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  • 全エントリーにフィードバックあり!「女性のあした大賞2024」エントリー受付中

    ■「女性のあした大賞」とは? 女性のあした大賞とは、女性の明日が輝く、社会に貢献していると考えられるその年の商品・サービスを表彰するものです。 女性のあした大賞は、「女性のあしたが輝く社会に貢献するモノ・コト」を創り出し、普及する企業を表彰します。 ネット社会ではヒット商品もすぐに陳腐化します。一時の流行に終わる商品ではなく、「あしたの社会」に必要かつ残ってほしいという期待、未来へ貢献する技術や志も評価しています。 女性を取り巻く家族、地域、社会を考え次世代の幸せに繋がる活動の企業表彰を目指しています。 ■エントリー受付開始 女性の「あした・みらい」への貢献と期待も込めて、選考いたします。各企業の皆様からのエントリーお待ちしています。 ▼期間 2024年11月15日(金) ▼審査費 ・エントリー 10,000円(税別)/1商品につき 独自の女性視点診断ツールを用いたフィードバック付 ■女性のあした大賞選考ポイント 1.女性の生活を助ける、よりよくする便宜性、実用性の高さ 2.女性の気持ちが上がる、わくわくする五感、情緒性の印象度 3.女性の社会進出や活躍、参加、共創などの行動化 4.女性が買いやすく手に取りやすく使いやすい直感性の配慮 5.女性が他にクチコミしたいと主体的に感じるインパクト

  • 黒のリスクと女性を惹きつける店舗戦略

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.76 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第76回目は、黒の使用に関する注意点や、女性客を惹きつける店舗づくりの重要性について、解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 ジェンダーレス時代のモノトーン支配とロゴデザインの変化 近年では、ジェンダーレスやユニセックスといった男女兼用の商品が増えていますが、「兼用」となるとモノトーンが圧倒的に多くなります。数年前には、アパレルブランドのロゴがどこも類似のモノトーンになって判別がつかないという論争がネットで話題になりました。デジタルが中心の生活になると、多くのロゴは認識しやすいシンプルでモダンなデザインに寄っていく傾向があります。 ファッションに見る男女の違いと女性の多様な選択肢 もともと、男性のトレンドカラーには変化の幅が少ないです。出かける場所や服のアイテムも限定的で、女性服のようにパンツ、スカート、ワンピースといった上下の組み合わせによる複雑な色合わせを必要とするアイテムは少ないのです。 一方、女性はトレンドを意識したファッションが早いサイクルで回ります。そのため、アパレルのファッションが似たり寄ったりになりやすい傾向があります。近年のアパレル不況により、このようなビジネスモデル自体に変化が求められていますが、それでも女性たちはサステナブルを意識しながら、些細なデザインや色の組み合わせを楽しむ人が多くいます。 「私はピンクが好きじゃない」「モノトーンが好き」という人が増えている一方で、女性はタイプ別やテイスト別に、多様な選択肢から自分に合ったものを選ぶことができる点が、まさに女性視点マーケティングの特徴です。また、女性はファッションアイテムにもバリエーションを求める傾向があります。 スポーツウェアやキャンプウェアであっても、機能性は重要ですが、それに加えて色や柄、デザイン、さらにはボタンの形に至るまで、さまざまな中から選べることが楽しいのです。 黒の使い方に潜むリスクと、女性を惹きつける店舗づくりの重要性 唯一、黒に注意点があります。黒は、女性そのものを外側から覆ってしまうような場所では使わないようにしてほしいです。たとえば、室内の壁全面や床全面、天井全面、外壁全面などが該当します。特に、子育て中の女性が多く訪れる店では、黒の量には注意が必要です。天井や外壁全体を黒で塗りつぶしてしまうと、女性や子どもが立ち寄ることが少なくなってしまいます。 これは私自身がコンサルティング先で、何度も本当に体験した事例です。オープンから数日間はかっこいいと近づいても、1ヶ月もすると誰も近づかなくなるということが起こります。 真っ黒は、暗闇をイメージさせます。危険や恐怖、閉塞感が女性の本能によって回避されるのです。 ユニセックスなブランドや店舗では、ロゴがモノトーンであっても、白の量を増やし、ナチュラル感や明るい自然光を大切にしてほしいです。樹木の茶や緑を足して、自然な優しさを作り出しましょう。優しさで迎えなければ、お客様が立ち寄らない店になり、客商売の意味がなくなってしまいます。 次回は、擬音語、擬態語について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 女性の色彩感覚とトレンドカラーの影響

