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- 変化する女性のデータから読み取る消費の未来
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.10 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第10回目は、女性の就業率のデータから女性の生き方や価値観を読み解いていきます。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 くるくる変わる女性の生き方や価値観 人生のどの時点にいるのかで、価値観がくるくると変わります。なかでも結婚・出産・育児というライフイベントにいる女性は、日常生活に与えるインパクトが大きいため、価値観は目まぐるしく変化しています。 女性全体が今、どんな状況に置かれて、そのなかでどう生きていようとしているのかをデータから読み取っていきたいと思います。特に経年的なデータを見れば、右肩上がりなのか右肩下がりなのか、山なのか谷なのかで、5年~10年先のグラフがどうなるかが大方読めるはずです。 また、私たちは国の政策によってレールが敷かれていきます。今後、国が手を入れていくポイントは、男女差の大きい数値や、国際比較において女性活躍が遅れている分野です。この2つの現状を把握すれば、この先の国の動きは予測できるはずです。 まずは実態を見ていきましょう。 家庭と仕事の両立から見た女性の就業の現状 女性の就業率は過去最高70%を超え、さらに過去最高を更新し続けています。またすべての年代で就業率が上昇しています。 働く女性が増えるということは、時間の使い方、買物の仕方が変わります。この30年で女性たちは自分の生き方を自由に選択するようになったことで、昔のように多くの人が同じ年齢・時期に結婚、出産をして一時期仕事を離れるというようなことはなくなりました。 もうひとつ意識していきたいデータがあります。 それが正規雇用か非正規雇用かです。 以前は女性マーケットを語るうえで、専業主婦と有職主婦の比率を見ていましたが、専業主婦と有職主婦の比率が入れ替わったのは、2004年から2008年あたりです。 ここから一気に「働く女性」という言葉のほうがマジョリティになっていきました。 就業率が上がっていると聞くと、イコール正規社員と思いがちですが、女性の就業率の上昇は、非正規雇用のほうが多いのです。いわゆるパート、アルバイトなど時間や日数で働く人です。 これは見落としがちな大きなチェックポイントです。 女性の半数は非正規雇用で働いている事実 今現在、女性の半数以上は非正規雇用で働いているのです。反対に、男性は圧倒的に正規雇用が多いのです。つまり、女性は男性と比べると不安定な立場にあるということです。 30代40代は、仕事に責任が出てきて忙しくなってくる時ですが、その年代で非正規が多いという数値からは、就業と家事育児の両立の難しさがあるということがわかります。コロナ禍で表面化した女性・非正規に厳しい日本の現実ですが、介護、保育、医療、スーパー、コンビニ、旅行、ブライダル、観光といった分野を支えているのは非正規の女性です。 コロナ禍後の雇用予測 コロナ禍で職を失い、困窮、絶望、自殺増加を起こしました。しかし今後、非正規雇用よりも正規雇用のほうが大きくなっていく流れが予測されます。そうすると、日本の消費社会は変わっていくでしょう。 女性たちのほとんどが、今より家庭時間が減るため、家族との共働連携や代行サービスの利用、効率化のための家電やデジタルツールなどはどんどん活用されていきます。 次回は、今後10年の家事育児と仕事から見た予測についてお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 時代と共に変化し続ける女性たちのトレンドを探る(後編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.9 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第9回目は、コロナ禍の中、女性たちがどのように変化し、社会を塗り替えていく主導者となっていくのかをお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 「リカバリーは私たちの手で」自身で動く2020年 2020年の幕開けは、「リカバリーは、私たちの手で」でした。 まさかその後に、新型コロナウイルスで世界中が大変なことになっていくとは思っていませんでしたが、このキーワードは、妙にその後を予見したような言葉となったのです。 正式には、「リカバリーは、私たちの手で。私が動く、あしたの子どもたちのために。未来意思時代へ」ですが、2月には「サステナブル・ブランド国際会議2020横浜」が開催されました。 リサーチ会社のインテージは、「FRaU」に掲載された「今日からできる100のこと」を参考に45の行動リストを作成し、全国15歳~69歳の男女3206人に調査しています。( https://www.intage.co.jp/gallery/sustainability2/ )。 その結果から生活者のサステナブル行動を4分類し、サステナブル行動の意識が高い人から、Super層、High層、Moderate層、Low層とした。上位のSuper層、High層は、どちらも男女比4:6で、女性のほうが高くなっていました。 2020年7月、20代向けの女性ファッション雑誌「ViVi」9月号(講談社)が大きくSDGs特集を組んだのですが、それには、吉本の若手人気芸人EXITを起用し、新鮮な紙面で、読んでいるだけでハッピーになる内容でした。一日一善ならぬ一日一SDGsとして、私たちが身近にできる行動を30日分、30daysとして提案した内容でした。 たとえば、「days2: フードロスえぐい。解決アプリを使うなりー」では廃棄予定の食品をテイクアウトできるサブスクアプリの「Reduce Go」や、予約人数と同じ数の子どもたちに寄付できるグルメ予約サイト「テーブルクロス」などを勧め、「days6:つねに低電力モードでよろたの」では、低電力モードにすることで20%~30%も消費電力が節約できること、いらない写真やアプリを削除するのも有効だと伝えていたのです。 ポップなノリで若い読者にわかりやすく書かれてていて、この号では、エシカルコスメ(環境、人、社会に優しいコスメ)の特集もしていました。SDGsは、特別な人たちの高尚な言葉ではなくなってきたのです。新型コロナウイルスの感染拡大に直面した2020年の「ViVi」の特集は、20代の女性たちが、楽しみながらも持続可能な社会を自分たちの手でつかもうとする行動へと変わっていくことの大切さを指南していました。 