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「安いだけ」では購入していない!?主婦が感じているPB商品の価値は?
「安いだけ」では購入していない!?主婦が感じているPB商品の価値は?
2021年6月26日
女性消費者行動
女性トレンド総研
女性マーケティングの株式会社ハー・ストーリィ(東京都港区、代表取締役:日野佳恵子)は、店頭に増えてきたPB(プライベートブランド)商品を消費者はどのように活用しているのかをハー・ストーリィ会員の皆様200人にアンケート調査を実施しました。
目次
1.PB商品の認知
2. PB商品の購入状況
3.PB商品で知られているブランド
4.PB商品のブランド購入状況
5.PB商品でよく購入されている品目
6.PB商品を購入する理由
7.PB商品の購入頻度の比較
8.PB商品を購入しない理由
9.PB商品のイメージ
10. PB商品が増えていることについての印象
11.PB商品やブランドが増えていることについての評価
12.PB商品のパッケージについて
13.食品購入時の原材料表示確認について
14.おすすめのPB商品
15. 買って失敗したと感じたPB食品
16.調査概要
■PB商品の認知
ほぼ全員がPB商品を知っていました。
■あなたは「PB(プライベートブランド)商品」を知っていますか?(単一回答)
回答者の98%がプライベートブランド商品を「知っている」と回答。
回答者のほぼ全員がプライベートブランド商品を知っていました。
■PB商品の購入状況
回答者の98%がPB商品を購入していました。
・あなたは「PB商品」を買いますか?(単数回答)
「あなたはPB商品を買いますか?」という設問に対して、
「よく買う」と回答した人は全体の30%。「たまに買う」57%、「あまり買わない」11%,
「買わない」2%で、「たまに買う」が一番多い回答でした。
「買わない」2%を除くと、98%の回答者がPB商品を買っていると考えられます。
■PB商品で知られているブランド
「トップバリュ」「セブンプレミアム」「CO-OP」の順に認知されています。
・あなたがご存じのPB商品のブランドをすべてお答えください。(複数回答)
「トップバリュ(イオングループ)」は97.5%の人が知っていると回答し、認知度では第1位でした。次いで「セブンプレミアム(セブン&アイグループ)」について84.5%の人が知っていると回答。第3位は「CO-OP(生協)」で69.5%の人が知っていました。第4位の「ローソンセレクト(ローソン)」は68.5%で、第1〜4位のPBについて半数以上の人が「知っている」と回答しています。
■PB商品のブランド購入状況
「トップバリュ」「セブンプレミアム」「CO-OP」の順によく購入されています。
・あなたがよく買うPB商品のブランドをすべてお答えください。(複数回答)
よく購入されているPB商品の第1位は「トップバリュ(イオングループ)」で、68.5%が「よく買う」と回答しています。第2位は「セブンプレミアム(セブンアンドアイグループ)」の46.0%、第3位は「CO-OP(生協)」で33.0%でした。
第1~3位は認知度の順位と一致していますが、認知度では「ローソンセレクト(ローソン)」が第4位であったのに対して、よく購入されているPB商品の第4位は「ファミリーマートコレクション(ファミリーマート)」でした。第5位については認知度が「ファミリーマートコレクション」で、よく購入されているPB商品は「CGC(シージーシージャパン)」でした。
第4位、第5位は認知度とよく購入されているPB商品で不一致が起きています。
■PB商品でよく購入されている品目
菓子、パン、調味料が上位にランクインしています。
・PB商品であなたがよく購入するものをお選びください。
■PB商品を購入する理由
「価格の安さ」「ナショナルブランドと品質が変わらないから」が多数を占めています。
・あなたがPB商品を購入する理由をお答えください。(複数回答)
購入する理由として、回答者の約8割が「価格が安いから」と回答しました。2番目に多かった理由として、50%の人が「ナショナルブランドと品質が変わらないから」と答えています。次いで「おいしいから」26.0%、「スーパーの名前で責任をもって販売していそうだから」24.5%,「商品が信頼できるから」22.5%と続きます。消費者はPB商品について、スーパーがナショナルブランドの企業に依頼して作っている商品であることを理解しており、積極的にPB商品を購入していると考えられます。
「欲しかった商品がなかったから(欲しかった商品の代わりにPB商品を選択した)」という回答は2.0%で、選択肢中一番低い回答率でした。
■PB商品の購入頻度の比較
「変わらない」の回答者が半数以上
・1年前と比較してPB商品の購入頻度は増えていますか? 減っていますか?(単数回答)
一番多かった回答は「変わらない」61.0%で半数以上でした。「以前よりかなり増えた」9.0%と「増えた」25.0%を合計すると、34%の人が「購入頻度は増えた」と回答しています。
また、「減った」「かなり減った」の合計は5.0%でした。
