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- 2023年版 女性ペルソナ年鑑『HERFACE21』の発売を開始しました。
全女性の意識・関心・行動の変化予測を掲載! この1冊で、全世代の女性の「リアルな今と予測」がわかります
- 【最終回】女性のあした大賞×WELL WOMANフェムテックビジネスプラン発表会
|4カ月間の集大成!ウェルビーイングをテーマに業種の垣根を越えた自由な発想・アイデアが結集したフェムテックビジネスプラン発表会 第6回女性のあした大賞は、「WELL WOMAN」との共同開催となりました。ウェルビーイング(女性たちの心身と社会的な健康)をテーマに、2021年8月から約4カ月にわたり行われたWELL WOMAN異業種共創プロジェクト。 「健康経営」×「商品企画」の視点から健康経営における女性活躍推進支援や、新しいフェムビジネス創出を目指し、講義やディスカッションを重ねてきました。その集大成として2021年12月8日の第6回女性のあした大賞にて、各チームのフェムテックビジネスプラン発表会を開催しました。 優秀賞受賞チームおよび各チームの発表テーマをご紹介します。 【商品企画コース】 【優秀賞受賞チーム:bouquet】 離乳食をきっかけに抱え込まないマインドを作る!「にっこりスプーン」 〈TEAM〉THINK*U:不足しがちな家庭内コミュニケーションを 解決するアプリ「我が家の瓦版」 〈TEAM〉GENERATIONS:親子で性について楽しく学べる 「kokokara BOX」 〈TEAM〉 IYes:ママ力と女子力アップで 楽しい育児を! 「女性の癒やしと子育て応援キット」 〈TEAM〉Fun:更年期の不調と不安を和らげる 「あなた想いBOX」 【健康経営コース】 【優秀賞受賞チーム:メドレー】女性の健康課題は業績にも影響する? 「企業ネットワーク」と 「共通アンケート」で解決を探る 〈TEAM〉com-FEM-table:「キャリア研修× ヘルスリテラシー研修」の パッケージ化で女性の パフォーマンスを上げる 〈TEAM〉OKOA:食を通じて ヘルスリテラシーを高める 「OKOA~健康自己管理モデル」 | 【優秀賞受賞チーム:bouquet】離乳食をきっかけに抱え込まないマインドを作る!「にっこりスプーン」 |受賞理由 なぜか「女性が全てやるもの」と思い込んでしまっている家事・育児・仕事。周囲からの無言の圧力も重なり、毎日疲労困憊(こんぱい)の女性が多い中、1人で抱え込まず、何かに頼ることも重要だという新しいマインド作りにフォーカスした。 取っ掛かりとして、離乳食に注目したのが素晴らしかった。離乳食を通じて、夫や祖父母、ベビー用品会社や薬剤師、栄養士など、巻き込んでいける対象が多いのも今後ビジネスが広がる要素として期待できる。 ■ 離乳食キット+専用アプリで離乳食作りの負担を減らす 多くの女性は家事・育児・仕事と一人で全てを抱え、疲労をため込んでいます。ここには、「自分が頑張らないといけない」という無意識のマインドが邪魔しているのでは? と考えました。 そこで、子育ての初期段階である離乳食作りから一人で抱え込まないようにするための対策ができないかと、「コンシェルジュ付き専用アプリ×離乳食キット『にっこりスプーン』」を考案しました。 このサービスは、約1年続く離乳食作りをストレスなく乗り切ってもらうためのものです。 具体的なサービス内容としては、どんな方でも簡単においしく作れる離乳食キット+離乳食の困りごとを解決する専用アプリをセットで販売します。特に離乳食作りは、赤ちゃんの成長に合わせて食材をすりつぶしたり、柔らかくしたりするため、通常の食事作りとは比べ物にならないほど大変な作業です。 7 割以上のママが大きな負担を感じているにもかかわらず、パパの参加率は低く、ママは1人で情報収集をし、手探り状態で、日々チャレンジしています。 ■ 離乳食を通じて孤独にならない育児を実現 こうした孤立感から脱してもらうためにも、専用アプリでは管理栄養士からのアドバイスや相談、利用者コミュニティの提供、登録情報から導き出されるおすすめ食材の提案、食材の離乳食アレンジレシピなど、ママと赤ちゃんに役立つあらゆる情報を提供していきます。 同時に、離乳時期の赤ちゃんに必要な栄養素をパウチに詰め込み、1食ごとに手軽に用意できる環境を整え、調理の手間をできるだけ省いてもらえるよう計画しています。現在、店頭には数多くの市販ベビーフードが並んでいますが、既存商品との差別化として「にっこりスプーン」では、以下2 点の特徴を掲げています。 ①栄養士監修の離乳食キットであること ②専用アプリを通じて気軽に相談でき、育児で孤独にならないこと こうした付加価値のあるベビーフードが、まだ市場に出ていない点に注目し、「にっこりスプーン」が利用者にとって必要なサービスになるのではと考えました。今回は女性6名のグループとして、Well- B eingの課題に向き合いましたが、私たちも「一人で頑張らないといけない」といったマインドに左右されているのだとよくわかりました。 そんな中、女性のこれからをもっと良くしたいという思いで一緒にプラン作りに取り組むことができ、とても良い経験となりました。 |【商品企画コース:THINK*U】不足しがちな家庭内コミュニケーションを解決するアプリ「我が家の瓦版」 | ボタン1つの簡単操作で家族とのつながりを強められる 今回私たちは、家族内タスク共有アプリ・家族新聞自動作成サービス「我が家の瓦版」を提案しました。「毎日夜泣きで寝不足!1秒でも多く寝たい」「妻が何を求めているのかわからない」。同じ家で暮らす夫婦とはいえ、忙しさゆえにコミュニケーションが不足し、心がすれ違うことはよくある話です。特に妻は、夫よりも家事負担を多く強いられる傾向にあり、あるデータによれば、在宅勤務を実施している共働き夫婦400名のうち「夫の方が家事育児負担の割合が大きい」と答えたのはたったの2.6%という結果も出ています。 こうした妻のワンオペ状態が続くと、いずれ離婚や産後うつ、産後の自殺、こどもへの虐待などにつながる恐れがあり、とても危険です。 今回発案した「我が家の瓦版」は、そんな夫婦間のコミュニケーションを円滑にしようと作られました。「簡単」「見える化」「アプリだからこそ」の3点にこだわり、以下のような機能を盛り込んでいます。 ①簡単→基本操作はボタン1つでできる ②見える化→タスクを一覧表示し、家事育児の負担割合をグラフで提示。 AIが共有できそうなタスクを提案してくれるので、「次週からタスクに追加しよう」 などの気づきが得られる ③アプリだからこそ→直接言いにくいことも伝えられる このアプリを通じて、日々のタスクを家族で共有できるだけでなく、写真と一言日記機能、週1で自動作成される「家族新聞」などを通して、生き生きとした形で家族の情報を共有できます。さらに、家族への依頼ボタンや、「ありがとう」を伝える機能なども盛り込みました。このアプリが、夫婦そろって笑いながら子育てできるきっかけ作りになれたらうれしいです。 |【商品企画コース:〈TEAM〉 Blend】 妊活にフォーカスした旅プラン「Musubi旅」 ■ パートナーとの人生プランを熟考できる場所と時間を提供 妊活前・妊活中の20~30代の若い夫婦向けに、妊活に着目したサービス「Musubi旅」を発案しました。このプランを思いついたきっかけは、妊活中の女性は男性から「理解してもらえてない」と感じる場面が多いことです。妊活は二人の問題であるにもかかわらず、夫から「子どもが全然できないけれど、一度検査してきたら?」と一方的に勧められたりして、女性だけが悪いかのように扱われるケースが多く見受けられます。8割の女性が不調を我慢しているというデータもあり、そこに理解してもらえない不満が募り、そのうち大きな夫婦の溝ができてしまうこともあります。 そうならないためには、夫婦がお互いを理解し、感謝や悩みを伝え合う時間ときっかけが必要だと 考えました。そこで登場したのが「Musubi旅」です。 同プランは、日常から離れたリラックス空間で夫婦水入らずの会話を楽しみ、さらに食事や眠り、温活などの体験を通じて、お互いの心と体を整えていきます。一見普通の旅に思えますが、明確な違いは「Musubi手帳」を活用する点です。妊活版、マタニティ版、育児版と、夫婦のそのときのステージに合わせた手帳を用意し、妊娠や子どもを持つことの不安を文字で書きとめてみたり、育児する上で大切にしたいことやパートナーへの感謝の気持ちなどをつづったり、「Musubi旅」を通じて夫婦の自然な対話を生み出す効果を狙っていきます。 1人の女性が母になる前から寄り添い、母になった後も孫を持った後も、ずっと併走者として付き合っていけるサービスを心がけ、最終的には女性だけでなく、家族としてのWell- Bei ngが実現している未来を目指していきたいと思っています。 |【商品企画コース:〈TEAM〉 GENERATIONS】 親子で性について楽しく学べる 「kokokara BOX」 ■子どもの成長に合わせて届く性教育アイテム 望まない妊娠による中絶は年間15万件。東京都に寄せられた性被害の相談は6,500件。こうした問題の背景には、正しい性教育が行われていないという事実があります。実際学校では最低限のことだけを子どもたちに伝え、約8割の家庭では性教育自体を子どもに教えていないという現状があります。このような体についてのリテラシーの低さは、将来的に子どもたちの健康を損ね、自らの道を狭めてしまうことにもつながるのです。 悪化していく現状を打破しようと考案した「kokokara BOX」は、年齢に合わせた性教育のアイテムと情報を届けることで、幼少期から性の正しい知識を身に付けることを目的としました。 ボックスの中身は、発達心理学と生物学を参考にして、「子どもの成長過程に合わせる」ことを重視しています。中身を4段階で設定し、3~6歳を対象にした最初のボックスは、遊びながら学べる体クイズや女性器を作ってみるキッド、体の大事な部分について触れる絵本などを詰め込みます。 4段階目の最終ボックスは、対象年齢を12~15歳向けとし、性教育漫画や自分の身を守る知識動画(コンドームの正しいつけ方、緊急避妊薬など)、性知識が学べるボードゲームなどを届けていきます。3~15歳まで全期間を通じて共通するのは、「遊びながら学べる体の知識」です。アプリで利用者コミュニティを運営したり、専門家からのQ&Aが読めたりと、人とのつながりも意識していきます。世代を超えて楽しく「性」と向き合い、自分の心と体を管理することで、一人でも多くの人が未来の選択肢を諦めないように。今回のプランでは、そんなチームの願いを込めました。 |【商品企画コース:〈TEAM〉 IYes】ママ力と女子力アップで楽しい育児を! 「女性の癒やしと子育て応援キット」 ■ ママ・パパ・子どもに届く月額3,000円のお役立ちアイテム 小さな子どもを抱えながら働く女性は、常に疲れています。「ストレスから解放されたい!」「癒やされたい!」と思いつつも、自分の時間をわずかしか持てず、日々家事・育児・仕事に奮闘しています。私たちはそんな女性を癒やし、家庭でも笑顔でいて欲しいという思いから、「初めての出産でも安心! パパママのお助けキット」というサブスクリプションサービスを提供したいと考えました。 対象は20~30代の有職女性で、初めての出産・育児を経験するお母さんです。育休中で会社の先輩ママからさまざまな情報が得られず、不安定に過ごす時期だからこそ、ママ・パパ・子ども向けのケア用品や情報冊子が毎月届くことで、育児に対して楽しみを感じ、少しでも心強く思ってもらえたらと考えました。妊娠8カ月からの女性を対象にした同サービスは、ママが使用するホームケア商品や赤ちゃんにも安心して使える商品、そしてパパに役立つ子育て情報誌をセットにして配送します。月額3,000円の価格設定で、まさに子育て中の世帯にぴったりの商品を試すことができるのが特徴。パパが情報誌を購読することで、ママ一人での育児にならないよう気を付けているのもポイントです。ジャンルに縛られない子育て応援グッズに触れてもらうことで、他にはない新鮮なサービスを楽しんでいただけたらと思いました。 今回のプロジェクトを通じて感じたのは、他業種の方々とチームを組んだことで、さまざまな視点で物事を捉えることができ、新しい発見がとても多かったことです。今回のグループワークを良い機会と捉えて、今後も課題解決に向けて幅広い意見に耳を傾けながら取り組んでいきたいと考えています。 | 【商品企画コース: 〈TEAM〉Fun更年期の不調と不安を和らげる「あなた想いBOX」 ■ 口に出せない不調を安心に変える3アイテム 30代後半から40代の女性に向けて、自らの体のことを手軽に学び、試せる機会を作りたいと思い、サブスクリプションサービス「あなた想いBOX」を考案しました。この年代の女性は、周囲のヘルスリテラシーの低さも影響して、更年期障害について人に話さず放置しておくことが多いケースも。そんな中、普段からの不調に早い段階から向き合うことで、その先の過ごし方を楽に変えられるかもしれないと考え、今回の提案につながりました。 