現代における「祈り」に関する考え方とは 丸喜株式会社/ハー・ストーリィ共同研究 アンケート調査結果
- 女性インサイト総研
- 3 日前
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仏壇仏具等の製造販売を手掛ける丸喜株式会社と、株式会社ハー・ストーリィは、現代社会においても「祈る」という行為を継承するため、一般女性意見からヒントを読み解くべく「祈り」を共通のテーマとした3度のアンケート調査を実施しました。
その中で、特に特徴的な女性消費者の回答/傾向を抜粋し紹介します。
【第一回:仏壇/供養品 現在の生活の中での祈りと供養品に関する思考の変化についてのアンケート】概要
■タイトル 現代の供養と仏壇に関するアンケート
■対象者 女性(全年齢)
■回答期間 2024年10月21日(月)~2024年10月27日(日)
■回収数 691名
◆仏壇が自宅にある28.7%
Q.あなたのご自宅に仏壇はありますか?

仏壇がない家庭が約7割を占めている。
◆仏壇を置かない理由としては、置くスペースが無い・必要性を感じない・デザインが合わない等
Q.仏壇を置かない理由として当てはまるものを全て教えてください。

仏壇が現代のライフスタイルと調和する事が求められていることが伺える。
◆現在のライフスタイルと仏壇の変化
Q.仏壇が現代のライフスタイルに合わせて変化することには賛成ですか。

変化について、全体の89.6%が賛成と好意的な回答である。
◆「手元供養」に対する考え方
Q.「手元供養」は宗教にとらわれず、「手を合わせる場所」を自由につくり、故人を偲ぶ供養方法です。手元供養についてどう思いますか。

全体の73.1%が良いと思うと回答。ライフスタイルの変化の中で手元供養が受け入れられていると言える。
◆仏具購入の際に重視するポイント
Q.今後、仮に仏壇や手元供養品を購入するとしたら、購入の際重視するポイントはなんですか。あてはまるものをすべて教えてください。

小型かどうかが79.2%と最も重視されており、価格帯、手入れのしやすさ、デザイン性と続く。
◆考察
仏壇に関しては生活スペースに限りがある事、マンション住まいの増加などの影響を受け、従来の大型なものからコンパクトなものにニーズが変化していると言えます。もしくは、仏壇はそもそも持たない。という考え方をする層も一定数みられました。
手元供養については7割越えが良い印象を持たれており、これから更に浸透していくと見受けられます。また、インテリアに調和するようなデザインの仏具が求められている様子がうかがえます。
【第二回:ペット供養についてのアンケート】概要
■タイトル ペットのお見送りに関するアンケート
■対象者 ペットをお見送りした経験がある方
■回答期間 2025年3月14日(金)~2025年3月20日(木)
■回収数 524名
◆ペットのお見送り
Q.過去、飼っていたペットをお見送りしたことがありますか。

全体の約8割がペットのお見送りを経験しており、大きな割合を占めている。それに伴ってペット供養関連の市場についてもニーズが見込めると言える。
◆ペット供養品の購入経験
Q.お見送りの際、いままでペット供養品を購入したことはありますか?

全体の36%が購入経験があると回答。
◆ペット供養品の種類
Q.どのようなペット供養品を購入・用意しましたか?

「写真立て・アルバム」が60.7%、「骨壺」が52.0%と他に比べ抜きんでている。その他は「キーホルダー」24.0%、「ペンダント」24.0%、「ペットの名前や写真が入った記念品」20.0%と続く。
◆ペット供養品を購入したきっかけ
Q.ペット供養品を購入した経緯・きっかけを教えてください。

「亡くなったペットの存在を近くに感じたかったから」63.3%。続いて「ペットとの思い出を形に残すため」48.0%。
◆ペット供養品を購入する際に重視するポイント
Q.ペット供養品を購入する際に重視することは何ですか?

「コンパクトなサイズ」40.0%。「あたたかみを感じる素材」35.3%。続いて「予算に見合った価格」28.0%。
◆考察
ペットを見送った方の40%近くが、ペット供養品の購入について経験ありと回答。ペット供養品の種類としては写真立てが6割・続いて骨壺などの他のアイテムが追加される傾向がありました。また、重視されている事柄としてはライフスタイルに調和することはもちろん、フリーアンサーでは「うちの子らしさ」を求める声が多く、ペットを思い出させてくれるような色味、柄などに人気が集まっています。今後も、少子化、癒しを求める世相の影響もあり、子どものように大切にされるペットが増えるためペット供養市場についても拡大していくであろうと予測されます。
【第三回:「祈り」にまつわる定期購入・ギフトに関するアンケート調査】概要
■タイトル 「祈り」にまつわる定期購入・ギフトに関するアンケート調査
■対象者 女性(全年齢)
■回答期間 2025年7月11日(金)~2025年7月17日(木)
■回収数 880名
◆供養品の定期購入
Q.供養品や心のケアに関することで、「定期的に届くとうれしい」と思う商品やサービスはありますか?

望ましい定期購入品として「季節のお花(生花・プリザーブドフラワー)」が43.3%。次いで「お香お線香など香りのアイテム」35.1%が挙がっている。
◆大切な方やペットを亡くされたご友人やご家族に対して
Q.大切な方やペットを亡くされたご友人やご家族に対し、あなたが「心の支えになりたい」「寄り添う気持ちを伝えたい」と思ったことはありますか?

心のケア寄り添い・支え「心の支えになりたい、寄り添う気持ちを伝えたい」74.9%。「いいえ」25.1%。寄り添いたい気持ちが伺える。
◆具体的な行動について
Q.そのような時、具体的にどのような形で気持ちを伝えたいと思いましたか?

「話を聞く」73.7%、「言葉をかける」59.2%。「食事に誘う、会う」32.3%。「贈り物をしたい」と考える層が、全体の約2割存在している。
◆心の支えになるような贈り物について
Q.もし、大切な方・ペットを亡くされたご友人やご家族に、「心の支えになるような品物」を贈るとしたら、どういったものを贈りたいと思いますか?

「プリザーブドフラワーや仏花のアレンジ」40.8%、「お供え用の菓子・果物の置物」33.2%、「お線香・ろうそく」31.9%が上位に挙がった。
◆贈答に関する配慮
Q.大切な方を亡くされた方に「心の支えになる品物」を贈る際に、特に配慮すべきだと思う点は何ですか?

「相手の気持ちや状況を十分に考慮する」71.4%、「押しつけがましくならないようにする」66.1%、「邪魔にならないようなものにする」51.3%「高すぎないものにする」38.3%。
◆考察
定期購入品に関しては一定のニーズがあり、お花・プリザーブドフラワーなどに続き線香・香りのアイテムにも注目が集まっていました。現在のライフスタイルに合わせてアロマキャンドルのように楽しみたいというフリーコメントも見られました。「大切な方やペットを亡くされた方に寄り添いたい」74.9%、そのうち「贈り物をしたい」が2割。但し、相手の負担にならない、お返しなどの気を遣わせないために数千円程度のさりげない贈り物をしたいという女性ならではの配慮が見て取れました。贈り物の内容についても同じ理由から食べ物・お花など形に残らない(=負担になりにくい)供養品を贈りたい、という意見がありました。
◆まとめ
それぞれのアンケートから現代における「祈り」に関して、女性消費者のライフスタイルの変化に合わせてニーズも変わっている事が読み解けます。
古い慣習にとらわれず、「祈り」の在り方の多様化について、柔軟に受け入れられていたことが興味深い研究結果となりました。




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