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実は超現実主義の女性の購買行動

市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.67


女性視点マーケティング戦略コラム

女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第67回目は、女性が購入を決定する過程と、購買心理に基づく理由付けの重要性について解説します。


HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。

 

「かわいい」「素敵」では購入しない女性たち


「かわいい」や「素敵」という言葉は、女性たちからもっともよく聞かれるフレーズです。

特に、女性同士でいる時に頻繁に使われます。これには、心からそう思っている時と、相手との関係づくりのために行っている時の両方があります。「いい自分」「相手に嫌われない自分」でいたいと思う気持ちが反映されています。「わかる、わかる」「そうそうそう」「素敵」「おしゃれ」「かわいい」といった、相手にとって好意的な言葉を返すのです。


これが売り場なら、気に入っているのかな、買ってくれるのかな、と喜んでしまうと大きな間違いです。女性は、男性よりもずっとシビアな現実派です。


買うべき理由を探す女性の購買心理


買うべき理由が響かなければ、財布は開きません。

購入する場合も、言い訳がほしいのです。後で後悔しないように、「このケーキ、もう一個食べたら太るかな。でも今夜の夕食を抜けばいいよね」というように、頭の中で何かを買うために何かと差っ引きます。

「損してないよね」と納得しようとしており、自分の買い物を肯定したいのです。


女性が「買う」を決めるには、「言い訳できる理由」がほしいのです。女性メディアのコピーでは、「今、買うべき」という押し出し方が多いです。つまり、それは「今、これを買うのが正解だよ」と背中を押しているのです。同時に、今までのものでは古いよとか、まだ持っていないあなたは流行に遅れちゃうよ、というニュアンスも含まれています。


女性は、「同じ女性の目」が一番気になるのです。「あの人ってセンスがないわね」とレッテルを貼られるのはつらいです。「この夏、このスニーカーでキマリ」と書かれていれば、「今、持っているスニーカーは古いということだよね。今年風のスニーカーを買わないとみんなに遅れちゃう」といったように、頭の中で筋書きができるのです。


現実の暮らしから購入を決定する女性のシビアな視点


女性たちは、「買う理由」をほしいのです。

本当は夢を見たい、なりたい自分になりたいと思っているものの、実際には生活に責任を持つ消費リーダーです。買い物は、自分の暮らしを守り、よりよくすることがわかっている物だけにしたいと考えています。そんなシビアな現実派です。


「いい物」とは、高機能や高品質ではなく、あくまで「今ある現実の自分たちの暮らし」を起点に考えています。


購入へつながりやすくする共感


「こんなことありませんか?」と投げかけられて、「ある! 私のことだ」と興味を持つ、当事者の感覚で共感できるかどうかが出発点です。そこから「そんなあなたの暮らしが、今より少しよくなりますよ」と、同じような立場の女性たちのビフォーアフターの経験や事例を見せれば、「購入」へとつながりやすくなります。


女性は、感覚的な買い物をしているようで、実際には男性よりもずっと暮らしと生活に腰を下ろしたシビアな視点で判断しているのです。


次回は、顧客イメージを視覚化するペルソナについて解説します。



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日野佳恵子

株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。


【著書】

「クチコミュニティ・マーケティング」

「女性たちのウェルビーイング」

「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。

 

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