暮らしから社会を塗り替えていった2021年 2021年が幕開けました。誰も想像していなかった新型コロナウイルス感染拡大という、価値観を大きく変える1年を過ごして迎える2021年となりました。 たった1年で多くの命を失い、経済不況を起こし、グローバル社会は一転して、世界中で鎖国状態が起きたのです。この期間、女性たちの価値観も大きな変化を余儀なくされていました。 女性消費者調査から見えていたのは、新型コロナ禍における「家庭の衛生管理責任者」という自覚と行動でした。 やがてそれは人を「思いやる、気にかけ合う、応援する買物へ」と意識変化し、その後、定着していったのです。SDGsという言葉の広がりとも重なり、次第に社会に目が向いていきます。 また、デジタルネイティブ世代が活躍する年代となり、クラウドファンディングやネットを活用した寄付や応援が気軽にできる社会になったことも大きいです。 「自分の買物が誰かを幸せにする」ことが身近となり、「同じ買うのなら」「どうせ買うなら」という言葉がよく聞かれるようになりました。 女性雑誌の「FRaU」「ViVi」以外にも、「SPUR」(集英社)、「Hanako」(マガジンハウス)などが次々とSDGsの特集を掲載し、サステナブルという言葉がいよいよ大衆へと広がっていったのです。 2020年秋以降の女性たちへのインタビューでは、「お茶は買わずにパックで。ペットボトルは買っていない」「洋服はリサイクルショップに持って行く」、そして「夫や子どもにエコ意識を啓蒙してきたが、やっと行動するようになった」「友達と誘い合いゴミ拾いのサークルに入った」などのコメントが聞かれはじめました。やはり女性たちは周囲を巻き込みながら生活のリーダーシップを取っているのです。 2021年からの女性たちは、身近な暮らしから少しでも社会に役立つことを主導し始めたのです。 次回は、価値観がくるくると変わる女性に関するデータ変化を読むことで未来が見えることについて解説していきます。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 時代と共に変化し続ける女性たちのトレンドを探る(中編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.8 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第8回目は、前編に続き、2017年~2019年にかけての女性トレンドを探っていきます。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 より自分らしい生き方を模索する2017年の女性たち 女性たちの中に広がった空気は、「固定的な価値観から解放されて、自分らしい生き方を探しはじめよう」というトレンドでした。それを表すかのように、2017年2月発売の女性雑誌「an・an」(マガジンハウス)の表紙はアーティストのPerfume(パフューム)の3人。タイトルは「オンナの生き方は、いつも難しい。生き方を選ぶ。」というものでした。 3人を出すことで、3人いれば生き方も三様であるというメッセージも含まれており、副題には、「恋愛/結婚/出産/仕事/転職/起業」という6つのライフイベントが並んでいたのです。 「結婚のメリット&デメリットは?」「出産&子育ての選択とスケジュール」といった言葉が添えられ、女性は、ライフイベントに向き合うべき時が多いことが示されました。女性は都度、分岐点で選択を迫られますが、そのどれが自分の人生にとって正解なのかは分からなかったのです。この頃から「適齢期」や「クリスマスイブ(24歳までに結婚)」といったような固定概念から解放されるムードが広がってきたのです。 「生き方は自由」となってきましたが、それゆえに選択肢が多いという新たなストレスを生んだのも事実です。「私はどう生きたらいいの?その指南書がほしい」というのが女性の本音でした。 インスタ映えで存在証明をし始める2018年 前年の2017年末の流行語大賞は「インスタ映え」となりました。その後、2018年、2019年と「映える」は、女性たちのトレンド行動として浸透していったのです。 前年からの流れで、女性の生き方の選択に正解がない不安感や迷いを抱えている女性たちにとって、インスタグラムの「いいね!」は、互いに承認しあえることで、存在証明の力になっていきました。 また、有名タレントでなくともフォロワーを何万人も持つ「インスタグラマー」と呼ばれる発信力のある女性たちが多数生まれ、消費に影響を及ぼす存在となっていったのです。 この年、女性に対する差別問題なども大きく取り上げられる動きが世界で見受けられました。2018年の流行語大賞には「#MeToo(私も)」がランクインし、「#MeToo」はセクハラに声を上げた女性たちの世界的な運動や米国のニュース雑誌「TIME」は2017年度パーソン・オブ・ザ・イヤーとして、「#MeToo」運動を起こした女性61人全員を写真つきで紹介して、大きな話題を呼びました。 翌1月の第75回ゴールデングローブ賞授賞式では、賛同した女優たちが黒い衣装で参加して連携を意思表示し、女性たちが沈黙を破り、声を発して存在を示す流れができました。世界各地で女性たちは「自らの存在の証を得る動き」を活発化させはじめたのが、この年です。 「ワタシは私」から始まる新たな選択の2019年 「『FRaU』の最新号、買いましたか?」 2018年も終わりに近づく時期、何人もの知人に聞かれました。 「FRaU」は講談社が発行する女性雑誌で、ファッション、カルチャー、ライフスタイルなどを幅広く記事にしています。2019年1月号「SDGs 世界を変える、はじめかた」というタイトルで、一般の女性に「SDGs」という言葉を強く発信した日本では最初の女性雑誌だと思います。なんと、同誌は発売後も重版を重ね続けたとのことです! その後も毎年1月号は、SDGsを特集テーマとして企画は第2弾、第3弾と続いていました。女性たちは、世界の課題を雑誌から学ぶようになっていたのです。そして「自分はどうあるべきか」という消費行動の変化へとつながっていき、近年は、エシカル(倫理的な行動)やサステナブル(持続可能な)を意識したファッションやコスメ、暮らし方を選択することがおしゃれな人というイメージになってきています。 外側を飾るのではなく、中身を磨くことが本物であり、心身が健康で、地球や社会の未来を考えて行動することがもっとも美しい生き方という価値観になりました。選択者はワタシ。自分の目で、品質・美しさ・健康によいモノを選ぶ。そのためには、自らの知識も高めようとする行動も強くなっていたのです。 