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- 女性が離れないクチコミュニティにするために重要な「学」「遊」「働」「交」の4つの切り口(後編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.62 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第62回目は、事例を交え、「学」「遊」「働」「交」の要素を取り入れた女性が集まるコミュニティについて解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 働く女性のための新たなカフェスタイル 昨今、働く女性の増加により、昔では考えられなかったような「場」としてのカフェが増えています。たとえば、コインランドリーです。 特にマンション暮らしの核家族が増えると、気軽に大型の布団や毛布などをベランダに干すことができない家庭も増えています。ドラム式洗濯機や風呂場に乾燥機能が備わっていても、家族の大型洗濯物となると家では難しいため、近年、コインランドリーの利用者として女性が急増しています。 女性をターゲットにした快適なコインランドリー空間 少しでも快適に女性が過ごせるようにと、おしゃれなコインランドリーが増えています。 まるでカフェのような空間で、雑誌が置かれていたり、洗濯用品などの雑貨が販売されていたりします。また、Wi-Fiが完備されており、仕事をしながら洗濯が終わるのを待つことも可能です。フリマアプリの「メルカリ」と提携しているランドリーも増えており、洗濯が終わったらその場で「メルカリ」に出品手続きができるという流れもできています。 コインランドリーを拠点にワンストップでさまざまなことができるようになっています。こうした場所は、あっという間に若い女性やママたちのクチコミで集合場所となっています。 喫茶ランドリーの事例から見る「学」「遊」「働」「交」 なかでも「喫茶ランドリー」を企画する株式会社グランドレベルは、地域にある古いビルや団地、小売店の1階などを再生し、地域の拠点づくりに貢献しています。店内は業務用のおしゃれな洗濯機が設置されています。 喫茶を併設しているため、レジでお金を払ってドリンクや軽食を楽しむことができ、カフェとしても十分に楽しい空間となっています。洗濯機のある空間は「家事室」と呼ばれており、大きなテーブル、アイロン、ミシンなどが置かれています。このテーブルを中心に、近所の顔見知りの方々が集まり、地域のママさんたちがパン教室や洋裁教室を次々と開催しています。ここで作った商品は、店内で販売することもできます。 今や地域のおしゃれな民間公民館の様相で、シニア層からサラリーマンまでさまざまな人たちがこの空間を活用して、気軽に交流できる場となっています。ここにはしっかりと「学」「遊」「働」「交」の要素が揃っています。 喫茶ランドリーから見る「学」「遊」「働」「交」 「学」は、地域の女性たちを中心にカルチャー教室のような場として機能しています。 「遊」は、カフェとしてお茶やお菓子、軽食を楽しみながら談笑でき、雑誌や雑貨も楽しめます。時々、音楽会などのイベントも開催されます。 「働」は、教える側にもなれる機会があります。ミシンの使い方、アイロンがけ、カルチャーのお誘いなどなど、自発的に地域の人たちが関わっています。 まさに「喫茶ラインドリー」には、「交」があります。「元気?」「久しぶりね」と店のスタッフとお客様だけでなく、客同士がここで会話し、いつしか地域での知り合いも増えていきます。 地域の交流拠点として浸透していった喫茶ランドリー 「喫茶ランドリー」は、地域交流拠点として浸透していきました。現在、あちらこちらから注目され、スーパー、団地など各地に広まっています。 そこには必ずお世話好きの主婦たちが存在します。「いいわよ」「家から持って来るから」「私たちがするから」「手伝うわ」など、自然に会話の生まれる「場」はこれからの時代にさらに求められていくでしょう。 女性の「快」は、学・遊・働・交がある場所に集えること。 女性の「不」は、ただモノがあるだけの場所に行くこと。 次回は、女性マーケティングを成功させるための共創の心得について解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 女性が離れないクチコミュニティにするために重要な「学」「遊」「働」「交」の4つの切り口(前編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.61 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第61回目は、クチコミュニケーションを築くために重要な4つの要素を具体的に解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 クチコミュニケーションに重要な4つの要素 クチコミュニティ・マーケティングを2001年から提唱してきた弊社は、今でも多くの「企業と女性のコミュニケーション」に対してアドバイスを行なっています。 近年は、大がかりなコミュニティサイトなどを作らなくても、SNSの運用だけで十分に女性たちとコミュニケーションが取れるようになりました。 ここで私たちがクチコミュニティを運営するための設計上、もっとも重視している「学」「遊」「働」「交」という4つの切り口について説明します。これは、コミュニティを運営する時に、落としてはいけない切り口です。 生活にかかわる「学」 「学」とは、生活情報が得られるコンテンツのことです。日常生活のあらゆることにアンテナを張り巡らさなければならない女性にとって、生活に関わる「学」の情報が提供されることは、とても喜ばれます。たとえば、パンを売りたいサイトであれば、パンのおいしい食べ方などのレシピ提供や、パンの選び方や上手な保存方法などが挙げられます。 ささやかな楽しみの「遊」 「遊」とは、お楽しみコンテンツのことです。たとえば、占い、ゲーム、くじ引き、ノベルティ、懸賞、プレゼント、ポイントアップなどです。ささやかでもお楽しみがあることはとてもうれしいものです。気分転換にもなりますし、忙しい女性にとっては、瞬間的に気分が晴れる時間を持つことは大いに救いになります。 人の役に立ちたい「働」 「働」とは、お役目を与えることです。女性は、人の役に立ちたいと思っています。たとえば、新商品に意見を出したり、試食会モニターをしたりすることが大好きです。周囲の友達に意見を聞いてくれたり、クチコミをしてくれたり、SNSに書くこともしてくれます。 交流の機会を与える「交」 「交」とは、交流の機会を用意することです。女性は、女性同士での経験や悩みを聞いて、共感し合いたいのです。自分の悩みと同じ人がいれば、どうやって解決できたのかを知りたいのです。好きなアイドル、夫婦、恋愛、子育て、料理など、話題は尽きません。 この4つの要素を意識してコミュニティサイトやファンクラブの運営を行なうと、女性は参加意欲が高まり、離脱しにくくなり、友達の紹介も増えます。 女性の「快」は、コミュニティの中で「学」「遊」「働」「交」が得られること。 