月額4,000円×年3回お届けの「あなた想いBOX」は、セルフチェックシート(体や心の状態、肌や髪など見た目の状態)と「あなた想い読本」、そして実際に商品を試せる「あなた想いアイテム」の3本で構成されています。「あなた想い読本」では同梱したアイテムの説明や、年齢と共に起こりうる体の変化の解説、人生の先輩によるコラムを読むことができ、「あなた想いアイテム」ではデリケートゾーンケアや吸水ショーツ、アロマグッズなど、この年代の女性が抱える健康トラブルに沿った商品を提供しています。 3点とも全て提携の専門医が監修し、信頼性の高いBOXとなるよう注意を払いました。 自社で働く女性社員の健康を維持したい企業向けには、「あなた想いBOX」のほかに従業員セミナーも開催できる体制を整え、通常の健康診断だけでは把握しにくい、女性社員の健康課題についても取り組んでいただけるようにしています。 今回のプロジェクトを通じて、男性メンバーは身近な女性たちへの理解を深め、意識変化につながった良い機会となりました。今回のプランが、年齢による不調に振り回されず、FUNな人生を送るきっかけ作りになれればうれしいです。 【 参加者からの声一部ご紹介 】 ビジネスの立ち上げはアイデアや知恵だけでも、夢や想いだけでも実現はできず、それらが揃った状態(価値風水)ではじめて実現に近づける ということ。セオリーオブチェンジの考え方も詳しい説明をお聞き出来て参考になりました。 目先の具体的なビジネス案ではなく、社会課題の解決を常に念頭に置いてビジネスを考えていく ことが、結果的には社会に受け入れてもらえて持続可能なものになるという考え方や、セオリーオブチェンジを使って考えていくことのメリット。実践に活かせるようになりたいと思いました。 熱意とロジック。 とくにロジックの作り方が大変勉強になりました。世界的に、フェムテック市場は大きく成長している分野なのだと思ったのと同時に、社会が(主に白人)男性基準で形成されてきたのだなと痛感しました。 | 【健康経営コース: 〈TEAM〉com-FEM-table】「キャリア研修×ヘルスリテラシー研修」のパッケージ化で女性のパフォーマンスを上げる ■ダブル研修で培う自己肯定感 私たちにとってのWell-Beingとは、「心と体が健康であると感じられ、新しいことにチャレンジできる状態」です。そこで注目したのが、組織と個人のエンゲージメントを向上させることでした。双方のエンゲージメントを高めることは、企業の生産性を上げ、高い利益率をもたらし、顧客満足度を上げるだけではなく、結果的に女性の退職率を下げる効果があります。そのため、組織にとっても女性社員個人にとっても、プラスの結果を得ることにつながるのです。このエンゲージメントを高める最善の方法として、生理痛や更年期障害などの女性特有の問題に、会社として取り組むことが重要だと考えました。 こうした背景を踏まえて、今回私たちが提案したのは「キャリア研修×ヘルスリテラシー研修」の パッケージ化です。入社したての頃から始まり、実務担当者、リーダー、管理職にステップアップするにつれ、女性の抱える健康課題は、生理・PMS、妊活・妊娠・出産・不妊、産後うつ、更年期、介護・認知症とステージを変えてつきまとい続けます。 そんな中キャリアップの流れと体調のステップ移行を重ね合わせて理解しておくことで、女性はどの年代になっても「私でもできる」という自信を高め、心と体の準備をしていけるのだと考えました。特に女性の不調の始まりは、30代後半から40代が多く、この時期は職場の役職としてもどんどん昇進し、活躍が期待される年代でもあります。しかし、体調不良への不安で昇進をためらったり、退職を考えたりしてしまう女性もいます。このようなことがないよう、組織全体で取り組まなければならない課題であることを、今回の発案を通じて強く感じました。 | 【健康経営コース: 〈TEAM〉OKOA】食を通じてヘルスリテラシーを高める 「OKOA~健康自己管理モデル」 ■ターゲットは若年未病女性。「食」で健康への関心を強める 私たちは、ヘルスリテラシーに無関心な若年女性をターゲットに据え、「食」からアプローチする「OKOA~健康自己管理モデル」を提案しました。同プランを発案した背景としては、8割の女性が体調不良を我慢して働いていること、中でも20代、30代の女性がPMS、貧血、食欲不振など未病状態(まだ病気にはなっていないこと)を放置している状況を改善したかったことが挙げられます。 一方企業に目を向けてみると、「女性特有の健康問題」に高い意識を向けようとしている企業が増えています。こうした企業の関心の高まりと、若年女性の低いヘルスリテラシーに注目し、双方のズレを解消し、企業と個人どちらもがきちんと健康課題に取り組める手段として本プランを発案しました。「OKOA~健康自己管理モデル」は、毎日摂る「食」に焦点をあてることで、誰もが負担なく参加できるようにしています。「STEP1気付き・動機づけを高める」では、「女性の健康と食を学ぶ研修制度」を取り入れることで、自らの健康について理解を深め、体調に疑問を持つよう仕向けました。年1度の健康診断と半期に1度の食生活の問診を行うことで、女性たちがそれぞれの健康課題を見つけるよう促していきます。 「STEP2実行力を促す」段階では、自分の不調を周囲と共有し、助け合う文化を築くことを狙いとしています。さらに、食事サポートを提供し、自己管理に励んでいるご褒美感を出していきます。最終的には、アンケートで実践者の意見を吸い上げ、体へのメリットや改善を実感してもらう仕組みにしました。定期的に健康課題を確認していくことで、「健康管理ができる自立した人材」を育てることにつなげていきたいと思っています。 |フェムテックビジネスプラン発表会審査員紹介 【 第1部・2部 審査員 】 大阪市立大学大学院都市経営研究科 教授 永田潤子 氏 日本で最初の海上保安庁女性幹部、橋下元大阪府知事顧問改革評価委員 ㈱メガチップス 社外取締役 ㈱タニタヘルスリンク顧問 (公財)国際人材交流支援機構理事 一般社団法人女性の実学協会理事 日経BP 総合研究所主任研究員 メディカル・ヘルスラボ 米川瑞穂 氏 日経BP入社後、日経ビジネスの同梱ライフスタイル誌やWEBメディアの編集を行う。2017年から2020年まで女性向けライフスタイルサイト『NikkeiLUXE』編集長を経て現職。 【 第1部 審査員 】 イーコマース・通販コメンテーター 村山らむね 氏 イーコマース・通販コメンテーター。お取り寄せコンシェルジュ。1995年から個人サイト「らむね的通販生活」を立ち上げ、通販やオンラインショップの消費者視点の情報を消費者向けに発信。 高専キャリア教育研究所 代表取締役 菅野流飛 氏 2015年よりライフワークとして高専生向けのキャリア教育セミナー や高専特化型クラウドファンディングなどを運営。2017年に当社設立。情報経営イノベーション専門職大学 客員教授。 【 第2部 審査員 】 女性ライフクリニック院長 産婦人科医師 医学博士 対馬ルリ子 氏 女性のための生涯医療センターViVi初代所長。2002年現・クリニック銀座を開院。「女性医療ネットワーク」を設立。全国450名の女性医師・女性医療者と連携して活動。 一般財団法人日本女性財団 代表理事。 Naoko 女性クリニック 高宮城直子 氏 2015年よりライフワークとして高専生向けのキャリア教育セミナー や高専特化型クラウドファンディングなどを運営。2017年に当社設立。情報経営イノベーション専門職大学 客員教授。
- 【株式会社ベイシア】独自ペルソナ「ベイファミさん」を作り、見える化!お客様像に合わせた店づくり、商品作りが可能に。
株式会社ベイシア 代表取締役社長 相木 孝仁 氏 「来店客の7割が女性」女性視点マーケティングに注目 群馬県を拠点に関東中心に約130店舗のスーパーマーケットストアを展開する株式会社ベイシア様。「For the Customers」の企業理念に立ち戻るため、ハー・ストーリィは社員インタビューをはじめ顧客の実態調査やペルソナ策定、大田原店のリニューアルに際して女性視点での店舗プランニングなどを担当させていただきました。 株式会社ベイシア 代表取締役社長 相木 孝仁 氏 〈プロフィール〉 1972年1月 北海道出身 1994年3月 明治大学政治経済学部卒業、日本電信電話(現NTT)入社 1999年5月 米国コーネル大学経営大学院卒業(MBA取得) 1999年8月 ベイン・アンド・カンパニー入社(2004年8月再入社) 2002年12月 ツタヤオンライン入社 2007年11月 楽天入社、常務執行役員などを務める 2017年9月 鎌倉新書代表取締役社長 2019年11月 パイオニア取締役常務執行役員兼インクリメント・ピー(現ジオテクノロジーズ)代表取締役社長を歴任 2022年1月 ベイシア取締役副社長を経て22年7月4日代表取締役社長に就任 > 株式会社ペイシア ■共創プロジェクトの目的 スーパーマーケットは顧客の約7割を女性が占めており、店舗で働くスタッフも女性の割合が比較的多いが、組織に目を向けると店舗運営の意思決定や棚づくりに携わっているのは主に男性で、顧客ニーズを掴みきれていないのではという課題があった。 ■共創プロジェクトの内容 女性視点マーケティングを導入し、地域に愛されるベイシアをモデル化する。 ・顧客の選択価値の明確化と顧客ペルソナの策定 ・顧客の視覚に訴えるビジュアル的なマーケティング(VMD)の導入 ・ベイシア社員(売り場担当者)に対する女性視点マーケティングの浸透と実践 ■導入成果 顧客ペルソナが明確になり、社員が女性視点での商品づくり、店舗づくりを学ぶことができた。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子< プロフィールはこちら > ■顧客像と購買行動傾向を“見える化”独自のペルソナ「ベイファミさん」を策定 日野: ベイシア様には昨年一年間、弊社の「女性視点マーケティング」を導入・実施いただきました。 相木:私たちベイシアグループの経営理念は “For the Customers”ですが、実際には店内の商品構成も男性視点に偏りがちな傾向がありました。「このままではお客様に真の意味で満足していただけないのでは」と危機感を持ち、ぜひ力を貸してほしいとお願いすることにしたんです 日野: まずは、御社の理念である「より良いもの」「より安く」「商の工業化」の強みを強化するため、顧客データの分析や直接のインタビューを実施しました。そこから顧客像と購買行動傾向を“見える化”したペルソナが「ベイファミさん」です。 相木: 女性視点マーケティングによる分析により、「ご来店くださる女性がなぜベイシアを選んでくださったのか」「どういう家族構成でどのような商品を求められているのか」といった顧客像と生活スタイルが明確に見えてきました。購買行動において特に興味深かったのが、ベイシアに来店くださるお客様は小学生から高校生の育ち盛りのお子さんを持つ母親が多く、大容量サイズやケース買いへのニーズが高かったことです。 一般的に現代社会では高齢化や孤食化が進み、1回あたりの購買量は少なくなる傾向にあります。そのため、我々もそれに応じた売場づくりを行ってきましたが、想定した成果があがらずギャップを感じていました。我々は食品スーパー業界に長くいるため、「お客様はこうだ」といった先入観があったのかもしれません。 今回の調査で顧客像をはっきりと洗い出したことで、社内でも議論を深め、共通理解が醸成できたのは大きな成果です。特に売場周りや現場で働く スタッフとの議論 も重ねていただいたことで、お客様への理解も深めることができました。 プロジェクトで使用している女性視点マーケティングテキスト (左)ペルソナに近しい女性消費者に普段の暮らしをインタビューした一部。(右)お客様のまとめ買い需要に対応したカート ■VMDが大きく前進。季節感やイベント性を取り入れ「ワクワク」する売場にリニューアル 相木: 女性は、家族構成やライフイベント、ライフコースによって購買行動が大きく異なるということも、弊社にとっては新しい発見でした。一つの家族でも一人ひとりライフステージは変化し、成長とともにほしい商品も変わってくる。家族の変化だけでなく、過去と現在の時間、季節性、来店者の気分によってニーズが流動的に変化することを理解しました。 日野:そうですね。女性視点マーケティングでは、家族構成やライフイベント、ライフコース別に細かく購買行動を分析しています。 中間では、顧客像に合わせて店内での既存商品の陳列方法、季節カレンダーに合わせた VMD企画、POPなどより具体的な施策についても現場で取り組んでいただきました。 相木: お客様視点で考えると、本当に求められているのは商品力だけでなく売場の雰囲気やディスプレイのワクワク感を合わせて楽しめることも大切なのだと再認識しました。 例えば、節分の「恵方巻き」においても、おいしくご満足いただける商品の開発力には自信があります。でも、テーマ性や季節感をより全面に打ち出し、商品カテゴリーを超えた売場づくりが重要であることを学び、 POPやVMD 含めて大きく前進したと感じています。 ■大田原店を新モデルに、コンセプトである“食のテーマパーク”を体現 日野:後半では、実際に大田原店リニューアルに際して、新モデルとして成果を実践していただきました。 相木:コロナ禍を経験し、食品スーパーに求めるお客さまのニーズは大きく様変わりしました。新鮮さとおいしさはもちろんのこと、お買い物しやすくわかりやすい店内を通してお買い物自体を楽しんでいただくために立ち上げた新業態が「 Foods Park(フーズパーク)」です。大田原店は「Foods Park」の記念すべき1号店となります。 コンセプトである “食のテーマパーク”を体現するため、生鮮売場を中心に 商品力や伝える力を意識しました。売場づくりにおいてはペルソナも意識しながら、御社のプロジェクトメンバーと社内の各部門で議論しながら進めていけたのは良かったと思います。 日野:大田原店では VMDやPOPなども告知面でも新しい取り組みがあったかと思いますが、現場の反応はいかがでしたか? 相木:現場にも、「情報を整理してわかりやすく伝えよう」という機運が生まれてきたように思います。 特に商品ではカットパインやクロワッサン、魚の七変化や焼き芋などはお客様からも好評で来店のフックにもなっています。私たちが伝えたメッセージをうまく届けられた結果ではないでしょうか。 (左から時計回り) ・焼き芋の看板や屋台演出をすることで視覚的な楽しさも加える ・本場フランスから仕入れた生地を店内で焼き上げている。焼きたての鮮度も感じられる ・約7mあるフライ売り場。ベイファミの家族それぞれの好きなものを選べる要望に応える ・ベイファミさんに向けた大容量パイン ・新鮮なご当地野菜の紹介をした黒板。入口で目に留まる ・ベイシアのブランド牛とろ牛。こだわりポイントが説明されていることで商品情報がわかりやすい ・豊洲市場から直送の丸魚 ※丸魚コーナーがあることが旗で掲げられたことで遠くからもよくわかるように。 お客様のニーズに合わせて刺身用やフライ用など7変化に捌くサービスがよくわかる表示を取り入れる ■顧客ペルソナがクリアになり、女性視点での商品・店舗づくりを学べたことが最大の成果 日野:今回の取り組みを通じて「地域女性のお客様と家族」について、ビフォーとアフターでは、一番何を得たと思われますか。また、御社の今後の展開についてもお聞かせください。 相木:これまでマーケットインの視点が不足していたことを大いに反省しましたし、今回の御社との取り組みを通してぼんやりしていたペルソナもクリアになり、女性目線での商品づくりを学ぶことができました。今回の大田原店リニューアルをモデルケースにして、女性視点をより強くした店づくりを拡大していく一歩が踏み出せたと思います。 それから、ワクワクするような空間づくりや雰囲気づくりにも引き続き注力していきます。我々の商品づくりに対する追求力は維持しながら、お客様に楽しんでお伝えできる手法を見つけていきたいと考えます。 一方で、現場では日々の業務や、次々と出てくる新しい施策に追われてしまうこともあります。効果測定と売上をしっかり検証しながら、手を止めることなく、よりよい店に育てていけるようエネルギーを集中させていきたいですね。 スーパーマーケット業態は社員の異動があるため、店舗内に知見が蓄積しにくい傾向があります。組織の面ではナレッジマネジメントを継続しながら、ローカライズと標準化のハイブリッドが実現できたら理想です。 ■今後は、女性視点マーケティングを商品開発に限らず、会社全体に浸透させたい 日野:「商の工業化」において、今後テクノロジー活用した取り組みは現場とどんどん融合していくのでしょうか? 相木:お客様の困りごとを解決できるような店舗をつくるためには、「テクノロジー」と「オペレーション」をワンセットで考えてく必要があります。現在、商の工業化の部門には No.2にデジタル業界出身の人材を登用し改革を進めています。ベイシアの出店エリアは1都14県と広域であるため、地域特有の商品展開とオペレーションの効率化の両立は今後も優先度高く取り組むべき課題です。 同時に、社内の意思決定者に女性の割合をより一層増やしていきたいと考えています。始めに申し上げたように、お客さまの属性と経営陣をよりマッチしていかなければ根本的な課題解決にはつながらないからです。女性視点をより強くした考え方についても、マーケティングや商品開発に限らず会社全体に浸透させていけたら、いい形で波及効果が生まれるのではないでしょうか。 日野:最後に、女性トレンド総合研究所について、期待や希望、今後の取り組みへの要望など忌憚ないご意見をお願いします。 相木:プロジェクトをご一緒させてただき、現代社会において大切な役割を果たしていらっしゃると感じました。マーケティングに限らず、商品開発や施策の企画、ブランドづくりなどにもどんどん活動を広げていただいたら、社会もよりよい姿に変わっていくのではないでしょうか。
- 3/1(水)開催「HERSTORY×女性の実学塾」「女性視点で価値創造する商品・サービスの成果とキーポイント」
毎回のセミナーで最も皆様から要望された女性視点マーケティングをいよいよ前編・後編の2回に分けて行います。ハー・ストーリィが33年間かけて構築した女性の気づきや感覚をビジネスを価値に転換させ、事業の拡大や顧客の拡張に繋がる新しいもう一つのマーケティングです。
- フリマアプリの女性の利用動向は2023年どうなっていくのか?女性トレンド総研が調査結果を発表
女性トレンド総研は2023年2月10日発刊のHERSTORY REVIEW3月号内にて、2023年の女性の二次流通サービスの利用動向の調査結果を発表しました。 女性たちのリアルから“あした”を予測する女性トレンド月刊レポートHERSTORY REVIEWはこの度5周年を迎え感謝の気持ちを込めてお試し無料キャンペーンを実施することといたしました。 お得なこの機会にぜひご購読ください。
- 中古は「売る買う」共に約8割!売買玄人の姿が浮き彫りに二次流通サービス利用経験あり約8割/HERSTORYREVIEW3月号
3月号のテーマは中古は「売る買う」共に約8割! 売買玄人の姿が浮き彫りに 二次流通サービス利用経験あり約8割 旅行はまだ国内中心だが、コロナの制限が緩まったことで女性たちは外に向けて動きだしている。その他、今回の調査では「食」「健康・運動」「美容」といった消費意欲の高い項目について 女性たちのインサイトを探った。 <商品内容> (以下の商品がセットで含まれます) 1.HERSTORY REVIEW vol.67(PDF) 2.10分でわかる女性トレンド解説動画 3.女性アンケート調査結果(PDF)
- 女性トレンドをテーマ別にまとめたお得なパック「REVIEWパック」の発売を開始しました。
自社ビジネスに合わせて、ピンポイントにトレンドを把握 HERSTORYが毎月発行している女性トレンド月刊「HERSTORY REVIEW」や女性ペルソナ年鑑の中から、「Z世代」や「ママ世代」、「SDGs」「フェムテック」などテーマ別に抜粋したお得なパックです。 自社の顧客ターゲットや事業テーマに合わせて、効率的に必要なペルソナやトレンドをリサーチできます。
- 日経ニュース9にて、2023年ヒット商品予測のコメンテーターで代表の日野佳恵子が出演
日経ニュース プラス9【2023年 ヒット大予測!】、コメンテーターとして代表の日野佳恵子が出演しました。
- 【特集】女性のウェルビーイングからビジネスを創造する勉強会
WELL WOMAN発表会に潜入! ビジネスプラン一挙大公開! HERSTORY主催の女性の健康課題を学んでビジネスプランを創造する異業種ワークショップWELL WOMAN第2回のビジネスプラン発表会レポートです。貴重なビジネスプランを一挙に大公開 講師陣 2022年 WELL WOMAN 第2期プロジェクト参加企業様 監修/協力・パートナー企業 子どものいたずらで、ママの固定概念を吹き飛ばそう 子育てを変えるで賞「いたずらんど!」 【受賞理由】最近、人々が集う場としてトレンドとなっている銭湯という場を選んだことは、 時代をキャッチしているといえる。また「いたずらんど!」というネーミングも素晴らしい(日野)。常に自分たちの課題を深堀りし、こうでなければならないという固定観念を持たない 姿勢で臨機応変にビジネスモデルを変化させた点が評価できる(永田)。スーパー銭湯だけ でなくさまざまな場所での展開の可能性がある。BtoB の視点から幅広い領域での取り組み ができそう(参加者)。 ■子育て中に感じる孤独は母親の内面と相関 私たちは女性の貧困という社会課題に着目し、女性の正規雇用比率が低下しやすい「出産 後のママ」を中心に女性のウェルビーイングを考えました。大阪府八尾市の 4 カ月および 3 歳半健診に参加した母親を対象にした無記名アンケートによれば、子育て中に感じる孤独は、 子育てへの満足感や自信の有無などという母親の内面と相関するもので、その原因は母親自 身の自己効力感の欠如。つまり、「自分にはうまく子育てできる能力が備わっていない」と思っ ていることにあることが分かりました。また別の調査では、実に多くの母親が理想の母親像 になれず自信を失い自分を責めている姿が浮き彫りになっています。私たちはその原因となっ ている、母親自身の固定概念を取り払い、自分自身を認めることのできる状態こそが母親の ウェルビーイングであると捉え、子どものいたずらでママの固定概念を吹き飛ばす「いたず らんど!」というサービスに着手しました。 ■ママが「自分で自分を認められる」人生をサポート 私たちは、母親の孤独や不安を解消できる場を設けたいと考え、「いたずらんど」という事 業を考えました。スーパー銭湯に併設した「いたずらんど」では、年齢ごとに分けたスペー スに保育士が常駐、安心して子どもたちが遊ぶことができます。また、子どもがやりたくな るようなグッズを用意、「だめ!」「やめて!」など言わなくてもいい環境を提供し、ママの持つ固定観念を取り払うきっかけを作ります。 「いたずらんど!」の特徴は4つ。「1. ターゲットはママ」「2. 危ない、汚れる、壊れる、 迷惑をかけるなどを気にしなくていい空間」「3 . 大変な育児の中にあっても子どものいたず らを笑い飛ばせるきっかけを作る」「4. 共通体験を通してママ同士の関わりを作る」ことです。 そして「いたずらんど」の事業を継続させるために、年齢に合わせたさまざまな事業を提供、 負の感情をプラスに転じるための事業展開を続け、子どもの成長だけでなく、ママが「自分 で自分を認められる」人生のサポートを続けていきたいと考えています。子育てを日々がん ばっているママが、大変なことも笑い飛ばせるように、また自分で自分を認められるように なってほしいと思います。 カラダもココロも元気に。好年期実現のための新しい朝食スタイル 新しい朝になるで賞「なないろ朝食便」 【受賞理由】宅食業界の中でマーケットの少ない「朝食×和食」に着目した点が評価できる。私自身が使ってみたいサービスでもある(日野)。思いついたさまざまなアイデアの根幹を考える中でたどり着い た更年期。アイデアを広げたり絞ったりを繰り返しながら本質 に行き着くというプロセスを十分に味わえたと思う(永田)。 自分も更年期世代のビジネスでいろいろな案を検討したが、食事サービスは思い付かなかった。ぜひ利用してみたい (参加者)。 ■家族や仕事を優先し「自分のこと」は後回しにしてきた更年期世代 私たちは、更年期世代の女性が毎日明るくイキイキと過ごせることを願い、商品・サービスを検討してきました。まさに今、更年期を迎えているのは、女性ホルモンの分泌量が大きく変化する40代後半〜50代の女性で、いわゆる第二次ベビーブーム世代を含みます。また政府は今年に入り「女性の更年期障害に関する 実態調査と支援策の検討」を明言。国を挙げた更年期対策が 始まる今こそがビジネスチャンスであると捉えました。更年期世代 の女性を見ると「女性が家事育児をすることが当たり前」と考え られた時代背景もあり、専業主婦は全てが子ども優先のワンオペ育児をこなしてきました。妊娠・出産しながら復職したワーキングママの第一世代は、ワンオペ育児と出世のハードルを抱えながら 仕事と育児を両立。 雇用機会均等法の第一世代である独身キャリア組は、男性と同様の職についたものの、出世という見えない 壁に向かってキャリアを築いてきました。それぞれの更年期世代 の女性たちは、家族や仕事を優先し「自分のこと」は後回しにしてきた世代でもあります 。 ■「更年期を好年期に変えて女性の笑顔を つくりたい!」という目標を掲げて そこで私たちは、カラダもココロも不調を抱える更年期を、「好き」 という漢字を使って「好年期」に変えることをコンセプトとし、変化を迎えるココロもカラダも愛して10 年先までイキイキとした 自分でいられる期間と定義しました。40~60 代の女性を対象としたある調査で今後の人生をより充実させるために必要なことを 聞くと全ての年代が健康と体力、関心の高い美容では全ての年代でバランスの良い食事だったことに着目、好年期のための朝食 習慣を届ける「なないろ朝食便」というサービスを考えました。 このサービスは、更年期世代に合わせて、質はもちろん、薬膳や発酵など更年期の不調ケアにつながるメニュー展開や料理のおいしさを引き立たせるデザインの使い捨て容器を採用しまし た。今回、年齢や性別、業種が異なる6人が「更年期を好年期に 変えて女性の笑顔をつくりたい!」という一つの目標に向かって 意見交換、価値観の違いを昇華させた過程は、社会のウェルビーイングにつながったのではないかと感じています。 ■掲載元 HERSTORY REVIEW 2022年11月号vol.64→ 詳しくはこちら 『女性のウェルビーイングからビジネスを創造する WELL WOMAN発表会に潜入!ビジネスプラン一挙大公開!』 ■WELLWOMANプロジェクト → 詳しくはこちら
