女性視点マーケティング戦略コラム vol.3
女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第3回目は、女性の買いたい!という気持ちを刺激するには、10のキーワードがあるというお話をします。
この10のキーワードは、長年、女性消費者調査をし続けている中で、年度、年齢を問わずに「女性消費者に共通している」と感じるキーワードです。
長くなるので、前後編で解説していきます。
HERSTORYでは、長年、女性視点マーケティングを専門に事業を行ってきましたが、
女性視点マーケティングとは具体的に何をどうすることなのか、ということを体系的にお伝えしていきます。
ぜひ、皆様のビジネスにお役立てください。
女性の購買意欲をかきたてるキーワード①幸せ
誰しも幸せになりたいは同じですが、女性は1人の女性として幸せになりたい、という「自分の憧れている姿」が存在するため、人気ドラマやコミックでは、主人公に透過して自分が言われたい言葉、されたい行動を表す作品、いわゆる「胸キュン」場面が多く登場します。男性向けのドラマやコミックにはほとんどこうした「胸キュン」シーンがありません。ディズニーのシンデレラや美女と野獣など今も昔もその時代ならではの環境変化はあれど「胸キュン」な「お姫様物語」はそうした「しあわせ」の投影です。作品内で使っていた花、小物、ドレス、食事などが人気になるのは、「手にする自分がそうなれるかもしれない」というしあわせ消費です。
女性の購買意欲をかきたてるキーワード②なりたい私
目の前に商品が複数並んでいたとき、どちらを選ぶと私がイメージしているしあわせで素敵な女性になれるのか、という選択です。そのため使用するモデル、インスタグラマーと自分のイメージが重なることが重要です。かけ離れていると「私のものではない」と判断します。または実際に使用している人の声などが判断材料になります。女性にとっての効果効能は、自分の自覚だけではなく、大切な人に「気づいてもらえるのか」「ほめてもらえるのか」という第三者評価が得られるのか、という情報が買う判断材料となります。説明文に、「趣味の教室でみんなから肌がツヤツヤと言われます」というような使用者の声と写真が添えられているほうが説得力になります。
女性の購買意欲をかきたてるキーワード③共感
女性は互いの持ち物を「素敵ね」「いいね!」と承認行動します。そうそうそう、と互いの選択を認め合い、共感できれば購入後の満足度は高まります。男女で会話をするときに、たとえば彼女が「最近、友達とうまくいかなくて」と相談したら、「こうしたらいいじゃないか」と即座に解決を提示されるよりも「そうか、辛いね」と同じ気持ちになった言葉を出してみることが共感です。「こんなお客様の声があります」というコピーに、「そうそうわたしのことみたい」なんて感じると消費意欲が刺激されます。
女性の購買意欲をかきたてるキーワード④育む
母性という本能的な行動からくる買物です。小動物や赤ちゃんなど、小さな姿や形に惹かれます。丸くて小さくてぷにゅぷにゅした感触は赤ちゃんの肌を想起します。思わず「かわいい」と手が出ます。「かわいい」とは、小さな姿、薄い色、やわらかな感触、三頭身や頭が大きい、丸みなどを総じた表現です。女性たちが持っているキャラクターやぬいぐるみなどはこうした「赤ちゃんの様相」が多く、キティちゃんもすみっこぐらしも名探偵コナンでさえも「赤ちゃんの形に近い」を購入します。カッコいい9頭身のフィギアを集めている女性は少なく、男性はその逆にリアリティに高品質感を感じます。
女性の購買意欲をかきたてるキーワード⑤選ぶ
買物は、物を選んでいる時間も楽みたい、というのも女性には大切です。あれこれ見ているだけで楽しい、「ちょっと見るだけ見てきていい」というのは女性に多い言葉です。「見ているだけ」とは、たくさんの木の実やお花畑にいるような感覚です。女性たちの「選ぶ楽しみ」には、バリエーションが重要です。実際に売れ筋とそうでないものの差が出るため、そこはバランスを判断し、集客意欲を刺激するための効果用として用意することもコツです。売れないから作らない、ではなく、「足を止めてもらうためのバリエーション」という演出力が鍵です。カラフルなお菓子、フルーツ、野菜などをビジュアルマーチャンダイジングを駆使して並べると女性の立ち寄り率はグーンとアップします。
今号の女性視点マーケティングのポイント
女性の購買意欲をかくたてるワードは「幸せ」「なりたい私」「共感」「育む」「選ぶ」
上記のキーワードは、年度、年齢を問わずに「女性消費者に共通している」
次回は、女性の買いたい!という気持ちを刺激する10のキーワード後編を解説します。
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日野佳恵子
株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。
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