次回は、2020年から2021年にかけて彼女たちがどのように変化し、社会にどのような存在になっていくのかをお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 時代と共に変化し続ける女性たちのトレンドを探る(前編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.7 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第7回目は、女性視点マーケティングに重要なトレンド(時流)を年代ごとに解説し、女性たちの価値観がどのように変化していったのかお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性視点マーケティングを語るうえで、重要なのは社会のトレンド(時流)です。女性は生活に密着し、些細な変化に気づき、暮らしに反映させていきます。まず、今の日本の女性がどんな状況下にあるかを共通認識として持ちましょう。 日本の女性は、世界一のスピードで変化していると言われています。「最近の女性たちは、どんどん多様化している」「女性といってもいろいろいるだろう」「世の中は、男女共に大きく変わっているはず」「今どき、男女差をいうのはナンセンス」など、さまざまなご意見があるのではないかと思います。 そこで、まずは、日本の女性たちがどのように変化し続けているのかをご説明していきます。弊社は、毎年2月に、その年の女性消費者動向を「女性トレンドセミナー」で、キーワードにして発表し続けてきました。その年間トレンドキーワードの変遷を振り返ってみます。 昭和から令和にかけての女性マーケットの変遷 日本の女性を取り巻く環境はこの30年で大きく変わりました。 昭和、平成、令和と時代が進むにつれ、女性の行動範囲は家庭だけでなく、職場や社会的な場所へとその活躍の場は急速に拡がっています。 幸せの基準が適齢期の昭和から、女性の社会進出が進んだ平成へ 1926年から1989年までの昭和時代、女性は結婚適齢期(24歳前後)を迎えたら結婚して家庭に入り、専業主婦として家族を支えることが当然とされてきました。家庭を切り盛りすることで働く夫を支える妻、子どもの世話をする母という二役にのみ、女性の役割は求められてきたのです。この流れを変えたのが、1986年に施行された「男女雇用機会均等法」です。この法律に後押しされて、続く平成時代(1989年~2019年)では、社会に進出する女性が急増しました。働く女性が増えるにつれ、育児や短時間勤務などに関する法律も徐々に整備され、時代を象徴するかのような「肉食女子」「草食男子」などの言葉が流行したのです。また、仕事を優先する女性が増えたことは、「少子高齢化」「晩婚化」に影響を及ぼしているのではないかと言われるようになりました。 情報発信が進んだスマホ元年の2014年 この年、女性たちが持つ携帯電話は、初めてガラケーよりもスマホのほうが多くなりました。 少子高齢化を実感し始めた2015年 少子高齢化を実感し始めました。子どもは宝。6ポケット(両親と両祖父母)消費に注目され始めてきたのがこのころです。 現実と期待のはざまで悩む女性が激増した2016年 女性の社会進出や発信力が、右肩上がりに増えていくなか、ひとつの分岐点となったのが2016年です。人口減少、つまり「働き手の減少」が叫ばれて以来、女性を積極的に活用していこうとする社会の流れを受けて、女性たちは現実とまわりからの期待とのギャップに悩みはじめます。この頃、話題になったのが、「#保育園落ちた」というSNSの書き込みで、年末の流行語大賞のベスト10に入るほど話題になったのです。 次回は、中編で2017年から徐々に女性たちの生き方や価値観が変化していったのかをお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 「見えないこと」が価値になる「感じる」女性視点マーケティング(後編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.6 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第6回目は、前中編に続いた後編です。トヨタ自動車の事例を交え、女性視点マーケティングの必要性を解説いたします。以前の記事( 前編 ・ 中編 )をお読みの上、こちらもお楽しみください。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 女性視点からの商品価値の再定義 たとえば、男性視点ではスペックの数値で商品を訴求しますが、女性視点では活用シーンがイメージできるような単語や伝え方の言い換えをしました。具体的には、男性視点では「最小回転半径4.6メートル」と伝えるところを、女性視点では「切り返しなしでUターンができます」といったようにです。 その他、店内のテーブルや椅子、観葉植物など快適性の見直し、分煙の工夫、トイレのパウダールーム化、授乳室やおむつ替えルームの設置、キッズコーナーや遊具の衛生管理など、ありとあらゆる場面で女性視点を取り入れ、どんどん改善されていきました。同時に、全国から地方各社の女性が一堂に集まる会議も開催されました。当時、まさに女性活躍を推進する動きとしても注目され、個々のディーラーの中で内包されていったのです。 女性視点マーケティングは、従来のマーケティングを疑う 女性が見ている消費社会とは、 モノを見ながら常に家族や子ども、関係する人々の使用場面を想像する 選択責任者として、家族に、子どもに、社会によいモノかを選定する 購入時に「モノ+人に優しい状態=商品価値」となる感覚が強い この3つが大きなポイントとなります。 女性視点マーケティングは、研究すればするほど横に広く、対象やカテゴリーがぐんぐん広がります。女性の消費行動の基本は、モノとモノ以外の「人に優しいか」という気持ちとセットで動きます。女性は、自分と自分に関わる人のために、日々、膨大な情報をキャッチし、加工し、自らも女性たちに伝えます。 あらゆる場面で消費する女性たち たとえば、家族や友人知人に自分の勝手な気持ちで行なう「おせっかい消費」、家族の使用するモノを代わって購入する「代理購買消費」、友達との話題のために購入する「クチコミ消費」、近々会う友達とのお茶会に持参するお土産やギフトなどの「交際維持消費」など……。あらゆる場面で、自分と自分以外の人を頭に浮かべては買物をするのです。 女性視点マーケティングを研究している間、世の中は、昭和、平成、令和と3つの時代を経ました。20世紀の大量生産、大量消費という時代も終わりを告げ、地球温暖化は進み、災害は増え、疫病に世界が脅かされることになりました。企業は、サステナビリティ(持続可能な)、SDGs(持続可能な開発目標)に向けた姿勢と行動が、いよいよ待ったなしで問われています。同時にマーケティングのキーワードも変化してきました。そこは10年先を感じ取ってきた女性視点マーケティングが大得意とするところなのです。 女性視点マーケティング成功のための4つのお願いと心構え 本コラムをこれから読み進めるうえでのお願い事が4つあります。 