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【第7回】AIに選ばれる企業より、人に理解される企業へ

9月4日
読了時間: 5分

更新日:9月18日

AI時代のブランドマネジメント ~AI時代になるほど生活者理解が重要となる~


女性視点マーケティング戦略コラム

ここ一年ほどで、

「AI対策」という言葉を耳にする機会が急激に増えました。

AEO、LLMO、GEO、AI検索最適化。

企業の方からも、「まず何から始めればよいのでしょうか。」という相談をいただくことが増えています。


しかし、そのたびに私は、一つだけお伝えしていることがあります。

AI対策は目的ではありません。

目的は、生活者に理解されることです。



AIは新しいお客様ではない

AIという言葉を聞くと、

  • AIに評価される。

  • AIに選ばれる。

  • AIに最適化する。

そんな話になりがちです。


しかし私は、AIは新しいお客様ではないと思っています。

AIは、生活者の代わりに情報を整理する存在です。

生活者が安心して選べるように、情報を集め、比較し、説明してくれる存在です。


だから、企業が向き合う相手は、今も昔も変わりません。生活者です。



AIが紹介したくなる企業とは

では、AIはどんな企業を紹介するのでしょうか。

私は毎日のようにAIへ企業について質問しています。

その中で感じることがあります。AIは、広告の上手な会社を紹介しているのではありません。

ホームページが派手な会社でもありません。


AIが説明しやすい会社です。


つまり、誰のために存在し、どんな価値を届け、何を約束している会社なのかが、一貫している企業です。

企業の言葉が揃っている会社ほど、AIも説明しやすくなります。



AI対策より先にやるべきこと

私は、企業が最初に取り組むべきことは、新しいツールを導入することではないと思っています。

まず、私たちは何者なのか。誰のための会社なのか。どんな暮らしを支えたいのか。

その言葉を、社内で一致させることです。

  • ホームページ

  • 会社案内

  • 営業資料

  • 採用ページ

  • SNS

  • プレスリリース

すべてが、同じブランドを語っているでしょうか。


AIは、企業全体を一つのブランドとして理解します。

だから企業も、一つのブランドとして発信しなければなりません。



情報量より、信頼される情報

これまでインターネットでは、情報量が多いことが強みでした。

しかしAI時代になると、もう一つ重要なものがあります。


それは、「信頼できる情報かどうか」ということです。

  • 誰が調べたのか。

  • どのような根拠があるのか。

  • 社会との接点があるのか。

  • 第三者の評価があるのか。

AIは、こうした情報全体から、企業を理解していきます。

だからこれから企業が積み重ねるべきものは、広告より、信頼される情報資産です。



HERSTORYが考えるAI時代のブランド

私たちは35年以上、女性の暮らしを見続けてきました。

ブランドは、広告だけでは育ちません。商品だけでも育ちません。


生活者が、「この会社は私たちの暮らしを理解している。」

そう感じた瞬間から、ブランドは育ち始めます。


AI時代になっても、この本質は変わらないと思っています。

むしろ、情報があふれる時代だからこそ、企業の姿勢や考え方が、これまで以上に問われるようになっています。



AI時代に企業が積み重ねるもの

私は、AI時代のブランドとは、検索順位ではないと思っています。

企業が積み重ねてきた、一つひとつの言葉です。

  • 生活者への約束。

  • 社会への姿勢。

  • 暮らしへの理解。

その積み重ねが、AIにも、生活者にも、ブランドとして理解されます。


AI対策とは、特別な技術ではありません。

ブランドの原点に戻ることなのです。



おわりに

企業が目指すべきなのは、AIに評価されることではありません。

生活者に、「この会社は私のことを理解している。」そう思ってもらうことです。

その結果として、AIにも理解される。

私は、この順番がこれからますます重要になると思っています。


次回は、「一次データがブランド資産になる時代」について考えてみたいと思います。

AIが答えを整理する時代だからこそ、企業自身が持つ一次情報の価値は、これまで以上に高まっていきます。



HERSTORY NOTE

  • AI対策は目的ではない。生活者に理解されることが目的である。 

  • AIは企業全体を一つのブランドとして解釈している。 

  • AIが説明しやすい企業とは、一貫したブランドの意味を持つ企業である。 

  • AI時代に企業が積み重ねるべきものは、広告ではなく信頼される情報資産である。 

  • ブランドとは、「この会社は私たちの暮らしを理解している」と生活者に感じてもらうことで育つ。 




筆者プロフィール


日野佳恵子

女性インサイト総研 株式会社ハー・ストーリィ 代表取締役社長一般社団法人女性のあしたアカデミー 代表理事

島根出身。1990年創業。女性の購買行動とライフコースの関連がマーケティングに影響を及ぼすことに着眼し、女性インサイト理論を独自開発。学習院大学、成城大学、大阪公立大学の専門教授らと「男女の消費行動研究」を発表している。クライアントは生活消費財を中心にメーカーから小売まで幅広く、「女性顧客起点の専門家」として多数の企業のアドバイザーを行う。


<代表的な受賞ほか>

経済紙Forbes Japan「日本の社長100人」、日経WEBCOMPANYが選ぶ「21世紀 時代のキーパーソン51人」、日経ウーマン・ウーマン・オブ・ザ・イヤー2003リーダー部門第9位、2013世界女性リーダースティビーアワード銀賞、日本の残したい企業100社、2021Forbes Woman Award300人未満全国第2位など個人、企業活動と両面で広く評価されている。




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<連載ページ>

【第8回】一次データがブランド資産になる時代
【第9回】ブランドは、生活者との対話で育つ
【第10回】HERSTORYが考えるAI時代の生活者理解

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