喜んで頂けるようなページ構成や訴求の仕方を意識してやっていかなければならないんだと。ハー・ストーリィさんのお陰で勉強させてもらいました。 同社チラシ例 日野:これから2年目ですが、さらにバージョンアップされるのが楽しみです 新井さん:マーケティングは「お客様視点」と世の中や時代の変化をどう捉えるか、なのでそこを変えるとどんどん変わってきます。競合他社のマーケティングも変わるし、ひょっとしたら競合他社はカー用品店だけではなくて他の小売業かもしれない。効率化も含めながら、よりターゲットが反応するようなチラシやDMの紙面、普及方法にも、もっと切り込んでいきたいと考えています。もう一つは、エリアマーケティングです。プロモーションコストを睨みながらその土地に合った商品をどうアピールしていくのか、店舗対応も含めて推進していきたいですね。 ■ハー・ストーリィに期待することは「今ある商品の魅力をどう伝えていくかという、サービス開発」 新井さん:御社の得意な女性戦略という武器、それをますます磨いていただきたいのと同時に、女性視点を知ってるということは男性視点もわかっていらっしゃるということなので、トータルのサポート、小売業域改革みたいなことをやっていただきたいなと思います。日野:さすがですね。実は弊社の今月発表するキャッチフレーズは「ストアサポートコーディネート」なんですよ。 車の重要な消耗品としてバッテリーがあるのですが、そのパッケージが(型式番号だけなど)とてもハードで弊社のサービスピットの人間でなければ分からないようなデザインだったんです。そこで女性やメカに詳しくない男性でも分かるようなパッケージを作りました。「性能と価格のバランスのとれたクルマの電池」、ですが、どうでしょう? 日野:わかりやすい! 新井さん:ハイブリットカーのバッテリーはメインとサブの2つあって、サブが5年ほどで消耗してしまうと、メインが動かなくなるんです。そんなこと知らないですよね? 日野:知らないです。 新井さん:これが”知る人ぞ知る”という、こういうのを調べて買いに来る人の店だったわけです。そこで女性視点というか、メカに詳しくない男性にもわかるような広告を作りました。女性や車に詳しくない人にむけての伝え方を考えていくことで、従来商品の新しい可能性を見つけることができたわけです。製品開発ではない、サービス開発とでも言うべきでしょうか。物事に囚われないニュートラルな目で、日野さんにもジェームスの店舗内を見ていただいて、女性に難解な商品を見つけていただきたいなと思ってます。 日野:なるほど面白いですね。まるで宝探しですね。 新井さん:「家庭でも使える」みたいなものもいいですね。カー用品には、フロントガラスの雨粒を弾く、撥水剤の商品があるのですが、お風呂場の鏡にも使えるんじゃないか、そんな発想です。こういったことはお客様のほうが進んでいて、既に実践されている方もあるかもしれない。製品開発としてサプライヤーはこんな発想はなかなかできないけれど、店舗ならいろんな使い方提案をしてもいいと思う、セールストークとしてね。そうすることで新たな需要が生み出せるかもしれない。こういったことも、日野さんにお手伝いいただきながら、ジェームスという店の可能性をどんどん広げていく。これが次のビジョンであり、すぐにでも叶えたい夢ですね。 日野:弊社の得意分野です。ぜひお手伝いさせていただきたいと思います。今後もジェームスからも目が離せませんね。本日はどうもありがとうございました。 以前の「バッテリーパッケージ」 新しくなった「バッテリーパッケージ」。 特徴が一目でわかる表現になっている。 ■対談を終えて 新井社長とは、トヨタ自動車時代から長いお付き合いです。新井社長がこだわられてきたのは「女性客マーケティング」ではなく、「女性視点マーケティング®」。女性視点とは、女性客だけのためのマーケティングではなく、車が得意ではない女性ドライバーの視点から見ると、わかりにいく商品、サービス、説明、POPなどがあるのではないか、それを変えていくと、車が苦手な男性、若者、シニアの人たちにも通じるようにでき、広く大勢の人たちに車に親しんでもらえる店になるのではないか、という考えから展開されています。 新井社長の行動力はいつも驚かされます。ジェームスが各地でどんどん誰もが入りやすい雰囲気、店になっています。わたしも長くドライバーですが、ジェームスなら立ち寄れる、と感じる店が増えてきました。 女性視点だけではなく、誰もが立ち寄りやすく、わくわくする楽しいカー用品の店が全国に増えることを楽しみにしています。これからも長いお付き合いをよろしくお願いします。
