市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.69
![女性視点マーケティング戦略コラム](https://static.wixstatic.com/media/ca94f7_21a7d5b6f42149ac984f0daa2d3dd7bb~mv2.png/v1/fill/w_980,h_513,al_c,q_90,usm_0.66_1.00_0.01,enc_auto/ca94f7_21a7d5b6f42149ac984f0daa2d3dd7bb~mv2.png)
女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第69回目は、共通の顧客イメージを共有するために、ペルソナの言語化や雑誌の切り抜きを使ったコラージュ作成について詳しく解説します。
HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。
ペルソナ作成ワーク② 自分たちの考える顧客像の言語化
ペルソナの言語化は、まず自分たちが考える顧客像を文章で書き出すことから始めます。家族構成、本人の年齢、夫や子どもの年齢、住んでいる場所、マンションか戸建てか、車の車種、貯金、年収、趣味、関心のあること、SNSやメディアの利用状況など、「うちのお客様はこんな人が多そうだ」と思う点を話し合いながら言語化していきます。
なぜそう思うのか、過去の事例やアンケート、お客様からのメール、売上ランキングなどのデータと結びつけて、できるだけ根拠のある顧客像を作り上げます。
数人の社員で作業を行う場合、さまざまな部署から異なる経験や体験を持ち寄ることで、より信ぴょう性の高い情報が集まってきます。また、社内の情報が不足している場合でも、ネットで地域や年代、職種などを調べれば平均年収などのデータがすぐにわかります。今ではスマホひとつで情報を簡単に調べられるため、社員で分担して情報を集めることは、チーム力を養う良い機会にもなるでしょう。
部門を超えた会話も重要です。
例えば、「そういえば、お客様相談室にこんな電話が多いよね」といった会話や、「へー、知らなかった。意外だね」といった情報共有が生まれることもあります。
ペルソナ作成ワーク③ より近い人物像の写真の選定
言語化が固まってきたら、その内容に近い写真などを雑誌の中から選んでいきます。「うちのお客様はこんな服を着ている人が多いよね」「そうそう、こんな感じの人だー」といった感じで、みんなで話し合いながら、お客様のイメージに合う写真を雑誌から見つけて切り抜きます。
顔写真、ファッション、家具インテリア、化粧品、食事、雑貨、旅など、さまざまな側面から顧客の暮らしを想像し、切り抜いた写真は大きな模造紙などに貼ってコラージュにします。
みんなで共に手を動かし、会話をしながらビジュアル化することで、その後の新商品開発、宣伝、プロモーションなどにおいても顧客像が一貫し、方向性がずれにくくなります。関係するスタッフが共に顧客理解を深める時間を持つことも、大きな成果となるでしょう。
雑誌で発見する顧客層の多様性と意外な興味
また、雑誌は状態別やクラスター別に編集されているため、異なるクラスターにいる女性社員や男性社員にとっては、まるで別世界のような特集が組まれていることに衝撃を受けやすいです。「こんな雑誌を見ることがなかった」「こんなことに興味があるんだ」といったように、多くの発見があります。
特に、母親向けのファッション雑誌では子どもや夫が登場するシーンが多く見られますが、男性向けのファッション雑誌では家族が登場せず、生活感が消されていることが多いです。
そのため、母親クラスター以外の社員にとっては、男女雑誌の内容を比較するだけでなく、新たに知らない情報が溢れていることに気づくでしょう。
女性雑誌を購入し、ハサミやのりを使ってコラージュを作る作業は、今では原始的な方法かもしれません。しかし、こうしたリアルな体験が「お客様の立場になれ」「顧客ニーズを把握しろ」という感覚を体感させてくれます。
お客様のことを思う時間を大切にしてほしいと思います。
次回は、女性顧客のペルソナ層の広がりについて解説しています。
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日野佳恵子
株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。
【著書】
「クチコミュニティ・マーケティング」
「女性たちのウェルビーイング」
「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。
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