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- 体内カレンダーを使い、五感で移ろいを楽しむ女性たち(後編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.47 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第47回目は、女性の五感を意識することの重要性について解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 心地よい音に集う女性の「聴覚」 赤ちゃんの泣き声で、お腹が空いたのか、おむつが汚れたのかなどを聞き分け、夜中の小さな声でも母親は敏感になります。女性は、鳥の声、水の音、木々の音、風の音、笑い声、料理の音、店内の音楽、上司の声、夫の声、それらが「幸せ」の音かどうかを聞き分けているのです。 逆に、怒鳴る、威嚇する、危険音などを察知するとその場からできるだけ遠ざかろうとし、心地いい音の場所に集います。 見た目情報を重視する女性の「視覚」 視覚情報が一番、脳に入ります。女性は、目で見た情報と行動が直結するのです。 美しいか、全体にバランスは取れているか、違和感がないか、視界に不快はないか、素敵にコーディネートされているか、わくわくするか、新鮮か、食べ頃か、パッケージが素敵か、おいしそうかなど、見た目の情報はできるだけトータルに編集されて、「なんかいい感じ」と、「感じる」編集力やセンスを求めます。 どんなによい商品でも買った自分が「幸せ」な気分になれることが、見た目から伝わるようにする必要があります。 子どもの未来を脅かさないようにする「味覚」 おいしいかどうかは男女誰しも大切なことです。女性は、自然由来を大切にします。自分の食べる物は、子どもにつながっているからです。 それを本能的に察知するため、有害物の摂取は、男性以上に敏感です。アレルギーを持つ子どもへの授乳のためには、母親も一緒に食事制限をします。自分の口から入ったものが子どもたちの未来を脅かすことがないように、バランスを重視し、食べてくれるように工夫し、おいしい食事になるようにバランスと調理に配慮します。 丼よりは幕ノ内、単品よりはプレートやコースなどを好むのは、「いろいろ食べる」ことを重視するからです。味、彩り、栄養バランス、体にいいもの、楽しい雰囲気、そのすべてから「おいしい」になるからです。 快不快を判断する「触覚」 「赤ちゃん」の肌触りを基準に、「気持ちいい」「ザラザラしている」などの快不快を判断します。舌触り、手触り、指触りは敏感です。肌、髪、体をなでるような感触や、抱きしめて頬に顔を寄せた時のような柔らかさ、ふわふわ、ほかほか、ぷにょぷにょ、ふんわりなど、「まるで赤ちゃんの肌のように」という宣伝文句は、女性にとても響く言葉です。毛布、化粧品、下着を含め、体を直接温める衣料品や食品には特に大切な感触です。 五感から様々な情報を得て楽しむ女性たち こうして女性たちは、五感からさまざまな情報を得て、身近な楽しみに変換させていきます。トレンドが好きな理由でもあります。 大切なのは、カレンダーと五感を意識して、新しい情報を提供し続けることです。女性たちは、「次は? 次は?」と楽しみにしてくれ、繰り返し来て購入します。 女性の「快」は、五感から感じる心地よい感覚 女性の「不」は、五感に違和感のある感覚 次回は、女性視点マーケティングで間違えてはいけない集団群について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 体内カレンダーを使い、五感で移ろいを楽しむ女性たち(前編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.46 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第46回目は、女性の五感を意識した新しい情報を提供し続けることの重要性について解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 周期性を持っている女性の心の揺れ 女性の脳は、周期性を持っています。これは排卵など生理との関係が深いです。 男性の脳は、胎児期に周期性が不活性化しますが、女性の脳は、周期性や左右の脳の行き来から、「不安」や「心の揺れ」があるため、何より大切なのは「悩みの共有」です。 女性同士が、カフェで話す、ロールモデルがいる、相談相手がいる、コミュニティサイトで悩みを共有する、傍らで見てくれている人がいる、など、「悩みの共有」をキーワードにするのは、女性脳の本能が求める中枢の「欲求」だからです。 女性は、体が暦でもあり、それが「月経」です。 男女は、共に10歳前後で、初潮や精通を迎えます。女性の生理は、そこからほぼ毎月、およそ50歳前後まで、月単位でカウントがあります。つまり、女性は月単位でカウントする暦のサイクルを体内に持っているのです。 このカレンダーと共に人生の活動的時代の大半を過ごします。生理の前後から期間中を入れると、月に10日くらい「気分が揺れやすい」時があり、心身のバランスを取ろうとします。自らの気持ちを上げる楽しみを探したり、創り出したりするのです。 五感を使ってセルフマネジメントを行う女性の楽しみ方 体が暦なら脳も暦を活かしてストレスを癒そうとします。 例えば、「もうすぐハロウィンだから、おばけグッズ買おうかな」「クリスマスだから、玄関にリースをつけよう」「そろそろ誕生日ケーキを予約しよう」など、身近な暮らしに楽しさを加えようとセルフマネジメントを行なうのです。 定期的にやってくる憂鬱な体の変化、それには関係なく毎日が過ぎていきます。 自分のこと、仕事、家事育児、親、知人、地域などさまざまなことが気になるし、気を張ります。だからテーブルを飾る、花を生ける、ネイルを華やかにしてみるなど、日常に小さなイベントを創り出して気分転換を楽しむのです。 そのために女性たちは、五感が発達しています。音、香り、手触り、色など、五感から入る情報は、彼女たちにストレス解消、自己防衛、心地よさ、幸せ感などを与えてくれます。 心身の状態に合わせて香りを選択する「嗅覚」 赤ちゃんの匂い、経血の匂いなど、匂いを分別し、果物が熟れた匂い、パンを焼く匂いなど、妊娠中に食の匂いで吐き気を催すなども含めて、香りは重要です。 ハーブティー、入浴剤、芳香剤など、自分の心身の状態に合わせて香りを選択します。 「いい香り」は、女性には重要な惹きつける要素で、ありとあらゆる場所で、女性にとっての「幸せ」を想像させる香りを届けるのが良いでしょう。それは時に無臭という選択肢もあります。 次回は、引き続き後編で女性の五感を意識することの重要性について解説いたします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 長い買物をする女性の行動と本能