- 【一般社団法人グラミン日本】女性視点を活かしたWebサイトに リニューアル。反響が大幅に向上。
一般社団法人グラミン日本 理事長 百野 公裕 氏 女性支援のマイクロファイナンス機関「グラミン日本」。ロゴ変更、Webリニューアルに合わせ女性視点での見直しを依頼。反響が大幅に向上。 グラミン日本様は、2006年にノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行の日本版。困窮者への無担保のマイクロファイナンス(小口融資)、就業支援などを行っています。2022年2月にリブランディングを実施し、ロゴマークを刷新。4月に公式サイトをリニューアルしました。ハー・ストーリィは、サイトのリニューアルにおいて女性視点から助言させていただきました。リニューアルサイトのオープンから約3カ月後の7月、リブランディングに至る経緯やサイト制作の苦労話などについて、百野公裕代表、事務局長の中川理恵さん、広報チームの奈良千尋さんにお話を伺いました。 グラミン日本 理事長 百野 公裕 氏 〈プロフィール〉 愛知県生まれ。米国公認会計士。 外資系コンサルティングファーム PwC、プロティビティ(旧アーサーアンダーセン)でマネージング・ディレクターとして勤務。 2017年8月よりグラミン日本準備機構の設立メンバー(プロボノ)として、グラミン日本の設立準備に参画。 2018年9月に前職を退職し、グラミン日本理事/COOに就任。 2019年10月より現職。 ■共創プロジェクトの目的 ・グラミン日本の独自性の明確化を模索。世界的な知名度のある「グラミン銀行」(バングラディシュでムハマド・ユヌス博士によって創設されたマイクロファイナンスモデルは2006年にノーベル平和賞を受賞)を祖とするグラミン日本らしさについて迷っていた。 ・関わるメンバーが多いため、ブランディング、CIを整理する上での方向性、意識統一に向けた整理に課題があった。 ■共創プロジェクトの内容 ・「誰に向けて」「何を」「どうしたいのか」を整理。特にシングルマザーに向けての発信を中核に女性視点での発信についてチーム内での学習会を開催し施策のポイントを意識統一。 ・ロゴマークの変更、Webデザインは、対象となる女性たちが共感し、自分たちの居場所であると感じることを意識。当事者の写真、等身大表現をアドバイスしプロジェクトを伴走。 ■導入成果 ・リニューアルした途端に実績、資料、数値を聞かれることがなくなった。サイトで支援を受ける人やボランティアスタッフの写真を見て、活動内容が伝わるようになったことは大きい。 ・問い合わせやボランティア志願の方に「実際にどんな人を支援しているかイメージが沸いた」とリクルーティングにも効果を実感している。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子< プロフィールはこちら > ■リブランディングで認知度アップを狙う 日野:まず、グラミン日本の立ち上げの経緯と事業内容について、ご紹介いただけますか。 百野さん :私たちは、1983年にバングラデシュでムハマド・ユヌス氏によって創設され、世界40ヵ国以上で活動するグラミン銀行グループの日本法人です。2018年の設立以来、マイクロファイナンスを活用し、生活困窮者に対する経済的な自立支援を行っています。具体的には、グラミン銀行の貸付モデルを踏襲し、5人一組の互助グループに融資しています。 通常お金を借りるには前年度の収入額などが必要ですが、私たちは、信用情報を照会しなくてもお金を貸付けできる免許を取得しています。預金取扱金融機関ではないので、「グラミン銀行日本」ではなく「グラミン日本」なんです。活動資金は、個人や法人、政府などからの寄付や出資で賄っています。他にも内閣府の休眠預金を活用するなど、さまざまな仕組みを利用して資金調達しています。 グラミン日本を立ち上げた2018年は、シングルマザーの相対的貧困と子どもへの貧困の連鎖がメディアでクローズアップされ始めた頃でした。そんな状況の中、グラミン銀行の創業者で日本法人の名誉会長でもあるユヌスさんと話し合い、 グラミンは日本でも貧困問題に注力すべきだという結論に至りました。 日野:設立が2018年9月。リブランディングを決断されたのが2021年で、初めて私たちがお会いした6月には、すでにロゴのリニューアルを検討されていましたよね。そこに至るおよそ3年間の歩み、リニューアルの理由と経緯をお話しいただけますか。 百野さん :日本には、年間所得122万円以下で生活している、いわゆる相対的貧困とされる人がおよそ2千万人います。6人に1人の割合です。300万以上の所得を経済的自立と定義付け、そこを目指して支援を行っています。ワーキングプア、学生、高齢者などいろんな人がいて、最初はそのすべてを対象に支援活動を行っていました。 でもユヌスさんから、特に女性、中でも子どもを持つ女性の支援に注力してほしいと言われたんです。もともとユヌスさんがバングラデシュで始めた支援の対象は99%が女性で、グラミングループ全体も女性支援に力を入れています。そこで、グラミン日本も支援対象を女性に振り切ることにしたんです。 それに合わせて、公式サイトの内容も変える必要がありました。進むべき方向性が定まったので、このタイミングで全面的なリブランディングを行い、グラミン日本の認知度を上げようと考えました。 日野:どんなサイトにリニューアルされたいとお考えでしたか。 百野さん :私たちの役目は、一歩踏み出そうとする人に手を差し伸べること、扉を開けたいと願う人の背中を押すことなので、彼女たちが「応援されている」と感じられるようなイメージにしたいと思いました。 具体的には、まず「貧困」という言葉を多用せずに私たちの考えや活動を伝えたいと思いました。この単語から思い浮かべるイメージは人によってバラバラですし、そのために貧困の現状が認識されづらいと感じていたので。 次に、マイクロファイナンスだけではなく、就労支援で女性の自立を目指していることも打ち出したいと考えました。コロナ禍では食糧や生理用品などの物資支援が主流でしたが、アフターコロナでは経済的な自立が重要です。 ■女性に特化した専門性とブランディング力に期待 日野 : なぜハー・ストーリィにご依頼いただいたのでしょうか。 百野さん: 女性支援に振り切ることから、女性の視点が重要だと考えました。そして、ちょうどブランドリニューアルを決めたタイミングで御社との出合いがあったんです。リニューアル前のサイトをひとめ見た日野さんが「ハートマークの手、男性の手に見えますね」と指摘されたとき、これは自分には絶対気づけないと思いましたね。 女性目線でのマーケティングを専門的にやっている会社を他に知りませんでしたし、女性の自立を支援されている会社です。女性を支援したい企業や団体の目に留まる機会が増え、より共感いただけるのではという期待もありました。 また、「グラミングループは他の団体とは格が違うのだから、ブランドをきちんと表現すべきだ」とおっしゃっていただいたことも大きかったです。 ■キービジュアルはリアリティを重視 百野さん : ブランドリニューアルの方向性を内部で共有し、意思統一することが非常に難しいと感じていました。そこで、まずは日野さんにマーケティングの打ち合わせに入っていただき、直接話していただく場を5回ほど設けました。その後で全体会議にも参加していただきました。最初の何回かは内容がブレてしまい、そのたびにビシッと軌道修正していただきました(笑)。みんなで一緒に話を聞くと違いますね。だんだん目線がそろってくるのが分かりました。 奈良さん : 「支援の受け手側と提供側、双方の顔が見えるようにするといい」というアドバイスを受け、シングルマザーの方々に写真の掲載許可をいただいたり、ボランティアを集めて撮影したりしたことですね。グラミン日本の広報チームとしては初めての試みで手探りでしたが、おかげで顔の見えるサイトに近づいたかな、と思います。キービジュアルの重要性を学びました。 日野 : 本当に素敵な写真をたくさん集められましたね。ご苦労されたことと思いますが、人はリアルしか信じません。特にソーシャルビジネスではリアリティが大事です。生き生きした表情の写真とレンポジでは、与える印象が全然違います。今後も写真のストックは増やされるといいですよ 。 ※サイトページのビフォー(左)アフター(右) ■メッセージは、言い切った方が刺さる 日野 : 私たちがアドバイスした中で、特に参考になったことがあれば教えてください。 奈良さん : メッセージをどう打ち出すか話し合っているとき、日野さんに「なぜ女性を支援すると言い切らないんですか」と聞かれ、答えることができませんでした。2018年から3年間、貧困の解消をテーマに活動をしてきて、女性に限らずいろんな人を支援してきました。そういった過去に未練というか配慮のようなものがあったんですね。「女性を支援すると決めたのなら、言い切った方が刺さる」というアドバイスをいただいていなければ、今のサイトはなかったと思います。 最終的にブランドメッセージには「女性を中心として」という文言を入れ、キービジュアルも女性に絞り、ロゴやカラーも女性を意識したものにしました。現在は法人向けサイトやシングルマザー向けのサイトを制作中で、迷ったときはハー・ストーリィ様からいただいたコメントを見返しています。 百野さん : 多様性の重要性が叫ばれている中で、女性だけに支援するのはどうかという思いもありました。でも、実際に困窮している人の多くは女性なんですよね。ブランドリニューアルを進めているさなか、ジェンダーを無視した政治家の失言がありました。直後に経済同友会の講演があり、企業もジェンダーを無視した言動はダメだという共通認識ができました。私たちにとっては世の中の流れが追い風になった形で、振り切って良かったと思いました。 中川さん: 私は、女性は環境によって生活や考え方が全く違うという御社の分析レポート、29種類のペルソナを見て「ああ、そうだ。こういうことだったんだ」と全員が腑に落ちた瞬間が印象に残っています。 左から事務局長の中川理恵さん、百野代表、広報チームの奈良千尋さん ■活動内容が理解され、実績を求められなくなった 日野 : リニューアルサイトの評判、反響はいかがですか? 百野さん : 以前は必ず実績を聞かれましたが、リニューアルした途端に聞かれなくなりました。私にとってはこれが一番大きな変化です。たぶんサイトで支援を受ける人やボランティアスタッフの写真を見て、活動内容を理解できたからでしょう。資料で数字を見せる必要がなくなりました。 奈良さん : グラミングループの一員として、ロゴのモチーフはグラミン銀行と同じ「家」にしました。「家」は安心できる場所の象徴でもあります。新しいロゴは明るくシンプルで私自身も気に入っていますし、社内でも好評です。 中川さん : 「一歩前へ」という前向きなメッセージが伝わるロゴだと思います。私たちが実現したいと思っている、支援者が未来に向かって歩き出す姿がイメージできます。何より、私たちの理念や活動内容を説明するとき、このロゴを見せながらだと話しやすいし、相手に伝わりやすいんです。 新ロゴマーク ■活動を全国に広げ、地方の女性も支援していく 日野: どのような活動に力を入れていきたいかなど、今後の展望をお聞かせください。 百野さん : 自立するには働いてお金を稼ぐ必要がありますが、スモールビジネスの起業は難しいため、安定した雇用も大事です。そこでマイクロファイナンスだけではなく、昨年から就労支援も始めました。企業に協力いただき、デジタル関連の知識や技術を身につけることで、DX人材としての就労支援などを進めているんです。 リモートワークが広まったことで、地方でもスキルがあればサポーター企業に雇用してもらえます。先日は、株式会社MAIAとSAPジャパン株式会社と進めている、女性デジタル人材の育成や就労支援を行う事業「でじたる女子活躍推進コンソーシアム」で、愛媛県と連携協定を結びました。すでに仙台支部はありますが、全国にグラミン日本の支部を作ろうと考えています。企業だけでなく政府にも協力を仰ぎ、官民連携を図りながら、マイクロファイナンスと就業支援の両方を全国展開していくつもりです。 ■女性のマーケットの大きさを、広く伝えてほしい 日野: ハー・ストーリィに対して、今後のご期待やご要望がありましたらお願いいたします。 百野さん : 大企業ほど女性を戦力とみなしておらず、女性のマーケットを小さいと思っています。でも実際に人口の半分は女性ですし、女性の方が長生きですし、女性が就きやすい職業も増えているし、働き方も多様化しています。女性のマーケットは非常に大きいものだということを、もっと広く伝えていただきたいです。 日野 : 2018年の立ち上げ当時にはなかったコロナに加えて、今は円安やエネルギー問題もあり、多くの人が経済的に苦しい状況にあります。百野さんからエールをお願いいたします。 百野さん : 日本人はよく自分を他人と比べますが、それが苦しみを生む場合も多いように思います。他人との比較はやめ、どれだけ成長したのか過去の自分と比べてみてください。 日野 : 官民連携を図りながら、全国展開を目指すグラミン日本。今後、より多くの人に影響を及ぼしていくのではないでしょうか。リブランディング、活動の窓口となるサイト制作に関わることができ、うれしく思います。またご一緒できる日を楽しみにしています。本日はありがとうございました。
