物流業界のトップランナーとして国内外のお客様をサポート。 「モノが売れない」時代の到来に、独自目線を持つ女性リーダーを増やして新規開拓を目指す。
佐川グローバルロジスティクス株式会社
代表取締役社長 森下 琴康 氏
社員研修は講師の質がものを言う
日野さんの自らが組織を動かす経験値こそ直に社員に聞いてほしい
佐川急便株式会社をはじめとした事業会社で構成される総合物流企業グループ、SGホールディングスグループの一員で、先進的なロジスティクスを提供している佐川グローバルロジスティクス株式会社様。ハー・ストーリィでは、社内公募した上位職を目指す女性社員向けのリーダー研修などを通して、広い視野と知見、意欲を持ってリーダーシップを発揮できる人財を育成するお手伝いをしています。社会の流れを受けて大きな変化が見込まれる物流業界において、女性社員が持てる力を発揮することで開拓を目指す将来的な展望などについて森下琴康社長に伺いました。
佐川グローバルロジスティクス株式会社
代表取締役社長
森下 琴康 氏
<プロフィール>
1988年4月 東京佐川急便㈱ 入社
2006年3月 佐川急便㈱ 鴨川店 店長
2010年6月 佐川急便㈱ 甲信越支店 支店長
2012年9月 SGホールディングス株式会社 グループマネジャー
2014年6月 佐川急便㈱ 執行役員 営業担当 本社営業部長 兼務
2016年3月 佐川グローバルロジスティクス㈱ 取締役
2016年9月 佐川グローバルロジスティクス㈱ 代表取締役社長(現在に至る)
共創プロジェクトのテーマ
パートを含め約7割が女性社員。社員の多くはルーティンワークに長けてはいるが、これからの会社のビジョンを実現するには全体を俯瞰する目を持つ人財、よりよくなる改善する目を持つ人財を育成していく必要があると感じていた。これまでにも社員研修は実施してきたが、これといった成果を上げることができていなかった。
共創プロジェクトの方向性
社内公募した上位職を目指す女性社員向けのリーダー研修を実施。4カ月の研修の中で、ロジカルシンキングと課題解決力、リーダーシップとチームマネジメントのスキルについてサポートしました。
導入成果
・研修会社は多数あるが、HERSTORYから得た成果は、女性の生き様、マーケティングやビジネスを創造する力そのものを共に学んだ時間。女性社員にとって大きな刺激と活性化につながった。
・チームでビジネスプランを考えて経営陣にプレゼンをする機会を持ったことで、会社のビジョンの理解、強み、そして女性ならではの視点が活かせる着眼を得られたことは今後の社内に貢献できる。
INTERVIEW
取材日:2020年12月時点
■日野さんの自らが組織を動かす経験値こそ直に社員に聞いてほしい、私が尊敬できる人に教えてほしいと思い、日野さんのプログラムを選びました。
リーダー育成や新入社員向けの研修を何社かにお願いしましたが、望んだほどの成果はありませんでした。圧倒的に足りないと思ったのは、インストラクター自身の実業の経験値です。自分で何かを企画し、責任ある立場でリーダーシップを取って人や事業を動かした経験がない方たちだったので、教育プログラムは良くできていて理論はあっても、こちらが納得できる経験談を聞くことはできませんでした。それに対して、日野さんご自身がものすごくたくさんの経験を持っていらして、私自身がいつも多くのことを教えてもらっています。それも納得できることばかりなので、私が大事にしている部下は、私が尊敬できる人に教えてほしいと思い、日野さんのプログラムを選びました。
■「モノを買わない」流れを受け、成長する海外への進出のためには女性の活躍が必要
日本全体が、モノを買わない方向に進んでいます。自動車や自転車を買う人が減り、ファッション業界もシェアリングにシフトしつつあります。こうなると、我々3PLの業界にも影響が出てきます。私たちのお客様であるアパレル、化粧品やコスメ、医療関連、電子部品・精密機器などを製造・販売する企業の方々は、売り上げが減っているとおっしゃいます。僕自身は所有欲があるので欲しいモノは買いますが、社会的には「モノは所有しなくても必要な時に使えればいい」という方向に価値観が変化しています。この点に、お客様も我々も強い危機感を持っていて、国内でも新しいサービスの展開を模索しています。そのためにも、未来を創造し、行動につなげられる人材を育てることが急務で、女性社員たちにはその力があると思っています。
国内市場が縮小することが予測されていくので、消費が伸びるに国に進出を考えるのは当然の流れです。