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.45 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第45回目は、女性の購買行動について解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 木の実を拾うようにあちこち見て回る女性の購買行動 女性の買物は、まるで木の実を拾うような行動です。 よく「女性の買物は長い」と言われています。「妻と買物に行くと、『さっき行った店にもう一度戻っていい?』と言われることがあるが、正直、あの行動がよくわからない」と、妻の行動を不可解だと言う男性がよくいます。 なぜ、女性たちの買物は、木の実を拾うように、あちこち見て歩くのでしょうか。 これも本能的な行動様式に起因します。 行動範囲が狭くなる女性のストレスフリーの暮らし方 女性は、妊娠、出産、子育てをする期間、行動範囲が狭くなります。そんな期間でも、身近な場所で、情報を拾って、楽しめるようにできているからです。行動範囲が狭くても、ストレスにならない暮らし方を身につけているのです。至近距離で楽しみを見つけることが得意にできているのです。 「そのカバン、かわいい」「イヤリング、素敵ね」「ネイル、秋らしいわね」 朝、職場に女性たちが集まると、即座にこんなあいさつでコミュニケーションを交わしています。身近な視界の、他人の姿をパッと見て、持ち物や髪型や服装や表情などを読み取るのです。目の前に、新しい情報やきれいな色が目に入ると気になる特徴があります。 私はスーパーマーケットのマーケティングをアドバイスする時、「目的買いとしての売場」とは別に、「新しい出会いを提供する立ち寄り場」を考えます。 「予定にはなかったけど、思わず買っちゃった!」を起こす足止めスポット。時には、「これ、お母さんに買っていこう」となるし、「あっ、ママ友会で配るのにちょうどいい」と考えて予定外のものを拾っていくのです。 店舗は、女性にとって移ろいゆく美しい野原なのです。 商品は葉や花や木の実で、今一番、おいしいのはコレ! と自信を持って旬やトレンドを押してほしいと思います。 男女の購買行動を整理して言葉にすると、男性はBUY、女性はSHOPPINGの特徴といえるでしょう。 目的のために買物をする男性の購買行動(目的購入) 男性の購買行動は、目的のモノをベストチョイスする探索力と、確実に獲得するスピードが重要で、高品質、高性能なモノを最高の条件でゲットすることに注力します。自分で調べて、比較して、購入を決定するため、他人のクチコミなどにも影響されません。「買物=戦利品の獲得」のような行動です。 出会いを楽しむ女性の購買行動(回遊購入) 女性の購買行動は、SHOPPING(回遊購入)回遊買いを好みます。よい商品を買うための合理的な左脳と、「うれしい」「楽しい」という情緒的な右脳を同時に重視しているのです。買物に来た(左脳)から、せっかくなら出会いを楽しみたい(右脳)と考えます。 POPや友達の評判など他人のメッセージを参考にしやすく、「買物=物の獲得+新しい情報や物に出会う楽しみ」を期待しています。 次回は、五感で移ろいを楽しむ女性の本能について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 未来を創る子どもたちの“生きる力”を育む『 キッズいきるちからフェス2024』開催!出展企業・サポーター募集中
女性インサイト総研を有する株式会社ハー・ストーリィ(本社:東京都港区、代表取締役:日野佳恵子)は、キッズマーケ部の旗揚げイベントとして「キッズいきるちからフェス2024」を開催いたします。イベントは2024年9月23日(月・祝)、JR原宿駅「WITH HARAJUKU HALL」にて開催されます。 ◆キッズマーケ部とは HERSTORYの社会貢献事業の一環として発足しました。全国の女性生活者のインサイト調査を行う中で、最も多く聞かれるのが「子どもの将来が不安・生きる力を身につけさせたい」という声です。この声に応えるべく、文部科学省が掲げる「生きる力」の育成を目指し、学校や塾では学びきれない「生きる力」を子どもたちに体験を通じて学んでもらうことを目的としキッズマーケ部を立ち上げました。 ◆ イベント実施の背景 2024年3月に実施した「子供の将来について」の調査では、70%以上の親が子どもの将来について不安を抱えていると回答しました。多くの親が、子どもたちが自分で考える力を身に着けるためには「生きる力」を付けることが必要であると考えています。文部科学省は、学力と人間性、健康・体力をバランスよく育てることを目指した「生きる力」を目標方針に掲げており、「生きる力」を【自ら聞き・調べ・考え、答えを導き出す力】と定義しています。 しかし、これらの力を学校や塾だけで学ぶことには限界があるため、親たちの不安が増しています。当社は、この「生きる力」の定義がマーケティング業の日常と同じであることに気づきました。1990年の創業から培ってきたマーケティング事業を未来につなぎ、子どもたちに「生き抜く力を養う機会」を提供したいという使命感から、「キッズマーケ部」を立ち上げ、その旗揚げイベントとして「キッズいきるちからフェス2024」を開催いたします。 ◆ 「キッズいきるちからフェス2024」イベント概要/出展のご案内 子どもたちの未来を一緒にサポートする企業様の出展・サポーターを募集しております。 日時 2024年9月23日(月・祝) 11:00~16:00(予定) 会場 WITH HARAJUKU HALL(JR山手線「原宿」駅東口徒歩1分) 参加予定規模 親子200組(600名以上) 対象 子ども2年生~5年生想定(兄妹参加など自由) 一般入場料 無料 イベント内容 ・生きる力を5つのテーマに基づき体験、遊びなどを楽しみながら親子で学ぶ ・ステージ、企業ブース出展あり ※コンテンツは変更の可能性があります 主催 キッズいきるちからフェス実行委員会 《生きる力5つのテーマとキラーコンテンツ》 ①テクノロジー:マインクラフト×プログラミングのワークショップ (テックパーク https://www.techpark.jp/ ) ②ウェルネス:食事と健康についておやこ保健室 (ラブテリトーキョー&ニューヨーク https://www.luvtelli.com/ ) ③マネー:日本のお金、世界のお金についてのセミナー (キッズマネーステーション https://www.1kinsenkyouiku.com ) ④コミュニケーション:外国人留学生との多国籍交流イベント (東京ビジネス外語カレッジ https://www.isi.ac.jp/tbl/ ) ⑤マーケティング:自ら考え、行動し、決める力を養うワークショップ (キッズマーケ部 https://kidsmarke.herstory.co.jp/ )
- 買い物のグローバル化が加速中!日本にないデザインや体験を求める女性たちの「越境消費」は中国・韓国が圧勝
