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時代と共に変化し続ける女性たちのトレンドを探る(中編)

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.8


女性視点マーケティング戦略コラム


女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第8回目は、前編に続き、2017年~2019年にかけての女性トレンドを探っていきます。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。


 

より自分らしい生き方を模索する2017年の女性たち


女性たちの中に広がった空気は、「固定的な価値観から解放されて、自分らしい生き方を探しはじめよう」というトレンドでした。それを表すかのように、2017年2月発売の女性雑誌「an・an」(マガジンハウス)の表紙はアーティストのPerfume(パフューム)の3人。タイトルは「オンナの生き方は、いつも難しい。生き方を選ぶ。」というものでした。


3人を出すことで、3人いれば生き方も三様であるというメッセージも含まれており、副題には、「恋愛/結婚/出産/仕事/転職/起業」という6つのライフイベントが並んでいたのです。

「結婚のメリット&デメリットは?」「出産&子育ての選択とスケジュール」といった言葉が添えられ、女性は、ライフイベントに向き合うべき時が多いことが示されました。女性は都度、分岐点で選択を迫られますが、そのどれが自分の人生にとって正解なのかは分からなかったのです。この頃から「適齢期」や「クリスマスイブ(24歳までに結婚)」といったような固定概念から解放されるムードが広がってきたのです。


「生き方は自由」となってきましたが、それゆえに選択肢が多いという新たなストレスを生んだのも事実です。「私はどう生きたらいいの?その指南書がほしい」というのが女性の本音でした。


インスタ映えで存在証明をし始める2018年


前年の2017年末の流行語大賞は「インスタ映え」となりました。その後、2018年、2019年と「映える」は、女性たちのトレンド行動として浸透していったのです。


前年からの流れで、女性の生き方の選択に正解がない不安感や迷いを抱えている女性たちにとって、インスタグラムの「いいね!」は、互いに承認しあえることで、存在証明の力になっていきました。

また、有名タレントでなくともフォロワーを何万人も持つ「インスタグラマー」と呼ばれる発信力のある女性たちが多数生まれ、消費に影響を及ぼす存在となっていったのです。


この年、女性に対する差別問題なども大きく取り上げられる動きが世界で見受けられました。2018年の流行語大賞には「#MeToo(私も)」がランクインし、「#MeToo」はセクハラに声を上げた女性たちの世界的な運動や米国のニュース雑誌「TIME」は2017年度パーソン・オブ・ザ・イヤーとして、「#MeToo」運動を起こした女性61人全員を写真つきで紹介して、大きな話題を呼びました。


翌1月の第75回ゴールデングローブ賞授賞式では、賛同した女優たちが黒い衣装で参加して連携を意思表示し、女性たちが沈黙を破り、声を発して存在を示す流れができました。世界各地で女性たちは「自らの存在の証を得る動き」を活発化させはじめたのが、この年です。


「ワタシは私」から始まる新たな選択の2019年

「『FRaU』の最新号、買いましたか?」

2018年も終わりに近づく時期、何人もの知人に聞かれました。


「FRaU」は講談社が発行する女性雑誌で、ファッション、カルチャー、ライフスタイルなどを幅広く記事にしています。2019年1月号「SDGs 世界を変える、はじめかた」というタイトルで、一般の女性に「SDGs」という言葉を強く発信した日本では最初の女性雑誌だと思います。なんと、同誌は発売後も重版を重ね続けたとのことです!


その後も毎年1月号は、SDGsを特集テーマとして企画は第2弾、第3弾と続いていました。女性たちは、世界の課題を雑誌から学ぶようになっていたのです。そして「自分はどうあるべきか」という消費行動の変化へとつながっていき、近年は、エシカル(倫理的な行動)やサステナブル(持続可能な)を意識したファッションやコスメ、暮らし方を選択することがおしゃれな人というイメージになってきています。

外側を飾るのではなく、中身を磨くことが本物であり、心身が健康で、地球や社会の未来を考えて行動することがもっとも美しい生き方という価値観になりました。選択者はワタシ。自分の目で、品質・美しさ・健康によいモノを選ぶ。そのためには、自らの知識も高めようとする行動も強くなっていたのです。


次回は、2020年から2021年にかけて彼女たちがどのように変化し、社会にどのような存在になっていくのかをお話しします。


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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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