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女性たちが起こす「つながり」のための消費行動

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.19


女性視点マーケティング戦略コラム


女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第19回目は、つながりを重要視する女性たちの消費行動について解説いたします。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。


 

自分のためだけではない女性たちの消費行動


前回までの記事で紹介した「7つの消費」のほとんどは、女性にとって「自分のためだけではない買物」というのが根底に見て取れます。女性の消費行動とは、誰かを気にかける「つながりのため」と言えます。

「つながり消費」について、いつもお世話になっている学習院大学経済学部経営学科・青木幸弘教授の研究プロジェクが発行した青木幸弘+女性のライフコース研究会の書籍『ライフコース・マーケティング』(日本経済新聞出版)に掲載されている「つながり消費」という図(千葉商科大学・宮澤薫教授作成)が参考になります。



この図を参考に、独自の体験的な見地から情報を加えた図を整理し、「つながり消費行動8つのパターン」としてみました。また、「つながり消費」は、本当に女性のほうが高いのかを男女比較調査各100名で行いました。


調査結果から見る女性の消費行動


調査結果を見ると、8つのすべてにおいて女性のほうが高かったことがわかりました。

「つながり消費」は、大きく5つの消費テーマと8つの消費行動になります。


  1. つながりを深める消費 思い出消費 ②責任消費

  2. つながりを創る消費 ③交際消費 ④ギフト消費

  3. つながりを維持する消費 ⑤個性化消費 ⑥同調消費

  4. つながりを活かす消費 ⑦教養消費

  5. つながりを拡げる消費 ⑧クチコミ消費


これらの調査から、女性の買物が、いかに周囲の人とのつながりのために行なわれているかがわかります。


女性が購買決定の6割~8割を占めると言われる理由は、こうした人間関係のつながりを維持していくための買物を日常生活で行なっていることからも言えます。これは、米国ゴールドマン・サックスが2014年に発表した「Giving Credit Where It Is Due」と同じ結果とも言えます。


収入の多くを身近な人へのつながりのために消費する


女性は収入の多くを、家族や子どもなどの身近な対象のために、教育やヘルスケア、栄養などの分野に消費するという点です。


単純に「夫のパンツを買うのは妻だから」とか、「子どもの学用品を買うのは母親が多い」といったような代理購買という話だけではないことがよくわかります。


女性たちは日常的に売場に立って、「あっ、これ娘に贈ろう」とか、「あっ、夕方の子ども会でみんなに配るのにちょうどいいわ」とひらめくのです。


このような女性たちに対し、店頭やサイトでは、女性たちがひらめきやすい提案を発信すれば、売上は伸びるでしょう。



次回は、女性の消費行動を起こす「節目」について解説します。



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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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