男性と女性は同床異夢。互いの視点は異なるということを素直に受け入れて読み進めてください。男女はあきらかに違います。脳科学の数々の本、大学ゼミとの消費者行動研究、そして私自身の実体験から実証を重ねている内容となっています。 女性視点マーケティングは、女性客向けだけではありません。幅広いお客様や男性向けの業界にとっても新しいマーケットの創造になり得るので、周囲にすすめてください。知って損のないマーケティングですから。 ひとりで理解してひとりで行動しないでください。従来のマーケティングとは逆の考え方が多々あるため、理解者を増やさなければ成功しません。上司やチーム、取引先と理解を共有し、できるだけ関係者を巻き込んでください。 女性視点マーケティングは、女性ならばわかるというものではありません。また、女性は「感じる」ことはできても言語化が苦手な場合があります。加えて女性は、ライフイベントが激しく変化します。状態が異なると同じ女性でも理解できないことが発生するので、女性だからこそ女性を俯瞰してほしいと思います。 次回は、時代と共に変化し続けてきた女性のトレンドと生き方について年代を追ってお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 「見えないこと」が価値になる「感じる」女性視点マーケティング(中編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.5 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第5回目は、トヨタ自動車の事例を交え、女性視点マーケティングの必要性を解説いたします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 当初は、「女性マーケティング」と「女性視点マーケティング」という言葉の使い分けを私自身も明確に出来ていませんでした。名刺交換をすると、「女性」ということだけで「うちは化粧品とかではないので」とか「女性向けの商品ではないので」と言われることが多々ありました。 「女性視点マーケティングは、女性モノとか男性モノとかシニアモノといったくくりではない」と伝えたいが伝わらないジレンマと葛藤しました。 新井範彦氏との出会いから見えてきた女性の購買力 女性の見ているマーケットは広く「暮らし」「健康」「教育」「介護」「レジャー」とありとあらゆる分野に関係し、それらの消費財を主に購入し、誰かに渡し、誰かに意見し、クチコミし、SNSで発信しているのです。女性にとっての当たり前は、ビジネスでの当たり前ではなく、さまざまな場面でフラストレーションを持ったのです。 明確に言語化できたのは、2004年、トヨタ自動車国内営業部のカローラ営業本部本部長の新井範彦氏(当時)との出会いでした(詳細は著書『 「ワタシが主役」が消費を動かす――お客様の“成功”をイメージできますか? 』(ダイヤモンド社)に掲載)。 2004年、トヨタ自動車国内営業部のカローラ営業本部本部長の新井範彦氏(当時)より、「女性が見る購入決定要因と接点となる販売ディーラーのあり方を調査したい」というご依頼がありました。 車を購入する男性の75%は、妻の意見が大きく関与しているというデータがあったからです。さらに調査したところ、女性はたとえドライバーであっても、「車のことはわからない」「興味が低い」「わからないことがわからない」という姿が浮き彫りとなりました。 調査で見えてきた車に求めていたコト 当時、すでに女性ドライバー数は登録者数で見ても4割を超えていたのです。「本人がドライバーであるにもかかわらず、車のことは得意ではない。しかし、夫の車の購入に75%は関与している」という状況は何を指すのでしょうか。 仮説ではありましたが、車を見ながら、車以外のことを関連させて関与するのではないかということが考えられました。 現実に夫婦の購入場面で、夫はレザー張りの内装を求め、妻は子どもが食べモノで汚したり、酔って吐いたりした時の状況に対応できる内装を訴えてけんかになったなど、多くの現実が見えてきたのです。 そして新井氏が発令したのが、「女性視点マーケティング」活動でした。 女性視点マーケティングは、女性向けのキャンペーンやプロモーションではない 従来のマーケティングプロセスのすべてを疑ってかかってみる活動 女性視点から見れば、たとえばメカに強くない男性や高齢者などへのアプローチにも有効になる可能性がある というものでした。 その後、当時の全国のカローラ店ディーラーには、女性社員を中心にプロジェクトが結成され、従来の売り方と並行して、女性の視点から気になることを洗い出して販売に活かすという「女性視点マーケティング」の活動が展開されました。 続きは、後編でお伝えします。 次回は、本記事の後編です。どのようにして女性視点マーケテイングが研究され進化したのか、女性視点マーケティングを成功に導く心構えをお伝えします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 「見えないこと」が価値になる「感じる」女性視点マーケティング(前編)
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.4 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第4回目は、コロナ禍の影響で価値観が変容していく中で、どのようにして「感じる」マーケティング=「女性視点」のマーケティングが研究され進化してきたのかをお伝えします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 「見えないこと」が価値になる2021年からの10年 新型コロナウイルスの感染拡大によって「価値観が変わった」「以前のやり方は通用しない」「この先どうなるのか。消費者の先が見えない」と多くの人々が言っていたのを覚えていますでしょうか。 安心してください。実は、それは女性視点が教えてくれます。女性は、見えていない世界を感じる力があるからです。第六感と呼んできただろうそれは、見えないだけに今までは周囲に上手に伝えることができませんでした。目に見えるモノに価値がある時代がとても長かったこともあります。 マーケティングとは、モノの量を拡大するために必要な視点でしたが、やっと時代が追いついてきました。「見えないこと」が価値になってきているのです。「感じる」マーケティング=女性視点マーケティングを良く知る必要があるのです。 10年先を感じながら価値観を進化させる女性たち 近年、よく言われている「モノからコトへ」という言葉ですが、女性視点マーケティングでは、もともとモノよりは目に見えないコトを重視してきました。