女性の「不」は、コミュニティの中で、それらの情報や体験が得られないこと。 次回は、後半で、「学」「遊」「働」「交」について事例を交えながらさらに詳しく解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- クチコミュニティサイト事例と企業の成長(後編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.60 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第60回目は、顧客との深い関係を築き、信頼を勝ち得た「ウィメンズパーク」の事例について解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 ベネッセコーポレーション「ウィメンズパーク」の事例 女性たちの悩みを共有し合うサイトと言えば、老舗中の老舗となったウィメンズパークです。 http://women.benesse.ne.jp/ 媒体資料には「同じ悩みを持つ女性同士が活発に発言し合うことで、共感・共有を築いていく最大級の女性限定口コミサイト」とあります。サイトのキャッチフレーズは、「最強のママ友をもうひとり」という心強いメッセージです。 2000年に立ち上げられた当サイトですが、取材した2005年の段階で、会員40万人突破、蓄積クチコミデータ総数は720万件と、書籍に書いています。 アクティブ会員数は、481万人(2020年12月の媒体資料より)、サイト上に記載されている蓄積クチコミデータは、4500万件を超えています(当時)。つまり、会員数は12倍、クチコミ数は、6倍以上となっているのです。 これは、驚きどころではありません。 このサイトは女性たちの興味、関心、動向が手に取るように分析できるビッグデータプラットフォームに進化しているのです。 サイト内には、たくさんの細分化されたコミュニティが存在します。 「もうすぐママになる人の部屋」「高齢出産ママの部屋」「不登校児を持つママの部屋」「小学校低学年ママの部屋」など、子どもの年齢別から子育て、夫婦、教育、自分の健康からお金の話に至るまで、さまざまな意見を交換できるようになっています。 ウィメンズパーク内で実現する課題解決とニーズ発見 ベネッセコーポレーションは、ご存じのように本体は進研ゼミなどの通信教育をはじめとする教育、育児、シニア・介護の領域で事業を展開しています。特に育児雑誌との連携は大きいと言えるでしょう。 新しいママは常に誕生し、マタニティ雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」などの媒体、ウェブと連携して、次世代ママたちをつなぎ止め、彼女たちがぶつかっていくライフステージ上での課題をこのサイト内で、女性同士の過去データも含めて解決できます。 ウィメンズパーク内の膨大なクチコミと女性たちの共感、共有の動きは、現業への改善から新規事業に至るまで、さまざまなニーズの発見にもつながっているのです。 顧客の声に耳を傾けることの重要性 女性視点マーケティングは、巨大な会社を目指そうという話ではありません。 19年前に取材した企業の“今”を見ることができて幸せに思います。これらの企業は、顧客の声を大切にしてきたことはもちろんのこと、顧客と寄り添い、「共」に歩んでいることが見て取れます。 意見をタイムリーに吸い上げ、早くフィードバックするという、その繰り返しが信頼を勝ち得てきたのではないでしょうか。 それは、会社の規模にかかわらず、「顧客の声に耳を傾ける」ことにあります。 さらにその顧客の中でも、買物の8割を誰かのために消費する女性たち。自発的に、誰かに商品を配る購買行動を取る女性たちを味方にしない手はありません。 女性の「快」は、意見を聞いて寄り添い続けてくれること。 女性の「不」は、意見を聞かない、聞いてもフィードバックがない、寄り添い感がないこと。 次回は、さらにクチコミュニティについてさらに深く解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- クチコミュニティサイト事例と企業の成長(中編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.59 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第59回目は、消費者の多様なニーズや視点を理解し、それによって共感と信頼を築くことが、ブランドの成長にどのように役立つかを解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 企業の視点とは違う女性消費者の声を聞くことの価値 著書『ファンサイト・マーケティング』の読者からの書評(当時のアマゾンなどに書かれた)には、「大企業だからできること」「今さらコミュニティサイトは古いだろう」など厳しい意見もありました。しかし、古いか新しいかではなく、女性とつながっていくことの重要性を伝えたかったのです。 女性は複雑で多様です。 無印良品が出した海外旅行用のパスポート入れをママたちは、子どもたちの習い事の月謝分類袋として重宝するとクチコミし合い、購入が伸びました。彼女たちでなければならない、メーカーが考えた用途とは異なる視点を女性たちは教えてくれるのです。 「快」「不」は、女性たちに聞かなければわからないというシンプルなことを解決する方法として、ネットはとても有効です。SNSが普及した今、女性消費者の声をしっかりと聞き、それに応じて行動することがいかに重要であったかを、書籍を読み直して改めて確信しています。 当時取材したサイトの現在について、公式サイトから見える範囲で、数値情報の更新を含めて掲載したいと思います。 無印良品のネットコミュニティ「くらしの良品研究所」 の事例 「くらしの良品研究所」 https://www.muji.net/lab/ は、ますます活性化している無印良品の顧客と「共」に商品企画、改善をしていくサイトです。 今現在もサイト会員の意見で商品がどんどん改善されているのが見て取れます。 たとえば、スリッパの見直し、リュックの見直し、学習机の商品開発など、無印良品側からのプロジェクトの立ち上げだけでなく、顧客側から「おしゃれな爪磨きがほしいです」「三角コーナーの衛生が気になるので自立型のゴミ袋がほしい」などのリクエストがサイトではそのまま見えます。 そのリクエストに対して、「いいね」やコメントを受けつけ、その後、それらの意見を採用したら、「見直し中」「できました」など、どこまで進捗しているかがわかるようになっているのです。 顧客と共に歩む開発プロセスによる共感 「発売しました」と、商品販売ページがリンクされて紹介されると、サイトを見ているだけで、「やった!」という気分になります。すごいと思うのは、徹底して会員と常に「共」に開発をしている印象があることです。そして、そのプロセスを公開していることにあります。 一例として「スリッパの見直しプロジェクト」では、みんなのスリッパに対する使用場面や頻度、ニーズなどをアンケート調査し、その結果を公開。その後、スリッパの試作品を何度か用意し、サンプル品を会員にモニターとしてホームユースを依頼(テスト商品を送って利用してもらう)。