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.75 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第75回目は、トレンドカラーの重要性と女性たちへの影響についてお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 お化粧から養われる女性の色彩感覚 女性は、男性よりも多くの色が見えており、きれいな色には目を留めます。毎朝、化粧をし、毎晩、化粧を落とします。ファンデーション、アイシャドウ、頬紅、口紅などを使います。自分の顔に毎日向き合い、肌の調子を見ながら、使う色を変えることもあります。 たとえば、ひとりの女性が18歳から80歳まで毎日化粧をしていたと考えてみてください。 365日×62年間=2万2630回です。 週に2日休んだとしても、約1万6000回に上ります。たとえば、季節やシーンに合わせて調整します。飲み会、デート、商談、結婚式、ライブ、レジャーなど、場面に応じて変えることもあります。 色から連想する女性たちの色彩感覚 女性は、誰もが色の熟練工であり、色の魔術師ともいえるのです。 色に関しては、女性社員の力を借りるか、男性であっても色彩感覚に優れた人を巻き込んで商品やデザインを作成する必要があります。特に、ピンクの取り扱いは難易度が高いです。 男性が「女性が好むだろう」と選んだピンクを、女性の中では「ダサピンク」と呼ぶことがあるほどです。女性にとってピンクは聖域の色です。同じピンクでも、春なら桃色や桜色、秋ならコスモス色といったように、季節の花を連想させることができます。 色を知ることで広がる選択肢 近年では、肌色や髪の色、目の色などをトータルに診断し、自分に合う色や組み合わせを知ってから商品を購入する女性が増えています。自分の肌が青みがかっているか(ブルーベース)、黄みがかっているか(イエローベース)という「ブルベ・イエベ」と呼ばれる診断を受け、ファンデーションを選ぶことが一般的になっています。 化粧品メーカーやアパレル、ネイル業界では、色が非常に重要なため、スタッフがカラー診断の資格を持ち、それを販売促進につなげているケースも多く見られます。 ネットで「ブルベ・イエベ」と検索すると、多数のコンテンツや商品が出てきますので、ぜひご覧になってみてください。 カラーコーディネーター、インテリアコーディネーター、ネイリストといった色に関わる職業の8~9割は女性が占めています。これにより、女性がいかに色に対して関心が高く、専門的な知識を求めているかがわかります。 トレンドカラーの重要性と女性たちへの影響 女性向けの企画や販促において、色をテーマにするのは非常に効果的です。季節の花や誕生石に合わせたカラーを用いると、新鮮さが伝わりやすくなります。特に、トレンドカラーの活用はおすすめです。アメリカのパントン社が毎年発表する「今年のカラー」は、時代の空気を読み取ったものとして評価されています。専門家の意見を集約して決定されるこの色は、ネーミングだけでもその時代の特徴を感じ取ることができるほどです。 たとえば、2018年には「ウルトラバイオレット」という紫色が選ばれ、世の中が複雑化していることを象徴しました。2019年は「リビングコーラル」という珊瑚の色で、自然環境をイメージしました。2020年には「クラシックブルー」で、急速な社会変化の中で人々が安定を求めるだろうという予測から、回復力を養う色として紺色が選ばれました。これらの色は、後から振り返っても、不思議なほどに世の中の流れと合っているように感じられます。 そして2020年12月10日、2021年のカラーとしてグレイとイエローの2色が発表されました。グレイ(アルティメット・グレイ)は、永続的な基盤や強固な信頼を象徴し、落ち着きや安定、回復への願いを表現しています。一方、イエロー(イルミネイティング)は、生き生きとした輝きと明るく陽気な印象を与えます。この2色の組み合わせは、不屈の精神に支えられたポジティブなメッセージを表現していると言われています。 パントン社が発表するその年の色は、ファッション、インテリア、コスメに至るまでトレンドカラーとして幅広く使用されていきました。その1年は、グレーとイエローを目にする機会が増えていきました。 次回は、色で注意すべき色について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 女性視点のシーン提案と購買意欲を高める商品配置の工夫

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.74 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第74回目は、購入意欲が高まる効果的なシーン提案と商品配置方法について解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 1枚の絵としてシーンで捉える女性視点 女性の視点は、広角レンズを使って1枚の静止画として二次元的に見る特徴があります。シャッターを連続で切るようにみます。これをシーンといいます。室内写真1枚、店内写真1枚、チラシを上から撮影したような1枚、ウェブを正面から撮影したような1枚、商品を机に置いて写した1枚といったようにです。 商品を見る際、男性は対象物に視点を絞って捉えるのに対して、女性は情景の中に置かれた対象物として広く捉える傾向があります。 たとえば、皿を売る場合、ただ並べるだけではなく、ランチョンマットの上に置いたり、横にスプーンをセットしたり、椅子には誰かが座っているような雰囲気を演出して、「朝食のスープを食べる」というシーンを設定すると効果的です。 シーン提案で購買意欲を刺激する効果的な商品配置方法 ECサイトも同様です。もしソファを売りたいと思ったら、ソファをシーンとして見せた写真を掲載し、その下に写真内の商品をわかりやすく並べたほうが、購入意欲を刺激するでしょう。 たとえば、ソファの下にふわふわのラグを敷き、壁には美しい絵を掛けた部屋の写真を掲載するとします。その写真に使用されているラグや壁掛けなど、すべての商品を一覧にして、まとめて購入できるようにすると効果的です。 また、3点購入でお得になるセット販売なども良いでしょう。「ナチュラルテイストの部屋を丸ごと買える!」といったセット提案は、非常に買いやすいです。アパレル業界でも、マネキンや店員さんが着ている服を「全部そのままほしい」というお客様は少なくありません。 女性が選びやすいカテゴリーを混ぜた販売方法 シーンを用意したら、シーン内に見える商品はすべて売るようにします。これができれば購入点数は増え、客単価も上がります。ちなみに売り場ではよく「つまみ3点1000円」とか「靴下3足1000円」といった売り方を見ることがありますが、女性の場合、使用シーンは多数あり、いろいろ選べるほうが助かるので、カテゴリーを混ぜた「3点」のほうが買いやすいです。ジャム、クッキー、缶詰といったようにです。この方法は在庫整理にもおすすめの売り方です。 ウェブサイトの画面でも、女性は男性に比べて広く見て回遊しているという報告を見つけました。記事は株式会社ギャプライズの鎌田洋介氏(@kamatec)のものです。以下、転載させていただきます。 事例「目的脳」の男性と、「共感脳」の女性!男女のズレをウェブサイトに応用する ある料理レシピサイトをClickTale(ウェブ解析ツール)で男女がそれぞれどう行動するかを分析してみました。 以下はマウスクリックヒートマップから、ウェブサイトの訪問者がページ内でどの部分をクリックしているかを示したものです。 男性は右、女性は左です。これを見ると、女性ユーザーはトップメニューバーにかなり注目していることがわかります。異なる食べ物のレシピを見るために、さまざまなカテゴリーをクリックしているのです。 女性はまた、レシピよりも左サイドの画像をクリックする割合が高く、多くのページを回遊していることがわかります。男性はそれに対して、クリック自体が女性と比べてほとんどありません。これは男性が検索したものを閲覧した後に、「レシピを知る」という目的のことが完了したため、そのままサイトから離脱していっていることを示しています。「目的脳」の顕著な側面が垣間見える結果となりました。 また、次ページの画像はアテンションヒートマップでの分析画像です(濃くなっているところがより注目されている箇所となります)。 ページの中央に赤い帯(濃くなっている部分)が見て取れるように、男性はレシピの原料と、どのようにして調理するかにマウスが集中しています。対して、女性はヒートマップの濃くなっている部分がページ全体に広がっていることから、ページの上下をブラウジングして、あまり集中してコンテンツを見ていません。 目的のレシピや調理法以外にも、さまざまな画像や情報に反応する傾向があるのでしょう。この2つのヒートマップからわかることは、男性は目的の情報を得るためにウェブサイトを訪れるのに対して、女性は目的をより深く知ろうとブラウジングを行なうという傾向があるということです。 掲載元: https://martechlab.gaprise.jp/archives/clicktale/1577/ 次回は、女性と色の関係について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 女性視点マーケティングの学びに最高の研修場のスターバックス