また、「共感マーケティング」「共生マーケティング」「共創マーケティング」といった「共」を活用する言葉も見聞きするようになりましたが、「共」は女性視点マーケティングの真髄です。さらに「プロダクトインからマーケットインへ」という言葉ですが、まさに!女性視点マーケティングは、日常の生活から物事を見るマーケティングに当たります。 2010年からの10年。女性たちが見てきた世界は「コトからイミ(意味、背景や想い)」へと移行してきました。そしてコロナによって命の大切さや思いやりなど、社会的な存在意義を強く意識するようにもなりました。2020年、「イミからイギ(意義)」へと進行し、「モノ→コト→イミ→イギ」へと女性視点は本質の変化を受け入れてきました。女性たちは10年先を「感じて」いるのです。2021年からは「イギ」の時代になります。今まで見えなかった女性視点を取り入れて、共に次世代へ「イギ」ある社会をつないでいきましょう。 女性視点マーケティングの気づきと誕生 私が女性視点マーケティングに気づいたのは、広告会社に勤めていた20代の頃でした。会議中のやり取りでは、常にデータが求められ、新人だった私は、説明するための資料づくりに忙殺され、仕上げた資料はコテンパンに否定されていたのです。 毎回、口にはできなかったですが、「こうしたらいいのにな」という根拠のない感覚を持っていました。それを言語化したいと、ビジネススクールや数々のセミナーに学びにいき、そしてある時、気がついたのです。 マーケティングとは、男性視点なのだと。 この気づきはとてもショックでした。そこで独立を決意したのです。 1990年、「感じるマーケティング=女性視点マーケティング」が存在することを実証するための会社、株式会社ハー・ストーリィを創業しました。 続きは、中編でお伝えします。 次回は、本記事の中編です。どのようにして女性視点マーケテイングが研究され進化したのか、女性視点マーケティングを成功に導く心構えをお伝えします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- コロナ禍で見えてきた未来を見据える女性視点
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.3 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第3回目は、常に未来を見ている女性たちの消費様式を例に挙げながら、女性視点とはどのようなものかを探っていきます。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 タイトル「女性たちが見ている10年後の消費社会」を書きはじめたのは、2019年秋でした。もちろんその本のテーマは、「女性視点マーケティング」であり、私が長年研究と実践を重ねてきた内容を集大成にして発表したいと考えてのことでした。 予想もしなかったコロナウイルスとの闘い 半年後の翌2020年春には出版の予定だった「女性たちが見ている10年後の消費社会」ですが、誰もが想像していなかったウイルスとの闘いがやってきました。新型コロナウイルスの影響によって、世界中、そして日本経済も大打撃を受けました。 まず、コロナ禍で私が行ったことは、弊社が月刊で発行している女性消費者動向レポート「HERSTORY REVIEW」をバージョンアップさせ、紙の形式からPDFのダウンロード形式で読めるようにしました。 そして、取材どころではなくなった3月から6月までの自粛環境の中、社内もリモートワークになり、定期的に女性消費者に行っていたインタビューも、個別のオンラインインタビューに切り替えました。 このオンラインインタビューは、20代から60代までの女性たちに個別に行っていたのですが、彼女たちは年齢も住んでいる場所も違うにもかかわらず、世代を超えて、場所を超えて類似した新しいワードを口にしていました。 なんと、女性たちは、いつでも暮らしの最前線で「これから」を感じ取っていたのです。 女性が見ている視点はいつも「これからの未来」 「これからの未来」を見るのは、家族を、自分を守るために、暮らしを守るために「先手」を打つ女性たちの本能なのです。仕事をし、家事をし、子育てをし、学校の支度をし、塾と関わり、地域と暮らし、家族の買物に追われる中で、どう「取りまわし」ていくか、という処世術なのです。 男女平等だ、女性活躍だと言いながら、日本では女性の家事育児労働時間は、先進国中、世界第1位で、男性は世界最下位という事実があります。彼女たちの発言を聞きながら、女性消費者動向レポート「HERSTORY REVIEW」2020年7月号を「無料号外」にして、できるだけ多くの方に配ろうと決めました。 その中で私は「女性消費者7つのWith コロナ様式」を発表し、想像を超える多くのダウンロードをいただく中で、女性たちのリアリティに近づく調査、報告を強化しようと決意しました。同時に、書き進めていた本書も、より女性たちの本質に寄せていく内容に変更していきました。 さらに、「女性たちは未来を見ている」ことを多くの方に実感していただくために、何度も書き直しを加えていきました。幸いなことに、新型コロナ感染拡大によって自宅中心の活動になったことで、執筆環境が整っていたのです。こうして、本のタイトル「女性たちが見ている10年後の消費社会」となったのです。 「HERSTORY REVIEW」2020年下期キーワードの動きを確認 まずは、想定外の年となった2020年の新型コロナウイルス感染拡大の自粛後から年末までの変化を確認し、そこから10年後を考えてみます。 毎月10代から60代までの女性に、アンケートを取り、オンラインインタビューをし続けていくことで、刻々と変化していく気持ちを定点的に追い、その変遷をキーワード化してレポート「HERSTORY REVIEW」で発表し続けてきました。 【2020年7月 女性消費者7つのWithコロナ様式】 女性たちは家族を守るために、家庭防疫大臣のごとく振る舞う。 ①衛生管理:家庭内の衛生管理責任者の意識を持ち、指揮を執る ②家族優先:家族単位での行動を優先。行動管理者となる ③手製向上:時間の過ごし方を工夫。手づくりで楽しさと時間消化 ④内需活性:国内支援、ふるさと支援、災害地支援。近場で遊ぶ ⑤接続連携:SNSで常時、頻繁に遠方の親や知人たちと情報交換 ⑥健康免疫:免疫力を高める食材や発酵食品を摂取、体質改善主導 ⑦内部留保:保険の見直し、貯蓄や運用を学ぶ、意義ある買物へ 【2020年8月 抑えの夏、気分は外へ】 子どもや家族のメンタル、そして自分の体調も考えて気分転換の工夫をする。旅行や外出の制限があるなら、家の中で外出気分を味わおうと、ベランダにテントを張ってキャンプ風、部屋の中に駄菓子や釣りゲームを置いて夏祭り気分、飲み歩きできない夫のために居酒屋風メニューを手づくりして女将さん疑似店舗、ハワイに行った気分のインテリアで、パインジュースにお花をつけてなど、涙ぐましい工夫例が多数、聞かれた。 