【丸喜株式会社】“手元供養”という新しい供養文化を生活者へ。認知度倍増へ、顧客理解を深めEC販促につなげた1年
- 女性インサイト総研
- 9月5日
- 読了時間: 6分
更新日:9月22日

祈り百貨店(運営:丸喜株式会社)

供養・祈りに関するECサイト「祈り百貨店」を運営する丸喜株式会社様。同社がこの1年取り組んだのは、“手元供養”という新しい供養スタイルを切り口に、生活者の声を丁寧に収集・分析し、顧客像を可視化することでした。
アンケートや座談会を通じたインサイト把握から、EC販促や広報活動への展開まで、データを基盤にした実践的な活動は、認知度倍増と売上拡大という具体的成果へとつながりました。
■INDEX
プロジェクトのテーマ・方向性・目標
■テーマ
「供養=仏壇・墓」という固定的なイメージを超え、“手元供養”という新しいスタイルを生活者に提示することで、現代の暮らしに寄り添う祈りのあり方を発信する。
■プロジェクトの方向性
20~60代女性を対象としたアンケートや座談会を通じて、供養に関する価値観や意識を把握。得られたデータをもとに顧客像を可視化し、ECサイト「祈り百貨店」の販促や広報活動に反映する。加えて、子育て世代を中心に参加できる体験型ワークショップも実施し、祈りを日常的な体験として伝える。
■目標
アンケートや座談会を通じて生活者の声を収集し顧客像を可視化。認知度調査で成果を検証しながら、得られたインサイトをECサイト「祈り百貨店」の販促や広報活動に反映し、利用促進と供養文化の浸透につなげる。
アンケートで認知度倍増、売上も大幅にアップ

15~70代の女性を対象に3回のアンケートを実施。初回では「手元供養を知っている」と回答したのは12.5%にとどまりましたが、3回目には24.9%へと増加しました。「知らなかった」と回答した層も61.4%から50.6%へ減少。わずか1年で認知度が倍増し、“手元供養”という言葉が確実に生活者に浸透しつつあることが示されました。
こうした認知の拡大は販促効果に直結し、売上も着実に拡大しました。立ち上げ当初から成長を続け、直近でもその勢いを維持しており、わずか1年半で大きな成果を生み出しています。調査と施策を組み合わせた取り組みが、事業の成長を後押ししていることが明らかになりました。
座談会で見えた“現代の暮らしに合う供養スタイル”

20~60代の女性を対象にした座談会(カフェ会議)では、仏壇や供養に関する率直な声を収集しました。
「仏壇は大きすぎて住まいに合わない」「リビングに置けるインテリア性がほしい」「子どもにも自然に祈る時間を持たせたい」といった意見から、現代のライフスタイルに沿った新しい供養の在り方が浮かび上がりました。これらの声は、単なるニーズ調査を超え、次の施策を考えるうえでの重要な示唆となっています。
子ども向けワークショップで次世代へ“祈りの体験”を届ける

次世代へのアプローチとして、弊社が主催した児童向けのイベント『キッズいきるちからフェス』に出展。「念珠ブレスレット作りワークショップ」を行いました。子どもたちはキラキラ輝く石やマットな質感の石を選び、スタッフの指導を受けながら一つひとつ丁寧にブレスレットを制作。ただブレスレットを作るだけでなく、祈りの大切さを感じ、日常に感謝の気持ちを持つきっかけを得てもらうことを目的としたこのワークショップを通じて「祈りは身近なもの」というメッセージを広く発信することができました。
ペット供養で広がる新たな需要と商品開発のヒント

加えてペットのお見送りを経験された女性消費者を対象にした座談会も実施。「葬儀社のパンフレットにはこんなに可愛い骨壺はなかったので知っていたら選びたかった」「丸い骨壺は、ペットの目の色を選べたら嬉しい」といった具体的な声が寄せられました。こうした意見は、商品開発やEC販促に直結する実務的なインサイトであり、祈り百貨店の商品拡充や販促強化への新たな方向性が見えてきました。
オリジナルガイドBOOK制作し、新しい供養文化を啓発

さらに、丸喜様ではアンケートや座談会で集めた声を反映した「初めての手元供養ガイドBOOK」を制作しました。多様な供養のかたちを分かりやすく紹介し、生活者が自分に合った祈りのスタイルを選びやすくなる内容です。小冊子という形で手に取れる媒体を用意したことで、新しい供養文化を広める啓発ツールとしても役立っています。
記事を通じて外部発信、認知拡大を狙う

調査やイベントで得られた知見は、定期的な面談を通じて社内の販促施策に反映されるだけでなく、弊社が運営する一般女性向けサイトや法人会員向け会報誌でも紹介。外部発信を重ねることで「手元供養」という新しい供養スタイルの認知を広げ、EC販促だけでなく業界全体への啓発にもつなげました。
調査データと顧客の声を販促戦略に直結、事業成長を実現

本取り組みは、“手元供養”という新しい価値を生活者の声に基づいて検証し、データとインサイトをEC販促に直結させた点に特徴があります。
アンケートや座談会に加え、体験型施策を組み合わせることで、「祈り百貨店」は単なるECサイトにとどまらず、現代の暮らしに合った祈りのスタイルを提案する存在感を高めました。
プロジェクト全体を振り返り、「顧客像の見える化が進み、今後の販促や商品開発の基盤になった」との声もいただきました。また、冊子や記事といった成果物が社内共有や取引先説明の場で活用できる点も評価され、今後はこうした取り組みを通じて業界全体に新しい供養スタイルを広げていきたいという展望が語られました。
今後も、継続的に生活者の声を取り入れることで、商品開発や販促施策への応用が期待され、供養文化をより身近なものとして次世代へと継承していく可能性が広がっています。
本事例のように、HERSTORYでは生活者の声をもとにした調査から、社内活用・冊子や記事化による外部発信まで、一連のプロセスを伴走支援しています。顧客理解を「伝わる形」に変えることで、認知拡大やPRにつなげたい企業様にご活用いただけます。




コメント