女性インサイト総研を有する株式会社ハー・ストーリィ(本社:東京都港区、代表取締役:日野佳恵子)は、法人クラブ会報誌「HERSTORY REVIEW」の7月号トレンドレポートを発表しました。今回の調査では、女性たちが多様な購入チャネルを使い分け、国境を越えてニーズに合った商品を購入していることが明らかになりました。 ◆今月の調査背景 日本は世界第4位の貿易大国であり、2023年の貿易総額は211兆645億円に達しています。輸出額は初めて100兆円を超え、過去最高を記録し、輸出入の増加傾向が続いています。SNSやインターネットの普及により、海外トレンドが日本に迅速に取り入れられ、インフルエンサーや有名ブランドの情報が即座に共有されるようになりました。 また、Eコマースの普及により、海外商品を直接購入する機会が増えています。さらに、コロナ禍以降、円安の影響もあり海外での日本ブームが再燃しており、2024年3月には308万人を超える外国人旅行者が訪れ、日本の商品や文化が再評価されています。ラーメンや寿司、アニメ、ファッション、美容品、自動車、家電など多岐にわたる日本製品が海外市場で高く評価されています。 調査期間:2024年4月24日~4月29日 調査方法:インターネット調査 調査対象:15歳以上の女性638人 調査会社:株式会社ハー・ストーリィ 協力:一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会 ◆最大で購入経路81チャネルも!国境越えの買い物、女性たちのこだわりスタイル 女性たちの海外商品購入スタイルを探る量的調査(定量調査) Q. 直近 1年以内に海外製品を購入しましたか。 ※当社の女性クラスター定義…ライフコース(職業・家族構成を加味した人生コース)とライフステージ(年齢・年代という人生の立ち位置)の交点における10の特徴的な集合体。出典:HERSTORY REVIEW7月号 単身者では、若年層ほど海外製品を購入する傾向が強く、中堅シングルやベテランシングルになるにつれて購入しない人が増える傾向にあります。子どもが少し成長した児童・思春期ママが最も購入経験が高いです。若年層は新しいものや洗練されたデザインのものを求める一方、中高年層は実用性や信頼性に不安を感じ、子育て世帯では乳幼児期の子どもがいるため、安全性が保障されないものや壊れやすいものを避ける傾向があります。 Q.直近1年以内に購入した海外商品について、それぞれ購入した国を教えて下さい。 23カテゴリ中、「中国」は11カテゴリで1位。「韓国」は6カテゴリで1位、8カテゴリで2位という結果に。中国はファッション、インテリア、キッズ・ベビー、セルフケア・日用品というカテゴリにおいて人気が高く、韓国はコスメ、食、エンタメが人気だった。 ◆ 購入チャネルから見る買い分け行動 女性消費者は、以下のような異なるニーズに応じて購入経路を選びます。 店員に相談しながら購入し、自分に合った商品を確認したい 子どもがいるため、自宅でゆっくりと商品を選びたい 新作や多様な商品を見て決めたい 重たいものは自宅に届けて欲しい 商品の品質や性能を手に取って確かめたい これらのニーズに応じて、ネット通販とリアル店舗をうまく組み合わせることが重要です。オムニチャネル戦略を活用して、ネットとリアルをシームレスに連携させ、消費者に最適な購入体験を提供することが求められます。 海外商品購入のきっかけ・海外製品の良さに迫る情的調査(定性調査) Q. 海外商品の情報はどこで見ている? 15~24歳単身者女性(クラスター:プレ社会人層) InstagramやLINEを主に利用。コスメはクチコミサイトを参考にし、実際にお店で試してから買います。成分表示や原材料を見て納得してから選びます。 既婚/40~64歳の夫婦二人の家庭の女性(クラスター:ミドル夫婦層) 友人のクチコミやInstagramがメイン。トレンドや新しいものに敏感な月1で会う友達がいて、新しい情報を教えてくれます。その情報が信頼できるので参考にしています。 Q.これから買いたい海外商品は? 25~44歳/既婚・第一子0~6歳のママ(クラスター:乳・幼児期ママ層) サプリメントを試してみたいです。国産も安全かわからない状況なので、できれば安全なもので、かつ安いものを大手ECサイトで探したいです。クチコミ検索も参考にします。 既婚/既婚・第一子16歳以上のママで64歳以下の女性(クラスター:青年・成人期ママ層) 海外のアルコール飲料や、韓国の食材が気になっています。韓国食材に興味を持ったきっかけは、大手スーパーで見て量が多いのが目に留まったからです。 ◆女性インサイトからみえた着眼点・まとめ 女性たちは、非日常感や多様性を求めて海外商品を購入しています。中国や韓国をはじめとする世界中のトレンド情報やクチコミを、SNSを通じて即座に入手し、それが購入のきっかけとなっています。購入時には目的に応じて多様な購入チャネルを賢く使い分けることが特徴です。 また、海外事業展開においても現地の価値観やライフスタイルに合わせたローカライズが重要であり、クチコミは強力な販促ツールとして機能します。女性消費者の行動を理解し、これをマーケティング戦略に反映させることが求められます。 ◆詳細記事は法人クラブinherstory会報誌『HERSTORY REVIEW7月号』でご覧いただけます。 法人クラブ「inherstory」とは? 女性インサイト研究に特化した法人クラブのサービス。年会費税込54,000円で3つの特典が受けられます。 1.女性月刊インサイトレポート『HERSTORY REVIEW』が会報誌として毎号届く 2.データの自由ダウンロード ・会報誌のバックナンバーの公開 ・調査データのダウンロード、解説動画が見放題 ・調査データのダウンロードおよび自由活用 3.法人会員専用LINEオープンチャットに参加可能!女性インサイトの最新情報が手元に届く ★その他セミナーや一般女性たちとの座談会などにお得に参加できます。
- 「かわいい」に隠された心理と女性が好む色と形の秘密
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.44 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第44回目は、女性の「かわいい」に隠された本能的な理由について解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 海外にも広まってきている「かわいい」という言葉 女性がよく口にする「かわいい」という言葉ですが、最近は海外にも広がってきました。 この「かわいい」は、赤ちゃんが持つ要素を持っているものに多く言われていることにお気づきでしょうか。 小さなサイズの小物や人形、頭が大きくて体や手足が小さな二等身のぬいぐるみ、ぷにゅぷにゅした触感や手触り。タピオカやお餅のようなお菓子、もちもち感のあるパン、赤ちゃんの大きくてふりふりしたお尻は、見ているだけで微笑んでしまいます。 赤ちゃんを想起させる女性の心理 ドナルドダックのお尻が人気なのも、赤ちゃんの要素であるお尻のように「かわいい」からです。 また、よく女性はピンク色が好きとイメージされますが、ピンク色は「赤ちゃん」の赤から白までのグラデーションの色で、ピンク色は、赤ちゃんを想起させる究極の「幸せの色」だからです。 そして心臓、ハートのイメージとも一致します。女性がピンクに惹かれるのは、赤ちゃんと「幸せが満たされているハート」の象徴カラーだからです。 女性は、本能的に赤ちゃんと一心同体です。もしも赤ちゃんの顔が真っ赤なら熱がある、顔が真っ白なら血の気がない、どちらも命に危険が及びます。女性は、真っ赤から真っ白までの間の色のすべてが見えるようにできているのです。 パステルカラーを好むのは体の状態を読み取るため 女性がパステルカラーを好むのもこのためです。肌の色やうんちの色など、微妙な色合いから体の状態を読み取ることができます。健康的な顔色なのか、ご機嫌の顔色なのか、つらそうな顔色なのか、赤ん坊の顔色で状態を見分けることができます。自分の顔も毎日、鏡を見て化粧します。肌の色がくすんでいるか、調子がいいかなどを見続けているのです。 女性は顔色や肌の色、微妙な色の変化から相手の状態をつかむことができます。 女性の「快」は、赤ちゃんを想起できる色、質感、形、感触などです。女性の「不」は、赤ちゃんを想起するのと反対。強い色、硬い、ゴワゴワした質感、ゴツゴツした感覚、鋭角的鋭さなど、凶器、鋭利、危険を感じる要素です。 「女性はみんなピンクが好き」は間違いです。「女性はみんなピンクに惹かれるようにできている」が正しいのです。好きな色は別にあることも多く、ピンクが好きなのではなく、ピンクだけは別格なのです。 次回は、女性と男性の購買行動の違いについて解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 日本国内での調査結果から見る男女の脳の違い