【2020年9月 気にかけ合う身近消費】 家族の防疫のコツに慣れてきたことで、次第に周囲の人々に目が行く。なかでも実家の両親や遠方の友人知人などだ。SNSやリモートでは思いが届かない。そこでお菓子、果物、手づくりのマスク、子ども向けのスナック、おもちゃなどを贈答し合った。タイミング的に敬老の日も重なったことも大きい。荷物には便箋を使用して手紙を入れるなど、デジタルでは味わえない気持ちを表わす行動が見られた。 【2020年10月 緩みを整える支度消費】 経済が動き出し、防疫術も身につけて、普通の生活に戻れるように努力を開始。ふと気づくと出かける頻度が少なかったことで、髪の毛はパサパサ、お肌は乾燥、運動不足とホームウェアで身体も緩んでいるという自分自身を放置していたことに気づいた。まるで我に返ったかのように自分メンテナンスに動き出した。 慌てて高級シャンプーやトリートメントを購入。エステや美容院へ。 そろそろ他人と会う態勢に自分を整えて、身支度に対する消費が活発に。 【2020年11月 脱コロナ奮起 塗りかえ消費】 今年も残すところあと2ヶ月。GoTo トラベルがスタートし、格安で泊まれる温泉地で少しリッチな部屋を予約。都内在住者でも都内のホテルに家族で毎週末に宿泊。部屋は人数分取って個室で楽しんでいるという声など。1年間、ネガティブだった空気を一気にポジティブな記憶に塗り替えて終わりたいという奮起が見えていた。 【2020年12月 暮らしアップデート サステナブル意識消費】 再びコロナ第三波。しかしもう、これまで得てきた経験を実行するのみ。 暮らしの視座がひとつ上がった。想定以上に長引く自粛生活によって、体験してきた行動の中には、習慣として定着しそうなことも多い。「新しい生活様式」は、人を想い、誰かのために役立つ行動に向かいはじめた。女性はもともと社会貢献意識が高い。女性たちの発言には、サステナブルやエシカル(倫理的・道義的)な行動を意識していることが幅広い世代ではっきりと聞かれるようになった。 【2021年1月 結構いいね! 新習慣2021 ニューノーマルラバー消費】 新しい年が明けた。「ネットフル活用」「家族時間を快適にする工夫」「大切な人を想う」「助け合い協力し合う」「無理をして生きない」。 つらいこともあったけど、いいことも発見できた。この暮らしを愛していこう。明日へつなごうという行動が見えてきた。 次回は、 価値観が変化していく時代の中で必要な「感じる」マーケティングについてお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 日本のマーケティングにおける女性視点と消費の未来
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.2 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第2回目は、未来を見据える女性視点がどのように消費していくのかマーケティングの観点からお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 日本は、先進国の中でも極端に、政治、経済の責任あるポストに女性の参画が少ないです。それは、ビジネスでのマーケティング視点にも、女性視点という存在が見落とされてきたということは間違いありません。 女性視点マーケティングとは、従来とは別の、もうひとつのマーケティングです。 マーケットに大きな影響をもたらす10年先を見ている女性消費者 女性消費者は、マーケットに大きな影響をもたらす消費リーダーであることを考えれば、女性視点マーケティングを今からでも急ぎ実践することは、ワークマンのように、見えなかった世界が広がっている可能性に満ちていることに気がつきます。 それが、女性視点マーケティングの醍醐味です。 それは、女性たちが10年先を見て生きていることです。 しかし、面白いことに当の女性たちにはその自覚はありません。女性同士の共感は、同じ女性同士の中で通じ合うので、特別なことと気づきません。 私は、2009年に『「ワタシが主役」が消費を動かす――お客様の“成功”をイメージできますか?』(ダイヤモンド社)という本を出版した。当時、たくさんの女性消費者にアンケートとインタビューを行ない、大阪市立大学の永田潤子教授に分析をお願いし、女性たちが見ている社会について発表しました。 あれから約10年。今、世の中で起きていること、人々に求められている社会的責任は、当時の女性たちが語っていたことそのものです。当時はあまりCSR(企業の社会的責任)とか、サステナブル(持続可能なありさま)とか、ましてやSDGs(持続可能な開発目標)などの単語は知りませんでした。 女性はどのように10年先を見ているのか 女性たちは、なぜ10年先が見えるのでしょうか。正しくは「感じる」のでしょうか。 その理由は、女性の心身が種を保存し、次世代につなごうとするためです。 言葉や形ではなく、心身が捉えているのです。近年、絶滅危惧種を取り上げた図鑑や本が増えているが、人間もリストアップされるべき方向に向かっているのではないでしょうか。だから社会課題解決の運動が年々大きくなっているのです。 今、社会起業家の女性は多く、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんは、15歳の時に活動をはじめたといいます。 日本も含めて世界各国で10代、20代の女性たちが声をあげています。それは10年後の自分たちが大人になった時の暮らしを考えているからです。いきなりマーケティングから生物学的な話になりますが、女性には10歳前後で初潮を迎え、月の満ち欠けのごとく次世代とつながろうとする力が備わっています。 女性は将来を見据えた消費行動をとる傾向がある 米国ゴールドマン・サックスが2014年に発表した「Giving Credit Where It Is Due」からわかったことがあります。女性の支出の優先順位は、男性のそれとは異なり、女性は家族の幸せを向上させる商品やサービスを購入する可能性が特に多く、教育やヘルスケア、栄養などの分野に消費します。これは男性の倍の数字であり、労働生産そのもの以上に、いわば「将来の人材への投資」として、その社会にもたらす影響は絶大なはずです。 また、ハーバード・ビジネス・レビューの「The Female Economy」によると、「女性は男性に比べ、より社会的責任性の強い企業の商品やサービスを購入する傾向にある」と報告しています。弊社が日々行なっている女性へのヒアリングでは、既婚未婚、子どものありなしにかかわらず、女性たちは、「未来の」「子どもたちの」といった言葉をよく発します。女性に向き合えば、10年先に起こり得る課題を口にします。女性視点マーケティングは、まだ未知の領域です。 賢く知性ある読者の方々と、このマーケティングを新たな分野へと昇華させたいと考えています。 「持続可能な」という大きなテーマでなくていい、子どもたちが笑顔で暮らす日本、地球に向けて歩き出しませんか? それが今、もっとも求められているマーケティングであり、ブランディングです。 次回は、 女性視点とはどのようなものかさらに掘り下げ、また刻々と変化する消費様式についてもお話しします。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 日本の女性生活者のすべてがココに。「2024年版女性ペルソナ年鑑」を発売しました