例えば中国のような人口が多い国は10代など若年人口も多く、生活水準が上がる流れにあるのでマーケットにチャンスがあります。日本の10倍の人口がいるのに対し3PL分野で動く金額は日本と同等なので、今後まだまだ伸びると思います。そのような国で事業を拡大していきたいですし、日本で学んだことや蓄積したノウハウは海外でも生きると思います。今の若い社員には中国、ベトナム、インドなどの海外でも働いてほしいです。
■自ら判断することでビジネスを進める
これからは海外市場がますます現実味を帯びてきています。女性社員でも出張や海外赴任にもチャレンジして欲しいと考えています。
海外で仕事をする時は、自分で考え、判断できることがより大切になります。中国のビジネスマンは判断が早い。でも日本人に判断を求めると、「本社に聞いてみる」と待たされ、揚げ句にペンディングされることがあります。これも日本の文化ではありますが、世界に出ていく時はこうした対応も変えていかなければいけません。日本式の生産管理や倉庫業務に関するノウハウは役に立つと思います。でも海外進出する時は、日本人だけで出向いて商売を展開するのはかなり難しいし、できたとしても日系人相手の仕事しか取れません。ですから現地に浸透するためにもマネジメントもセールスも現地の人にお願いし、ベトナムに行ったらベトナム人と商売したいと考えています。そんな場面ではきちんと意見を言い、迅速に判断できる人材が求められます。
■業務上の女性のハンデは限りなく少なくなってきた リーダーシップと巻き込む力でチーム力アップへ
そうした現状から、今いる女性社員の方には国内での新ビジネスを創出したり、独自の着眼点や積極性を持って欲しいという気持ちがあります。 何人かには既に一定のポジションを任せていますが、リーダーは圧倒的に少ない状況です。今は女性が持てないほど重いものはほとんどないので、作業面で女性にハンデはありません。かつてあった長時間労働も今はなく、時短も育休も使えて、男性が育休を取ることもあるなど職場環境は整っています。ただ、女性リーダーのロールモデルがいませんでした。運送業が主な業務で男性中心だった時代にできた風潮が、組織が大きくなり、業務内容が変わった今も固定概念になっているのかもしれません。マネジメントの仕方も変わっているのに、これまでのやり方から変われない男性が多いことも要因かと思います。
研修を受けた社員からは「世の中を見る目が大きく変わった」という声がありました。情報をインプットするだけで世界が変わるということはあると思います。僕としては彼女たちに女性管理職のロールモデルになってほしいというのが、願いです。
既にリーダーになった女性たちには「周りの人が付いてきてくれない」といった悩みがあります。自分が変化した経験から、同僚や部下にも変化してほしいと思って「こうしてみたら」と経験を伝えて後押ししようとしても、なかなか行動に移さない、付いてきてくれないようです。そういう人達にはどうしたら周りを巻き込めるか考えて欲しいし、まだそういう経験がない人はこれから変われるチャンスはいくらでもあると思ってほしい。女性が力とスキルを身につけることでチーム力がアップすることを願っています。
日野さんの研修を通じて、「判断力」「決断力」を養って欲しい。彼女たちにとっては日野さんがロールモデルであり、直に接することができたことが大きな収穫になっていくと感じています。 またこの研修を通じて女性たちから出てきたアイデアや企画は実行するところまでやってみる。机上の空論にならないように、実践的な学びを得られたことがとても良かったと思っています。
■対談を終えて
SGホールディングスグループのロジスティクス事業を担う佐川グローバルロジスティクス株式会社の森下琴康社長とはある経営セミナーがご縁で「女性トップリーダー育成プログラム」を導入させていただきました。今や物流はなくてはならない社会インフラです。法人の業種・業態別にロジスティクスソリューションを法人顧客の課題に合わせて提供する強みを持つ佐川グローバルロジスティクス。顧客にはアパレル、化粧品・コスメ、Eコマース等の女性視点が重要な取引先も多く今後の女性トップリーダーたちの活躍に期待が高まります。全国各地から集った女性たちとマーケティング思考と女性視点の融合から新たな事業が創造されることを期待しています
その他のトップインタビュー
女性トレンド総合研究所の共創プロジェクトに参画いただいた企業のトップに、
その取り組みと成果について聞きました。
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