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.73 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第73回目は、マーケティングにおけるトレンドの重要性について解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 タンブラーは1つで十分? ワークショップのタウンウォッチングでは、スターバックスの前で足を止めます。 「入口すぐの棚に、コーヒーを入れて持ち歩けるタンブラーが置いてあります。季節限定や地域限定など、さまざまなボトルデザインがあり、女性ファンの中には、このタンブラーを季節ごとに買い足して楽しんでいる方もいます」と伝えたところ、参加している男性が「なぜタンブラーを何個も持つ必要があるのですか。ひとつで十分でしょう。壊れたなら別ですが、場所も取りますし、タンブラーはタンブラーなので何個もいらないと思います」と言ってきました。 スターバックスのタンブラーから見る女性と男性の消費者心理の違い その時、参加していた女性が「私、何個も持っている人です(笑)。だってクリスマスはクリスマス限定柄のほうが持っていて気分が上がりますし、春は桜柄のほうが春らしくて幸せな気分になれるんです。今、家には6本ぐらいあります」と答えていました。 男性は目を丸くして「わからないなー」と言っていました。この会話は、過去のワークショップで何度も、受講者が変わっても繰り返される会話です。 女性は、街中がクリスマスという世界観に染まってくる時、持ち物も気持ちをクリスマス気分に合わせて統一させたいと思っているのです。スターバックスが出す季節限定商品は、マーケティングの勉強のために、ぜひ毎シーズンチェックしていただきたいです。トレンドをしっかり捉えた提案がされています。 スターバックスの消費者心理を掴むハロウィントレンド たとえば、ハロウィンの時期を見ても、「今年らしいテーマ」をきちんとオリジナルで出してきます。「毎年のことだから、この程度でいいんじゃない」ではありません。 2018年のテーマは、「あなたはどっち? あなたの中に眠る本当の姿は魔女?姫?」として、ウィッチフラペチーノとプリンセスフラペチーノを提供していました。 2019年のテーマは「マスカレード(仮面舞踏会)」で、真っ赤な色のフラペチーノとラズベリーモカを出しています。2020年には、ゴーストや黒猫をテーマにしたハロウィングッズが充実していて、キャラクターのクマのぬいぐるみ「ベアリスタ」は、季節限定のテーマに合わせて洋服を変えるなど工夫がされています。 世界各国で異なる商品があるため、もし新型コロナがなければ、スタバグッズを購入するために海外に行く人たちがいるほどの人気です。 サステナブル意識とマーケティング戦略 ちなみに、弊社のレポート「HERSTORY REVIEW」2020年12月号のテーマは「サステナブル意識消費」でしたが、女性消費者102人、法人企業32社に聞いた「あなたがサステナブルだと思う企業はどこですか?」という質問では、女性消費者、法人企業の両方で第1位にスターバックスが選ばれました。 女性消費者の1位はサントリーとスターバックス、法人企業の1位はトヨタとスターバックスでした。女性消費者と法人企業の両方で1位となるスターバックスは、テレビCMをしないことで知られていますが、店頭での姿勢、行動、商品がそう感じさせるのでしょう。 スターバックスにはあまり行かないという方も、女性視点の勉強のために、ぜひ定期的に覗いてみてください。 多くの女性が支持するヒントを発見できるはずです。 次回は、女性視点を活かしたシーン提案について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 街中で女性視点マーケティングのヒントを探る

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.72 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第72回目は、”あえて”商店街を歩いたり店にいくことで得られるマーケティングのヒントを解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 “あえて”の口癖から見えるアナログ体験の重要性 女性たちにインタビューをすると、最近、特に言葉の端々に出てくるのが、「あえて街を歩く」「あえて店に行く」「あえてラジオを聞く」「あえてひと駅先まで歩く」「あえて本を買ってめくる感覚を楽しむ」といった「あえて」という言葉です。 デジタル生活が日常になったことで、確かに便利にはなったものの、その逆に心身に疲れを感じ始めていることがわかります。 20代の女性たちにインタビューをすると、「あえて店で服を必ず試着して、購入する際はネットを利用する」という話も聞かれます。 「やっぱり服は着てみないとわからないから」という意味もありますが、買い物を理由に店に行くことで気持ちをリフレッシュさせたいというニュアンスも感じ取れます。デジタルがリアルな日常であるからこそのアナログトレンドが来ているといえるでしょう。これは今後、さらに強くなる可能性があります。 人の感情の読み取る力の難しさとその重要性 正直、情報過多の現在は、頭でっかちな理屈派が多くなっていると感じます。知識は豊富なのに行動が伴わないという状況です。 例えば、サッカーの知識はあるのにサッカーができないという感じです。知識と行動の一体化をトレーニングしなければ、どんどん「人の感情」をつかむことが難しくなっていくでしょう。デジタル生活が日常となったことで、自然と人と人との会話時間は減少しています。 インタビューをしていて感じるのは、年々、人の表情が乏しくなってきていることです。 特に年齢が下がるほど、その傾向が顕著です。「喜怒哀楽」はスマホの中で行うため、頭の中では感情が生まれていても顔を使うことは忘れてしまっています。スマホに集中している時間が長いと、顔の表情筋が固まってしまいます。その結果、いざという時に表情が動かず、対面での会話では感情が見えにくくなるという状況になります。 そのため、今後は「顔」を読めなくても「現象」をつかむ感覚を高めていく必要があります。 具体的には、「使っている現場を見ること」「話している姿を目にすること」「利用している状態を知ること」などです。これらの情報から顧客の「快」「不」を「感じ取れる」ようになるでしょう。ネット上での消費者動線やアクセスなどは分析できても、購入したものをどのように喜び、どのように開封し、どのように使っているのかについては、どこまでいっても「現場」に答えがあります。 麻布十番で体感する多様な消費者層とマーケティングの実践 隔月で1回、私は「体感」を目的とした「女性視点マーケティングワークショップ」という勉強会を開催しています。 男女問わず10人未満の少人数で、港区の麻布十番商店街を歩きます。この場所を選んだのは、会社に近いという理由もありますが、渋谷や青山のように若者すぎず、都会すぎず、池袋や新宿ほど個性的でもなく、巣鴨あたりほどシニアに偏っていないからです。六本木ヒルズの足元で、モデルやタレントが多く住む一方で、地元に古くから住むシニア層も多くいます。何より、週末になると老若男女が人気の菓子店やカフェ、オーガニック専門のスーパーなどを目当てに集まってくるため、観光地的な雰囲気も楽しめます。 つまり、温故知新の精神で、老若男女の様子が一堂に見て取れる場所です。中でも特に女性視点マーケティングを学ぶのに適していると思っているのは、和菓子の3店舗です。 麻布十番 豆源 麻布十番 かりんと 麻布十番 あげもち屋 これらの3店舗は至近距離に店舗を構えており、入ると思わず買ってしまうことが多いです。その意味をぜひ自分で出かけて、その場の五感でつかんでいただきたいと思います。少しだけ整理してまとめておきます。 その場の雰囲気を掴むための4つのポイント 商品パッケージのカラーバリエーションで店内を鮮やかに 3店舗とも、店舗に入った瞬間から、ワークショップに参加する女性たちは棚に並んだ色とりどりの商品パッケージに目を奪われます。陳列した商品の袋そのものを活かした色彩演出がされています。 誰にあげようかな、商品を見ながらシーンを想像 店内に入ると、「あ、お母さんが好きかも」「職場に買って帰ります」といった言葉が即座に出てきます。 買いやすさ、ギフトのしやすさ、提案が目に入る 買いやすさに関する提案は、どの店も優れています。商品は基本的に同じサイズで、ギフトも最初から目立つ場所に置かれています。すぐに価格やサイズを選んで持ち帰ることができ、発送にも対応しています。 季節提案、五感を刺激する演出がある 季節や行事に合わせた提案があり、五感にも訴えかける工夫があります。職人の姿、香り、試食など、それぞれに工夫が施されています。 次回は、スターバックスを事例に挙げながらマーケティングの学びについて解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 人の「感情」が掴める女性視点マーケターになるには