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.43 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第43回目は、男女の脳の構造と機能の違いについて、詳しく解説しています。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 男女の思考パターンに関する研究の背景 「男女の思考パターンに違いはあるか? 男脳・女脳の分析」という調査結果があります。 この研究は、早稲田大学、東京学芸大学生の男女学生の思考を、平成15年から平成18年の4年間にわたって分析したもので、男脳・女脳テストを毎年約100名で実施し続けています(「東京学芸大学紀要 自然科学系第59集」)。 研究テーマは、男女共同参画社会の実現に対して、男女が仮に思考パターンで違いが認められた場合で、真の意味で男女平等を考慮するならば、思考パターン(脳の性差)も配慮すべきであると考え、大学生を対象に思考パターンの男度・女度の調査を行なったというものです(『話を聞かない男、地図が読めない女』(アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ著 主婦の友社)に掲載されている判定診断を使用)。 男女の思考パターンの調査結果 〈男脳・女脳診断〉 男度の高い脳とは、空間能力、論理性が高い。 女度の高い脳とは、言語能力、共調性が高い 〈見解〉 この調査から、明らかに男女の思考パターンに違いがあることが示されていました。ただし、これらは男女の思考パターンが二分されるということを意味しているのではありません。 診断結果は、男子学生には男っぽい思考パターンを示す傾向が高く、女子学生は女っぽい思考パターンを示す傾向があることを示していました。近年、男女平等や多様性を語る時に、人間は同じであるという考えのもとに論じがちですが、多様性とは異なる傾向を無視するという意味ではないはずです。 真の意味で男女平等を配慮したものとは、個々の個性の前に、男女には大きな傾向が認められることを知り、さまざまな施策を講じなければ、結果、平準化の中で、本質的な問題を見落とし、不利益な人々を増やしてしまう危うさがあると感じました。 自社で行ってきた30の質問で行われた調査 この報告に類似した調査は、弊社でも行なってきました。 ウェブサイト上に「男女購買行動診断」を設置し、30問の質問の回答データとして蓄積してきました。その結果と酷似しています。 弊社の場合は、2004年から現在まで、すでに15年以上、8万人を超える蓄積データを取り続けています。 〈結果〉 男性は、約70%は男っぽい脳。中間が20%、残り10%が女っぽい脳。 女性は、約65%は女っぽい脳。中間が25%、残り10%が男っぽい脳。 男女の脳の構造と機能の違い 男性脳とは、左脳か右脳かを切り替える「方脳交互型」で、女性の脳は「両脳連携型」と言われています。 「両脳」とは、脳の左半球(左脳)と右半球(右脳)をつなぐ脳梁(神経線維の束)が、一般的に女性のほうが太いためです。女性は、左右半球の脳の接続がよく、連絡のしやすさからひらめきが多く、直観や感覚で物事を判断するタイプになると言われています。左脳とは、言語、事実、論拠をつかむ脳で、右脳とは、感情、情緒、感覚をつかむ脳です。女性の「快」は、右脳と左脳の連携が活発なため、事実と情緒がセットです。女性の「不」は、事実だけでも感覚だけでも納得できないことということを、覚えておいてください。 次回は、女性が発する「かわいい」から見る本能的な理由について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 脳科学の観点から見た男女の違い
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.42 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第42回目は、有名人への関心の持ち方や、ゴシップに対する反応の違いから男女の脳の違いについてお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 男女の脳の違いをめぐる議論とエビデンス 「男女は異なる認識をしている」と、私自身は約30年の仕事の現場から体得してきました。 ネット上には、「男女の脳は異なる」ことを書いた文章や図は膨大にあり、その逆に、「男女の脳の違いを語る本がありますが、証明はされていない」「あれは憶測や風評だ」「根拠がない」「男女の脳は違わない」などの言葉も多数見受けられます。 そこで、できるだけエビデンスを取りたいと、心理学、生物学、行動学、経営学、脳科学などさまざまな分野の「男女の違い」に関する書籍を集めてきました。 とはいえ、「脳」の中を覗き見るという分野だけは手が出せていません。 消費者の脳の反応を見るニューロマーケティング 今までの書籍で、もっとも腑に落ちたのが、「ニューロマーケティング」(ニューロ=脳神経)という世界でした。 ニューロマーケティングは、脳科学の立場から消費者の脳の反応を測定することで、消費者心理や行動の仕組みを解明し、マーケティングに応用しようとする試みです。おすすめの関連書籍の内容を一部、紹介します。 『マーケターの知らない「95%」 消費者の知らない「買いたい!」を作り出す実践脳科学』 (A・K・ブラディープ著 CCCメディアハウス) ※「女性脳が買物をする時」の項から抜粋 ヒトのほとんどの脳は似通っている。 ただし、重要な例外が2つある。 第1に、脳は加齢とともに変化する。 第2に、女性の脳と男性の脳ではハードウェアの配線が異なる。 (中略) 女性は、「心の理論」と呼ばれる能力(ミラーニューロン・システム)――他者の心の動きを相手の立場に立って推測する能力――に秀でている。女性はまた、他者に起きた出来事をあたかも自分に起きたかのように感じる能力がある。男性にも高度に機能するミラーニューロン・システムはあるが、男性の場合、他者の感情よりも行動を鏡に映したように繰り返す能力として現れる。女性には生まれつき高度の共感能力があり、他者の視点で世界を見る優れた才能が備わっている。そのため、女性消費者は、物語を聞くことが大好きで、他人がどう感じているかを知ることに強い関心を持っている。 ミラーニューロン・システム(他者の心の動きを相手の立場に立って推測する能力)は、さまざまな場面で、男女の違いを感じる時があります。 たとえば、タレントや有名人の話題について考えてみましょう。 男性の関心と女性の共感から見る思考パターンの違い 男性が、木村拓哉のファッションやスタイルに憧れて、つけていた時計がカッコいいからと購入するということはあっても、木村拓哉の妻や娘のことについて「木村拓哉の一家みたいになりたい」「家族で犬の散歩や料理の写真をインスタに上げて楽しみたい」という話題を長々とする男性はいません。 その逆に、女性はとても多いのです。 女性はどこか憧れの人の後ろ側に、その家族との関係や暮らし方なども含めて「憧れ」ているし、「こうであってほしい」があります。それは、そこに「幸せそう」と自分を重ねることがあるためです。 2020年に解散した嵐が国民的アイドルであった要素のひとつに、桜井翔さんが好き、松本潤さんが好き、というメンバー推しだけではなく、「嵐はグループの仲がいいから好き」という言葉を出す女性がとても多いのです。 「仲がいい」は女性たちが本能的に、夫婦、家族、集団という場所が「快」と判断するためです。 ゴシップ的な不倫騒動では、男性から見れば、「ヘマをしたな」「馬鹿だなぁ」「ま、あることだし、許してやれよ」と思う内容であったとしても、なかなか復活できないように見えるのは、女性視聴者のイメージダウンの大きさなのです。 女性が許さないのは、妻と子どもが自分に置き換えられた想像になるためです。 次回は、男女の脳の違いについて日本の調査論文について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 夫婦の買い物エピソードから見る男女が求める価値観の違い