- 【プルデンシャル生命保険株式会社】女性中心の生保業界に「男性のプロ集団」で差別化、業界トップリーダーに。さらなる成長に向け、男女のプロ採用・育成へ。
プルデンシャル生命保険株式会社 執行役員専務 阿野 安雄 氏 設立当時は「男性」で差別化 女性育成、活用への取り組み平成20年に多様化推進の専任組織「多様化推進チーム」を設置するなど、女性営業社員の採用・育成を推進しているプルデンシャル生命保険株式会社様。2009年から女性ライフプランナーの採用に関わり、女性が活躍し続けられる環境づくりに積極的に取り組まれています。阿野 安雄執行役員専務にお話を伺いしました。 プルデンシャル生命保険株式会社 執行役員専務 阿野 安雄 氏 〈プロフィール〉 平成2年プルデンシャル生命株式会社にライフプランナーとして入社。千代田支社支社長、首都圏地区営業本部長、執行役員ののち平成19年 プルデンシャル・セグロス・メキシコ営業本部長、平成21年4月より執行役員常務を経て平成26年4月より執行役員専務 第二営業本部長。 > プルデンシャル生命保険株式会社 ■共創プロジェクトの目的 女性が活躍し続けられる環境づくり ■共創プロジェクトの内容 男性が活躍しやすい組織だった側面を見直して、女性も活躍し続けられる環境づくりを考え、組織全体で男女共に活躍できるプルデンシャルになるための仕組みを創りたい ■導入成果 女性のライフコースが男性と異なった変化があることを改めて知れた。結婚、子育て、家族との関わり、お客様とのコミュニケーションなど、苦労や悩みをどのように乗り越えてきたのかを見える化できたことで女性ライフプランナーには勇気が持てるバイブルができた。上司のアプローチにも変化が見られるようになった。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子<プロフィールはこちら > ■1996年に女性ライフプランナー第1号が入社、今でも活躍しています 阿野さん:弊社は1987年10月に設立しましたが、当時の日本の保険業界は女性外交員が活躍している時代でした。そこで独自性、差別化のために「男性ライフプランナー」による「オーダーメイド」の保険の「コンサルティング営業」を打ち出しました。そのため、男性のプロ集団という印象をお持ちの方も多いと思います。なお、ライフプランナーの採用は営業所長が他業界で実績を残されている優秀な人材を探し、ヘッドハンティングで行っています。数回の面談、面接を行いクオリティの高い人材を厳選採用しています。 日野:女性ライフプランナーの採用はいつからですか? 阿野さん:1996年10月に最初の女性ライフプランナーが千葉支社に入社しました。特に女性採用を強化しようといった取り組みもない時期で、採用担当の営業所長が本人の資質を見てスカウト、役員面談を経て入社と、男性と同じ基準とプロセスで採用しました。今も活躍しています。 ■2006年から女性の採用を積極的に行う 2003年は全国で26人。2013年は247人と10年で9倍以上に 阿野さん:女性ライフプランナーの入社が増えてきたのは2000年頃からですが、会社として女性採用に本格的にコミットするようになったのは2006年の「女性採用プロジェクト」が最初です。 日野:阿野さんご自身もそのプロジェクトに関わられたのですか? 阿野さん:実は私は2007年から2年間、メキシコで現地法人の立ち上げを行っていたため、日本で女性ライフプランナーの採用に関わったのは2009年からになります。 日野:メキシコ駐在時代に女性の採用や育成はされていらしたのですか? 阿野さん:女性管理職やライフプランナーの採用を担当しました。また役員の10人中3名が女性であったこともあり、男性と女性が仕事でコラボレーションすると高い成果を上げることを目の当たりにしました。 日野:どんなコラボレーションですか? 阿野さん:例えば私たち男性役員は「量」が欲しい。でも女性役員は「クオリティの担保が出来ないのでは」とサイドブレーキを引いてくれる。「量を追求してもいいけれど、やりすぎるとこのサービスが疎かになる可能性があるので注意したい」と。男性と女性の特性を活かし、ベストな選択をすることができました。 