変化する女性のデータから読み取る消費の未来
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変化する女性のデータから読み取る消費の未来

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.10


女性視点マーケティング戦略コラム


女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第10回目は、女性の就業率のデータから女性の生き方や価値観を読み解いていきます。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。


 

くるくる変わる女性の生き方や価値観


人生のどの時点にいるのかで、価値観がくるくると変わります。なかでも結婚・出産・育児というライフイベントにいる女性は、日常生活に与えるインパクトが大きいため、価値観は目まぐるしく変化しています。


女性全体が今、どんな状況に置かれて、そのなかでどう生きていようとしているのかをデータから読み取っていきたいと思います。特に経年的なデータを見れば、右肩上がりなのか右肩下がりなのか、山なのか谷なのかで、5年~10年先のグラフがどうなるかが大方読めるはずです。

また、私たちは国の政策によってレールが敷かれていきます。今後、国が手を入れていくポイントは、男女差の大きい数値や、国際比較において女性活躍が遅れている分野です。この2つの現状を把握すれば、この先の国の動きは予測できるはずです。


まずは実態を見ていきましょう。


家庭と仕事の両立から見た女性の就業の現状


女性の就業率は過去最高70%を超え、さらに過去最高を更新し続けています。またすべての年代で就業率が上昇しています。

働く女性が増えるということは、時間の使い方、買物の仕方が変わります。この30年で女性たちは自分の生き方を自由に選択するようになったことで、昔のように多くの人が同じ年齢・時期に結婚、出産をして一時期仕事を離れるというようなことはなくなりました。


もうひとつ意識していきたいデータがあります。


それが正規雇用か非正規雇用かです。

以前は女性マーケットを語るうえで、専業主婦と有職主婦の比率を見ていましたが、専業主婦と有職主婦の比率が入れ替わったのは、2004年から2008年あたりです。


ここから一気に「働く女性」という言葉のほうがマジョリティになっていきました。


就業率が上がっていると聞くと、イコール正規社員と思いがちですが、女性の就業率の上昇は、非正規雇用のほうが多いのです。いわゆるパート、アルバイトなど時間や日数で働く人です。

これは見落としがちな大きなチェックポイントです。


女性の半数は非正規雇用で働いている事実


今現在、女性の半数以上は非正規雇用で働いているのです。反対に、男性は圧倒的に正規雇用が多いのです。つまり、女性は男性と比べると不安定な立場にあるということです。

30代40代は、仕事に責任が出てきて忙しくなってくる時ですが、その年代で非正規が多いという数値からは、就業と家事育児の両立の難しさがあるということがわかります。コロナ禍で表面化した女性・非正規に厳しい日本の現実ですが、介護、保育、医療、スーパー、コンビニ、旅行、ブライダル、観光といった分野を支えているのは非正規の女性です。


コロナ禍後の雇用予測


コロナ禍で職を失い、困窮、絶望、自殺増加を起こしました。しかし今後、非正規雇用よりも正規雇用のほうが大きくなっていく流れが予測されます。そうすると、日本の消費社会は変わっていくでしょう。

女性たちのほとんどが、今より家庭時間が減るため、家族との共働連携や代行サービスの利用、効率化のための家電やデジタルツールなどはどんどん活用されていきます。


次回は、今後10年の家事育児と仕事から見た予測についてお話しします。


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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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