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なぜ女性に響かない? なぜ男性に売れない?17年間・7万人調査で見えた「購買行動の落とし穴」

  • mhaneda4
  • 17 時間前
  • 読了時間: 5分

更新日:10 分前

女性ペルソナ 女性インサイト

 女性インサイト総研を有する株式会社ハー・ストーリィ(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:日野佳恵子)は、女性インサイトのコンサルティング専門会社として、2008年より継続実施している「男女購買行動診断」の2025年版最新分析結果を公開しました。


 本レポートでは、17年間・約7万人分の購買行動データを分析し、「男性と女性の購買行動には明確な違いがある」ことを改めて示しています。同じ商品・販促でも「なぜ女性に響かない?」「なぜ男性に売れない?」といったマーケティングの“落とし穴”の背景には、この購買行動の差が影響している可能性があります。


◆調査概要

「男女購買行動診断」

調査期間:2008年6月~2025年5月

調査対象:67,593人(男性19,723人、女性47,870人)

調査方法:インターネット調査

調査会社:株式会社ハー・ストーリィ 


◆購買行動は3タイプに分類

出展:HERSTORY REVIEW7月号 男女購買行動診断回答結果の分布図
出展:HERSTORY REVIEW7月号 男女購買行動診断回答結果の分布図

本調査では、購買行動を次の3タイプに分類しています:

  • 戦略型 スペック・機能・コストパフォーマンスを重視し、論理的に比較して選ぶタイプ

  • 調和型「使う場面」「気分」も意識して選ぶ、論理と感覚のバランス型

  • 平穏型「気分が上がる」「心地よい」といった感情価値を優先、“買い物そのものを楽しむ”タイプ



◆男性は「戦略型」、女性は「平穏型」が最多

出展:HERSTORY REVIEW7月号
出展:HERSTORY REVIEW7月号
  • 男性 51.0%が「戦略型」→ スペック・機能比較/効率重視の傾向

  • 女性 63.5%が「平穏型」→ 感情・共感/気分を満たすことを重視



◆男性はスペック、女性はシーン。購買プロセス自体が異なる

出展:HERSTORY REVIEW7月号 男女の購買意思決定プロセス図


 今回の分析では、購買プロセスそのものが男女で異なることが明確になりました。男性は「自宅でじっくり情報収集・比較検討し、“欲しい商品そのもの”をスペック優位性で選ぶ」プロセス。女性は「どんなシーンで、どんな気持ちで使いたいか」を重視し、“気持ちが良かった体験”を元に購入を決めるネットワーク型プロセスになる傾向があります。



◆17年分データが示す「社会変化の影響」

出展:HERSTORY REVIEW7月号 年代別 購買行動タイプ比較
出展:HERSTORY REVIEW7月号 年代別 購買行動タイプ比較
  • 女性はコロナ禍・物価高騰など社会情勢に合わせて柔軟に購買行動を変化

  • 男性は近年「調和型」が微増 → 育児・家事参加の影響と推察



◆女性は分散型、男性は没頭型

男女間で差異が大きい購買行動ランキングでは、個別項目で男女の行動差が大きく出る傾向が確認されました。


【男性】

1位:電子マネーやクレジットカード、会員カードを沢山作って、ポイントを貯める方ではない

2位:ちょこちょこと買物するより、高価な物を買うと達成感がある

3位:モノ選びの際、他人のモノよりも「優れていること」が選択基準になることがある

4位:デジタル製品やメカ製品などの新商品については、まず「機能」「性能」が気になる

5位:自分が買ったものよりも、さらに性能が高いものを友達が持っていたら悔しいと思う


【女性】

1位:訳もなく、ちまちました雑貨などを「かわいい」というだけで買ってしまうことがある

2位:イライラしたり、嫌なことがあったときなど、買物でストレス発散をすることがある

3位:カラーバリエーションがたくさんあると、それだけで嬉しくなる

4位:長時間にわたり、いろいろな場所を見て回ったり、ショッピングするのは楽しい

5位:旅行のお土産を友達に買って帰ることが多い


  • 「かわいいから買う」 女性:約8割が肯定/男性:ほぼ肯定せず

  • 「カラーバリエーションが豊富だとうれしい」女性:約半数以上肯定/男性:「どちらでもない」が最多


これらの項目の背景には、男性は「商品自体のスペックや機能優位性」を重視するのに対し、女性は「購入後に自分や家族がどう感じるか」「気持ち・情緒的な価値」を重視するという構造の違いがあることが明らかになっています。


背景には、男性はスペックや優位性を重視、女性は感情価値・情緒的価値を重視する行動傾向があることが読み取れます。



◆女性の購買を左右する「6つの選択価値基準」

出展:HERSTORY REVIEW7月号 女性の6つの選択価値基準
出展:HERSTORY REVIEW7月号 女性の6つの選択価値基準

 本調査では、女性が商品選択時に重視する「価値基準」 も明確になっています。従来の「スペック・機能(基本的価値)」「価格(便宜的価値)」だけではなく、情緒的価値や共感的価値といった「感情や意味づけ」が購買行動に強く影響している ことが特徴です。


つまり、「何を買うか」だけでなく「どんな気持ちで買いたいか」が重要な購買動機 となっており、女性向けマーケティングでは「体験」「ストーリー」「共感」を意識した設計が求められる と言えます。



◆男女で異なる購買の“スイッチ”

17年の累積データからは、

  • 男性は:機能性・合理性の高さが購買決定のスイッチ

  • 女性は:感情や体験が購買を後押しするスイッチ

であることが明確になりました。特に女性の購買スイッチは社会変化やライフステージの影響を受けやすく、柔軟に変化する傾向が見られます。


企業のマーケティング・商品開発・販促設計においては、男女別の購買意思決定プロセスを意識し、

男性向けには:「スペック」「効率性」「問題解決性」の打ち出し

女性向けには:「色」「体験」「感情訴求」を重視した設計 が有効です。


さらに、単なる性差だけではなく、どの価値軸が購買を左右しているのか を把握し、時代やターゲットに合ったコミュニケーション を設計することが、今後ますます重要になると考えられます。


 株式会社ハー・ストーリィでは、こうした女性インサイトを捉えたマーケティング戦略・商品開発支援を行っています。本調査の詳細データや、女性市場戦略に関するご相談も承ります。

本調査の詳細は『HERSTORY REVIEW』7月号でご紹介


女性インサイト 女性ペルソナ

 女性インサイトレポート「HERSTORY REVIEW」は、HERSTORYが運営する法人クラブ「in her」の会員向けの会報誌です。in herでは女性インサイト研究に特化した様々なサービスを展開しています。




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