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.71 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第71回目は、感情を読み取る力の重要性と具体的なリサーチ方法について解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 デジタル時代における人の感じる感情を読み取る重要性 女性視点のマーケティングにおいて重要なのは、「人に関心を持つ」ということです。企画立案をする際に求められるスキルは、「人の気持ちを感じ取る感度」だと思います。どんなにデジタルな社会になっても、「人の感情」を読み取る力は欠かせません。それどころか、デジタルが当たり前の暮らしだからこそ、「人の感情を感じ取る感度」は、一層希少なスキルになるでしょう。 家にいながら手元のスマホひとつで何でも買える時代です。遠くにいる人たちとも会話ができるようになっています。AIはどんどん人間に近づいていますし、人間の感情も解析され科学的に活用されていくでしょう。それでも、買い物は最終的には人間の意志で行われていることを忘れてはいけません。 人の「ほしい」感情を掴むマーケターになるために 「買いたい」「ほしい」は人間の感情から生まれています。どんなに「アレクサ、今夜のおすすめの音楽をお願い」と言ったとしても、それを欲するのは人間です。消費の多くを主導している女性たちの気持ちをつかめる人材、そしてマーケターの育成は欠かせないでしょう。 では、どうしたら「感情」をつかめる人財になれるのでしょうか。まずは、日常の当たり前の風景の中で、人々の感嘆、喜怒哀楽、リアクション、会話に関心を持つことが重要です。現在は、電車の中などでスマホと向き合っている人が多いですが、それでも人が集まる場所に行けば、ヒントはたくさん見つかります。 会話からトレンドを知るリサーチ方法-カフェ たとえば、私にはリサーチでお気に入りの店が2店あります。ひとつは、大人の女性が多いアンティークな雰囲気のカフェです。ここには、60代から70代の女性たちが趣味の会や山登りを楽しんだあとに集まっているようで、テーブルを囲んで4、5人が常におしゃべりを楽しんでいます。 話題に耳をすましていると、本当に勉強になります。 テレビの話、通販で買った健康器具、夫の病気の話、孫の様子、おいしい和菓子、季節料理の新情報など、ありとあらゆる話題がくるくると飛び交っています。特徴的なのは、いつも小みやげを持ち寄って交換していることです。それも調味料や漬物といったかなり身近な品で、それを誰かがテーブルに出すたびに盛り上がっています。 さらにこの店は、週末になるとネットマッチングサイトで出会ったと思われるカップルが初めて会う時に使われているようで、あちこちでこぎれいにした30代から40代くらいの男女が「はじめまして」とあいさつをしています。20代ではない様子から、初対面の会話には慎重さと真剣さが感じられます。 ここでは自己紹介や趣味の話、またマッチングアプリでのやりとりについての内容が聞こえてきます。どこが気に入ったかやどのフレーズが響いたかなど、興味深いワードや関心ポイントが拾えます。いや、聞きたくなくても耳に入ってきます。 私はその横の席で、パソコンをパチパチと打って仕事をしていますが、時に耳がダンボになってしまい、思わず「へー」と心の中で声をあげてしまうこともあります。 会話からトレンドを知るリサーチ方法-ショッピングモール 2店舗目は、大型ショッピングモールの中にあるフードコートです。 子連れ感覚は私自身、遠い昔に忘れてしまいましたが、ここに来れば今どきの子どもたちの服装や持ち物、そしてベビーカーやママとパパのファッションなどを観察することができます。祖父母と三世代のグループも多く、同時に三世代分の様子をウォッチできるため、こんな勉強の場はありません。 子ども連れの様子はとても重要です。例えば、映画「鬼滅の刃」が盛り上がっている時には、主人公兄妹の炭治郎と禰豆子の衣装を真似た子どもたちがあちこちに溢れていました。当然それらの衣装は、母親や祖母が手づくりしているものです。家族の様子には、その時々のトレンドや消費行動がわかりやすく見て取れるのです。 次回は、女性視点マーケティングのヒントについて解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 女性顧客のペルソナ層の広がりとアプローチの方法

