「旅育メソッド®」を取り入れた新しい家族旅
リゾナーレ八ヶ岳が提供する旅育「馬の学校」でのえさやり体験
同社が展開するホテルブランドのうち、主に家族層の利用が多いリゾート宿泊施設「リゾナーレ」。
現在、国内外合わせて7カ所(トマム・那須・熱海・八ヶ岳・大阪・小浜島・グアム)で運営しており、各施設で子ども向けアクティビティとして「旅育」を提供しています。
2404「旅育」が通常の家族旅行と大きく異なるのは、旅育コンサルタントである村田和子さんが提唱する「旅育メソッド®」を取り入れていることです。
「全員参加で家族旅行の計画をたてる」「旅先では子どもが1人で過ごせる時間を作る」「その土地ならではの体験で、子どもの関心の芽を育む」「旅の思い出をかたちにして語り合う」という4つのポイントを基軸に置き、主に幼児から小学校低学年までの子どもが、「旅の計画に関わり1人で過ごす機会」を持てるようサポートしてくれます。
それまでもリゾナーレの各施設では、親子で楽しめるアクティビティを提供していましたが、2022年9月、「旅育」として新たな学びのサービスを開始。
施設ごとに「旅育」特設サイトを用意したり、体験にミッションシートを導入するなどして、子どもがより学びやすい環境を整えていきました。
「10年以上前に、リゾナーレ八ヶ岳のアクティビティスタッフから『達成感や創造力を育むようなアクティビティを提供する事で、家族旅行の満足度を高められないか』という問題提起がありました。
その頃から『旅育』の重要性についてホテル内でも議論が始まりました」と語るのは、マーケティンググループリゾナーレマーケティングマネージャーの堀井仁さんです。
当初「旅育」は、2020年5月のリリースを目指していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で昨秋のサービス開始となりました。
米作りなど夢中になれる体験がそろっています。
◆KEYPOINT:
旅の計画段階から子どもを参加させる、思い出を形にするなど4つのメソッドを旅に取り入れる
出発前の子どものモチベーションを上げるため子ども専用サイトで旅先の知識を事前に学ばせる
ファミリー媒体を狙って露出を増やすことで認知度を上げる
リゾナーレ八ヶ岳の旅育ミッションシートと記念バッジ
「旅育」では自分の行きたい場所、体験したいことを明確にするため、旅の計画段階から子どもを参加させることを推奨しています。
現地のことを学びながら、旅の楽しみをかきたてるツールとして、リゾナーレの各施設では「旅育」専用サイトを公開していますよ。
明るくポップなテイストで描かれた宿泊先の地図を見ながら、いくつものクイズに答えていくと、「ヒミツの合言葉」が手に入ります。
それを現地で伝えれば、ミッションシートを活用したスタンプラリーが体験できる仕組みです。こうした事前準備に加え、現地で体験できる内容がまた興味深いものでした。
各施設において子どもが親から離れて1人で体験できるアクティビティをいくつも提供していますが、もっとも高い人気を誇るのがリゾナーレ那須の「お米の学校」です。
米農家の協力のもと、年間5回を通じて種まき・収穫・脱穀・精米作業を体験していきます。
最後の回では、田んぼで炊き上げた釜の白米を味わえるのが特徴。
稲と格闘しながら手を動かし、空や土の色を目に焼き付け、舌で素材を味わうことができます。
子どもたちは五感をたっぷり駆使することで、日常では出合えない貴重な時間を全身で受け止めることができます。「お米の収穫時期となる10月には、すぐに予約が埋まってしまうほどの人気プログラムです」と堀井さんも太鼓判を押していました。
特にお米は、普段の食卓の中でも最も身近な食材であるため、小さな子どもでも強い関心を持って取り組んでくれるといいます。
参加者も「普段行わない田植え体験をしたことで、『今までの旅行で1番楽しかった!』と目をキラキラさせて子どもが話してくれた」「10月の稲刈りもぜひ参加したい」と喜んでいるようでした。
リゾナーレの「お米の学校」の様子
家族向け媒体を中心としたプロモーション展開
「旅育」でもう一つ注目したいのが、旅の思い出を形にすることに力を入れている点です。
前述したように「ヒミツの合言葉」で入手できるミッションシートは、ホテル内を巡りながら写真撮影をしたり、クイズに回答できる内容になっています。
「シートは子どもが意欲的に楽しめる内容になっており、ミッションを達成するとリゾナーレオリジナルの記念バッジを提供しています。裏側には写真を貼るスペースを用意しており、家に帰ってから旅の思い出写真を貼り、部屋に飾ってもらえるような工夫を施しています」(堀井さん)そんな「旅育」では、さらなる家族層への訴求に向けて、ファミリー媒体へのプロモーションを積極的に行っています。
小学館の子育てサイト「HugKum(はぐくむ)」や子どもとのお出かけを扱う情報サイト「いこーよ」での記事掲載をはじめ、テレビ取材での露出も複数こなしてきました。
結果として、放映後は公式サイトのアクセス数が大きく跳ね上がり、「旅育」の認知に大きな役割を果たしたといいます。
これからもファミリー媒体でのプロモーションを意欲的に継続していきたいという堀井さん。最後に今後の展開について尋ねてみました。
「各施設には旅育プログラムをご用意しておりますが、一部のプログラムについては期間が限定されています。いつ来ても旅育プログラムを体験できるよう、各施設で通年での旅育プログラムを今後も開発してまいります」(堀井さん)旅をきっかけに子どもが生き生きとし、また1つ成長します。「旅育」がもたらしてくれる影響は、私たちの想像以上に広く、深く、大きいのですね。
リゾナーレ熱海のエントランス
◆インタビュー:
星野リゾート
マーケティンググループ リゾナーレマーケティング
マネージャー 堀井仁 様
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