その意見、感想など、すべてがサイトに公開されているのです。当時の取材では、会員は女性7割、男性3割と言われていました。 無印良品ファンは、商品のシンプルさなどだけでなく、こうした顧客と「共」に歩む姿勢にも共感するのでしょう。 次回は、進化し続けるベネッセコーポレーションの「ウィメンズパーク」の事例について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- クチコミュニティサイト事例と企業の成長(前編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.58 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第58回目は、女性顧客とのかかわり方とその重要性について解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性消費者との深い絆が生み出す新たなビジネスモデル 2005年著書『ファンサイト・マーケティング』(ダイヤモンド社)を発表し、その中で「女性消費者と企業はもっとダイレクトにつながっていくことが重要だ」と書いています。 女性たちの消費行動を知れば知るほど、関わりの仕方によっては、女性たちは単なる「顧客」という関係を超えて、パートナーやアンバサダーといった存在に変わっていくことを見続けてきました。 パートナーやアンバサダーに変わると、購入はもちろんですがコミュニケーションの仕方によっては、どんどんロイヤルユーザーに変わり、自ら進んで情報発信をし、クチコミで布教してくれることが特徴的にあると気づいていました。 出版社の意向もあって、わかりやすく「ファンサイト」というタイトルになっていますが、私の中では、「クチコミュニティサイト」と同義語でした。 書籍のサブタイトルは、『企業のファンがネットの「クチコミ」で増えていく!』で、その帯には「企業と顧客がWin-Winになる」と書いています。当時から伝えたかったことは、女性消費者とは、手を取り合い、「共」に歩んでほしいというビジネスモデルでした。 クチコミをするアンバサダーが浸透し始めた2012年 掲載企業のほぼすべてを自分で取材に行きました。 当時はピンときていないマーケターも多かったですが、2012年頃にネスレがネスカフェアンバサダーという名称で、オフィス需要を拡大するためのCMを発信したことで、多くの人たちが「アンバサダー」という言葉を知ることになったように思います。 それまで弊社内には、アンバサダーという言葉はなく、私たちは「クチコミの種をまく人」というイメージで自発的にクチコミをしてくれる人たちを「シーダー」と呼んでいました。今はアンバサダーがもっとも伝わるでしょう。 顧客との関係性を気づき上げてきた企業のコミュニティ 2005年の発刊時に本書に掲載していた企業のコミュニティは、無印良品のネットコミュニティ(現在の「くらしの良品研究所」)、ベネッセコーポレーションのウィメンズパーク、アイスタイルの@cosme(アットコスメ)、そしてアマゾンジャパンなどです。そこに記載した企業がその後、成長していきました。 企業と消費者がつながることは、無印良品の例を見ても、単なるコミュニケーションという域を超えて、商品開発や改良改善まで、多くの役割をコミュニティにいる会員たちが担っています。長い時間をかけて、顧客との関係性を築き上げてきた企業には、頭が下がるし、これらの手法が間違いではなかったことを教えてくれます。 次回は、中編で、無印良品の「くらしの良品研究所」を事例を挙げながら女性消費者の声を聞くことの価値について解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 相互の情報交換で大きくなっていく女性のクチコミ
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.57 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第57回目は、コミュニティでの情報共有がいかに重要か、そしてそれがマーケティングに与える影響について解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 クチコミ行動を好む女性たち 女性は「クチコミ」を好みます。その理由には、集団行動を好むからということを本ブログでは伝えてきました。 私自身は、女性のクチコミ行動を「クチコミュニティ」と命名して、2002年に『クチコミュニティ・マーケティング』(朝日新聞社)を発刊し、ベストセラーとなりました。 この本は、その後、『図解 クチコミだけでお客様が100倍増えた!』(PHP出版)なども含めて、シリーズや文庫本化され、あれから19年も経つというのにずっと売れています。 今でも「あの本がバイブルです」「あの本を読んだ衝撃をよく覚えています」とお会いする方から言われることがあります。 先日もある商談中に、「あ、まさか、と思い出して本棚を探しました。この本だけは捨てられなくて。まさかこの本の著者ですか?」と感動され、うれしかったです。 悩みや課題を解決するための助け合いの「クチコミュニティ」 膨大に本が出る中で、記憶されていること自体がありがたいことですが、それだけ当時は、女性とクチコミについての書籍は、新しくセンセーショナルだったのでしょう。 私はその後、この「クチコミュニティ」を商標登録しました。 「クチ+コミュニティ」は、女性の類似したクラスターの場で、悩みや課題を持ち、解決するための助け合いをするというイメージです。 女性たちの行動と現象をまとめた本『クチコミュニティ・マーケティング』 今でこそSNSも当たり前となり、女性たちがコミュニケーションにSNSを使いますが、この『クチコミュニティ・マーケティング』という本を書いた時は、ブログを女性たちが好んで書きはじめた頃でした。 芸能人のブログを読む女性も急増しています。 「ネットはツールでしかなく、女性はそもそもクチコミが好き。昔なら井戸端、電話、手紙、ブログ、SNSと交信手段は変わっても女性のクチコミ好きは変わらない」という内容で、多くの女性たちの目の前の行動と現象を見てまとめた本でした。 クチコミで広がっていった女性コミュニティ 私は1990年に広島市で創業しました。その当時はインターネットもなく「女性活躍」といった言葉もない頃でした。女性たちが集う機会をつくろうと、マーケティング事業と同時に女性コミュニティを立ち上げました。 会員登録制で、女性向けのイベントやセミナー、勉強会、パーティなどを開催していました。最初の会員は、チラシや新聞広告などを使って約300人からスタートしたが、半年もしないうちに広告をしなくても1000人、2000人と増えていったのです。 その理由は、会員から友達へのクチコミでした。 女性は自分がよかった場に、友達を連れて行きます。それはあの頃も今も変わりません。 バズるという言葉でメディアに変わったクチコミ そして今ではネットによって当時の比較にならないほど多くの人に情報が届くことになったのです。さらに、「バズる」という言い方も広がり、クチコミは力を持ったメディアに変わりました。 