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.41 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第41回目は、男女の異なる価値観について解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性が幸せを感じるために大切にしていること 女性脳の「快」は、「幸せ」を感じられることです。 集団で安全な場所で、妊娠中、乳児、子ども、老人、病人なども一緒になって暮らすことです。 もっとも大切なことは、みんなが平和で穏やかなことで、夫の無事を祈り、家族たちと笑顔で過ごしたいということです。 部屋の中では、子どもが口に入れたら危険なものはないか、テーブルの角に頭を打たないかなど、周囲をくまなく見ています。家の中や周辺の不安な要素を減らして、少しでも気持ちよく暮らせるようにしようとします。そのため装飾、花、食器、テーブルクロスなど身近な細々なモノを少しでも自分の心地よいモノで揃えたいと考えています。 女性脳の「不」は、集団から外されてしまうことです。腕力がない女性は、集団行動でわが身や子どもたちを守ろうとします。そのために日頃から、周囲と良好な関係を築こうとするのです。気配り、手土産、おもてなし、互いに興味がある情報の持ち寄り、おしゃべり、そのすべてが女性にとっては、大切な生きる術なのです。 脳の「快」の違いから生まれる価値観の違い 彼女は、自分の好みのデザインや素材の前に、子どもが使用したら自分が片づけることを想像します。 もちろん自分の好みのデザインや色もあります、まずは子どもが汚すことを先に想像し、自分のための車だったら、掃除のしやすさの中から自分の好みを選びます。 夫も、もちろん家族を大切に思っていますが、レザーの内装は譲れなかったのです。家族で楽しく出かけるための車を選んだのかもしれません。しかし、使用シーンから子どもが車内を汚し、片づける自分は想像していないのです。妻の仕事だと、頭の中からは消えているのかもしれません。 女性は、母親になると、物事を見ながら第一に「子どもが使ったら」を頭に浮かべます。何気ない日々の会話の中で、妻は夫のこうした言動を見て、「家族のことを思いやらないなんて冷たい人」と感じてしまうことでしょう。 しかし、この夫が特別でもなければ、悪いのでもありません。これはとても自然な男女の起こり得る「脳」の違いなのです。 夫にとっての「快」は、いい車に乗ってレザーシートに座る自分の達成感。 妻にとっての「快」は、子どもと快適に過ごし、ぐずっても粗相をしても「快適」ができるだけ維持できる装備を得ることで、楽しいドライブ自体が少しでもキープできること。 ふたりにとって、その逆は「不」なのです。 次回は、男女の脳の違いについてさらに詳しく解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- まずは理解してほしい、環境変化と男女の脳の違いへの理解
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.40 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第40回目は、女性視点マーケティング戦略を考える上で欠かせない、環境変化と男女の脳の違いについて詳しく解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 環境変化による女性消費者の動向とジェンダーへの理解 「女性消費者に起きている環境変化とその変遷、そして今とこれからを予測する」ことを習慣にしましょう。 特に日本の女性は、この30年ほどの間に、超スピードで変化をしているため、社会の流れ(潮流)をしっかりとつかんでいかなければいけません。 女性視点マーケティングに取り組もうとするプロジェクトメンバーの年齢がバラバラな場合(特に昭和世代の上司がいる場合)は、女性に対するイメージが進化していないままで進めると、大きなミスを起こします。 そのズレはじわじわと会社存続の危機になるほどです。 これは、脅しではありません。 たった30年前は、専業主婦が多い国だった日本が、今は、70%を超えて女性は就労しています。暮らしが変わらないはずがありません。また、近年は女性活躍推進などによって、働く女性の権限の上昇もあり、刻々と女性たちを取り巻く環境と生活を変化させています。 10年前の働く女性と今の働く女性も、すでにまったく違います。 女性視点マーケティングに関わるプロジェクトメンバーは、「女性視点マーケティング」をしっかり理解してほしいと思います。 女性消費者の動向を見極めるための継続的な情報収集 しかしながら、今回発信している記事は、この時期に合わせた情報でしかありません。 女性視点マーケティングでは、刻々と変化する女性消費者の動向を見ながら、先手でマーケットの変化を捉えていく必要があります。 マーケットの変化はスピードは速いため、手前味噌ではありますが、弊社が発行する女性消費者動向レポート「HERSTORY REVIEW」でキャッチアップしてください。 目まぐるしく変わる女性たちに、常にアンケートとオンラインインタビューを取り続け、リアルな声から変化の兆しをつかみ、その芽を拾って月刊で届けています。自社での情報収集に加えていただき、活用することをお勧めします。 ジェンダー理解を深め、消費者の購買プロセスを再考する 女性視点マーケティングを実践するためには、マーケティングプロセスのすべてにおいて「男性と女性の異なる感覚」があることを理解して進むことが重要になります。 以前の記事で「女性視点マーケティングは、従来のマーケティングを疑う」ところからはじめてほしいと書きましたが、もっと細かく言えば、マーケティングにおける「認知→関心→購入→評価」という消費者の購買プロセスにおけるすべてを疑ってほしいと思います。 「響くこと」が異なる男女の脳への理解 それらすべての判断は、「脳」がしています。男女は異なる脳を持っていて、買物は、目の前の視覚情報を通じて脳にいきます。 脳で「快」「不」を判断して行動へ移るのです。そして「脳」は、心でもあります。心臓に心があるのではなく、「感じる」のは「脳」です。 太古の昔から、男は狩猟し、女は収穫し、子育てをし、互いが違う役割を持つことで生き延びてきました。 