管理職の女性も多かったのですが、男性社員とともにきちんとチーム作りをしているし、うまい。さらに明るいので支社の雰囲気がよく、メンバーをやる気にさせていましたね。 ■今までの採用基準は「男性特性」。「女性特性」も考えた基準に意識変更 日野:女性の活躍の可能性を感じて帰国されましたが、採用はうまくいきましたか? 阿野さん:最初は難しかったですね。男性の採用では、前職は営業職で、トップクラスの営業成績を上げ、体力があり、学歴が高い人を採用していました。しかし、そのような女性はとても少ない。なかなか女性候補者に会うことができませんでした。人材業界の方に話を聞いても「無理です」と。 日野:POJは能力の高い方ばかりですから。 御社の求めるクオリティを担保しつつ、男性と同じ基準で“女性”を探すのは、とても大変だと思います 阿野さん:この苦労が教訓になり、優秀な女性ライフプランナーの特徴を研究しました。 サービス精神や、きめ細やかさなど女性の特性にも着目するようになりました。例えば営業職であればどうやってお客さまになっていただいたのか、販路を広げたのか。非営業職にもターゲットを広げ社内の方とのコミュニケーションを取りながら女性らしさを生かして仕事を発展させたか等を聞くことで、数字に表れない能力を見つけられるようになりました。 このように女性ならではの強みに着目し、一人また一人と活躍する女性ライフプランナーが増えていく中で、女性の持つ「きめ細やかさ」と「プラス1のサービス精神」、そして「コツコツ仕事ができる」スキルがライフプランナーという仕事に適していると分かってきました。 日野:女性は地道ですよね。 入社してからはいかがですか? 阿野さん:違いがありました。男性は勢いがありスタートダッシュと追い込みに優れています。一方女性は「積み上げ」型。多少“波”はありますが、少しずつ確実に成長し挙績を上げる。この違いを踏まえ、採用だけでなく、育成の方法も工夫するようになりました。 そして2003年は26人だった女性ライフプランナーは、10年で249名と9.5倍、全ライフプランナーの7.8%にまで増えました。そして昨年、女性初の「エグゼクティブ・ライフプランナー」(ライフプランナーの最上級職)が誕生しました。 ■営業コンテストの入賞者の数・率ともに年々増加男性ライフプランナーの業績にも好影響を与えている 阿野さん:目に見える活躍をする女性ライフプランナーも増えています。POJには「社長杯」という営業コンテストがありますが、上位に入賞する女性ライフプランナーも多くいます。 男性ライフプランナーの業績にも好影響を与えていると思います。女性ライフプランナーがいる支社の方が、男性ライフプランナーの業績も高いということが分かっています。女性の力、センス、スキルが社内に浸透しているのではないでしょうか。 日野:採用担当の営業所長さんも頑張っていらっしゃいますね。私の講演も、いつも熱心に聞いてくださっています。 現場でも私どもが協力させていただいた社内ツール「採用・育成ガイドブック」も活用いただいていると聞きました。 阿野さん:日野さんの研修で「男性と女性の特性の違い」を教えてもらった2009年頃から営業管理職(所長、支社長)の意識も変わり始めています。それまでは女性のライフプランナー候補者に対する接し方と男性に対するそれとを変えた方が効果的ということは全く知りませんでした。研修後は、女性採用に挑戦し、成功する所長も増えています。 また、昨年からハー・ストーリィさんと一緒に作っている「採用・育成ガイドブック」は好評です。今年は第二弾を全管理職に配布したところ、参加者から“もっと女性ライフプランナーの採用に取りみたい”といった声が多数寄せられました。 研修で学ぶだけでなく冊子にまとめることで、振り返ることもできます。追加で取り寄せたり、自主的にワークショープ形式の勉強会を開催するなど、現場で大いに活用されています。 日野:実際に採用・教育をされる管理職の方は、どんな風に女性特性を取り入れていらっしゃるのでしょうか? 阿野さん:現場の管理職に聞くと、一番効果的なのは「傾聴」(※)、時間をとってしっかり話を聞くことだそうです。 女性採用が得意な営業所長も出てきました。見ていると、強い信頼関係が築けている。適度な距離を保ち、離れすぎず、かといって過干渉でもない。 ※「傾聴」 マネジメントやコーチングでマネジメントやコーチングで求められるスキルの一つ。 