約8割の女性がキャラグッズを所有。“かわいい”が購買を動かす新マーケット『キダルト市場』
- mhaneda4
- 11 時間前
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女性インサイト総研を有する株式会社ハー・ストーリィ(本社:東京都港区、代表取締役:日野佳恵子)は、「キャラクターグッズやかわいいものに関するアンケート」を実施。女性の“キダルト消費”における購買行動や心理傾向、人気キャラクターの特徴を分析しました。さらに、購買理由を掘り下げたことで、“可愛いものが欲しい”の裏にある、女性特有の情緒と消費のつながりが浮き彫りになりました。
◆調査概要
「キャラクターやかわいいものに関するアンケート」
調査期間:2025年 3月19日(水)〜3月23日(日)
調査対象:15歳以上の女性811人
調査方法:インターネット調査
調査会社:株式会社ハー・ストーリィ
◆「キダルト」とは?──認知度は低いが、行動としては定着
Q. あなたは、「キダルト(Kidult)」という言葉を知っていますか?

「キダルト」とは、大人(Adult)が子ども(Kid)のような感性を楽しむスタイルを意味する造語。キャラクターグッズやぬいぐるみ、かわいい雑貨などを好んで所有・消費する行動も、キダルト消費の一部とされています。
調査では「キダルト」という言葉の認知率は15.4%にとどまりましたが、調査回答者の多くが日常的に“キダルト的行動”を実践しており、言葉は知らなくても、行動としては定着しているという実態が見えてきました。
◆女性の約8割がキャラクターグッズを所有。男性との差も歴然!
Q. 現在、ご自身がお持ちのもので『キャラクター関連グッズやおもちゃ、かわいいもの』など持っているものはありますか?

女性の77.8%が「持っている」と回答した一方で、男性は46.2%と30ポイント以上の差があり、“かわいいものを持つ”ことが女性にとって日常の一部であることがわかります。
◆人気3強は【海外キャラ・サンリオ・ディズニー】
Q.現在お持ちの『キャラクター関連グッズやおもちゃ、かわいいもの』のジャンルを教えてください。

女性全体では、海外キャラ(ムーミン、スヌーピー、ミッフィーなど)、サンリオ系、ディズニー&ピクサー系の3つが高い結果に。一方、女性を価値観・購買動機が類似したグループ(クラスター)別でみると、他のグループとは違う特徴も見られました。
16歳以下の子どもがいるママ(クラスター:乳・幼児期/児童・思春期ママ層)
児童書キャラ約25%(全体 +8.2%)
“子どもと一緒に楽しめるキャラクター”に高い関心がある。
39歳以下で夫婦2人の家庭を持つ女性(クラスター:ヤング夫婦層)
おもちゃ・カプセルトイ系33.3%(全体 +4.1%)
プラモデル・フィギュア系10.0%(全体 +5.7%)
ぬいぐるみ・人形系10.0%(全体 -17.4%)
男性にも好まれやすいグッズが全体平均より高い一方、ぬいぐるみは低く夫婦で楽しめるジャンルを選ぶ傾向がみられた。
◆クラスター別にみるキダルトグッズの所有率・体験傾向
本調査の結果から、女性は「時間が足りない」「もっと自分に使いたい」と思いながら、それを我慢していることが明らかになりました。この「我慢」を解決できる商品やサービスが女性の消費に繋がる重要なインサイトになると考えます。

39歳以下の単身女性(プレ社会人/若手シングル層)
ぬいぐるみ(81.1%/70.3%)、ガチャ系玩具(70.3%/64.9%)、
ファッション小物(ともに73.0%)
展示会(29.7%/31.1%)、コラボカフェ(35.1%/40.5%)
ぬいぐるみ、グッズ、体験まで含めて総合的にアクティブ。

16歳以下の子どもがいるママ(乳・幼児期/児童・思春期ママ層)
乳幼児ママの生活雑貨(72.7%)、思春期ママの文房具(65.6%)
文房具や生活雑貨を子どもと共用して楽しむ行動が多くみられる。

夫婦2人の家庭を持つ女性(ヤング夫婦/ミドル夫婦層)
コラボカフェ(46.7%)、展示会(33.3%)
展示会やコラボカフェなど外出型体験が目立つ。
◆購入頻度と金額で見る“本気度”──頻度はプレ社会人も多いが、金額はヤング夫婦層が平均の2倍に!

24歳以下の単身女性(プレ社会人層)
購入頻度:2週間に1回(16.2%)、購入金額の平均:8,365円
比較的頻度は高いものの、購入金額が低いことから安価なもの(カプセルトイなど)を楽しんている。
39歳以下で夫婦2人の家庭を持つ女性(ヤング夫婦層)
購入頻度:週1回(16.7%)、2週間に1回(23.3%)、購入金額の平均:20,417円
購入頻度・金額ともに高く、積極的に購入して楽しんでいる。
◆女性の購入理由にみる“感情・情緒”の強さ
Q.『キャラクター関連グッズやおもちゃ、かわいいもの』を購入する理由を教えてください。

購入理由で上位は、見ているだけで癒される(66.7%)、気分が上がる(58.6%)、愛着がある(56.7%)と情緒的な動機が多数。これは女性の消費行動における大きな特徴であり、「癒された」「応援したい」「共感する」という感情がそのまま購買行動を引き起こしている構造が明確に浮き彫りになりました。
◆女性のキダルト消費から見えた購買行動の本質
キダルト市場でも、“かわいい”という気持ちが“買う”というアクションに繋がり生活に取り入れるという、感情に基づいた女性特有の消費行動が現れました。つまり、女性向けの商品開発や販促企画においては、“どのような感情に寄り添うか”という設計視点がより一層求められると言えます。
株式会社ハー・ストーリィでは、こうした女性インサイトを捉えたマーケティング戦略・商品開発支援を行っています。本調査の詳細データや、女性市場戦略に関するご相談も承ります。
◆詳細記事は法人クラブinherstory会報誌『HERSTORY REVIEW5月号』でご覧いただけます。
女性インサイトレポート「HERSTORY REVIEW」は、HERSTORYが運営する法人クラブ「in her」の会員向けの会報誌です。in herでは女性インサイト研究に特化した様々なサービスを展開しています。
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