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.70 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第70回目は、女性顧客層の多様性と、ペルソナを複数設定する重要性について解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性顧客のペルソナ層とその広がり 「うちのお客様は幅広いので」や「うちは老若男女のお客様が多いから」と言われることがありますが、顧客データを分析してみると、実際には30代の女性が極端に多く、次に60代の女性が突出するなど、ふたこぶラクダのような顧客層が現れることがよくあります。 設定しておくべきサブペルソナとサードペルソナ 女性のヒット商品は、女性から女性へと年輪のように広がるため、顧客イメージのペルソナは2つから3つ持つことをおすすめします。 女性の顧客数は、大抵の場合、メイン客、サブ客、サード客といったように2つか3つの層に分かれることが多いです。ペルソナ作成をしていると、実は母娘の間でクチコミされているのではないか、といった発見がよくあります。 メインペルソナは、その商品を最も購入する可能性が高いクラスター層です。サブペルソナは、そのクラスターに影響されていく次のクラスター、サードペルソナはさらにその外側で影響を受けるクラスターです。女性顧客は、バウムクーヘンのように外へと広がるイメージで描くことができます。 メインとサブペルソナの共通ニーズ メインペルソナが20代の女性の場合、サブペルソナとして50代の女性(母親層)が含まれることはよくあります。例えば、小型車を購入した女子大学生に「なぜこの車にしたのか?」と聞くと、「母親と自分が使用するため」「自分と母親の両方の好みで選んだ」といった答えを聞くことがあります。 娘の選択基準は何で、母親の選択基準は何だったのか、また両者共通の選択基準は何だったのかを深掘りしていくことで、共通のニーズに焦点を当てた発信を行うと、2つのマーケットにアプローチする可能性が広がります。 なお、ここまで書いてきたクラスターやペルソナを自分たちで作るのが大変な場合は、弊社作成の「HERFACE21」(2021年版)をおすすめします。これは、国内全体の女性マーケットを把握して作成されたペルソナマップで、スピーディかつ俯瞰的に女性全体を理解するのに適しています。 次回は、人の「感情」を掴める女性視点マーケターについて解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 顧客との共鳴ポイントを探すためのペルソナの重要性(後編)

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.69 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第69回目は、共通の顧客イメージを共有するために、ペルソナの言語化や雑誌の切り抜きを使ったコラージュ作成について詳しく解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 ペルソナ作成ワーク② 自分たちの考える顧客像の言語化 ペルソナの言語化は、まず自分たちが考える顧客像を文章で書き出すことから始めます。家族構成、本人の年齢、夫や子どもの年齢、住んでいる場所、マンションか戸建てか、車の車種、貯金、年収、趣味、関心のあること、SNSやメディアの利用状況など、「うちのお客様はこんな人が多そうだ」と思う点を話し合いながら言語化していきます。 なぜそう思うのか、過去の事例やアンケート、お客様からのメール、売上ランキングなどのデータと結びつけて、できるだけ根拠のある顧客像を作り上げます。 数人の社員で作業を行う場合、さまざまな部署から異なる経験や体験を持ち寄ることで、より信ぴょう性の高い情報が集まってきます。また、社内の情報が不足している場合でも、ネットで地域や年代、職種などを調べれば平均年収などのデータがすぐにわかります。今ではスマホひとつで情報を簡単に調べられるため、社員で分担して情報を集めることは、チーム力を養う良い機会にもなるでしょう。 部門を超えた会話も重要です。 例えば、「そういえば、お客様相談室にこんな電話が多いよね」といった会話や、「へー、知らなかった。意外だね」といった情報共有が生まれることもあります。 ペルソナ作成ワーク③ より近い人物像の写真の選定 言語化が固まってきたら、その内容に近い写真などを雑誌の中から選んでいきます。「うちのお客様はこんな服を着ている人が多いよね」「そうそう、こんな感じの人だー」といった感じで、みんなで話し合いながら、お客様のイメージに合う写真を雑誌から見つけて切り抜きます。 顔写真、ファッション、家具インテリア、化粧品、食事、雑貨、旅など、さまざまな側面から顧客の暮らしを想像し、切り抜いた写真は大きな模造紙などに貼ってコラージュにします。 みんなで共に手を動かし、会話をしながらビジュアル化することで、その後の新商品開発、宣伝、プロモーションなどにおいても顧客像が一貫し、方向性がずれにくくなります。関係するスタッフが共に顧客理解を深める時間を持つことも、大きな成果となるでしょう。 雑誌で発見する顧客層の多様性と意外な興味 また、雑誌は状態別やクラスター別に編集されているため、異なるクラスターにいる女性社員や男性社員にとっては、まるで別世界のような特集が組まれていることに衝撃を受けやすいです。「こんな雑誌を見ることがなかった」「こんなことに興味があるんだ」といったように、多くの発見があります。 特に、母親向けのファッション雑誌では子どもや夫が登場するシーンが多く見られますが、男性向けのファッション雑誌では家族が登場せず、生活感が消されていることが多いです。 そのため、母親クラスター以外の社員にとっては、男女雑誌の内容を比較するだけでなく、新たに知らない情報が溢れていることに気づくでしょう。 女性雑誌を購入し、ハサミやのりを使ってコラージュを作る作業は、今では原始的な方法かもしれません。しかし、こうしたリアルな体験が「お客様の立場になれ」「顧客ニーズを把握しろ」という感覚を体感させてくれます。 お客様のことを思う時間を大切にしてほしいと思います。 次回は、女性顧客のペルソナ層の広がりについて解説しています。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 顧客との共鳴ポイントを探すためのペルソナの重要性(前編)

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.68 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第68回目は、ペルソナの重要性と、ペルソナ作成のためのワークについて解説しています。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 社内の共通認識を持つためのペルソナ作成 顧客イメージについて、社内ではどれだけ共通の認識を持っているでしょうか。 女性社員が集まって、「女性(私)はこんなのが好き」「女性(私)はこんなのは苦手」と語り合っているだけでは、大きな勘違いを引き起こす可能性があります。「女性(私)」ではなく、顧客像を正確に把握することが大切です。その方法の一つとして、ペルソナの作成があります。 以前の記事でも触れましたが、ペルソナとは「仮面」という意味で、代表的な顧客イメージを視覚的に表現するものです。小説やアニメ、ドラマでも、登場人物には性格などのキャラクターがあらかじめ設定されています。“こんな人”というモデルが存在することで、ストーリーが描きやすくなるのです。 特に女性消費者は、これまで述べてきたように、置かれている状況によって価値観が大きく異なるため、同じ女性であっても理解できないことが多いです。独身と既婚、子どもの有無でもまったく異なる価値観を持っています。 男性ならなおさら、見えない部分が増えることがあります。そのため、女性顧客像を言語化し、ビジュアル化して、全員で共通の認識を持ちながら仕事に取り組むことが望ましいです。 ペルソナを設定するときに有効なペルソナ作成ワーク ある時、美容室のオーナーから、「客層はミドルシニア層の女性客が多いが、スタッフの多くが若い男女で、会話が続かないという課題がある」と相談を受けたことがありました。そのような状況で実践したいのが、ペルソナ作成ワークです。 ペルソナ作成ワークでは、プロジェクトのメンバーが、お客様を理解するために、顧客像を話し合いながら具体的なイメージを言語化、ビジュアル化していきます。 共に話し合うことが重要です。いかに自分たちの認識が個々で違っているかを自覚するケースがほとんどです。顧客に対する認識のズレを互いに知ることができます。 ペルソナ作成ワーク① 顧客層と近い雑誌でイメージを掴む まずは、顧客イメージに近い女性雑誌を買い込んでくることです。 ありがたいことに、女性雑誌は顧客別のクラスター分類で発刊されています。これほど活用しやすい教材はありません。 「うちのお客様のイメージを持つ読者層に向けた雑誌はどれだろう」と考えるところから始めます。最近は、女性雑誌をまったく読まない女性も増えており、男性社員に至っては手に取ったことがない人が多いかもしれません。 ここで重要なのは、その本が売れているかどうかではなく、あくまで顧客理解のための教材として活用するということです。言語化とビジュアル化がされている女性雑誌を使うことで、かなり効率的に顧客理解が進むため、非常におすすめしています。男性雑誌との対比をすると、さらに話が盛り上がります。 顧客層と女性雑誌の読者層を合わせることで、顧客の暮らしが女性雑誌を通して見えてきます。読者層が重なっている女性雑誌も多いため、複数の雑誌を買い込むこともおすすめです。 顧客層と近い女性雑誌がどれかわからない場合は、雑誌販売サイト「富士山マガジンサービス」(Fujisan.co.jp)に行くとよいでしょう。そこには、女性の年齢や関心ジャンルなどが記載されているので、参考にして選んでみてください。 次回は、ペルソナ作成ワークの後編を解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 実は超現実主義の女性の購買行動