相手の話に耳を傾け、理解し、反応をすること ■女性管理職の課題 「仕事と家庭の両立」を本気でしたい人に選んで欲しい ライフプランナーという働き 日野:女性の営業管理職はどうでしょう? 阿野さん:当社は、ライフプランナーで経験を積んだのち、営業所長から支社長という管理職の道か、ライフプランナーとしてプロとなるか、いずれかの道を選択することができます。女性ライフプランナーを増やさないことには管理職も増えませんが、それでも徐々に増えています。 女性の営業所長はヘッドハンティングにおいて優秀な人材を見つけるのが上手、面談もうまいですね。ただ、採用したライフプランナーのマネジメントにおいては、優しすぎる気がしています。今後の課題です。 日野:女性はマネジメント脳ではなくマーケティング脳ですからね ■ワークライフバランスと給与の両方を手に入れる仕事 日野:今回「採用・育成ガイドブック」の作成にあたり、多くの優秀な女性にインタビユーさせていただきましたが、ライフプランナーの魅力は?と聞くと、みなさん「Free to Work」とおっしゃいます 阿野さん:「Free to Work」とは、勤務時間が決められておらず、自分で働く時間を決められるという意味です。サラリーマンのように9時~5時の平日勤務をしてもいいですし、土日勤務でも、夜の勤務でも、ライフスタイルに合わせて決められます。女性の場合、仕事だけではなく趣味や家族のためにも時間を使いたいという人も多いのではないでしょうか。そんな女性にとっては非常に魅力的な働き方だと思います。例えば、小さいお子さんがいらっしゃる女性であれば、普通の会社では時短や子どもの病欠で後ろめたい思いをすることもあるかもしれませんが、そのようなことがありません。もちろん、プロのライフプランナーとしての基礎を身につけてからの話ですが。 また、ライフプランナーは「C=C(Contribution=Compensation)」といってフルコミッションですので、個人の業績と収入が連動しています。男性中心の会社ですと、女性の活躍がなかなか認められないケースもあると思いますが、POJでは男女関わらず平等公平に評価されます。それも女性にとってはとてもやりがいを感じる仕事だと思います。 私が採用したある女性ライフプランナーは、女手一つで子育てをしながらライフプランナーとして成果を上げ、そしてマイホームを建てることができました。その報告を受けた時はとても嬉しかったです。 「採用・育成ガイドブック」(上)2013年版(下)2014年版 日野:先ほど前職で営業をしていない人も対象としているとおっしゃいましたが、実際にはどのような職業の方が入社していますか? 阿野さん:男性と同様に前職営業で活躍していた方のほか、医療、教育関係の職業の方も多く活躍しています。具体的には、看護師、薬剤師、栄養士、教員など。他にも企業の経営企画や人事系など、多岐にわたります。入社後、プロのライフプランナーになるためのトレーニングプログラムを用意していますので、どんな業界の方でもチャレンジいただけます。 日野:最近の若い人たち、いわゆるゆとり世代が安定志向、内向きなのが気になります 阿野さん:ニュースで「ワークライフバランスが手に入るなら、給与が下がってもいい」と言っている女性が多いと聞きました。 もし「ワークライフバランスが手に入り、給与が上がったら」どうでしょう? やりがいも付いてきます。「仕事と家庭を本気で両立したい、やり遂げたい」方々には大変魅力的な会社だと確信しています。 日野:すでに多くの女性ライフプランナーが両立も収入も実現されていらっしゃいますから、彼女たちに続く人が増えるのが楽しみです。 本日はどうもありがとうございました。 ■対談を終えて 今までのサービス業態のままでは解決できない問題が多く残されていました。しかも、それらの多くは解決することがむずかしく、ガマンして受け入れるしかないと思われていたものばかりでした。 しかし、弊社はそんな慢性的な問題の解決に敢えて挑戦しました。常識にとらわれない多様な価値観を共有する集団だからこそ、さまざまな角度からブレイクスルーを模索していきました。 そして長年にわたる試行錯誤と失敗の末、ついに業界の常識、通説をくつがえす全く新しいカタチのソリューションを生み出す<サービス名>が誕生しました。 すべては、より多くのクライアント様に満足するため、より多くの世の中の問題解決を図るため、<サービス名>とともにさらなる社会貢献を行っています。