- 【株式会社東武ストア】駅直結の新店舗に女性視点を活かし、モノを売るだけでなく、人をつなげる場としての可能性を探る。
株式会社東武ストア 代表取締役社長 土金 信彦 氏 地域のお客様の食と暮らしを支えるスーパーマーケット。駅直結の新店舗に女性視点を活かし、モノを売るだけでなく、人をつなげる場としての可能性を探る。 東京、埼玉、千葉エリアで食品を中心としたスーパーマーケットを展開している株式会社東武ストア様。2021年3月、64店舗目となる「東武ストア新河岸店」が東武東上線「新河岸駅」(埼玉県川越市)に直結した複合ビルの2階にオープンしました。店舗立て替えにより3年間の休業、上層階に女性専用マンション「ソライエアイル新河岸」を持つ複合ビルといったこれまで経験のない出店に向き合うため、ハー・ストーリィは、地域の実態調査や女性視点での店舗プランニングなどを担当させていただきました。オープン間もない4月、当初課題への対応の様子や滑り出しの状況などについて土金信彦社長に伺いました。 株式会社東武ストア 代表取締役社長 土金 信彦 氏 〈プロフィール〉 1955年4月26日生(65歳)埼玉県出身 1979年3月 中央大学商学部卒業 1979年4月 東武ストア入社 2001年3月 同社日配食品部長 2003年3月 同社惣菜部長 2009年2月 同社商品本部長 2009年5月 同社取締役商品本部長 2012年5月 同社常務取締役商品本部長 2016年4月 同社常務取締役営業本部管掌兼商品本部長 2016年5月 同社専務取締役営業本部管掌兼商品本部長 2017年3月 同社取締役専務執行役員商品本部長 2018年3月 同社取締役副社長執行役員営業統括 2019年3月 同社取締役社長(代表取締役)、現在に至る > 株式会社東武ストア ■共創プロジェクトの目的 年齢や時間帯での買い物行動の変化については日頃より分析を行い、数値的なデータを基に店舗づくりを行ってきた。その結果、商品の品質や価格等が優先事項となり、売り場での女性客に魅せる(楽しく追加購入していただく)企画ノウハウが社内に構築されていなかった。女性客のニーズに寄り添いながら、商品を提案する売り場企画を具体的に取り込もうと新店オープンのタイミングで始動した。 ■共創プロジェクトの内容 今回ご依頼いただいた、新河岸駅周辺に住む地域女性たちの声を徹底分析。周辺利用者データも参考に顧客像のクラスターイメージをメイン、セカンド、サードと3つ作り、実際の女性たちに生声インタビュー。地域女性の声を分析して、店舗コンセプトメッセージやどんな商品をどんな風に提案されていたらうれしいのか、など女性のインサイトに基づいた店づくり ■導入成果 ・地域密着のお店を創る上でのお客様視点の取り入れ方が社内に理解、導入できたことは大きい。中でも塾が周辺に多いことで、学生や子育ての方々が立ち寄れる商品の重要性を再認識した。 ・女性向けのマンションとの併設立地だったことを考慮し、1人暮らしの女性が欲しい商品の充実や地産地消の充実などはお客様に評価されている。見せ方などにも新たな視点が持てるようになった。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子< プロフィールはこちら > ■「男性と女性の認識の違い」に気付き、女性視点に着目 日野:2019年に私鉄系スーパーマーケットが集まる(株)八社会で講演させていただいた時、土金社長に初めてお目にかかりました。2020年から、新店のオープン準備に携わらせていただき、社員の皆さまに向けてお話する機会も頂戴しました。弊社にご依頼いただいた理由から、お聞かせいただけますか。 土金さん:講演の資料で、「世界の消費の64%は女性が買っている(出典:ウーマンエコノミー)」という記述がまず目に飛び込んできました。当社も、現場で働く従業員の7割が女性です。これまで、女性向けの売り場作り、女性が活躍できる職場について考えてきましたが、なかなか具体的な形になりませんでした。それが、日野さんの講演で「そもそも事実確認する左脳が優先の男性と、左右の脳で考える女性は違う」「男性はBuy(目的買い)で、女性はShopping(買い物をする)」という話しを聞き、ハッとしました。男性と女性の認識に違いはあると分かっていましたが、「何が」違うのかをこれまで深く考える機会がありませんでした。これは私も含め全員が勉強させてもらわなければと思い、日頃から女性のお客様に接している店長、社員に向けた講演をお願いしました。2020年下期にご講演いただいた内容は、社内で大変好評でした。 日野:小売業の方は、お客様に女性が多いことはみなさんご存知ですが、女性と男性の判断に差があることは、あまり研究されていないのでしょうか。 土金さん:当社では年齢や時間帯での買い物行動の変化については日頃より分析を行っています。コロナ禍の今、高齢者の方が混雑を避けて午前中の買い物に移行しています。高齢者の方が好まれる商品等については注視しています。例えばお弁当であれば、午前中は小サイズ・和風系の品揃え、お寿司であれば、午前中は巻き物、午後はにぎり寿司といった具合です。商品によりボリュームや内容を変えることはしていましたが、マーケティングにおける男女の視点の差という観点から商品作りは行っていませんでした。 日野:商品はご覧になっていたけれど、お客様へのプレゼンテーション、見せ方についてはあまり気になさっていなかったということですか。 土金さん: これまで、商品の品質・価格等が優先されていました。もちろん、プレゼンテーション・見せ方についても注意を払っていましたが、女性視点という意識はありませんでした。 そうしたところから、2020年下期からオープンを前にした新河岸店の店舗作りについてもアドバイスをお願いすることにしました。 ■「ほしい」に応えたら、品切れ続きの商品も 日野:新店舗が入る駅ビルは、1階テナントにカフェや保育園、フィットネスが入り、上層階には女性専用マンションがあることなどから、顧客層も女性が多いことが想定されました。現状はいかがですか。 土金さん: お客様はそれらすべてを一つの施設としてみますが、私たちはどうしても個々のパーツで見て、複合ビルであってもストアはストアとして考えてしまう。ただ今回は、鉄道の施設そのものに「女性視点」というプランがあったので、施設と一体感を持たせた店作りをしようと考え、迷わずハー・ストーリィさんにお願いしました。お陰様で滑り出しは上々です。 私は2019年5月に社長に就きました。新店は新たなトライの場所であり、その中で新しいマーチャンダイジングを積み重ね進化して行かなければなりません。これまでの当社は、大きな投資をして新店を出しても足踏み状態が続いていました。社長になり、マーチャンダイジングを進化させるためには私たちの器の中だけで考えていても殻は破れない、日野さんたちに外から殻を突いてもらったら変われるのではないかと考えたのです。 ※「塾帰りの子どもにちょっといいおにぎりを食べさせたい」という母親のインタビューコメントからも実現。コンビニエンスストアとちがった手作り感がうれしい 日野:私どもが行った街中や駅周辺の実態レポート、利用者様インタビューの声を内装や陳列などに反映してくださり、本当に素敵な店舗になっています。お客様のご利用も多いと伺い、私たちもうれしいです。 土金さん: インタビューでいただいた「塾の送り迎えの途中でサッと買い物をしたい」「平日夕方は惣菜を一品買いたい」という声に応えて入り口近くに惣菜を置いたり、レジ回りには翌朝用のヨーグルトや牛乳を揃えました。焼き立てパンやご褒美スイーツを求める声も多かったので、近隣の川越店で朝焼いたパンを昼過ぎから品揃えしています。 スイーツは評判が良く、私が行く度に売り切れているので発注量を増やすのですが、増やしても増やしても売り切れています(笑)。お客様に喜んでいただけて何よりです。 ※近隣にベーカリーがないため要望が多かったパン商品。高級ラインでも売り切れの日が続出 ■ 数字や効率より「楽しめる」レイアウトで回遊性アップ 日野:店内のレイアウトについても、ずいぶん工夫をなさっていますね。 土金さん:駅直結の施設は売り場が縦長になりがちですが、レイアウトで長さを感じさせないようにしました。男性はスペースがあると、どうしても坪効率、棚効率など数字を捉えてどこに何を置くか決めがちですが、女性はゆったり選べる楽しさを好むと伺いましたので、入り口に近い青果売り場の先に少し広いスペースを取るなどしました。 その効果もあり、奥までお客様が足を運んでくださっています。勉強させていただいたように、数字には出ない部分が女性のショッピングを後押しするということ。なるほどと、納得しました。最近は社内で、「レジ回りにもう少しゆとりを持たせては」といった議論が出るようになりました。 ※地元を応援したい気持ちに応えるべく企画した、地産地消コーナー。地元のお菓子などの商品を取り込んで応援 日野:女性が滞留し、商品を見て楽しんでいる様子を社員の皆さんが実感し、結果として数字にも表れつつあるということでしょうか。 土金さん: まさにそうです。そういったモニタリングが私たちには不足していました。地域を調査することはありましたが、価格やどの店を選ぶかといった相対的な比較で終わっていたので、「こうだったらいいな」といった「生の声」はつかめませんでした。 今の場所は立て替えのために3年間のブランクがあったことが心配でしたが、お陰様でいいスタートが切れています。 ※人気飲食店監修・ご当地レトルトカレーなど、バリエーション豊富に揃え選ぶ楽しみ、手に取りたくなる棚の見せ方を実現 ■会話を重ねてアプリ開発など、女性社員の感性に期待 日野:女性社員の方も期待に応えて頑張っていらっしゃいます。 土金さん: 昨年の後半、お客様向けに情報発信するアプリの開発を男性チームが進めていましたが、日野さんの講演を聞いて男性の私たちではいいものは作れないと思い(笑)、一度白紙に戻し女性チームを立ち上げて一から作り直しました。最初は感性も乏しく見えましたが、日に日に良くなり、良いものができたと思います。 日野:女性たちのプロジェクトの進捗を見て、何か男性との違いは感じられましたか。 土金さん:私もそうですが、男性は「こういうモノを作ろう」と先に結論があり、そこから選択肢を考えがちです。しかし、女性は何度も会話をし、いろいろな話しの中から一つのものができ上がっていくので、これはずいぶん違うなと思いました。いろいろな話も、決して無駄にはなっていない。 日野:女性は一つ一つ納得しながら進んでいるので、そのプロセスを通過された皆さんは今後すごく活躍すると思います。 土金さん:先日、「#ワークマン女子(※)」に行ってみました。やはり女性客が多かったですが、皆さん、レジ前にある男性向けや子どもの商品も買っていて、誘い方がうまいと思いました。人の顔を出したPOPも目に付きました。私たちは文字で表現しがちですが、それでは誰も読まない。絵の表現は分かりやすいし、特に女性の方は感覚でパッと捉えるんでしょうね。当社もその点をご指摘いただいていたので、最近は顔写真などを出したPOPが増えつつあります。 (※) #ワークマン女子:作業服販売のワークマンの中で、女性をメインターゲットにした新コンセプトの店舗 女性社員の声を取り入れて作ったマスコットキャラクター。最後は数種類の中から全従業員に投票していただき決定。従業員参加型でキャラクター育成を実施中 ■ ハー・ストーリィに期待すること 日野:ハー・ストーリィに対して、今後のご期待やご要望がありましたら、お教えください。 土金さん: 当社は経営理念に「お客様のより良い暮らしに貢献する」と掲げていますが、今の時代、「より良い暮らし」とは何か。私が入社した時代は車を持つ、家を建てるなど、基本的にモノを持つことが「より良い暮らし」で、私たちもモノを提供することが使命でした。 しかし、コロナ禍の中で何を提供する事が「より良い暮らし」に貢献できるのかは、男性の私たちだけで考えただけでは答えが見つからない気がします。女性視点も交えて考えた時、初めてより良い暮らしのヒントが見えてくるのかなと思います。 