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.67 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第67回目は、女性が購入を決定する過程と、購買心理に基づく理由付けの重要性について解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 「かわいい」「素敵」では購入しない女性たち 「かわいい」や「素敵」という言葉は、女性たちからもっともよく聞かれるフレーズです。 特に、女性同士でいる時に頻繁に使われます。これには、心からそう思っている時と、相手との関係づくりのために行っている時の両方があります。「いい自分」「相手に嫌われない自分」でいたいと思う気持ちが反映されています。「わかる、わかる」「そうそうそう」「素敵」「おしゃれ」「かわいい」といった、相手にとって好意的な言葉を返すのです。 これが売り場なら、気に入っているのかな、買ってくれるのかな、と喜んでしまうと大きな間違いです。女性は、男性よりもずっとシビアな現実派です。 買うべき理由を探す女性の購買心理 買うべき理由が響かなければ、財布は開きません。 購入する場合も、言い訳がほしいのです。後で後悔しないように、「このケーキ、もう一個食べたら太るかな。でも今夜の夕食を抜けばいいよね」というように、頭の中で何かを買うために何かと差っ引きます。 「損してないよね」と納得しようとしており、自分の買い物を肯定したいのです。 女性が「買う」を決めるには、「言い訳できる理由」がほしいのです。女性メディアのコピーでは、「今、買うべき」という押し出し方が多いです。つまり、それは「今、これを買うのが正解だよ」と背中を押しているのです。同時に、今までのものでは古いよとか、まだ持っていないあなたは流行に遅れちゃうよ、というニュアンスも含まれています。 女性は、「同じ女性の目」が一番気になるのです。「あの人ってセンスがないわね」とレッテルを貼られるのはつらいです。「この夏、このスニーカーでキマリ」と書かれていれば、「今、持っているスニーカーは古いということだよね。今年風のスニーカーを買わないとみんなに遅れちゃう」といったように、頭の中で筋書きができるのです。 現実の暮らしから購入を決定する女性のシビアな視点 女性たちは、「買う理由」をほしいのです。 本当は夢を見たい、なりたい自分になりたいと思っているものの、実際には生活に責任を持つ消費リーダーです。買い物は、自分の暮らしを守り、よりよくすることがわかっている物だけにしたいと考えています。そんなシビアな現実派です。 「いい物」とは、高機能や高品質ではなく、あくまで「今ある現実の自分たちの暮らし」を起点に考えています。 購入へつながりやすくする共感 「こんなことありませんか?」と投げかけられて、「ある! 私のことだ」と興味を持つ、当事者の感覚で共感できるかどうかが出発点です。そこから「そんなあなたの暮らしが、今より少しよくなりますよ」と、同じような立場の女性たちのビフォーアフターの経験や事例を見せれば、「購入」へとつながりやすくなります。 女性は、感覚的な買い物をしているようで、実際には男性よりもずっと暮らしと生活に腰を下ろしたシビアな視点で判断しているのです。 次回は、顧客イメージを視覚化するペルソナについて解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • インタビューを成功させるリアルな反応を捉える方法(後編)