当時の体験から、「女性のクチコミは、きちんと誠実に、感動と喜びを提供することに注力すればお客様が勝手に発信してくれる」と学んだのです。以来、このことは大切な考え方の柱にしています。女性は地域、友人・知人、趣味や習い事、そして職場のコミュニティというように複数のコミュニティに所属しています。 自分が「いい」と思う情報を持つと、すぐさま自分が所属するコミュニティのメンバーにも伝えます。 喜ばれることが好きで、同じ経験、体験をしてもらい、その気持ちを分かち合いたいという思いがあるからです。 「知り得たことは共有、共感したい」という情報伝達は、人助けとして本能に組み込まれています。 いい情報も悪い情報もすぐに周囲に伝えたい女性たち 女性は、「いい情報も悪い情報も早く周囲に伝えたい」と思い、うれしいこともつらいことも共有し合い、強い絆を築いていくのです。女性はライフイベントが増えるほど地縁などの儀礼的なコミュニティも増えていきます。 子ども会、PTA、義理の親や自分の親、子どもの習い事の先生、幼稚園や保育園の先生など、好むと好まざるとにかかわらず周囲との関係を築いて生きていきます。 ひとりの女性は、リアルな暮らしの中で、好むと好まざるとで実際に顔を合わせたつき合いをしながら、ネットを活用してコミュニケーションを行ない、関係維持をして暮らしているのです。 コロナ禍で女性たちがリアルな場でのコミュニケーションを失い、オンライン会議だけで会話をして過ごしていると、心がすさんでいく傾向が男性より多く見られたことがすでに報告されています。 女性たちには、コミュニケーションの場を大切に考えたマーケティングを行なっていきましょう。 女性の「快」は、コミュニティの中で生成される相互情報が得られること。 女性の「不」は、コミュニティがなく、孤立した状態、情報が入らないこと。 次回は、クチコミュニティサイトの事例をあげ、さらにクチコミについて解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- クラスターが「共感」する情報発信リーダーから着火するトレンド
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.56 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第56回目は、トレンドリーダーとのコラボレーションやメディア戦略が有効であることについて解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 同じクラスター内の女性トレンドリーダーの影響力 女性は「女縁」に影響されるという話を以前に書きましたが、時代がどんなに変わっても、女性のトレンドは、同じクラスター内で「共感」される情報発信リーダーたちからの影響を受けて話題になっていきます。 昭和や平成では、モデル、タレントが代表的だったが、30代、20代、10代と年齢が下がれば下がるほど、インスタグラマーやユーチューバーと、ネット上での発信力がある女性トレンドリーダーたちの存在が大きくなります。 世代別に見る女性トレンドリーダーとその影響力 たとえば、女子高校生が影響を受けているインフルエンサーランキングでは、マイナビティーンズで見ると(2020年10月)、1位は佐藤ノア、2位は莉子、3位はミチとなっています。3人ともモデルです。身につけるコスメ、ファッション、食、考え方など、すべてにおいて真似したくなるのです。 今の30代の女性たちがティーンズの頃に影響を受けたのは、アーティストの浜崎あゆみ、安室奈美恵などでしょう。 最近は、ローラや長谷川潤なども人気です。 40代の女性たちに影響を与えたモデルといえば梨花、蛯原友里、押切もえなどで、50代、60代なら富岡圭子、黒田知永子などではないでしょうか。 女性たちのトレンドを掴むには、その女性たちが影響を受けているこうしたトレンドリーダーの発信する商品はもちろんのこと、彼女たちのライフスタイルや価値観をつかみ取ることが重要です。 女性メディアは、ネットであっても、雑誌であっても「〇〇さんの暮らし方」「〇〇さんのキッチン」「〇〇さんの子育て」と〇〇さんが連呼されます。 そこに登場する〇〇さんの分野から、自社に関連する商品やサービス分野を専門としそうな人が発信する情報を意識していくと、トレンドが見えてきます。 働く独身女性向けマネーセミナーで考える発信方法 たとえば、保険会社が「働く独身女性のためのマネーセミナーを開きたい」と思えば、日経ウーマンなどの働く女性向けのメディアに取り上げてもらい、マネー企画のタイトルやムック本などの特集タイトルを真似てイベントタイトル、内容を組み立てるといいでしょう。 予算があれば、その層に近いペルソナが読むメディアに出てくる〇〇さん(トレンドリーダー)に、商品提供やアドバイスをお願いするのも有効的です。 フォロワーが多い人はポリシーもあるので、単なる商品の宣伝を投稿することは好みません。 ゆえに、開発から参加をお願いし、開発過程からSNSなどで発信するなどして、フォロワーに関心を持ってもらうのです。開発プロセスから見ているフォロワーは、自分も開発に参加している疑似体験の感覚になれるのです。発売時点では、当事者意識も生まれて即座に完売すると同時に、PRもしてくれるという相乗効果も生まれやすいでしょう。 女性にとっての「快」は、憧れの女性トレンドリーダーの暮らしに近づくこと。 女性にとっての「不」は、そこに自分の憧れの暮らしや生き方が見えないこと。 次回は、女性のクチコミについて解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 女性クラスター別に変わるトレンド分析(後編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.55 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第55回目は、クラスターごとの特性を理解することの重要性について詳しく解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 セブンイレブンが若い女性の心を掴むことに成功したポイント セブンイレブンとジェラートピケの組み合わせは驚きましたが、若い世代の女性を取り込む目的の企画であるのなら、着眼は成功したのではないでしょうか。 ここでのポイントは、「若い女性」「独身」「人気のブランド」「今年限定」という要素です。 ケーキひとつとっても、独身女性と子どものいる家庭では、選ぶデザイン、色、形、お酒などの素材に違いがあります。女性はクラスターによって選択基準が異なります。それは別のクラスターにとってはまったく興味のないことが多いのです。 女性ターゲットの多様性を実感したクライアント先の試食会 以前、クライアント先に訪問した時にたまたま、「女性社員を集めた商品開発のための試食会があるので参加しませんか」と声をかけられ、参加しました。 