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インタビューを成功させるリアルな本心を捉える方法(前編)

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.65


女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第65回目は、インタビューからどのようにリアルな本心を捉えていくのかを解説します。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。

 

インタビューの時に気を付けたいこと


女性はクラスターによって価値観がまったく異なるため、直接インタビューを行う際に手を抜いてはいけません。いつでも常に「お客様のことはお客様にしかわからない」という姿勢を持つようにします。


顧客イメージが複数ある場合には、必ず複数のクラスターの女性にお話を伺うようにしましょう。その仮説が合っているかどうかは、複数の方にお聞きすれば概ね答えが出ます。私自身、自分とは異なるクラスターの方の発言に対して、目から鱗が落ちるような経験を何度もしてきました。


非言語リアクションも重要な理由


これを行わずに商品開発や販売をしている企業は、恐ろしすぎると思っています。お客様を集めたグループインタビューを行った際には、口数の多い方と少ない方がいるため、非言語のリアクションにも注目するようにします。


「わー」「きゃー」といった感嘆の声や、手を叩いて喜び合う非言語のリアクション、表情など、どこでどのように盛り上がったのか、話題と様子を重視して見ましょう。


インタビューの議事録を読むだけでは、大きな失敗を招く可能性があります。女性のインサイト(潜在的な購買欲求)は、文面ではわからない非言語にこそ見えることが多いです。


行間を読む力が重要となるのです。できるだけインタビュアの近くで表情やリアクションを観察します。どんな言葉や話題に反応したのか、そのリアクションの大小、さらに周囲の女性たちの反応や盛り上がり方にも注目します。


お付き合いの共感か本心なのかを見極める


グループインタビューを実施した場合、後からもう一度、個別インタビューも行うことが望ましいです。女性は共感が得意であるため、グループでの会話では、相手に気を遣っておつき合いで共感の態度を示すことがあります。


「私もいいと思います」「〇〇さんと近いです」と言ったものの、実は「少し違うけど言いにくかった」という言葉が後から出てくることがあるからです。本当に共感したのか、それともおつき合いで見せた共感なのかを見極める必要があります。


また、複数の女性に意見を聞いた際に、バラバラの意見が出たとしましょう。


この時、もっとも参考にすべきは、顧客に近いイメージの人の意見です。

熱量や言葉のニュアンスも重要です。「まあいいんじゃない」「あれば使う」ではなく、「え、それすぐほしい」「いつ発売なんですか」など、前のめりになる意見は関心度が高いです。絶対にあると助かる、絶対にあったらほしい、と思ってくれた女性がどんな人だったのかを、まずはその一点に集中します。


相手の気持ちを掴むことが得意ではないデジタル世代の若者


最近のクライアントからのご相談には、「お客様に興味を持たない」「人の気持ちが読み取れない」というスタッフの育成についての悩みが増えています。


特に、EC関連ビジネスの分野で多く見られます。

「顧客は中高年で、スタッフは若い人が多い。仕事中はずっとイヤホンをしていて、休憩時間はフレックスでバラバラのため、ランチもひとり。個々に話しかけても表情が乏しく、リアクションが薄い。どのように指導し、どうしたらお客様の気持ちが読めるようになるでしょうか」という相談です。


20代、30代はデジタルが当たり前の世代です。

SNS上では微妙な空気を読み取れているものの、絵文字やイラスト、写真を通じて「感じる」ことが得意で、見ている自分はデジタルに向き合っているため、視点がスマホに集中し、表情やリアクションを返し合うコミュニケーションはしていません。そのため、顔を見ても相手の気持ちをつかむのが得意ではないのです。



次回は、後編でインサイトインタビューについて例を挙げながら詳しく解説します。



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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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