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真実は、暮らしの中にある。【第1回】「検索される会社」から「正しく理解される会社」へ

  • 7月17日
  • 読了時間: 5分

更新日:7月31日

AI時代のブランドマネジメント~AI時代になるほど生活者理解が重要となる~


女性視点マーケティング戦略コラム


ある日の出来事

先日、仕事用のジャケットを探していて、私は検索サイトではなく、ChatGPTにこう質問しました。


「ビジネスでもカジュアルでも着られて、知性を感じるけれど個性的すぎないブランドを教えてください。」


以前なら、

「40代 レディース ジャケット」

「ビジネス カジュアル ブランド」

といったキーワードを考えながら検索していたと思います。


ところがAIは、商品名を並べるのではなく、まず私の好みや価値観を整理し、「あなたは華やかさよりも、造形性や世界観を大切にしているようですね。」と返してきました。

この瞬間、「検索」の時代とは何かが変わった、と感じました。




AIは商品ではなく企業を説明する

検索エンジンは、入力された言葉に近いページを探します。

一方、生成AIは違います。

  • ホームページ

  • 商品ページ

  • ニュース

  • プレスリリース

  • SNS

  • 採用情報 ――


さまざまな情報を読み込み、「この会社は何者なのか。」という一つの企業像を組み立てて答えます。

つまりAIは、キーワードではなくブランドを説明しています。

ここに、これまでの検索対策との大きな違いがあります。



問われるのは検索対策ではない

AI時代になると、「何と検索されるか」よりも、「自分たちは何者なのか」のほうが重要になります。

誰のために存在する会社なのか。

どんな暮らしを支えようとしているのか。

何を約束するブランドなのか。


この軸が定まっていなければ、

  • 商品ページ

  • ニュース

  • プレスリリース

  • SNS

  • 採用情報

それぞれが違う会社を語り始めます。


人が理解しにくい企業は、AIにとっても理解しにくい企業です。



企業の言葉と生活者の言葉は違う

しかし、もう一つ大切なことがあります。

企業が「上質」と言っても、生活者は「価格が高そう」と思うかもしれません。

企業が「革新的」と言えば、生活者は「難しそう」と感じるかもしれません。

企業が発した言葉は、そのまま届くわけではありません。

暮らしの中で意味が変わります。ここにブランドづくりの難しさがあります。



HERSTORYが見続けてきたもの

HERSTORYは36年間、女性を調査してきた会社ではありません。

女性を通して、暮らしを見続けてきた会社です。

同じ40代女性でも、

  • ひとり暮らしなのか。

  • 子育て中なのか。

  • 夫婦二人暮らしなのか。

  • 親の介護が始まっているのか。

暮らしが違えば、ブランドの意味も変わります。

私たちが見続けてきたのは、企業の言葉が、暮らしの中でどのような意味へ翻訳されるかでした。

AI時代になった今、その価値はますます大きくなっています。



AI時代にブランドが問われるもの

これまで企業は、検索されることを考えてきました。

これからは、理解されることを考える時代です。

AIが企業を説明し、生活者がその意味を受け取る。

そのとき、企業が伝えたいこと、AIが理解したこと、生活者が受け取ったこと。

この三つが一致している企業ほど、強いブランドになります。

ブランドとは、発信した情報ではありません。理解された意味です。



おわりに

AIは企業の情報を整理できます。

しかし、その言葉が暮らしの中でどんな意味になるのかは、生活者に聞かなければ分かりません。

私たちHERSTORYは、女性インサイトを通して、暮らしの変化を見続けてきました。

AI時代だからこそ、その視点はさらに重要になると考えています。

次回は、「AIはブランドをどう理解しているのか」について、もう一歩踏み込んで考えてみたいと思います。



HERSTORY NOTE

  • AIはホームページだけではなく、企業全体の情報からブランドを解釈している。

  • AI時代に問われるのは、検索されることではなく、正しく理解されることである。

  • ブランドとは、企業が伝えたことではなく、生活者が理解した意味である。

  • HERSTORYは女性インサイトを通して、企業の言葉が暮らしの中でどう翻訳されるかを見続けてきた。




筆者プロフィール


日野佳恵子

女性インサイト総研 株式会社ハー・ストーリィ 代表取締役社長一般社団法人女性のあしたアカデミー 代表理事

島根出身。1990年創業。女性の購買行動とライフコースの関連がマーケティングに影響を及ぼすことに着眼し、女性インサイト理論を独自開発。学習院大学、成城大学、大阪公立大学の専門教授らと「男女の消費行動研究」を発表している。クライアントは生活消費財を中心にメーカーから小売まで幅広く、「女性顧客起点の専門家」として多数の企業のアドバイザーを行う。


<代表的な受賞ほか>

経済紙Forbes Japan「日本の社長100人」、日経WEBCOMPANYが選ぶ「21世紀 時代のキーパーソン51人」、日経ウーマン・ウーマン・オブ・ザ・イヤー2003リーダー部門第9位、2013世界女性リーダースティビーアワード銀賞、日本の残したい企業100社、2021Forbes Woman Award300人未満全国第2位など個人、企業活動と両面で広く評価されている。




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<連載ページ>

【第4回】ブランドは「伝えたこと」ではなく、「理解されたこと」で決まる
【第5回】AIが進化するほど、生活者インサイトの価値は高まる
【第6回】暮らしを見なければ、ブランドは理解できない
【第7回】AIに選ばれる企業より、人に理解される企業へ
【第8回】一次データがブランド資産になる時代
【第9回】ブランドは、生活者との対話で育つ
【第10回】HERSTORYが考えるAI時代の生活者理解

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