「簡単においしい揚げ物ができる調理粉」について容量とパッケージに対して意見を聞きたい、と女性社員20人ほどを集めて意見を聞いている場面だったのですが、開発担当者が商品の特性を説明し、「どの容量で販売したらいいか、目の前の3つから選んでください」「どのパッケージがお好きか、目の前の3つから選んでください」と聞きはじめました。 結果、容量もパッケージも選択はバラバラに割れました。 担当者が「女性の皆様に聞いても意味がなかったですかね」とつぶやいたので、私はびっくりしました。なぜなら、集まった20人は「女性」ではあるが、独身の20代もいれば、結婚している30代もいれば、子育てが終わった50代もいたからです。 女性のニーズは多様だからこそ重要なクラスターの選定 ある女性は「中学生の息子が2人いるから食事は奪い合い。食べ盛りには量が一番の決め手よ」と言ってましたし、20代の独身女性は「独り暮らしだから自宅で油を使いません。汚れるし。少量タイプに手をあげましたが、私自身は買わないと思います。もし買う場合は、最近は国産小麦にするようにしています」と言っていたのです。 つまり、単に「女性に聞いた」のでは意味がないどころか、大きな間違いを引き起こすのです。 下の図は、「家事」をクラスター内の特徴的なペルソナ別に捉えたケースです。 「時短消費」で考えるクラスター別の商品へのニーズ 「忙しい女性は家事に時短を望む」と、ひと言でくくりがちですが、ペルソナによって時短家事の捉え方がまったく異なります。 シングル女性にとっての時短消費の重きは「掃除(スティック掃除機)」。そして、コト消費は「買物(コンビニ・ネット)」で、求めることは新商品です。 働くママにとっての時短消費の重きは「洗濯」「買物(ネットスーパー)」「掃除(ロボット掃除機)」、「料理」は真ん中に位置します。 料理はできあいの惣菜などを活用しつつ時短にしますが、家族の健康や栄養を考えると母親の責任から後ろめたさがあります。そのため、ど真ん中に「料理」が位置するのです。 運動会や誕生日会などは日頃のできない後ろめたさを補うために、しっかりとつくりたいと考えて「コト消費」側にも位置します。 専業主婦は、時短消費は「掃除」で、ど真ん中には「買物(スーパー)」が位置します。家計を考えて安さが大事だからです。コト消費に「料理」があり、いかにお金をかけずに味も見た目も上手につくるかが腕の見せどころなのです。 こんな風に「時短消費」とひと言で言っても、買物、料理、掃除、洗濯などさまざまな内容があります。 クラスターによってその捉え方は大きく異なるため、商品づくりには、どの機能に重点を置き、どの機能を訴えて宣伝をするかは、どんなクラスターの課題を解決するためのモノかによって大きく異なることを知っておきましょう。 次回は、クラスターの共感する情報発信について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 女性クラスター別に変わるトレンド分析(前編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.54 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第54回目は、女性のクラスターごとに異なる響くポイントとトレンド感について解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性のクラスターごとに異なるトレンド感 女性はクラスターによって響くポイントがまったく違います。 どのクラスターを幸せにしたいのかを、しっかりと考える必要があります。合わせてそのクラスターにとっての、「今年らしい」「話題の」といったトレンド感を入れることも重要です。 男性の場合、最新モデルを好む傾向がありますが、女性の場合は、かならずしも最新モデルではなくても、「この時期だからコレ」とか「こんな気分には話題の」「コレ買いたかった。春だから桜色にしました」など、ある期間の悩みや不安を解消するモノに対して旬やトレンドなどのタイミングが加わるとほしくなるという傾向があります。 インスタ映えなどはまさにそうで、「フルーツパフェ」「かき氷」などのスイーツや、色鮮やかな景色の場所やファッションなどのことを「映え」といって写真に撮ってシェアをする行動がありますが、もともとの商品は、昔からあるモノや定番のモノだったりすることは多々あります。 また、社会環境の変化や状況によっても欲するニーズが変わるのです。 「コロナ禍で放置していた髪がパサパサになった」(社会環境と置かれていた状況)→「髪をサラサラにケアにできるドライヤーがほしい」(悩みや不満の解決商品)→「同時に肌がリフトアップできるドライヤーが今話題だからほしいな」(トレンド)といった感じです。 クラスター内の調和を保つための選択 女性は、同じクラスター集団からはみ出さないために消費するというモノも存在します。 「群」から出ないための消費というイメージです。 たとえば、春の入学式シーズンに、小学生ママたちの間では「式典で浮かない服」という言葉が出ることがあります。「浮かない服」とは、その場にふさわしい服という意味です。 そしてそんな中にも「今年らしい色」や「今年らしい形」というのがあるのです。女性にとってのトレンドとは、「クラスター内で評価・目的に応える・今どき感」をつかむことを言います。 たとえば、冠婚葬祭の服ひとつをとっても、男性であればスーツ、ネクタイ、シャツなどの基本的な準備で終わります。しかし、女性の場合は、ヘアスタイル、ヘアアクセサリー、メイクの色、リップの濃さ、ネイルの色や光、ストッキングの色、バッグの形と大きさ、指輪のデザイン、靴の色や形など、トータルに組み合わせ力が必要となるのです。 女性は、その場にふさわしいコーディネートが求められるのです。ご祝儀袋ひとつを選ぶのにも、相手のイメージから、現代的デザインか、豪華な花がついているのか、主役の女性が好きな色を選ぶかなど、相手を考えて祝儀袋を選ぶことも意識します。 それが自分の評価にもなるからです。 クリスマスケーキの事例から見るクラスターごとのトレンドの違い 2020年のクリスマス時に、弊社の独身30代の女性スタッフが、「今年のインスタでちょっと気づいたのですが、やたらに真っ白でおしゃれなケーキをあげる人が増えています。その写真をあげている人は、みんな独身女子と思われます。赤いイチゴやフルーツ、動物がのっていたりする色鮮やかなケーキの写真は、みんなママです」と言っていました。 その真っ白のケーキを調べたところ、なんとコンビニのセブンイレブンが、若い女性に人気のルームウェアブランドのジェラート ピケとコラボレーションしたクリスマスケーキでした。 次回も引き続き、クリスマスケーキの事例を挙げながら、クラスターごとに変わるトレンド感について解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 母親クラスターへのマーケティングは大変さを認めること