■時間とコストをかける大規模調査は不要! 年鑑を開けばすぐ自社ペルソナがみつけられます 15歳~89歳までの購買力を持つ女性5,515万人を、ライフコースに基づいて10のクラスターと29のペルソナに分類し可視化済み。 大規模調査なく、自社ペルソナ像を見つけることができ、即ビジネスに活かせます。 ■創業1990年 女性視点マーケティング実績NO.1! 信頼性高く最新のデータをもとに作成 ・国勢調査データを使用した調査・分析 ・2万人の女性モニター会員と連携し、女性たちの生声を聞き続けています ・調査、研究実績は3000件以上 ・女性消費者のマンスリー調査レポートを発行し、ペルソナの実像を更新しています ■女性ペルソナ年鑑はこんな方におすすめ →市場を拡大して売り上げを上げたい →自社の既存商品を女性向けに展開したい →女性ターゲット新商品や新サービスを開発したい →自社の商品が売れる、新しい市場を見つけたい →女性に向けた販促や宣伝を成功させたい
- マーケティングのアプローチに有効な女性消費者の行動
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.1 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第1回目は、今までの記事からリニューアルし、さらに「女性視点マーケティング」が今後のビジネスにいかに重要であるかを実際の具体例を交えながら解説していきます。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。 皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 マーケティングとは、「常に顧客視点で物事を考えること」です。マーケティングでは、常に顧客起点で物事を考えろと学びます。顧客の立場に立て、ニーズをつかめ、インサイトを掘り下げろなど、さまざまな場面で語られ、そのための手法が取られています。 では、その顧客の主役は誰でしょうか。 女性はあらゆる消費場面で影響を持つ 消費のあらゆる場面に影響力を持つのは女性です。 そのことを知っているマーケターは多いですが、しかしながら、消費リーダーは女性だとわかっていながら、女性の本質の消費行動は研究していません。 「いろいろな調査をするけれど、いまいち満足できない」「いつも同じ結論になる」「アンケートやインタビューをしてもあまり使えない」とマーケターは言います。 もちろん、「うちは男性客が多い」「お客を男女では見ていない」「男女半々のお客だから」と言われることもあります。これらのどの言葉も、とてももったいないのです。何かが足りておらず、スタート地点です。 目の前の顧客を1カウントとし、「男性は男性のモノを買う」「女性は女性のモノを買う」と考えて、目に見える答えを解決しようとしています。 男性の多くは、「自分のモノを買うことを買物」とみます。これが女性視点マーケティングに不具合を起こすのです。女性の多くは、自分のモノを買う時に、「誰かのモノを忘れていないかな」ともうひとつの脳で「考えながら」買物をします。 女性視点で急成長をしているワークマン この数年で急成長し、今、大注目を集めているのが作業着のワークマンです。その成長を後押ししているのは、作業着を着る男性ではなく女性消費者です。女性消費者の増加に伴い、大型ショッピングモールなどに、「ワークマンプラス」という男女が気軽に立ち寄れる店を次々と出店。2020年10月には「#ワークマン女子」という女性モノを増やした初のショップを横浜にオープン。店舗は、整理券を出すほど行列が続きました。 ワークマン側は、最初は実験店舗の予定だったが、すぐに400店舗の出店計画を発表したのです。オープン後のメディア取材に、土屋哲雄専務が興味深いコメントをしています。 「開店から3日間の売れ行きは、男女兼用製品も含め、6割が女性向けに揃えた製品。来店客の8割以上が女性だったにもかかわらず、売上の半分は男性向けの製品だった。レジャー用として、女性が家族の服を購入して帰ったようだ」と話していました。 これが「女性視点マーケティング」です。 女性視点マーケティングの可能性 女性消費者は「自分を取り巻く人たちのモノ」を買う可能性を秘めて商品を見ています。 女性モノ、男性モノ、ジュニアモノ、キッズモノ、シニアモノ、ペットモノ、そしてトモ(友達)モノまで数えきれません。 マーケティングでは、「女性は家族のモノを代理購買する」という表現をします。しかし、代理購買という単純な消費行動ではありません。子どもの塾の先生へのお礼、女子会の手土産など、代理ではなく、関係維持のための買物もあります。頭の中にあらゆる関係者リストを持ち、モノを見ながら人と関連づけて買物を判断しています。 今、世界中が女性視点を求めていると「感じて」います。 それは、「男性だから」「女性だから」という不平等感の話ではなく、存在する者同士がお互いを理解し合い、手を取り合っていくことこそが、世界の課題を解決していくからです。 次回は、10年後を見据えている女性消費者についてのお話です。見落とされがちな「女性視点」のマーケティングについてお話しします。これからのマーケティングに必要な考え方ですので、是非読んでいただけたらと思います。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 女性特有のコミュニケーション「女縁」とクチコミの関係(後編)