日野:モノがあふれている今、モノからコトへ、コトから意味へ、意味から意義へ、フェーズが変わっていると考えています。そして世界中でSDGsやソーシャルという言葉が広がり、「消費する自分に責任が返ってくる」ということを多くの人が分かっています。 さらに、コロナによって直接的な接触が制限されてコミュニケーションが断絶しているので、自分の行動や消費が地域の何かや誰かに還元したり、何かの変化が見えるところに人が集まり始めています。 例えば、買い物を通じて誰かとつながることができるように店舗や流通さんが媒介になってくれるとすごく喜ばれると思います。 土金さん: そうしたヒントをいただいたので、地元を応援したい気持ちに応えようと、隣駅の川越から地元のお菓子やお酒、地元農家さんの野菜などの商品を取り込んでいます。 最近、川越エリアでものづくりをする若い方の活動が増えています。それらを紹介するインフォメーションボードも川越店内に作りました。そういった人を応援したいという方々が増えるかもしれないし、間接的に人や何かをつなぐ取り組みが、結果的にいつか当社に戻ってくるような仕組みが作れるのではないかと思っています。これまでの単なる販促物をお客様とのコミュニケーションツールにしていく。 こうした事で、物を売る場が人をつなげる場に変化していく気がします。ハー・ストーリィさんからヒントをいただいた中で、できるところからやっていきたい。 ※「作った人の顔がみえる」を実現した地元の農家さんの野菜売り場 日野:コロナ禍のいま、安心して人と会える場所は少ないです。でも、お店は店長さんや店員さんもいるので、安心して買い物ができるセーフティーゾーンであり、特に女性にとってはコミュニティの場にもなると思います。 今後は、お子さまやお母さん、家族みんなの元気でしあわせな暮らしを応援する役割を果たしていかれるのではないでしょうか。これからをますます楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。 ■対談を終えて 日ごろから地域のお客様を大切にされ、努力をされている東武ストア様。 女性視点の買い物行動に関心を持っていただきました。最初は、社内向けの講演会を開催。社長の号令の下、皆様一丸となって新店づくりに取り組みされ、感動しました。私たちも、自分が行きたいお店づくりを考えました。女性視点のお店が広がることを応援させていただきます。
- 女性たちが見ている10年後の消費社会 市場の8割を左右する「女性視点マーケティング」
昭和、平成、令和――大量生産、大量消費の時代は終わり、 モノからイギ消費へ、“感じる"マーケティングの時代になった。 自分、夫、子供、親、友人、地域、社会。 幅広い領域で「買う力」 「選ぶ力」を持つ女性へのマーケティングは必須の課題。 「女性視点マーケティング」とは、もうひとつのマーケティングである。 そして、女性消費者は、マーケットに大きな影響をもたらす消費リーダーであることを考えれば、女性視点マーケティングを今からでも急ぎ実践することは、見えなかった世界が広がっている可能性に満ちていることに気がつく。 女性消費者にしか感じ取れていない“未踏の地=新市場"を開拓するヒント。 ワークマン、スープストックトーキョー、ディーンアンドデルーカ、GUなど、女性の感性に訴え、選ばれている企業の事例を紹介。 次世代につながる消費キーワードを、さまざまなデータとたくさんの事例を通して解説していく。 【目次】 プロローグ 女性視点から社会を見れば、10年先が見える 第1章 女性トレンド最新キーワード 第2章 女性に関するデータの変化を見れば未来が見える 第3章 女性は買物の9割に影響を及ぼす消費リーダー 第4章 女性視点マーケティングのビジネスモデル事例 第5章 女性視点マーケティングの成功に導く5つの理解 第6章 女性視点マーケティングの実践トレーニング 第7章 2021年以降、伸びる女性マーケットと着眼点 第8章 女性特有の「ブルー消費」は空白ゾーン 第9章 女性たちが見ている10年後の消費社会 ------------------ 著書:日野佳恵子 出版者:同文舘出版 出版日:2021/2/5
- 【佐川グローバルロジスティクス株式会社】物流業界のトップランナーとして国内外のお客様をサポート。 「モノが売れない」時代の到来に、独自目線を持つ女性リーダーを増やして新規開拓を目指す。
佐川グローバルロジスティクス株式会社 代表取締役社長 森下 琴康 氏 社員研修は講師の質がものを言う日野さんの自らが組織を動かす経験値こそ直に社員に聞いてほしい 佐川急便株式会社をはじめとした事業会社で構成される総合物流企業グループ、SGホールディングスグループの一員で、先進的なロジスティクスを提供している佐川グローバルロジスティクス株式会社様。ハー・ストーリィでは、社内公募した上位職を目指す女性社員向けのリーダー研修などを通して、広い視野と知見、意欲を持ってリーダーシップを発揮できる人財を育成するお手伝いをしています。社会の流れを受けて大きな変化が見込まれる物流業界において、女性社員が持てる力を発揮することで開拓を目指す将来的な展望などについて森下琴康社長に伺いました。 佐川グローバルロジスティクス株式会社 代表取締役社長 森下 琴康 氏 〈プロフィール〉 1988年4月 東京佐川急便㈱ 入社 2006年3月 佐川急便㈱ 鴨川店 店長 2010年6月 佐川急便㈱ 甲信越支店 支店長 2012年9月 SGホールディングス株式会社 グループマネジャー 2014年6月 佐川急便㈱ 執行役員 営業担当 本社営業部長 兼務 2016年3月 佐川グローバルロジスティクス㈱ 取締役 2016年9月 佐川グローバルロジスティクス㈱ 代表取締役社長(現在に至る) > 佐川グローバルロジスティクス 株式会社 ■共創プロジェクトの目的 パートを含め約7割が女性社員。社員の多くはルーティンワークに長けてはいるが、これからの会社のビジョンを実現するには全体を俯瞰する目を持つ人財、よりよくなる改善する目を持つ人財を育成していく必要があると感じていた。これまでにも社員研修は実施してきたが、これといった成果を上げることができていなかった。 ■共創プロジェクトの内容 社内公募した上位職を目指す女性社員向けのリーダー研修を実施。4カ月の研修の中で、ロジカルシンキングと課題解決力、リーダーシップとチームマネジメントのスキルについてサポートしました。 ■導入成果 ・研修会社は多数あるが、HERSTORYから得た成果は、女性の生き様、マーケティングやビジネスを創造する力そのものを共に学んだ時間。女性社員にとって大きな刺激と活性化につながった。 ・チームでビジネスプランを考えて経営陣にプレゼンをする機会を持ったことで、会社のビジョンの理解、強み、そして女性ならではの視点が活かせる着眼を得られたことは今後の社内に貢献できる。 ■INTERVIEW 取材日: 2020年12月時点 インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子< プロフィールはこちら > ■日野さんの自らが組織を動かす経験値こそ直に社員に聞いてほしい 、私が尊敬できる人に教えてほしいと思い、日野さんのプログラムを選びました。 森下:リーダー育成や新入社員向けの研修を何社かにお願いしましたが、望んだほどの成果はありませんでした。圧倒的に足りないと思ったのは、インストラクター自身の実業の経験値です。自分で何かを企画し、責任ある立場でリーダーシップを取って人や事業を動かした経験がない方たちだったので、教育プログラムは良くできていて理論はあっても、こちらが納得できる経験談を聞くことはできませんでした。それに対して、日野さんご自身がものすごくたくさんの経験を持っていらして、私自身がいつも多くのことを教えてもらっています。それも納得できることばかりなので、私が大事にしている部下は、私が尊敬できる人に教えてほしいと思い、日野さんのプログラムを選びました。 ■「モノを買わない」流れを受け、成長する海外への進出のためには女性の活躍が必要 森下: 日本全体が、モノを買わない方向に進んでいます。自動車や自転車を買う人が減り、ファッション業界もシェアリングにシフトしつつあります。こうなると、我々3PLの業界にも影響が出てきます。私たちのお客様であるアパレル、化粧品やコスメ、医療関連、電子部品・精密機器などを製造・販売する企業の方々は、売り上げが減っているとおっしゃいます。僕自身は所有欲があるので欲しいモノは買いますが、社会的には「モノは所有しなくても必要な時に使えればいい」という方向に価値観が変化しています。この点に、お客様も我々も強い危機感を持っていて、国内でも新しいサービスの展開を模索しています。そのためにも、未来を創造し、行動につなげられる人材を育てることが急務で、女性社員たちにはその力があると思っています。 国内市場が縮小することが予測されていくので、消費が伸びるに国に進出を考えるのは当然の流れです。 例えば中国のような人口が多い国は10代など若年人口も多く、生活水準が上がる流れにあるのでマーケットにチャンスがあります。日本の10倍の人口がいるのに対し3PL分野で動く金額は日本と同等なので、今後まだまだ伸びると思います。そのような国で事業を拡大していきたいですし、日本で学んだことや蓄積したノウハウは海外でも生きると思います。今の若い社員には中国、ベトナム、インドなどの海外でも働いてほしいです。 ■自ら判断することでビジネスを進める 森下: これからは海外市場がますます現実味を帯びてきています。女性社員でも出張や海外赴任にもチャレンジして欲しいと考えています。 海外で仕事をする時は、自分で考え、判断できることがより大切になります。中国のビジネスマンは判断が早い。でも日本人に判断を求めると、「本社に聞いてみる」と待たされ、揚げ句にペンディングされることがあります。これも日本の文化ではありますが、世界に出ていく時はこうした対応も変えていかなければいけません。日本式の生産管理や倉庫業務に関するノウハウは役に立つと思います。でも海外進出する時は、日本人だけで出向いて商売を展開するのはかなり難しいし、できたとしても日系人相手の仕事しか取れません。ですから現地に浸透するためにもマネジメントもセールスも現地の人にお願いし、ベトナムに行ったらベトナム人と商売したいと考えています。そんな場面ではきちんと意見を言い、迅速に判断できる人材が求められます。 ■ 業務上の女性のハンデは限りなく少なくなってきた リーダーシップと巻き込む力でチーム力アップへ 森下:そうした現状から、今いる女性社員の方には国内での新ビジネスを創出したり、独自の着眼点や積極性を持って欲しいという気持ちがあります。 何人かには既に一定のポジションを任せていますが、リーダーは圧倒的に少ない状況です。今は女性が持てないほど重いものはほとんどないので、作業面で女性にハンデはありません。かつてあった長時間労働も今はなく、時短も育休も使えて、男性が育休を取ることもあるなど職場環境は整っています。ただ、女性リーダーのロールモデルがいませんでした。運送業が主な業務で男性中心だった時代にできた風潮が、組織が大きくなり、業務内容が変わった今も固定概念になっているのかもしれません。マネジメントの仕方も変わっているのに、これまでのやり方から変われない男性が多いことも要因かと思います。 森下: 研修を受けた社員からは「世の中を見る目が大きく変わった」という声がありました。情報をインプットするだけで世界が変わるということはあると思います。僕としては彼女たちに女性管理職のロールモデルになってほしいというのが、願いです。 既にリーダーになった女性たちには「周りの人が付いてきてくれない」といった悩みがあります。自分が変化した経験から、同僚や部下にも変化してほしいと思って「こうしてみたら」と経験を伝えて後押ししようとしても、なかなか行動に移さない、付いてきてくれないようです。そういう人達にはどうしたら周りを巻き込めるか考えて欲しいし、まだそういう経験がない人はこれから変われるチャンスはいくらでもあると思ってほしい。女性が力とスキルを身につけることでチーム力がアップすることを願っています。 女性社員向けのリーダー研修の様子 日野さんの研修を通じて、「判断力」「決断力」を養って欲しい。彼女たちにとっては日野さんがロールモデルであり、直に接することができたことが大きな収穫になっていくと感じています。 またこの研修を通じて女性たちから出てきたアイデアや企画は実行するところまでやってみる。机上の空論にならないように、実践的な学びを得られたことがとても良かったと思っています。 ■対談を終えて SGホールディングスグループのロジスティクス事業を担う佐川グローバルロジスティクス株式会社の森下琴康社長とはある経営セミナーがご縁で「女性トップリーダー育成プログラム」を導入させていただきました。今や物流はなくてはならない社会インフラです。法人の業種・業態別にロジスティクスソリューションを法人顧客の課題に合わせて提供する強みを持つ佐川グローバルロジスティクス。顧客にはアパレル、化粧品・コスメ、Eコマース等の女性視点が重要な取引先も多く今後の女性トップリーダーたちの活躍に期待が高まります。全国各地から集った女性たちとマーケティング思考と女性視点の融合から新たな事業が創造されることを期待しています