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.66 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第66回目は、お客様が本当は何を求めているのかを知るインタビュー方法について解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 インサイト(潜在的な購買欲求の核心)をつかむ聞き出し方 デジタルは単なるツールです。 私たちは生身の人間でリアルな暮らしをしています。商品を受け取り、箱を開け、取り出して、使用し、評価をするという一連の流れは、情報ツールがなんであったとしてもリアルに行われています。 意識的に、直接、生身のお客様に会う機会を設けなければ、お客様の本心を知ることができず、結局はサービスが低下し、顧客離れが起きてしまいます。お客様にとって何が大切なのか、その潜在的な購買欲求の核心部分を常に把握できる人材を育てることなくして、企業は生き残ることができません。お客様インタビューからインサイトをつかむための聞き方の一例を明記します。 インサイトインタビューの例 客:「黒のジャケットが好きです」 インタビュア: NG「そうなんですね。黒はいろいろ合わせやすいですしね」(勝手に決めて言わない) OK「どうして黒のジャケットがいいのですか?」 客:「服選びに悩まなくていいですから」「ほとんど黒が中心です。カバンや靴も。合わせるのが楽だし」 インタビュア: NG「わかります。同じ色だとそのまま着てすぐに出かけられますよね」(意見を言わない) OK「選んだり組み合わせたりが楽というのがいいんですね」(おうむ返しで確認) 「楽であれば、黒でなくてもいいんでしょうか」(手段なのか目的なのかを確認) 客:「そうですね。営業職でお客様のところに直接行くこともあるので、相手に対して失礼のない印象は心掛けています。それで無難な黒になってしまいます。あと、それ以外の色や柄をどう短時間で組み合わせればいいのかわからないし、黒ってセンスがなくてもごまかせますよね」 インタビュア: NG「やっぱりセンスはよく見られたいですよねー」(「センスよく」とは言っていない) OK「パッと朝、自分に似合う服が、センスよく全身コーディネートして用意できたらうれしいということでしょうか」(センスよいコーディネートを短時間に得たい、それが理想のようだ。さらに欲求度を確認) 客:「そりゃ、最高ですよ。センスよく好印象に見られたいけど、それができないし考えるだけで面倒だから黒になっているので」(黒は手段であって目的ではないと確認) 会話を掘り下げると見えてくる心の声 こうして個別インタビューで会話を掘り下げていくと、次のような潜在的な心の声が見えてきます。 購入した物(購買):黒のジャケット 顕在ニーズ(理由):他の物と合わせやすい インサイト(心理):短時間で、自分の思うイメージ(好印象)のトータルセンスの服を着て出かけたい チャンス(潜在ニーズ):本当に購入したい物は、黒のジャケットではない。 ①短時間で選べる、 ②センスの良いコーディネート こうすると、新しい提案アイデアがわきやすくなります。 このケースの場合ならば、事前に本人の体形や顔立ちの写真を送ってもらい、AIスタイリストが自社ECサイトの中からジャケット、ブラウス、スカート、バッグ、アクセサリーなどをトータルコーディネート提案し、本人がチェックすれば、それらの商品が自動的にセットされた状態で送ってくるといったサービスはできないか、といったアイデアではどうでしょうか。 トータルセットは複数用意し、その中での着まわしや組み合わせも提案するシステムにしておけば、本人の買い物履歴と好みの傾向もデータ化できます。おすすめの冬のトータルコーディネートを先手で提案することも可能になるでしょう。 実際に、この類似サービスはネット上で生まれてきています。 言葉のニュアンスを読み解くインサイトインタビュー インサイトは、発した言葉そのものではなく、その言葉の前後に含まれているニュアンスや情感を捉えることで本質が見えてきます。 その本質をつかむためには、質問者が自分の思い込みで発言したり、決めつけた誘導の質問をしないことが重要です。ぜひ職場で、2人一組になってこの「インサイトインタビュー」を練習してみてください。身近な仲間の知らなかった本音が、スタッフ同士でも発見できるかもしれません。 次回は、女性の超現実主義の購買行動について詳しく解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • インタビューを成功させるリアルな本心を捉える方法(前編)

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.65 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第65回目は、インタビューからどのようにリアルな本心を捉えていくのかを解説します。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 インタビューの時に気を付けたいこと 女性はクラスターによって価値観がまったく異なるため、直接インタビューを行う際に手を抜いてはいけません。いつでも常に「お客様のことはお客様にしかわからない」という姿勢を持つようにします。 顧客イメージが複数ある場合には、必ず複数のクラスターの女性にお話を伺うようにしましょう。その仮説が合っているかどうかは、複数の方にお聞きすれば概ね答えが出ます。私自身、自分とは異なるクラスターの方の発言に対して、目から鱗が落ちるような経験を何度もしてきました。 非言語リアクションも重要な理由 これを行わずに商品開発や販売をしている企業は、恐ろしすぎると思っています。お客様を集めたグループインタビューを行った際には、口数の多い方と少ない方がいるため、非言語のリアクションにも注目するようにします。 「わー」「きゃー」といった感嘆の声や、手を叩いて喜び合う非言語のリアクション、表情など、どこでどのように盛り上がったのか、話題と様子を重視して見ましょう。 インタビューの議事録を読むだけでは、大きな失敗を招く可能性があります。女性のインサイト(潜在的な購買欲求)は、文面ではわからない非言語にこそ見えることが多いです。 行間を読む力が重要となるのです。できるだけインタビュアの近くで表情やリアクションを観察します。どんな言葉や話題に反応したのか、そのリアクションの大小、さらに周囲の女性たちの反応や盛り上がり方にも注目します。 お付き合いの共感か本心なのかを見極める グループインタビューを実施した場合、後からもう一度、個別インタビューも行うことが望ましいです。女性は共感が得意であるため、グループでの会話では、相手に気を遣っておつき合いで共感の態度を示すことがあります。 「私もいいと思います」「〇〇さんと近いです」と言ったものの、実は「少し違うけど言いにくかった」という言葉が後から出てくることがあるからです。本当に共感したのか、それともおつき合いで見せた共感なのかを見極める必要があります。 また、複数の女性に意見を聞いた際に、バラバラの意見が出たとしましょう。 この時、もっとも参考にすべきは、顧客に近いイメージの人の意見です。 熱量や言葉のニュアンスも重要です。「まあいいんじゃない」「あれば使う」ではなく、「え、それすぐほしい」「いつ発売なんですか」など、前のめりになる意見は関心度が高いです。絶対にあると助かる、絶対にあったらほしい、と思ってくれた女性がどんな人だったのかを、まずはその一点に集中します。 相手の気持ちを掴むことが得意ではないデジタル世代の若者 最近のクライアントからのご相談には、「お客様に興味を持たない」「人の気持ちが読み取れない」というスタッフの育成についての悩みが増えています。 特に、EC関連ビジネスの分野で多く見られます。 「顧客は中高年で、スタッフは若い人が多い。仕事中はずっとイヤホンをしていて、休憩時間はフレックスでバラバラのため、ランチもひとり。個々に話しかけても表情が乏しく、リアクションが薄い。どのように指導し、どうしたらお客様の気持ちが読めるようになるでしょうか」という相談です。 20代、30代はデジタルが当たり前の世代です。 SNS上では微妙な空気を読み取れているものの、絵文字やイラスト、写真を通じて「感じる」ことが得意で、見ている自分はデジタルに向き合っているため、視点がスマホに集中し、表情やリアクションを返し合うコミュニケーションはしていません。そのため、顔を見ても相手の気持ちをつかむのが得意ではないのです。 次回は、後編でインサイトインタビューについて例を挙げながら詳しく解説します。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 女性視点マーケティングの実践トレーニング