■PB商品を購入しない理由
品質を理由に挙げている回答が半数近く。
・PB商品を購入しない方は購入しない理由をお答えください。(自由回答)
購入しない理由は、「PB商品を扱っている店舗に行かない、商品を見かけない」という認知によるもの、「商品に魅力を感じない、おいしそうではない」など品質における理由、「好きではない」という嗜好によるものに大別されます。
今回のアンケートでは品質を理由に「購入しない」という回答が11件中5件と多数を占めていました。
■PB商品のイメージ
・PB商品のイメージを自由にご記入ください。(自由回答)
「安い」と回答した23名以外にも、「安くて品質が良い」「安くてお得」「安くておいしい」」など、価格の安さを挙げていたのが39名でした。
上記以外にも、「パッケージなどが簡素な分価格が控えめ。でも品質はちゃんとしているし、声も届けやすい」など、価格を下げる努力が値段に結び付いていることを理解した好意的な声も多数ありました。
■PB商品が増えていることについての印象
回答者200人中、好評価が154人
・PB商品の商品、ブランドが増えていますがどのように感じていますか?(自由回答)
■PB商品やブランドが増えていることについての評価
「良い」の回答が77%
・PB商品やPBブランドが増えていますが、どのように感じていますか?(単数回答)
「良い」と評価している人が全体の77%。回答内容によると、安い価格で、ナショナルブランドが作っている商品が入手できることを「企業の努力」として好ましく受け入れているようです。
ただし、「企業もさらに消費者に受け入れられる商品を開発してほしい」「消費者の評価が求められている」という意見もあり、企業は消費者に受け入れられる品質と価格の実現、消費者は商品の選択眼が求められているようです。
■PB商品のパッケージについて
・PB商品のパッケージ、特に商品の表示について感じていらっしゃることをご記入ください。(自由回答)
「地味」「シンプル」という回答が目立ちます。回答全体を見ると、シンプルなパッケージでコストを削減しているということは受け入れられているようですが、製造者、販売会社、原材料、産地などがきちんと記載されることを求める声が挙がっています。
■食品購入時の原材料表示確認について
8割近くの人が食品購入時に「原材料表示を確認」と回答
食品購入時の原材料表示確認について、PB食品購入時の原材料表示確認について聞きました。
・あなたは普段食品を購入する際、原材料表示を確認しますか?(単一回答)
食品購入時には82%が「原材料表示を確認する」と回答していますが、PB食品購入時は74%とPB食品購入時のほうが「原材料表示を確認する」という回答が少なくなっています。
(14) 食品購入時の製造元確認について食品購入時およびPB食品購入時の製造元確認について聞きました。
8割弱が食品購入時に「製造元を確認する」と回答。原材料も製造元もPB商品購入時のほうが、「確認する」と回答した人がわずかに少ない結果となりました。
■あなたは普段食品を購入する際、製造元を確認しますか?(単一回答)
■あなたはPB食品を購入する際、製造元を確認しますか?(単一回答)
79%が食品購入時に「製造元を確認する」と回答、71%がPB食品購入時に「製造元を確認する」と回答。こちらも食品購入時よりもPB食品購入時のほうが製造元を確認する人が少ないという結果になっています。
■おすすめのPB商品
トップバリュ「バーリアル」「プレーンヨーグルト」「こくと旨みの 熟成カレー」などセブンプレミアム「金」シリーズが人気
・おすすめのPB商品がありましたらブランドと商品名、おすすめの理由をご記入ください。(自由回答)
たくさんの意見が出ましたが、複数の人が挙げたものをご紹介します。
・トップバリュ「バーリアル」 「値段の割においしい」
・トップバリュ「プレーンヨーグルト」
「税込み105円で十分おいしい」
・トップバリュ「こくと旨味の塾生カレー」
「ナショナルブランド商品よりもおいしい」
・トップバリュの液体洗濯洗剤
「ナショナルブランド商品と品質が変わらず、かなり安い。」
・コープの牛乳
一例 コープこうべ コープス味わい牛乳
「コクがあり濃厚でおいしい」
・セブンプレミアム「金シリーズ」
食パン「高いだけあって高級でおいしい」
ハンバーグ
「重厚感がありボリューミィで美味」
ほかにも「セブンプレミアム 金シリーズ」を評価する声が多数ありました。
・西友「みなさまのお墨つきカレー」
「安いのに本格的な味がするので最近は気に入ってこればかり買っている」
「知っているPB商品」の回答に比例して、トップバリュ、セブンプレミアムを推す声が多かったようです。値段の割に品質が良い、さらに食品の場合はおいしい、というのが支持されるポイントです。
■ 買って失敗したと感じたPB食品
・買って失敗したPB商品がありましたら、ブランドと商品名、失敗したと感じた理由をご記入ください。(自由回答)
ブランド名、商品、失敗したと感じた理由すべてが記入されていた回答をご紹介します。