そのため男女の脳は、それらの目的が容易に達成できる方向が「快」で、できない方向が「不」となっているのです。 男性にとっての「快」は、獲物を獲るための道具を手にすることで、男性の成功は、獲物の大きさです。できるだけ大勢の家族を養うことができる大物を獲得する力がある者がボスだからです。 商品とはその大物を仕留めるための道具、できるだけ最高品質、最新モデル、最高の性能、機能を指し、これは、少しでも獲物獲得力が上げるために必要だからです。 女性にとっての「快」は、届いた獲物を家族一緒に笑顔で、おいしく食べて子どもたちが健やかに育つことです。女性の成功は、おいしそうに食べる姿、ご機嫌な家族の会話や表情、ねぎらいを得ることであり、それが自分へのご褒美です。 商品はそのシーンを見るために、自分にとっての使いやすさ、子どもにとっての食べやすさや汚れの落ちやすさ、明日を考えての保存しやすさや収納しやすさなどを求めます。 男性脳は、モノそのもののグレード、性能の高さを見ている。 女性脳は、モノを使う時とその後のシーンを想像している。 女性視点で商品や広告を見ると、女性脳は、そこから自分や家族が実際に使っている場面を想像しているのが分かります。そこに自分や関係者が見えない広告は効きません。当事者意識になれないため、共感が起きないのです。 次回は、「ジェンダー理解」をさらに深く解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 複雑で面白い女性視点マーケティングの習得に必要な5つの理解(後編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.3 9 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第39回目は、女性視点マーケティングを習得する上で、必ず知ってほしい理解すべき5つの基本についてお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性視点マーケティングの誤解と課題 女性視点マーケティングは、女性だからわかるということではありません。 以前の記事である「「見えないこと」が価値になる「感じる女性視点」マーケティング(後編)」の4つ目では、女性ならばわかるものではないとお伝えしました。 女性はライフイベントの変化が激しいため、従来マーケティングの常識が通らないことが多々起こります。また、女性自身も自分とは異なる状態や価値観の女性たちのことは、主観的な視点では理解できません。 多様な女性たちの存在を認め、深く掘り下げる癖をつける必要があるのです。 実は女性マーケターのほうが、自分が女性であるがゆえに「自分らしい」固定概念があり、男性マーケター以上に習得が難しいかもしれません。 女性視点マーケティングは、「もうひとつのマーケティング」という専門分野であって、性差だけに焦点を当てても意味がないのです。知識と経験を持ったプロの分野を確立する必要があります。 経営学に「女性視点マーケティング」という分野が加わってほしいと願うほどです。 「女性視点マーケティング」の真価と必要な理解 「女性」とつくだけで目を吊り上げる女性が多いですが、「女性視点」は、社会生活のほとんどに影響を及ぼすことをお伝えしてきました。 そのため広い知識と分野に向けた膨大な研究になります。単純に、女性視点マーケティングを「女性社員に任せてみた」というレベルではない高度なマーケティングなのです。そのため知識と理解不足によって成功が安定しづらいと言えるでしょう。 「任せてみたけど成果なし……」という女性社員に向けた評価を起こすことも見聞きすることもあります。 文字でお伝えするという限界はありますが、できるだけ事前に必要な知識と理解を提供していきたいと思います。 女性視点マーケティングを成功させるための5つの基本理解 女性視点マーケティングを手にすることは、大きな強みになります。 年々、難易度が高くなる消費社会をつかむための魔法の杖となるはずです。 まずは、女性視点マーケティングを習得する上で、必ず知ってほしい5つの理解があります。 関わるプロジェクトメンバーは、この5つを事前に「理解」してスタートをしてほしいと思います。 知識と理解がなければ、到達場所が異なってしまうからです。 体調不良に飲むべき薬を知っているか知らないかで、回復は大きく異なるのと同じように、です。 女性消費者動向の理解 女性たちの置かれている状況、背景などの社会トレンド(潮流)、その変遷と今、これからを理解しましょう。 ジェンダー理解男女はなぜこうも違うのか。 その本能的な理由を知りましょう。 クラスター理解 女性はライフコース(人生行路)上のステージ(位置)によって価値観が異なります。大枠のクラスター分類を理解しましょう。 トレンド理解 女性はライフコース上の、どのステージ(位置)にいるかで求める商品やサービスが異なります。ステージ内特有のトレンドを理解しましょう。 クチコミュニティ理解 クチコミされる話題、情報など、女性の同じステージ上に位置するグループ特性を理解しましょう。 次回は、環境変化による女性消費者の動向の解説と、ジェンダー理解についても触れていきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 複雑で面白い女性視点マーケティングの習得に必要な5つの理解(前編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.3 8 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第38回目は、女性視点マーケティングを理解することの重要性についてを解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 なぜ多くのマーケターが女性視点を避けてきたのか 今回から、いよいよ女性視点マーケティングを習得していただきたいと思います。 女性視点マーケティングは、(個人的な主観も入っていますが)従来マーケティングより複雑ですが面白くもあります。 「女は面倒くさい」「女は厄介」と思われがちなのは、こうした複雑さからくるものかもしれませんが、複雑を制覇すれば、競合を気にしなくてもよくなります。 この複雑感は、従来の合理的かつ論理的に解決したいマーケターにとっては、トライすることを遠のけてきた要因でもあったと思います。 「女性消費者は大事だ」と頭でわかっていても多くのマーケターは、どこか避けて通ってきました。 戦略的な頭脳を持つマーケターやコンサルタントは、男性が多く、自分に体験が持てないため、「女性視点」という話題になると説得力に欠けてしまうことを恐れ、できるだけ触れないようにしているのではないか、とさえ思う場面によく出くわしてきました。 女性消費者の重要性を認識しても理解不足のマーケター 多くのマーケティングの本では、「女性という消費者」について「重要だ」と触れつつも、数行ほど触れるだけで、ページ数をそれほど割いては居ません。 ある著名なコンサルタントのセミナーに参加した時に、「マーケティングとは『生活と営みだ』」と強調されていたが、セミナーの中では「妻の言っていることがわからない」や「女性のこういうところは理解しがたい」「買物は自分の好きなもの以外は妻に任せる」など、端々に自身は「生活と営み」に関わっていないという小ネタで笑いを取っていてびっくりしたことを覚えています。 