- 【敷島製パン株式会社】SNS専任部門を設置しファンサイトの会員数急増。お客様の声や社会のニーズをスピーディに掴み、商品開発や販売に活かし続ける。
敷島製パン株式会社 代表取締役社長盛田 淳夫氏 2020年には創業100周年を迎える敷島製パン株式会社様。Pascoブランドの「超熟」は食パン市場でNo.1シェアを占めるなど、数々の人気商品を送り出されています。 ハー・ストーリィでは同社のファンサイト(パスコ・サポーターズ・クラブのサイト「Pascoとおいしい時間」)やSNSのアドバイザーをさせていただいています。SNS専任の部門を設置し、お客様の声や世の中のトレンドを掴む同社の商品開発や販売、目指す未来について、盛田社長に伺いました。 敷島製パン株式会社 代表取締役社長 盛田 淳夫氏 〈プロフィール〉 昭和52年 4月 日商岩井株式会社入社 昭和57年10月 敷島製パン株式会社入社 昭和62年11月 常務取締役生産本部長 平成 4年11月 代表取締役副社長 平成10年11月 代表取締役社長 > 敷島製パン株式会社 > パスコ・サポーターズ・クラブ ■共創プロジェクトの目的 お客様の声をストックしておく部門を中心にして社内のコミュニケーションを活発にしなければと思い、SNS専任の部門「SNSマーケティングコミュニケーション室」を立ち上げ、ファンのコミュニティサイトの活性化を目指しました。 ■共創プロジェクトの内容 お客様とダイレクトにコミュニケーションがとれるサイトの企画から運営まで、その大切にしなければいけないポイントなどノウハウを女性視点マーケティングでサポート。ニーズをスピーディに掴み、 独自のマーケティングに活用。 ■導入成果 メーカーは、消費者との接点をとることが難しい中で、顧客とのコミュニケーションをダイレクトにできるサイト「パスコ・サポーターズ・クラブ」の運営をご支援いただきました。女性はクチコミ、SNSは情報伝達のツール、という女性視点とニーズを多数ダイレクトに得られるようになりました。今後も大切に活かしていきます。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子< プロフィールはこちら > ■ 単なる井戸端会議ではないクチコミの重要性 日野:盛田社長は数年前、私の著書をお読みくださり、そこから経営者団体に講演で呼んでくださったことが縁でしたね。当初は私たちハー・ストーリィにどんなことを望まれていたのでしょうか。振り返っていただければと思います。 盛田さん:男女の視点の違いなど、日野さんのお話はとても興味深く聞かせていただきました。私自身の普段の視点とはまったく異なる視点が、世の中には存在すると、はっきりと気づかされた気がしました。「クチコミ」に関しても、今までは井戸端会議的なものだと思っていたのですが、日野さんによれば「今の時代、クチコミはSNS」。当社はこれまでにもSNSというワードをテーマに話し合いの場を設けてきましたが、それを導入することによるリスクの方に議論が展開されてしまい、なかなか踏み出せずにいました。だからこそ、その分野に通じている日野さんにお声がけし、SNSがどんな効果を生むのかをお話しいただきながら、それをいかに活用して、お客様との新たなチャネルをつくっていくかを提案してほしいと思いました。 ■店頭催事やCMには無いインタラクティブな交流を 日野:SNSが私たちの生活の中に急に入ってきて、ライフスタイルを大きく変えていますね。Pasco様でも2003年にパスコ・サポーターズ・クラブを立ち上げてお客様の声を商品開発や販売促進に取り入れようとする動きがあったようですね。SNSを導入する以前からお客様の声を積極的に聞きたいという姿勢を強く感じました。 盛田さん:実際のところは、クラブの担当以外は、社内でもほとんど活動内容が見えていないという状況でした。情報のスピードが速い今の時代は、お客様の声を拾い、共有し、事業に反映させることが迅速にできなくてはなりません。社外とのコミュニケーション以前に、まずお客様の声をストックしておく部門を中心にして社内のコミュニケーションを活発にしなければと思い、SNS専任の部門「SNSマーケティングコミュニケーション室」を立ち上げることを決めました。 ■SNS専任部門を立ち上げ、顧客コミュニケーションを強化 日野:兼任ではなくて、専任の部門にされたのは、大胆でしたね。 パスコ・サポーターズ・クラブの運営管理も、「SNSマーケティングコミュニケーション室」が手掛け、会員様向けコミュニティサイト「パスコ・サポーターズ・クラブ 『Pascoとおいしい時間』」 ( https://www.pasco-sc.fun)が2017年にオープン。たった1カ月でこれまでの倍に会員数を増やすことができました。 パスコ・サポーターズ・クラブ 『Pascoとおいしい時間』サイトトップ 盛田さん: 専任スタッフたちがフットワークよく取り組んでくれているようで感謝しています。それまで、パスコ・サポーターズ・クラブは商品モニターを実施したりとクローズドな会として情報をいただくことが目的になっていたのですが、今回は中身が大きく変わり、会員様自ら楽しんでいただけるコミュニティとなり、今まで以上に双方向に情報を活発にやりとりできるようになったことは大きいです。 パスコ・サポーターズ・クラブ 専任スタッフと会員によるお茶会の様子 ■ 変化する時代のなかで、「現状維持」は「後退」を意味する 日野:パスコ・サポーターズ・クラブの会員様向けサイトがオープンした時期と、「インスタ映え」が流行る時期とがちょうど重なりましたね。 盛田さん: 日野さんに相談を持ち掛けた当初はFacebookが全盛だったのに、今はInstagramの方が若い女性たちを中心に広がりを見せているようですね。1年でもトレンドは大きく変化する。私は常々、社員に「現状維持=後退」と伝えています。常に前に踏み出していく改善と革新の姿勢を持っていなければ、世の中からあっという間に取り残されてしまう。今の環境が居心地が良くても、自分の意志とは関係なしに外部環境は変化するものなのです。気がつけば、時代の流れに置いていかれてしまうリスクがある。外の声を取り入れるための社内体制を整えることは、この考えに則ったものでした。 ■「パスコ・サポーターズ・クラブ」での声と、売り場での肌感覚を、商品開発の鍵に。 日野:なるほど、「SNSマーケティングコミュニケーション室」が発足したことで、社内にも情報のキャッチアップの仕方に変化が生まれるなど、よい効果はありましたか。 盛田さん: 経営会議でもSNSの話題はよく出ます。また、営業スタッフにも、お客様が店頭に行き、Pasco商品を手にとるまでに接しているメディアはチラシではなくスマホであることは浸透しつつあります。例えば今は、スーパーの売り場でスマホを見ながら買い物をしている人が増えてきました。その目的はさまざまだと思いますが、料理動画を見ながら、それを自分でも再現しようと、野菜や精肉の売り場に行く人は少なくないでしょう。購買行動まで変えてしまうSNSやスマホの特性を、私たちは深く理解しなければならないと思います。 同時に、リアルな世界での肌感覚を鍛えることも、とても大切だと思います。次のトレンドの予測をするためには、パン売り場だけ見ていてはだめ。他の売り場、他の業界のトレンドを見ることが大切だと思います。 SNSマーケティングコミュニケーション室の会議風景 ■ 社会貢献をめざして「つくり」、最終消費者に向き合って「売る」 日野:なるほど、2020年に創業100年を迎えられるPasco様だからこそ、パンを消費する生活者の変化に敏感になり、新たな挑戦の糧とされているんですね。 盛田さん: 売り場を見ていると、日々変化を感じます。核家族化が進み、単身世帯も増えている昨今、1斤6枚では多く、ハーフパック(半斤分・3枚入り)が着実に売り上げを伸ばしています。ケーキでも、大きなものよりも小さなホールケーキやアソート系がよく出ます。 日野:国産小麦「ゆめちから」を100%使った製パンに挑戦されたのも、市場のニーズを捉えて他社との差別化を図るためだったのでしょうか。 盛田さん: 差別化が第一ではありません。当社の創業の理念として「金儲けは結果であり、目的ではない。食糧難の解決が開業の第一の意義であり、事業は社会に貢献するところがあればこそ発展する。」があります。 初代社長盛田善平は、米騒動の時、「小麦粉からパンをつくって米の代わりに供給すれば、米不足の解消になって世の役に立つのではないか」と考え、当時経営していた製粉工場の小麦粉を使って、製パン事業を始めました。 現在においても、食料自給率の低さは、日本の大きな問題のひとつです。2007~2008年ごろには、世界的な穀物相場の暴騰がおきました。当時の製パン業界では、小麦粉は100%輸入に頼っている状況であり、食料自給率向上とは無関係のように思われがちでした。海外からの小麦が輸入されなくなったらパンづくり自体ができなくなる危機感を抱き、ほとんど目を向けられていなかった国産小麦でパンづくりに挑戦しようと取り組みをはじめました。先進国の中で最低水準の日本の自給率を、どうにかして上げるために、私たちも貢献したいと思い、国産小麦「ゆめちから」で、100%国産小麦のパンをつくることをめざしてきました。創業100年を迎える2020年には「社内で国産小麦の使用比率20%」を目標に掲げています。 売り上げを伸ばしているハーフパック(半斤分・3枚入り)の商品群 ■生活者の変化をつぶさに捉えたいという企業姿勢を、SNSがバックアップ 日野:創業の精神を大切にしながら、新しい時代に向けて、着実にブランド化されているのですね。 盛田さん: 「つくる」という点においては、広く社会に貢献したいという思いが強いです。そして、「売る」という点においては、やはり最終消費者の方々を大切にしたいと思っています。かつては、開発スタッフがつくった商品を営業スタッフが売りに行くという流れが主流でしたが、現在は逆。マーケットを熟知している営業スタッフの声を吸い上げた商品開発が必要です。米騒動の時も米の価格高騰に対する人々の不満を吸い上げて、私たちはマーケットを確立してきました。「売る」場面においては不満や期待と向き合う真摯な姿勢を大切にしています。 日野:それであればなおさら、SNS専任の部門をつくって正解でしたね! 盛田さん:その通りなんです。お客様の不満や期待と向き合い、また、お客様同士が作用し合って生まれる新たな話題にも向き合っていきたいです。SNSはそのトレンドを追うために最適な手段だと思います。時には、商品が、つくる側の狙いと違った使われ方をして話題を呼ぶ、なんてこともありますよね。情報が拡散してゆく時代に、そういうことも楽しみながら、お客様との信頼関係を築いていきたいと思います。 『超熟』のCMに登場するキッチンカーの出張イベントも開催、お客様とのコミュニケーションを図る ■ ハー・ストーリィに期待すること 日野:ハー・ストーリィとしては、2016年からパスコ・サポーターズ・クラブのサイト「Pascoとおいしい時間」やSNSのアドバイザーをさせていただいていますが、その後、ターゲット層についてのレクチャーやご相談へのご対応、今後、私たちに求めることがあるとすれば、どんなことでしょうか? 盛田さん:やはり、外部からの視点を取り入れることを大切にし続けていきたいと思っています。自分たちの視点だけでマーケットをとらえていては、「井の中の蛙」ですから。当社は歴史が長い分、当社固有のモノやコトがたくさんあると思います。それらを一緒に振り返り、また、新しい時代に求められていることを模索していければうれしいです。 日野:かつてのマーケットに合わなかったことが、今、改めて求められている、ということはよくあります。最近のレトロブームもありますから、創業当初の菓子パンなどを掘り起こしていくと新たな発見があるかもしれませんね。また、私たちの最近の調査で、「パン」という存在は人間にとって「癒しのアイコン」という結果が出ています。雑貨や文房具の絵面としてパンが用いられていたりと、パンの「柔らかさ」や「香ばしい香り」というイメージは人々の幸せな気持ちに結び付くのです。そうした、「幸せ」をつくる企業様のお手伝いができて、私たちも光栄です。今後もPasco様のサポートを継続させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。 ■対談を終えて 手元に一冊の本があります。「ゆめのちから 食の未来を変えるパン」(ダイヤモンド社)盛田社長の著書です。 この本には、創業者の「食糧難の解決が開業の第一の意義であり、事業は社会に貢献するところがあればこそ発展する。」という理念を盛田社長が受け継ぎ、「国産小麦のパンを作って多くの方々に食べていただくことで食料自給率向上に貢献する」(P10)という強い思いをもって、国産小麦のパンづくりに向かっていく経緯、関係者たちとのやりとりの実話がまとめられています。身近な場所で見かけるPascoのパンに、こんな物語があることを知ることで、消費者としての私たちもまた国内需給率のこと、日本の暮らしや食生活について考えさせられます。 いつもおだやかな笑顔で迎えてくださる盛田社長。ほんの数時間の中に、いつも経営の本質、商売への向き合い方を教えていただけています。 ハー・ストーリィが得意とする「お客様視点を掴み届ける」ことを外部サポーターとしてこれからもご支援してまいります。何よりもパン大好きな私は、Pasco様とのご縁そのものがしあわせな時間をいただいています。ご発展を応援してまいります。