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.53 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第53回目は、母親クラスターへのマーケティングで重要な理解と共感について詳しく解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 母親クラスターのストレスを認識し認めることが第一歩 母親クラスターのマーケティングで大切なのは、彼女たちのストレスをきちんと認める姿勢です。 「大変だね」「大丈夫?」と声をかけられるだけでも気持ちが楽になることがあります。 妻「ちょっと朝からお腹が痛くて」夫「病院行けば」と言ってしまうだけで、妻が不機嫌になることがあります。夫からすればもっとも最適なアドバイスをしているつもりですが、妻からすれば「まずは、『大丈夫?』とか、相手に気遣いの声ぐらいはかけられないの? 冷たい人」となってしまうことがあります。 常にストレスを持つ母親クラスター 母親クラスターは、常にストレスを持つ日々があります。 自分のことだけではなく、さまざまなことに対処しなければなりません。 そのストレスを緩和させるための選択と行動をします。そのストレスを認めてくれていないと感じる夫の言葉にはイラついてしまうのです。 企業のCMやツイッターの発信などにも敏感で、不快感を持つと不買運動さながらの行動も出やすいです。同じ母親たちに、不快情報を知らせることで、気持ちに抱えた不快感を早く吐き出したいと思うし、自分が感じた不快感を同じ状況の友達には感じさせたくない、と思ってしまうからです。 おせっかいと助け合いをすぐさま行動に移します。 共感を狙う必要がある母親クラスターへのマーケティング CMでは、母親クラスターが見て共通項を感じる女優を起用することのほうが共感を持ちます。自分たちとほど遠い、または環境がまったく違う女優を起用して、母親向けをアピールをしようとしても興味を持たれません。 「子どもがいないからできるのよね」「わかってないわ」となるし、そもそも別世界に関心を持つほど暇ではないからです。あからさまにシャッターを下ろします。 最も大切な母親クラスターへの理解 母親クラスターにとってもっとも大切なことは、その苦労や大変さをわかってほしいことです。 理解者がほしい、認めてほしいのです。その気持ちに響くメッセージや言葉の投げ方が商品を売ることよりも先です。母親クラスターは、女性消費者の中の最大最強パワーであるにもかかわらず、マーケティングの世界からは遠い存在になりがちです。 母親クラスターに向けた商品やサービスの開発には、同じ状態にあるモニターや女性社員を介在させることが鉄板中の鉄板です。 母親クラスターの視点は、消費者の中でもっとも厳しい目を持ちます。商品がよくても手触りが違う、手触りがよくても重さが違う、重さがよくても色が違う、色がよくてもCMが違う、などです。母親クラスターのマーケティングは、プロセスの最初から最後までに一貫して母親視点を入れることです。 母親たちを介在させないでつくる商品やサービスは、たったひとつの障壁によって売れないなどのつまずきが起こります。 母親クラスターの「快」は、わかってくれていると思えること。 母親クラスターの「不」は、わかってくれていないと思えること。 次回は、クラスターによって変わるトレンドへの理解について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 格別の消費パワー行動を持つ母親クラスター(後編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.52 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第52回目は、母親クラスターの状況と心の支えについて解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 母親クラスターの知恵が詰まったママバックの役割 母親クラスターの買物は実に多岐にわたります。たとえば、ベビーカーを押しているママを見てみましょう。 子どもを乗せているだけではなく、いくつもの大きなバッグをそこにかけていて、シートの下のカゴにも荷物を積んでいます。通称ママバッグと言われる大きなバッグには、ミルク、お湯、ジュース、お菓子、タオル、気を散らすおもちゃ、ティッシュ、おむつ、着替え、よだれかけ、上着、おしり拭き、薬などです。そして自分用の飲み物、今夜の晩御飯の買物など、すさまじい持ち物の点数です。 パパも子どもを抱っこし、ベビーカーを押している姿はよく見ますが、ぶら下がっているバッグの中身を準備しているのはママでしょう。ママ専門の雑誌やメディアは、ママたちの知恵の共有で溢れています。 常に子供の状況管理をしているママクラスター 1週間のスケジュール表が記事で掲載され、1日をどんな風に上手にやりくりしているかという事例のオンパレードです。 たとえば乳幼児を持つ働いているママの日常です。 幼稚園の送迎はパパママが連携していても、園との連絡、準備や用意物、先生への謝恩、園行事、ママ友たちとの情報交換や関係維持、日々の病気や病院通い、予防注射など、ありとあらゆる子どもの状態管理を意識しています。 仕事で第一線にいる立場の場合、大事なことを忘れたり慌てたりで、自分の至らなさに悩み苦しみつつで過ごしていきます。パパが「手伝うよ」と協力的であっても、「手伝う」という言葉にイラついてしまうことがあるのは、子育ては共同作業であるべきと思っているからです。 主夫を好む男性も増えてきましたが、日々の生活の細々とした目に見えにくい家事作業に気づいてしまうのが女性です。 『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(梅田悟司著 サンマーク出版)、『夫が知らない家事リスト』(野々村友紀子著 双葉社)など、家事育児に関するこんなタイトルの本も増えてきました。 母親クラスターは、圧倒的な情報量を同じママネットワークで集めます。膨大なアイテムを購入、管理しているのです。日々をタイムマネジメントし、自分、子ども、家族、周囲との関わりを取りまわしています。 母親クラスターが理解されることで得られる心の支え ある時、弊社のママ社員が「夜泣きで子どもが夜中に泣いても、夫はまったく起きません。どうやって泣き止ませることができるのかわからない時は、ツイッターで同じ月齢児を持つママをハッシュタグで探して情報を得ていました。何度SNSで救われたかわかりません」と言ってしました。 母親クラスターにとって理解されることは大きな支えになります。 母親クラスターの「快」は、悩みが共有される環境。 母親クラスターの「不」は、悩みが共有されない環境。 次回は、母親クラスターへのマーケティングについて解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 格別の消費パワー行動を持つ母親クラスター(前編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.51 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第51回目は、子育てにおいて常に新しい知識が求められる母親クラスターについて詳しくお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性の中でも格別の消費パワー行動を持つ母親クラスター 女性の中でも、特に「母親脳」は別格の消費パワー行動を持ちます。 