こうした辻褄が合わないマーケターの場面に遭遇する度に、私の中で、従来マーケティングへの違和感が増幅していきました。とはいえ参加したセミナーの中での正解はあります。 それは「女性視点マーケティング」とは、まさに「生活と営み」を把握することです。つまり、男女ではないということです。 ただ、女性のほうが生物学的に、どうしても「生活と営み」を無意識に意識できる本能があるため、男女差が出てしまうのです。近年のジェンダーギャップは、人間が知性や教養を身につける前の本能的な行動が起こしてきた自然の男女の傾向にあると私は思っています。 女性とはこうだと決めつけてはいけませんが、傾向はありますし、それさえも否定してしまっては、男女の異なるよさでさえ否定してしまう側面があるのは違うと思っています。 女性視点を理解することの大切さ 中でも生理時、妊娠出産期、閉経更年期という明らかな女性ならではの肉体的な違いからくる物事の感じ方は、男女で大きな差をもたらしています。しかし、女性視点マーケティングを理解することは誰にでもできます。介護をしてみなければ、介護をしている人の気持ちはわからないし、貧困生活を経験してきた人でなければ、その苦労は想像以外にはできません。もちろん大金持ちの暮らしも、またなってみなければ誰もわかりません。 しかし、その状況を知り、理解をするだけでも、関心は変わります。 それと同じように、女性視点という世界があることを知り、同化はできなくても理解者が増えることは大きいのです。女性視点マーケティングは、今まで見えていなかったもうひとつのマーケティングなだけなのです。 女性が(少なくとも私は)従来マーケティングに違和感を持ちながらも努力して体得し、仕事をしてきたように、男性もまた女性視点マーケティングを体得はできます。体感は少なくても「理解」することはできるのです。 次回は後編で、女性視点マーケティングの習得に必要な5つの理解についてお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 女性視点マーケティングが切り拓くサステナブルな未来(後編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.3 7 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第37回目は、社会的価値と持続的価値が、近年重視されるようになっている現状を解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性視点マーケティング成功のための「6つの共」と「6つの価値」 今までの記事で、女性視点マーケティング成功のためには、「6つの共」を意識し、マーケティングプロセスのすべてにおいて、女性たちと関係づくりを行なうことが重要だと伝えてきました。 女性たちは、「共」を通じて、何を価値基準に置いて商品を選択しているのか、ここでは、「6つの共」と「6つの価値」基準を合わせて説明します。 女性たちは、無意識に6つの価値を同時にチェックして、自分の買物が正しかったか間違ったかを判断しています。 女性消費者の買物「6つの価値」 ①基本的価値(製品):製品の品質、性能、機能そのもの。信頼性 ②便宜的価値(便益):お得、値ごろ、便利、助かる、使いやすい ③情緒的価値(五感):見た目が素敵。デザイン、色、形、触感など ④個人的価値(私的):自己充実できる、私らしい、ぴったり ⑤社会的価値(社会):他の人の役に立ちたい(クチコミ、シェア) ⑥持続的価値(持続):持続可能な社会に向けた具体的な行動 6つの価値を「化粧水」を例に説明してみます。 ①基本的価値(製品) 化粧水という本来のモノの価値です。顔につける、潤す、保湿効果があるなど、化粧水が化粧水として持っていなければならない本質の価値です。車なら移動する、スマホなら電話ができるといったようなことです。製品そのものが持っていなければならない価値のことになります。 ②便宜的価値(便益) いわゆる「コスパ」という言葉に近く、持ち運びしやすい、重くない、値ごろ感など、その商品が、少しでもうれしく、楽しく、便利に、使いやすいといったことが価値となります。化粧水が変質しない容器、重たくない、中身がこぼれにくい、キャップの開け閉めが簡単など、使い手としてうれしい機能や工夫があることを言います。 ③情緒的価値(五感) 化粧水の香りがとてもいい、ボトルの色がきれい、形がかわいいなど、五感に訴求する価値やデザインのよさなどです。ボトルのデザインが気に入って化粧台に並べたくて買うなど、情緒に訴える価値になります。 ④個人的価値(私的) 忙しく働くママは、化粧水、乳液、美容液が、ひとつですべてまかなえるオールインワンが便利です。子どもに触れるので無香料・無添加が安心。50代の主婦でテニスをするなら、日焼けによるシミを防ぎたいから美肌とUV効果がある化粧水がいい。このように、女性は置かれている状態によって重視する価値が異なります。 ⑤社会的価値(社会) 使ってみてよかったから友達にも教えたい、おすすめしたい感動があったなど、ママ同士、友達同士、多くの人たちに知らせたい・伝えたいなど、クチコミしたくなる要素や相互扶助につながる価値のことです。 ⑥持続的価値(持続) 環境にも肌にも優しい自然由来がいい。同じ買うなら社会貢献につながる商品を買いたいと言う気持ちです。購入した金額の一部が、自然環境保護の寄付にまわる企業の商品を買いたいし、自分も意味ある行動をしたい。化粧水は使い切った時、詰め替え用があればうれしい。などといった、持続的な価値のことです。 化粧水を例に、「6つの価値」を説明してみました。 10年前の発表段階では、①から④の重みが高かったのですが、この10年間で、⑤⑥の価値はどんどん高くなってきています。そして新型コロナによってさらにそれは強くなったと言えるでしょう。 今回までで紹介した「6つの共」と「6つの価値」をひとつの絵にしたものが上の図です。 女性視点は、「共」の関係性を重視しています。そこで価値基準となるのが「6つの価値」です。 次回は、女性視点マーケティング習得に必要な5つの理解についてお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 女性視点マーケティングが切り拓くサステナブルな未来(前編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.3 6 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第36回目は、サステナブルな社会の実現に向けた女性視点マーケティングの重要性について解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 持続可能な社会に向けた女性視点 近年加わった“サステナブル”という視点は、持続可能な社会に向けて、世界中が手を取り合っていかなければ、私たちが住む地球、人類そのものが立ち行かなくなってしまうという考え方です。 これは、あまりに大きなテーマで、地球で暮らす私たち一人ひとりの意識の集合体であったことを自覚せざるを得ない時が来たのだと感じます。 今回は事例ではなく、女性視点であるソーシャルな視点が、いかにSDGs的な意識であるのかをお話しします。 新型コロナ拡大によって進化したパスコのSNSマーケティング戦略 この年、新型コロナの拡大によって、華やかなイベントや店頭でのお客様へのアプローチなどの自粛を余儀なくされたのです。 