トップバリュのカレー・ヨーグルト・第三のビール、セブンプレミアムの「金」シリーズなどは、「おすすめ」にも「買って失敗した」にも挙げられています。多くの人が購入しているため、評価が分かれているといえるでしょう。
買って失敗した理由としては、「好みの味でなかった」「添加物が入っているような味がした」など、「価格が安くても買いたくなくなった」理由が挙げられています。
また、「失敗したのでその後購入していない」「そのブランドを購入していない」など、マイナスの評価がつくと、挽回は難しいことが伺えます。
(まとめ)
■回答者の98%が「PB商品を知っている」と回答。
■PB商品を「買わない」の回答は2%。残りの98%がPB商品を購入。PB商品を「買う」人の割合が「知っている」人の割合と一致。
■知っているPB商品のブランドは第1位「トップバリュ」、第2位「セブンプレミアム」、第3位「CO-OP」。これはよく購入されているPB商品のブランドと一致。ただし、第4位、第5位は知っているPB商品とよく購入しているPB商品が一致しません。
■PB商品を購入する理由の第1位は「価格が安いから」8割近くの人が「価格が安いからPB商品を購入する」と回答しています。一方、PB商品を購入しない理由は「魅力を感じない」「おいしそうに見えない」「好きではない」など
■1年前よりPB商品の購入が「変わらない」が61%.「かなり増えた」「増えた」の回答が全体の30%超。「減った」「かなり減った」は5%程度。
■PB商品のイメージは「安い」がトップ。他の回答も「安さ」を挙げる回答が多数見受けられました。品質については「品質がよい」「品質が悪い」の両方が散見されました。
■PB商品が増えていることについては77%が「良い評価」をしています。理由は安い価格でナショナルブランドが作っている商品が入手できることや消費者の選択肢が増えることが挙がっています。
■PB商品のパッケージについて「地味」「シンプル」という回答が目立っていますが、同時に製造者、原材料、産地などの記載も求められています。
■原材料表示確認普段の食品購入の際に「原材料表示を確認する」という回答が82%。PB商品購入時に「原材料表示を確認する」という回答が74%。PB商品購入時に特に原材料表示を確認しているわけではないようです。
■製造元確認普段の食品購入時に「製造元を確認する」という回答が79%。PB商品購入時に「製造元を確認する」という回答が71%。こちらも原材料表示確認と同様にPB商品購入時に特に製造元を確認しているわけではないようです。
■おすすめのPB商品/買って失敗したPB商品認知度に比例してか、「おすすめ」「失敗」とも「トップバリュ」「セブンプレミアム」の商品が多数挙がりました。「おすすめ」の理由は「値段の割に良かった」という声が多く、「失敗」の理由は「好きな味ではない」「大手が作っているのに大手商品と品質が違う」という声が多くみられました。
今回の調査では、PB商品が消費者に認知し、受け入れられていることがよく分かりました。消費者は「ナショナルブランドが製造している商品をスーパーマーケットの名前で自信をもって安価で提供している」ことに安心感や信頼感を抱き、PB商品を購入しています。
PB商品のパッケージについては、コスト削減のためにシンプルであることは受け入れられていますが、安心・安全の基準となる製造会社、販売会社、原材料、産地がパッケージにきちんと表示されることを求めています。
PB商品を購入した際は価格と品質や味のバランスをナショナルブランド商品と比較します。そのため、PB商品が増えることは「選択肢が増える」と好ましく感じる一方で、定番商品であり、PB商品を購入後の比較対象となるナショナルブランドの商品の売り場が縮小されることを危惧する意見もありました。
「おすすめのPB商品」のおすすめ理由は、やはり「ナショナルブランド商品と比較して価格が安くて品質(または味)に納得できる」ことが多く挙がっています。「この品質の商品がこの値段で買えるなら納得」という実感があると次回の購入につながります。また、一商品を購入して納得できると、同じPB商品の別品目も購入する可能性が広がります。
逆に「ナショナルブランド商品と比較して品質(味)を受け入れることができない」という判断がされると「このPB商品は購入したくない」と、受け入れることが難しくなってしまう場合も多いようです。ただ、「好きな味ではなかった」といったような主観的な回答も多く、特に食品においてはナショナルブランドの味に慣れた消費者にとってPB商品の味が受け入れにくい場合もあると考えられます。
PBブランドは受け入れられてはいますが、スーパーは消費者からPBブランド商品を通じて店舗および会社全体の評価をされているとも考えられます。消費者側もできるだけ安価で高品質のものを求めて選択する目を養うことが重要、という意見もありました。
スーパー、消費者両者がPB商品を洗練し、育て上げているともいえるでしょう。
回答者属性
全国 20代~70代 女性 200名
年代分布
■調査概要
【調査期間】 2016年4月7日~2017年4月11日
【調査方法】 インターネット調査
【調査対象】 全国200名 女性
株式会社HERSTORY 会員