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.64 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第64回目は、「誰のため」なのかを明確にし、誰に共感されるのか「共感者」を見つけ出すことについて詳しく解説していきます。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性マーケティングの6つの実践ステップ 女性視点マーケティングを誰もが理解し、実践に活かせるようにしたいと考えています。女性消費者は確かに複雑で、当事者でなければわからないことも多いですが、それでも理解しようと努め、誰もが「共に」という他者を思いやる気持ちが広がれば、もっと優しい社会になれる気がします。多くの方が女性視点マーケティングの実践者となり、新しい視点や価値観が広がってほしいと願っています。 今回、具体的な実行レベルについてお伝えいたします。ここでは、より実践的にマーケティングプロセスに合わせて、女性視点特有の部分を6つのステップでお話ししたいと思います。まず、マーケティングプロセスを次の6つに分けます。これは一般的なマーケティングプロセスの大枠と同じです。これらを今までお伝えしてきたことを意識しながら進めていきましょう。 ①ゴール設定→誰のため ②情報収集→共感者を探す ③顧客インサイト→共鳴ポイントを探す ④企画立案→体感、実感を高める ⑤ブランディング→幸せを届ける ⑥プロモーション→クチコミで考える 【実践】「誰のため」なのか、ゴール設定をしよう 誰のために、何を、どうしてつくるのか、売るのかを、事前に関係プロジェクトメンバーでしっかりと話し合ってください。「こんな技術があるから活かせないか」「こんな製品があるから何かに使えないか」といったプロダクト志向から始めても構いませんが、その機能や要素が「誰にとってうれしいのか」を徹底的に考え抜いてください。 「誰かの大変さを、自分たちの得意分野で解決する」ことをゴール設定として、討議を進めていただきたいと思います。この段階での「誰か」は複数存在していても構いません。 「誰のため」なのか、はこのくらいにして、さらに重要な次の実践に進みたいと思います。 【実践】誰に共感される?その「誰か(共感者)」を探そう その「誰か」という「共感者」を探しましょう。 直接のインタビューや対象クラスターのアンケートなどを行ってください。業界のマーケットボリュームや市場規模、店舗で言えば商圏内人口などのデータは、どこからでも集めることができるので、基本情報としては必要です。しかし、女性視点マーケティングでもっと大切なのは、「誰に共感されるのか」という点です。その「誰か」を見つけ、「共感ポイント」に響くかどうかが重要です。 特に今の時代、SNSなどによって「共感」がなければ、商品は売れません。目的買いの商品は、いくらでもAmazonやメルカリで調達でき、最安値も簡単に調べることができます。 本当に支持されるためには、人々のリアリティを把握することが重要です。数値やデータだけを見ているだけでは、そうした感覚を感じ取ることはできません。女性視点マーケティングでは、クラスターが異なるだけで、興味や関心、トレンドも異なるとお伝えしてきました。「みんなに」と思っていると、誰にも共感されなくなってしまいます。 「誰か(共感者)」が分からない時は、自分のためで考えてみる 「誰か」がわからない時は、「自分のため」を考えるほうが早いです。 ベンチャー企業は、自分の体験や経験から創業したケースが多く見られます。たとえば、「6つの共」で取り上げたスープストックトーキョーやDEAN & DELUCAなどは、「自分たちがいいと思うものをつくる」という強いポリシーと意志を持っています。周囲の意見に振り回されることなく、それでいて多くのお客様との絆を大切にしています。ヒット商品は「自分の経験から」生まれることが一番強いです。 もし自分に強い思いがあるならば、自分自身が「誰か」の位置に立って、その思いに共感するクラスターが最初のお客様になることもあります。顧客の立場を考える前に、「自分や自分の周り」を顧客イメージに置き換えて、できるだけ自分ごとにして情報を集めてみましょう。 次回は、対象クラスターに直接インタビューする場合について解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

  • 女性視点マーケティングを成功させるための「共創」の心得

    市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解vol.63 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第63回目は、女性視点マーケティングを成功させるための「共創」について解説していきます。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 「共創視点」で築く女性とのマルチチャネルコミュニケーション クチコミュニティ理解を通じて届けたいのは、常に女性と企業との「共創視点」を大切に持ち続けることです。「共」に女性顧客と「関わっていく」ことです。その関わり方にはいろいろな方法があります。マルチチャネル的な設計も大事です。女性は、さまざまな場面で接点を求めるからです。 その場面ごとに「快」「不」があり、あらゆる場面の「快」「不」を確認し、その障壁を取り外すために自分たちの意見を聞いてほしいと思っています。自分の意見を聞いてもらえることや、何かに少しでも活かされることがあれは、とても幸せを感じます。「誰かのためになるのなら」と、積極的に「共」に参加するのです。 自分の目を通して喜ばれることをしようとする女性の心理 女性視点は「自分と自分以外の人々」が対象となります。女性の視点は、自分の目を通じて周囲に喜ばれることをしようとします。 マーケターにおいてこんなありがたい存在はないでしょう。女性視点マーケティングに取り組むことそのものが、子どもやシニア、そして男性にも優しい社会にすることができるのです。その視点は、日常的な「生活と営み」の主役だからこその意見を持っています。 瞬時に感じ取り判断する「快」と「不快」 商品やサービス、広告や情報、人の顔色を見て、瞬時に「感じ取る」のは次の「6快」「6不」です。 「6快」:気持ちいい、心地いい、かわいい、素敵、おしゃれ、うれしい 「6不」:不満、不安、不足、不便、不快、不利 女性にとっては、競合より優れているとか、最新モデルを手に入れることがゴールではありません。「これは誰にとって役立つのか」「これは子どもに優しいのか」「これは年老いた母が使えるのか」といった視点です。 それがクリアなら買うし、リピートもするし、感動してクチコミもします。それがクリアできないなら買わないし、リピートしないし、問題点をクチコミ(よくないところをみんなに知らせる)します。 快・不快を見極める女性視点の活用 女性視点マーケティングで重要なのは、そんなソーシャル的な視点を持った彼女たちのお眼鏡にかなう商品・販売を行なおうと思う姿勢そのものです。モノをどんどんつくり出すことより、以前の商品をよりよく改善していくことも大切です。 使い勝手、重さ、形、空間、音楽、デザイン、もてなしなど、そのすべてに「快」「不快」はあります。 それを一瞬にしてつかみ、「ここはシニアに危険」「ここはベビーカーが通れない」「これは子どもが口にするとよくない」という要素を発見しようとします。五感と第六感を駆使して全身でとらえるセンサーなのです。 女性の「快」「不」は、日常のありとあらゆる場面で求められます。女性の視点を活用すれば、地域に優しい、子育てに優しい、シニアに優しい、外国人に優しい、男性に優しい、そしてダイバーシティ(多様性)な意識と行動が社会に広がります。 女性の「快」は、みんなの快になること。 女性の「不」は、みんなの快にならないこと。 次回は、女性視点マーケティングの実践トレーニングについて解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役  1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。

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