それらは新しい仕事の仕方、お客様との関わり方を考える機会にもなりました。選任部署として立ち上がったSNSマーケティングコミュニケーション室の役割も、顧客コミュニケーションというだけでなく、企業戦略としても位置づけられる重要な部署へと向かっています。 顧客と企業が「共育」しあっている、パスコ・サポーターズ・クラブをぜひのぞいてみてほしいと思います。 ここでは、女性たちが素敵なパンのレシピやアレンジを投稿するだけでなく、アンバサダーと言われる女性たちが、意見交換を行ない、積極的にパスコとの関わりを深めています。 プロダクト志向ではなくライフ志向の女性視点マーケティング 女性視点は、ソーシャルマーケティング型のアプローチとなります。 ソーシャルマーティングとは、マーケティングの大家、フィリップ・コトラーによって1971年に提唱されました。企業の利益追求中心のマーケティングに対して、社会との関わりを重視するマーケティングという考え方です。 女性視点は、生活と暮らしから物事を見るため、無意識にソーシャルな意識に重みがいく視点になります。 多くの企業は、ソーシャルな視点を持っていると言われるかもしれませんが、これは企業規模や経営者の意識によって、実際のところ大きなバラつきがあると思っています。 他の先進国に比較して、日本はソーシャルアプローチ型のマーケティングは弱かったと言えるでしょう。その第一の理由が、女性視点が経営戦略に入ってこなかったことが挙げられます。「お客様と共に」「社会と共に」と言いながら、当の経営人の生活や暮らしは、妻に任せっきりの男性中心で、これが日本企業の特徴でした。 売上至上主義の社会にならざるを得なかった日本社会 さらに日本は、約9割が中小企業です。 企業規模が小さくなるほど、ライフ志向よりは、プロダクト志向になりやすいのです。 どうしてもゆとりがないため、売上至上主義にならざるを得ませんでした。 モノづくりニッポンの素晴らしいところを、これから女性視点マーケティングと組んで、ライフ志向と融合させれば、きっと新たな化学反応が起こることでしょう。 ソーシャル意識が高まる文化をつくり出せれば、まだまだ面白い可能性が大いにある国なのです。 そのためには女性視点から物事を見る機会を意識的に増やすこと、そして女性視点が入った経営陣、幹部の体制をつくること、女性視点から見た「快」「不」を把握し、回避や取りやめを検討する勇気が必要となると予想します。 SNSの炎上は、女性から見て「不快」がほとんどのケース 最近、「SNSで炎上したがどうしたらいいのか」という相談のサポートをすることがあります。そのほぼすべてが、女性の共感を得たい商品に対して、女性が見て不快と感じる広告を打っている例です。 たとえば某ストッキングメーカーのSNSで、「私たち女性が買うストッキングなのに、あきらかにイラストは男性が喜ぶセクシー画になっている」というケース。 某行政の街をイメージアップするキャンペーンポスターでは、少女顔で胸の谷間が大きく強調されたアニメを使用し、地元のPTAから大ブーイングになってすべて撤去するという事態もありました。 食べ物と女性の下着を組み合わせたプロモーションでは、「女性を食べるという印象が不快だし、子どもによくない」と物議になるなど、概ね「いやらしい」「子どもによくない」という視点からの炎上が中心です。 女性視点マーケティングは、無意識に誰かをディスることや、自虐ネタ、人を傷つける風土や文化を是正していくのにも効果的と言えるでしょう。 2009年に生まれた女性視点マーケティングのアプローチ図は、当時は、誰に言っても「?」という顔をされました。 講演でこの話をしても、「あなたの言っていることは意味がわからない」「そんな視点では売上は上がらない」と散々なご意見をいただいたこともありました。 それでも今こそ、このアプローチが必要だと自分でも驚くほどに感心します。 女性たちの声は、本当に10年先を見ているのだと。 次回は、女性視点マーケティングの成功に必要な「6つの共」と「6つの価値」についてお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- コミュニティで「共育」し合うパスコの女性視点マーケティング戦略 (後編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.35 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第35回目は、持続可能な社会に貢献するパスコの戦略についてお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 持続可能な社会と共に、お客様に愛され続ける企業としての責任 国産小麦を100%使った製パンにも挑戦してきました。そこには「競合他社との差別化といったことだけではない」という、熱い思いが盛田社長にはあります。 「差別化が第一ではありません。当社の創業の理念として『金儲けは結果であり、目的ではない。食糧難の解決が開業の第一の意義であり、事業は社会に貢献するところがあればこそ発展する』という思いがあります。」 盛田社長は、自社製造のパンを国産小麦にこだわるという強い意志で挑んでいます。その理由は、国内の食料自給率を上げたいという思いです。 「初代社長盛田善平は、米騒動の時、『小麦粉からパンをつくって米の代わりに供給すれば、米不足の解消になって世の役に立つのではないか』と考え、当時経営していた製粉工場の小麦粉を使って、製パン事業をはじめました。 現在においても、食料自給率の低さは、日本の大きな問題のひとつです。2007~2008年頃には、世界的な穀物相場の暴騰が起きました。当時の製パン業界では、小麦粉はほとんどが輸入に頼っている状況であり、食料自給率向上とは無関係のように思われがちでした。 海外からの小麦が輸入されなくなったらパンづくり自体ができなくなる危機感を抱き、ほとんど目を向けられていなかった国産小麦でパンづくりに挑戦しようと取り組みをはじめました。 先進国の中で最低水準の日本の自給率を、どうにかして上げるために、私たちも貢献したいと思い、『ゆめちから』を中心とした国産小麦で、100%国産小麦のパンをつくることを目指してきました。2030年までに、『社内での国産小麦使用比率20%』を目標に掲げています」 そして敷島製パンは、創業100年を超えました。 新型コロナ拡大によって進化したパスコのSNSマーケティング戦略 この年、新型コロナの拡大によって、華やかなイベントや店頭でのお客様へのアプローチなどの自粛を余儀なくされたのです。 それらは新しい仕事の仕方、お客様との関わり方を考える機会にもなりました。選任部署として立ち上がったSNSマーケティングコミュニケーション室の役割も、顧客コミュニケーションというだけでなく、企業戦略としても位置づけられる重要な部署へと向かっています。 顧客と企業が「共育」しあっている、パスコ・サポーターズ・クラブをぜひのぞいてみてほしいと思います。 ここでは、女性たちが素敵なパンのレシピやアレンジを投稿するだけでなく、アンバサダーと言われる女性たちが、意見交換を行ない、積極的にパスコとの関わりを深めています。 KeyPoint 顧客から直接意見をいただく関係をつくる。 100年を超えて持続可能な社会への責任を果たす。 お客様と一緒に「共育」し合い、共生を目指す。 次回は、近年ささやかれ始めたサステナブルについて解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。