生命を生んだことで開花する動物的な本能が独自の行動を取らせるからです。これは人間でない多くの哺乳動物も同じだろうと考えています。誰にも説明がつかない、圧倒的な存在となるのです。 6つのライフコースで言うところの、② Single Mother(就業・子どもあり)④ DEWKS(共働き・子どもあり)⑤ Sahm'ers(専業主婦・子どもあり)のコースです。 「母親クラスター」にいる女性は、シニア層を外すと成人女性人口の最大ボリュームのグループとなるため、女性視点マーケティングを語るうえで彼女たちの視点は、絶対に無視はできません。しかし、母親クラスターは、なっている人でなければわからない世界があります。母親になったことがない人が勉強して近づこうとしても限界があります。 母親経験者同士だからこそ理解し合える独自の世界 母親経験者は、肉体の変化や痛み、心の揺れ、子育ての日々などを経験することで、母親同士でなければ理解しあえない世界があるのです。母親クラスターは、子どもひとりが高校を卒業したと考えると、約18年間です。子どもが2人、3人となると25年ぐらいは継続される日常があります。 そのため、環境から大きなストレスを受けて生きていくことになります。 母親クラスターの最大の関心事は、子どもを守り、危険から回避させることです。男性も父親になると思うかもしれませんが、妊娠期間から出産、授乳に至るまで肉体的、精神的な変化は女性側にのみ起こります。そのため、残念ながら「母」という領域は、誰も踏み込めない別格の世界があるのです。 母親ライフコースに必要な情報と知識を得るための横連携 母親ライフコースを歩む女性は、ものすごいスピードで、大切な子どもを危険から守るための情報、知識を必要とします。常にアップロードを続けていき、2人目、3人目になると、少しだけゆとりが出るというのは、母親側に学習経験ができているからです。 それでも同じ子どもはひとりとしていません。 性格、性別、能力、個性、体力など、その子どもによってすべてが異なるのです。神経をとがらせて、ママ同士や先輩ママたちの情報を必要とし、ケーススタディだけが頼りとなります。母親クラスターの横連携は、こうして強い絆となっていくのです。 また、実母とのつながりも一気に強くなります。母親経験者同士の母娘は、孫を通じて強固な母親No.1チームとなります。 次回は、引き続き後編で母親クラスターについて解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 母親クラスターを意識し地域の声を反映したイオンスタイル豊田の成功事例
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.50 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第50回目は、母親クラスターを意識した女性視点マーケティングについて解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 子供の年齢で分けると分かりやすい母親クラスター 今は、保育園の運動会に行けば、20代のパパと40代のパパが一緒に走るといった風景も珍しくはありません。母親の高齢出産も増えているため、親の年齢でクラスター分けをすると、特に子育て中の母親の場合は、まったく想定と違う状況にあることも多いです。 乳幼児ママ、未就学児ママ、就学児ママ、中高校生ママといったように、子どもの年齢別のクラスターにすることでわかりやすくなります。こうしてグループインタビューで集めると、10歳ぐらいの幅で集まってきます。 子どもが2人、3人という場合は、一番上の子に合わせるとよいでしょう。クラスター調査をする時に、母親の年齢幅が最小になるからです。 イオンスタイル豊田の地域の声を反映した「ママと子どもにやさしい店づくり」 イオンスタイル豊田という愛知県豊田市の総合スーパーでは、2017年のリニューアルオープンに際して、「地域に住んでいるお客様の生活を店づくりに生かす」ために、地域在住の女性たちに集まってもらい、できるだけ意見を聞いて実現させてきました。当時の井上良和店長がこだわったのが、「ママと子どもにやさしい店」でした。 未就学児ママのグループからは、フードコートの設備に関して「ベビーカーでいくとテーブルに横向きに置くため自分の手が空かない。親がゆっくりと食事ができない」という意見が出ました。 また、赤ちゃんはママと相対すると落ち着くというママ目線での意見もあり、そこでカウンターテーブルに穴を開け、赤ちゃんを入れて、向い合わせに座って食べるという「にこにこカウンター」が生まれたのです。 さらに、「子どもが2人いると、カートに座らせることができない」という意見もあり、そこからひとりが座ってひとりが立つという2人乗りのカートも誕生しました。また、トヨタ自動車のお膝元ということもあり、店内にはカーディーラーがテナントで入り、トヨタ車の買物カートが登場、子どもたちに大人気となりました。 地域の人たちの支持とSNS拡散で大ヒット どちらもインスタやSNSですぐに広まったのです。 何より地域のママたちの意見が反映されているため、参加したママたちも宣伝してくれたのです。ママが買物をして、パパが待っている間に子どもと向き合って食事をしている風景もよく見かけます。 このカウンターテーブルはその後、次々と他の店にも導入されていきました。 次回は、母親クラスターの消費パワー行動について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 顧客を理解するための女性の多様なライフコースと心理
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.49 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第49回目は、女性の6つのライフコースについて解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 ライフコースから見る女性の多様な顔と心理 ライフコースは、大きく分けて6つあります。 Single(就業・子どもなし) Single Mother(就業・子どもあり) DINKS(共働き・子どもなし)(double incomeno kids の略) DEWKS(共働き・子どもあり)(double employedwith kids の略) Sahm'ers(専業主婦・子どもあり)(stay-athomemoms の略) SINKS(専業主婦・子どもなし)(single incomeno kids の略) 妻が結婚する前と後、子どもを出産する前と後では、別人のように変わったという夫の言葉を聞くことがありますが、それこそが女性でもあります。女の顔が強い時、母の顔が強い時、妻の顔が強い時、娘の顔が強い時など、平和な暮らしを保つために、女性は自らの責任と役割を変えて人生行路を歩んでいくからです。 同じ25歳の独身の女性であっても、ひとりは合コンで恋人探しに夢中な女の顔、もうひとりは、結婚して先月子どもが生まれたばかりで母の顔が一日のほとんど、といったように、です。 