- 【株式会社メガネトップ】新卒社員の7割が女性の会社で考える「女性視点」のマーケティング。今の市場を把握し、時代のニーズをつかむ戦略へ。
株式会社メガネトップ 代表取締役社長 冨澤 昌宏 氏 アイケアなら眼鏡市場といっていただけるNO.1の店づくりを目指して 「ちゃんと選ぶなら眼鏡市場」でおなじみの眼鏡市場など全国、海外へと眼鏡店舗ブランドを拡げているメガネトップ様。社名の通りメガネのトップ企業として成長を続けています。目と耳の健康サポート企業として日本全国津々浦々に店舗網を広げています。 ハー・ストーリィでは、女性客や若いファミリー世代が行きやすい店づくりを支援するためにそのノウハウ提供、研修、コンサルティングなどをお手伝いしています。中でも大型ショッピングモールなど子ども連れも多く訪れる店では、目的買いだけではなく、気軽に立ち寄るお客様の入店率を増やすことが大きなテーマ。女性視点ならではのノウハウで、立ち寄り率を上げ、売上につなぐための仕組みづくりについてお伺いしました。 株式会社メガネトップ 代表取締役社長 冨澤 昌宏 氏 〈プロフィール〉 1981年生まれ。亜細亜大学卒業。 2005年㈱メガネトップ入社。 創業者・冨澤昌三会長の長男。 07年常務取締役、09年6月より現職。 メガネトップは80年設立。97年株式上場。 13年にMBO(株式公開買い付け)を実施。非上場化。 > 株式会社メガネトップ ■共創プロジェクトの目的 ・「アイケア」を掲げる眼鏡市場。身近な相談先として、老若男女それぞれの顧客視点に立てる店舗づくりを目指す。男性店長が9割のため女性視点を理解し、接客できるノウハウを社内に定着させる。 ・社員の70%が女性社員。積極的に女性社員の活躍の機会とフィールドを提供するために女性視点マーケティングの導入を行う ■共創プロジェクトの内容 全国各地に広がる眼鏡市場。中でも、ショッピングモールや商店街などは女性客や子ども連れが多い。ファミリーを対象として接客や店づくりの成功ノウハウを内製化することを目指し女性視点マーケティング®を導入 ■導入成果 女性客の多い店舗を対象に女性視点マーケティング®を導入。理論と実践型の研修を行い、 多くの男性店長が成果を上げています。 全国約900店舗の眼鏡市場には、ショッピングモールのテナントなど女性客が多く集まる場所も多数あります。店長の多くは男性です。男性でも理解できる女性視点マーケティング®を社内で学び、成果を実感しています。 ■INTERVIEW インタビュアー:株式会社HERSTORY 代表取締役 日野 佳恵子< プロフィールはこちら > ■ 女性マーケティングの重要性を社員に伝えるきっかけに 日野:冨澤社長と出会ってから1年が経ちましたね。メガネトップ様といろいろなことに取り組ませてもらいましたが、この1年で気づきや変化、得たものはありますか。振り返りながらお話を聞いていけたらと思います。 冨澤さん:弊社は半医半商といわれるような、少し専門的な知識が求められるメガネという商材を扱っています。ロードサイドで店舗展開を続けてきたこともあり、車社会のお客様を対象としてきたので、商品の見せ方やお店のありかたに気を配ってきました。また、社員教育など、対人のふれあいにおいては礼節に重きをおきながら進めてきており、そこに好評をいただいていたと自負する部分もありました。でも時代とともに、女性視点がマーケティングや消費行動でより多くフォーカスされる中、正直弊社には足りていないと感じるようになったんです。今まで男性視点はあるものの、女性視点というものをあまり意識していませんでした。男性と女性では買い方も違うし求めてるものも違うとわかっていたものの、具体的にどうあるべきなのかわかっていませんでした。我々も社内で、女性マーケティングのうわべだけを聞いてしまうと、今度は男性が取れなくなるのでは?結果的に底上げにはならないのでは?と思っていたんです。 でもそれは誤解でした。社会の変化のなかで、企業として成長して多くのお客様に好意を持っていただくためには、やはりそれぞれの顧客視点に立って社会の変化に向き合って展開しなくてはならない。そうした中で、女性視点はすごく重要だし、眼鏡市場が伸び悩む中で、女性顧客の獲得は重要なポイントだと思います。商品開発など自社内では進めていたものの、女性マーケティングの重要性を社員の皆になかなか上手に伝えることができていませんでした。御社の話を伺って、正直女性視点というのを勘違いしていた点もあったと気づかされたんです。気づきを与えてもらえたことはかなりプラスになりましたね。今までうまく伝えきれなかった思いが、御社の力を借りたことで、第三者の視点の客観的なデータに基づいた市場の意見を社内に発信することができました。役職などに関わらず意思を伝えられたので、よい機会だったと思っています。 ■男女の「価値観の違い」に気づき、視界が開けた 日野:良くも悪くも男性組織の会社は、目指した方向に向かってみんなで取り組むぞという社内の雰囲気があるところが多いかと思います。そういう意味では、自分の意見を言うのが難しいとか、そういう文化を打ち破ったのかもしれませんね。女性視点でマーケティングを考えるというのも、収穫が多かったのでは。 冨澤さん: 男性は点でものを見る、女性は面でものを見るというお話を聞いて、なるほどなと思いましたね。あとは我々は、メガネ、商材を売るときに、買っていただきたいと思う気持ちのまま、ダイレクトに売りに行っていたなと思うんです。女性はおまけの方に注目するからおまけから売りに行くという発想を聞いて目から鱗でした。自分はわりとバランスよくものを見れている方だと思っていたのですが、無意識に男性視点だったんです。 店頭で七夕のイメージを演出。お客様に入口の笹に短冊をつけていただくイベントを開催。大好評で立ち寄り率が大きくアップした ■ 時代の流れを読み、ロゴを一新 日野:歴史もある中で、時代も変わってきましたよね。業界にもいろんなタイプの競合が出てきたし、ファッションアイテムも増えてきました。メガネトップ様は昨年(2017年)の12月にロゴを一新されましたね。より発展するうえで、目指すべき方向や位置付けはどのようにお考えですか。 冨澤さん:眼鏡市場を立ち上げたのが2006年12月なのですが、その当時のデザインだったり、我々が考えているコンセプトをより伝わりやすいかたちで展開したのが、以前の白黒の大正ロマンや昭和を感じさせるロゴでした。その時は、追加料金なしというコンセプトでお客様に支持いただいて、商品よりコンセプトで売れていたんです。ただ10年経って、競合他社の追随もあり、以前は新規のお客様が多かったのも時の流れで再来のお客様が増えていきました。コンセプトも含めてマンネリ化してしまっていたのかなと反省しました。これからシェアを伸ばして業界で圧倒的な支持を得る業態を作っていくとなると、これまでのお客様も大事にしながら、いかに新しいお客様を獲得するかが鍵。来てもらったお客様に、やっぱり眼鏡市場で買ってよかったなと思ってもらうだけでなく、買った思い出も含めて他の人にも話したくなるような店づくりをしないといけないなと思いました。そうすると、旧タイプのロゴは、広告戦略も含めて男性視点が多く表現されているのではないかと気づいたんです。若い方からすると、おじいちゃんおばあちゃん、親世代の店だと思われてしまって足が遠のいてしまっていたんですね。ここで改めて、幅広い世代の人に支持してもらえるお店としてさらに進化することが必要な時期だったので、ロゴの一新に踏み切りました。 2017年に一新したロゴ ■ 「温故知新」で柔軟な組織づくりがこれからのテーマ 日野:女性マーケティングや商品、お店のコンセプト、ターゲットを今一度立ち止まって考えることで新しい見え方ができてきたところだと思います。特に社長の中で、これから取り組もうと思っていることがあれば教えてください。 冨澤さん:次の世代の眼鏡市場をつくっていかなければと考えています。次の世代のボードメンバー、組織を築くのが私の役割なので、守るべきものは守りながら、消費者や市場の変化をしっかり捉えて、柔軟な組織をつくっていきたいです。今は多様性が求められたり多くの価値観があるため、以前に比べると商品のヒット率は限りなく低くなっています。その変化に気づける人が前線にいてそれに対応でき、ときには権限委譲もしながら対応できる組織をつくることが、成長していくうえで重要なことではないかと思うんです。となると、御社のように、男性と女性の目線の違いがあることをまずしっかり理解することが、我々の会社の中で、また接客して販売するスタッフの意識として、求められています。 日野:これからより広い視野で柔軟な組織をつくっていくことがメガネトップ様のひとつの目標でもあると思います。海外なども視野に入れていらっしゃるのですか。 冨澤さん:正直、海外は国内よりもハードルが高いです。文化も違いますし、男女だけでなく宗教の違いもあります。それでいくと優先順位としては国内で盤石なものをつくらないといけないと思っています。眼鏡市場を海外にも展開することで、「あの海外展開している、眼鏡市場」というふうにお客様に思ってもらう必要性があれば、橋をかけていくことも必要かもしれませんね。時代や環境が変わって、これから店舗で働くスタッフに海外の方も出てきた際には、海外にも拠点をつくりながら人材交流をおこなって、人員確保の目線で海外を考えていくことになります。海外に関しては、さまざまな課題解決の手段のひとつとして捉えていけたらいいですね。 ■ 一番の強みは「人」。人を大事にする企業であり続けたい 日野:ひとことで、メガネトップ様の強みや特徴の、どこが一番魅力的と伝えたいですか。 冨澤さん: ネットでモノも当たり前に買えて受け取れる時代に、これだけの店舗数を持てるのは、「人」だと思います。言われたことを素直にやるのも大切な組織のひとつの規律だと思いますが、理念を理解して、それに沿った行動がそれぞれの価値観の中でできる。会社のベクトルに合わせながら、楽しく仕事ができる環境をつくっていくことがさらに人を強くすると思います。「人にフォーカスを当てることのできている企業」だということが他社との差別化であったり、お客様により伝わりやすい強みだと考えます。 店舗の立ち寄り率を上げるためのVMD研修を全国各地で開催 ■ ハー・ストーリィに期待すること 日野:ハー・ストーリィとして、マーケティングのお手伝いをさせていただきましたが、今後、私たちに求めることがあるとすれば、どんなことでしょうか? 冨澤さん:他社の事例をもっと教えていただきたいです。売り上げをあげること、顧客を増やすこと、ひいては社員が楽しく仕事ができる環境。そのための手段というのは、いろんな環境や時代、立地条件や人員数、もちろん業種によっても変わってくると思います。そういう意味では、我々の視野はまだ狭いんです。過去の成功体験にとらわれて、なかなか新しい判断ができないこともあります。御社はいろんな企業様とお付き合いされて、成功も失敗もいろんな事例をお持ちです。それをご紹介いただいて、視野を広げるサポートをしてもらえるとありがたいです。また、弊社ではこれから女性の活躍推進、活躍できるフィールドをもっと広げていこうと考えています。新卒社員の7割が女性なので、もっともっと女性を輝かせるような環境づくりや女性視点、女性マーケティングのアドバイスをいただきたいです。 日野:新卒が7割ということで、メガネトップ様の中でも風向きが変わってきているところですよね。女性視点、女性マーケティングのアドバイスをうまく活用していただけたらと思います。最近の営業会議で女性2人が発表したそうですね。これまでにはなかったことですよね。拍手も起きたとか。役員が参加する中で、改めて男性だらけのなかで発表となると緊張したと思います。責任感や強い思いがあったからこそ、ああいう立派な発表ができたのでしょう。今後の活躍にもさらに期待しています。本日はどうもありがとうございました。 ■対談を終えて インタビューをさせていただいた約1年前に、ご縁をいただき「女性視点マーケティング」を店舗にテスト導入いただきました。全国各地にあるロードサイド店舗だけではなく、若いファミリー層の多いショッピングモールでの店舗はどうあるべきか、をトライいただき数値成果を出すことができました。私たちにとっても眼鏡の販売は初めてでしたが女性視点の法則に自信を持つことができたありがたい体験でした。引き続きご縁をいただき全国各地にノウハウを広げるサポートをさせていただきたく思います。















