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女性の本能的な購買行動を理解しマーケティング強化に!

女性視点マーケティング戦略コラム vol.9


女性視点マーケティング戦略コラム


女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第9回目は、女性が購入するときの行動についてどのような傾向があるか解説します。


HERSTORYでは、長年、女性視点マーケティングを専門に事業を行ってきましたが、


女性視点マーケティングとは具体的に何をどうすることなのか、ということを体系的にお伝えしていきます。


ぜひ、皆様のビジネスにお役立てください。


 

女性は、まるで木の実を拾って歩くような購買行動をとる


女性をみていると、まるで木の実を拾うような購買行動をとっているのが分かります。「寄り道」を好むといったほうがいいでしょうか。

よく女性の買物は長い、という話が出ることがあります。実際にスーパーマーケットの中を男性と女性があるくのを時間で測ると、男性は6分間、女性は、3時26分だった、という図がネット上で、拡散されていたことがあります。

また、「妻と買物にいくと、さっき行った店に、もう一度、戻っていいか、といわることがあるが、正直、あの行動がよくわからない」と妻の行動を不可解だと聞いてきた男性がいます。(これはよく聞かれる質問の一つでもあります)

なぜ、女性たちの買物は、木の実を拾うように、あちこち見て歩くのでしょうか。


実は、本能的な行動に起因しています。

女性は、妊娠、出産、子育てをする期間、行動範囲狭くなります。そんな期間でも、身近な場所で、情報を拾って、楽しめるようにできているのです。行動範囲が狭くても、ストレスにならない暮らし方を身につけ、楽しみを見つけることが得意にできているのが女性です。

「そのカバン、かわいい」「イヤリング、素敵ね」「ネイル、秋らしいわー」 朝、職場に女性たちが集まると、即座にこんなあいさつでコミュニケーションを交わしています。身近な視界の、他人の姿をパッと見て持ち物や髪型や服装や表情などを読み取ることができるのも女性ならでわの能力です。


男女ともに買物は目的買いが基本。でも女性には出会いの売場も大切


小売店をアドバイスするとき、女性のお客様には、通常の「目的買いとしての売場」とは別に、「新しい出会いを提供する立ち寄り場」を考えています。

購入の予定にはなかったけど、思わず買っちゃった!が起こってしまう足止め場があったり、ときには、「これ、お母さんに買っていこう」となったり、また「あ、ママ友会で配るのにちょうどいい」と考えて予定外のものを拾ってしまうのが女性です。

店舗は、女性にとって、移ろいゆく、美しい野原です。たとえるなら商品は、葉や花や木の実です。女性は、「今一番美味しいのはコレ!」と自信をもって旬やトレンドを押してほしいのです。



アンテナを常に張り巡らせている女性の「クチコミ消費」


女性はクチコミをします。私は、女性は存在そのものがチラシだとさえ思っています。表現を変えれば、女性はインフルエンサーで、女性はそもそも、男性よりもしゃべることが好きなのです。「地図が読めない女、話を聞かない男」というベストセラーがありますが、この本の中で男女の一日の発する言語量を比較したところ、女性が3倍という表が載っていました。

こうして情報発信することそのものが好きな女性たちにとって、SNS 社会は最高の環境なのです。より華やかに、より色鮮やかに、お気に入りのモノや風景を撮影しては発信し、それを気に入った人たちがフォローしていくという循環は、女性同士の出会いをつなぎ、大きなコミュニティ化へとつないでいます。実際Instagram は、利用者の6 割以上が女性なのです。


女性の脳は左右が連携している。「あ、そういえば」と寄り道が起こる


男女では、目の前のモノや情報を認識する脳が違います。

女性脳は「右脳(感じる領域)と左脳(顕在意識)が頻繁に連携し、直感が働く脳」なのです。

男性は、頻繁に行き来はしない脳なので、目的が明確ならそれをしっかりと達成することに集中します。女性の「行き来する脳」の神経線維は、数センチから1 メートルを超えるといわれるぐらい長く、目の前のモノを見ながら頭の中でぐるぐると様々な情報や記憶をたどっています。

そして「あ、ついでに」「あ、そういえば」が起きて「寄り道」が起きるのです。「寄り道」といっても当の本人からしたられっきした「思い出した目的買い」にほかなりません。


男性の買物は、目的のモノを「比較検討」して最高の逸品をゲットする!


左右の脳の情報の行き来が働きにくい男性脳は、女性とちがって「比較検討」で商品を選びます。このため、「寄り道」は不要です。

また、太古の昔、長い間狩りが役割だった男性脳は「最短距離と時間で、最大の成果を上げたい」と考えるため、一直線に目的の売り場に行きたがります。

つまり男性の買物は、目的の売場に早く到達して、できるだけ多くの類似品、代用品を見て比較検討し、そこから秀逸のモノを自らの見解で選ぶことに快感を持つようになっているのです。


女性は商品を見ながらアレコレ場面を想像している


男性から見ると女性の買物はなぜあんなに長いのか、と思わることがあるかもしれません。女性にとっての買物は、そのあとに必要なモノを忘れていないか、このあとに会う人たちに必要になるモノはないか、など商品を見ながら想像を最大限に膨らませて、見ているため「出会い」によっては、「あ、これはあのときにいいかも」となります。 買物をしている時間だけを考えると、「時間の無駄」「賢くない買い物の仕方」に見えるかもしれませんが、女性の買物はその場の効率ではなく、その後の日常における効率を考えているのです。


今号の女性視点マーケティングのポイント

  1. 女性は木の実を拾うように商品との出会いを探す

  2. 女性は商品を見ながらアレコレ場面を想像している

  3. 女性の買い物はその後の日常での効率を考えている



また女性たち消費行動の理解を深めるにはペルソナの理解が不可欠です。


1990年創業以来、一貫して女性消費行動を研究し続けてきたHERSTORYでは、10代、20代、30代、40代、50代、60代の女性ペルソナを29種類も設定し、毎年変わっていく女性消費者のトレンド把握に役立てています。

マーケティング戦略に不可欠な女性ペルソナ設計の方法や、最新情報を知りたい方は、下記「女性ペルソナ設計まるわかり」資料をダウンロードしてご活用ください。


次回は、男性と女性の購買行動の違いに焦点を当て、その特徴について解説します。


 

日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


 

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