女性の多面性とその洞察力 女性が女性同士を指して「あざとかわいい」などと表現することがあります。 これは、同じ女性が相手の顔を見て、「彼女は今、男性ウケを狙っている。かわいらしさを無理やりつくっている」といったような意味になります。女性たちは、こうした同じ女性同士の中でも、「今、彼女はどの顔を見せているか」をつかむことができるからです。 雰囲気、服装、態度、声、ポーズなどで相手の様子を見抜くほど、女性はその時々の「顔」が存在するのです。 開発のヒントとなる女性顧客のライフステージ 女性は、今、どのライフコースの、どのクラスターの、どのステージにいるのかによって、その期間特有の悩みや不安、不満などのストレスを持ちます。この「不」を解決するための商品やサービスは開発のヒントになります。 あらためて、御社の女性顧客はどんな人かを把握してみてください。 「30代の女性が多い」のではなく、「どのライフコース」の「どのクラスター」の「どのステージ」の「どんなペルソナ」なのかを把握してみましょう。 横軸をライフコースとした場合、縦軸は年齢となるのですが、女性の場合、年齢だけではくくれないと伝えたように、縦はまっすぐではなく斜めになります。 女性特有のライフコースと共感の重要性 たとえば、子どもがほしいと妊活をする「期間」があります。 そして難しいとわかった場合と、授かった場合、さらには2人目、3人目となる場合で、子育て期間がなくなったり、短かったり、長くなったりとなるためです。 女性は、妊娠・出産のように、自分の肉体そのものを使う人生があるため、男性のように簡単に年代や年齢では言い表わせない、自分でも思うようにはコントロールできにくいあいまいな「期間」を持っています。 だからこそ女性たちは、「同じ境遇」の女性に共感するのです。 「共感」とは読んで字のごとし、「共」に「感じる」ことです。 社内の社員に「お客様の気持ちに立って考えろ」と言っても、顧客の状態と自分が異なっている場合、なかなか理解することは難しいでしょう。 「お客様の立場に立って考える」とは、女性顧客の場合、状態を理解し、その立場に寄り添い、コミュニケーションを積極的にとって、できるだけ「私のことをわかってくれている」と共感されることが重要です。 そのためにもまずは、女性たちのクラスター分類を理解してほしいと思います。 女性の「快」は、自分の状態を理解してもらうこと。知ってもらうこと。 女性の「不」は、自分の状態を理解されないこと。大切にしてくれないこと。 次回は、母親クラスターのトレンドについて解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 間違えてはいけない女性視点マーケティングの分類方法
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.48 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第48回目は、女性マーケティングで必要な分類方法について詳しく解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性を年齢で分けるマーケティング手法の限界 女性を集団群(クラスター)で語りたい時、マーケティング用語にF1層(20歳~34歳の女性)、F2層(35歳~49歳の女性)といった年齢で分ける用語が存在しますが、女性視点マーケティングではNGです。 これらの言葉が広告業界で頻繁に使われるようになったのは、2005年前後。その後、15年間で女性たちの多様化は急速に変化したためで、今となっては、ひとくくりにするのは厳しいからです。 多様化したライフスタイルに合わせた分類方法 年齢で女性を分けると、特に産期から子育て期にあたる20代~40代までの女性たちは、個々に異なる状態の暮らしをしているため、ひとくくりにすると大きな捉え方の違いを起こします。 女性は、趣味やライフスタイル、デザインなどの好みといった志向性の分類もありますが、もっとも大きく分かれる分類は、仕事の有無と雇用形態、未婚か既婚か、子どものあるなし、という3つの状態から見ることです。これは女性には圧倒的な影響をもたらします。 女性のライフステージを理解することの重要性 従来マーケティングでは浅く捉えがちだったF1、F2といった大雑把なくくり方は、女性視点マーケティングではNGとして関わるプロジェクトメンバーには、強く理解を求めてほしいと思います。 女性は産期があり、「いつのタイミングで、どこで、誰と、どうするのか」という判断を迫られる期間を持っています。このタイミングは、働き盛りで仕事が面白い時とぶつかるため、ストレスを持ちます。 女性にとっての結婚、出産、育児は、男性に比べて「期間」を意識せざるを得ない重要かつ人生最大の関心テーマとなるのです。従来マーケティングでは、こうした女性心理に対して深刻な研究をしていません。 私の斜めな見方かもしれませんが、女性を「年齢」だけでくくる癖を持っているのは、男性視点からの無意識かつ若い女性に意識がいきがちな「若いか、若くないか」という分類方法で区分けしているように感じます。 女性視点マーケティングで押さえておきたい用語 ここで、女性視点マーケティングについて、このあと説明していくための「用語」も解説をしておきます。 ライフコース(人生行路) :女性の歩む人生コースを「ライフコース(人生行路)」という。ライフイベントの選択の結果、職業・家族構成によって大きく人生行路が異なる ライフステージ(位置) :ライフコース上の一時期(東洋医学の7の倍数の年齢など)の節目と身体の変化によって起こる心身の変化や価値観など段階的に変化する人生の立ち位置 クラスター(集団) :ライフコース(職業・家族構成)とライフステージ(年齢・世代・心身の節目)などの交点における特徴的な集合体 ペルソナ(特徴的な人物の擬人化) :クラスターに属している女性の特徴的な人物像の顔や服装、持ち物や暮らしぶりなどを擬人化と共に描く(イラストやイメージ写真などで作成) ライフイベント :人生の転機にあたる出来事。就業・結婚・出産・転職・離婚など、人生の選択肢のこと ライフスタイル :クラスター層の属性や価値観、生き方、生活習慣、人生観、宗教観など。人生を送るうえでの考え方や判断軸。またその行動指向を言う 6つのライフコース分類と21人のペルソナ 弊社では毎年、国勢調査データをもとに女性を分類したレポート「HERFACE」を発表しています。2016年版では、書籍『ライフコース・マーケティング』(日本経済新聞出版)の監修者、学習院大学経済学部経営学科青木幸弘教授にご協力をいただき、6つのライフコース分類と「21人のペルソナ」を製作しました。 2021年版は、新たにに独自調査を加え、15歳以上の女性たちを分類し、実際に同じステージにいる女性たちにヒアリングと修正を繰り返して仕上げました。 私の知る限り「日本の15歳以上の女性」を分類し、ペルソナを作成しているのは弊社だけだと思います(他に存在すればぜひ教えてください)。 次回は、6つのライフコースの分け方について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。