女性視点マーケティング戦略コラム vol.6 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第6回目では、女性の人生から生まれる5つの縁を探求し、口コミがどのように拡散するかに焦点を当てます。さらに、マーケティングにはクチコミが欠かせないと言う理由について良くわかる内容になっています。クチコミマーケティングをより深く知りたい方に非常に有益な内容です。 HERSTORYでは、長年、女性視点マーケティングを専門に事業を行ってきましたが、 女性視点マーケティングとは具体的に何をどうすることなのか、ということを体系的にお伝えしていきます。 ぜひ、皆様のビジネスにお役立てください。 「女縁」を通じてクチコミ拡散。同種グループの関係構築が目的 実は、これが女性たちのクチコミ拡散する正体です。女性は類似の「女縁」別に悩みや課題を共有しあっています。クチコミはそうした相手を助けたいという助け合い行動でもあります。こうしていつしかメーカーや売り手の想像もしていなかったムーブメントが女性たちの間に巻き起こるのです。元の情報を大きく画期的に発展させた女性は憧れの人となりカリスマ的な存在となってインスタのフォロワーが膨大になっていくという流れです。 「女縁」の5つの縁 「女縁」とはかくも摩訶不思議なパワーをもっていますが表舞台ではみえにくくもあります。昔も今も圧倒的に購買や消費に影響を起こしていくパワーがあります。ここで、「女縁」5 つ、血縁・地縁・職縁・友縁・交縁を整理したいと思います。 血縁とは 家族、親族、血縁関係がそれにあたります。中でも母、娘、祖母、叔母、義理の母、義理の叔母などの「女縁」。子どもの成長時期から親の介護時期まで、「血縁」は、良好かは別として強固になります。母の手料理の作り方、わが家の風習など伝承から身近な生活向上の情報まで交換し合う「女縁」です。 地縁とは 地域の縁です。居住地や学区を中心につながる縁です。伝統的な地域活動の祭りや学校行事、子ども会、町内会、PTA活動のバザーや役員活動、児童館保護者会、マンション住人の会などで出会っていく縁です。「地縁」は、その後、ここから「友縁」になる出会いもあるが、あくまで気持ちの上では深くない関係が「地縁」になります。 職縁とは 職場や仕事を通じて出会った縁です。女性の先輩、後輩、同僚、取引先など仕事を通じて出会った「女縁」は、女性にとっては将来の仕事と家庭の両立や、キャリアアップなどについての悩みを相談する相手として強い味方となります。ロールモデルという存在が見つかります。ランチタイムや女子会などで、恋愛話から職場の噂話までは尽きない「職縁」になります。 友縁とは 学生時代の友達、おさななじみ、カルチャー教室やジムなどを通じて出会った友達、子どもを通じて出会ったママ友(幼稚園・保育園/小学校・中学校・高校)など「友達」として話せる仲であるのが「友縁」です。長く付き合う関係が多い縁です。子どもの手が離れた世代の場合、みんなで一年に一回は、温泉一泊旅行へ行くとか、月1回の食事会を定期的にしているなどの行動がよく見られるのが「友縁」です。 交縁とは SNSや社会活動のボランティアなどを通じてつながったサークル的な縁。アイドルやタレントのファン同士、災害支援活動など、自発的に飛び込んだ関心事からつながる「女縁」です。 アイドルファンの場合、手製の応援グッズや作品を作って相互交換する「交換便」や「素敵便」と呼ばれる無償の交流行動などは、女性特有の代表的な「交縁」です。無償の愛、行動を交信して共感し合う「女縁」。 まとめ いかがだったでしょうか。 女縁とクチコミの関係が見えてきましたでしょうか。Instagramの利用者の6割は女性で、全世代で女性が男性より多いのが実情です。Instagramは写真や動画で伝えることができます。 何をどうしたらよりよく生活が向上するのか、は、文字より写真です。女性たちは、自分が所属する「女縁」別の悩みを共有し、みんなで生活向上を底上げしようと試みているのです。これがクチコミ拡散されていく真実です。 今号の女性視点マーケティングのポイント クチコミ拡散は、同種グループの関係構築が目的である。 女性は「女縁」を5つ持っている。 血縁・地縁・職縁・友縁・交縁の5つ縁。 また女縁や、女性たちの関係性の理解を深めるにはペルソナの理解が不可欠です。 1990年創業以来、一貫して女性消費行動を研究し続けてきたHERSTORYでは、10代、20代、30代、40代、50代、60代の女性ペルソナを29種類も設定し、毎年変わっていく女性消費者のトレンド把握に役立てています。 マーケティング戦略に不可欠な女性ペルソナ設計の方法や、最新情報を知りたい方は、下記「女性ペルソナ設計まるわかり」資料をダウンロードしてご活用ください。 次回は、女性が創出する「7つの消費」についてお話しします。女性視点にたち、どのように消費をしているのか分かりやすくお話しします。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 男女の購買行動の違いを理解し効果的なマーケティング戦略を
女性視点マーケティング戦略コラム vol.10 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第10回目は、男女の購買行動の違いを解説し、さらに購入を後押しする判断材料についても深掘りします。 HERSTORYでは、長年、女性視点マーケティングを専門に事業を行ってきましたが、 女性視点マーケティングとは具体的に何をどうすることなのか、ということを体系的にお伝えしていきます。 ぜひ、皆様のビジネスにお役立てください。 男性の買物はBUY(目的買い)、女性の買物はSHOPPING(回遊買い) 1. 男性の購買行動はBUY(目的購入) 男性の購買行動は、目的のものに一直線で、買物自体は、目的のモノをベストチョイスする探索力と確実に獲得するスピードが重要になってきます。 高品質、高性能なモノを最高の条件でゲットすることに注力し、自分で調べて、比較して、購入を決定するため他人のクチコミなどにも影響されません。「買物=戦利品の獲得」のような行動になります。 2.女性の購買行動はSHOPPING(回遊購入)回遊買いを好む 女性の購買行動は、よい商品を買うための合理的な左脳と、「うれしい」「楽しい」という情緒的な右脳を同時に重視しています。女性たちの脳は、買物に来た(左脳)から、せっかくなら出会いを楽しみたい(右脳)とで考えています。 とはいえ、お財布の紐は緩くはありません。木の実を見つけるように商品を眺めたら、「ちゃんと食べられるの?」「本当に美味しいの?」「上手に使えるかな?」などと購入後の失敗は避けたいため、友達の評判やネットのクチコミ、店頭でのPOP や購入者の感想などを判断材料にするのです。 買物の背中を押すのは、「旬」「今が買い時」「今が熟れ時」か 女性にとって季節はとても大切な判断材料です。 旬のモノ=美味しい時期と判断しやすい傾向になります。 また、女性の体はそのものにカレンダーサイクルが働いています。月経という月単位の身体の変化は、匂い、雰囲気、手触り、触感などの五感を働かせて、今食べるモノ、気分転換できるコトを探しています。 今年のクリスマスケーキはどこで誰とどんなケーキがいいかな、どんな気分だからどうしようかな、なんて先々のことを想像しているのです。 計画性がないように見える閃きや思い付きの買物には、女性ならではの意味があるのです。寄り道が楽しくなる買物を、今年もしっかり提案するのが大切です。 コロナ禍で、買物時間が短くなっている、目的買いが顕著になっている、といった調査データも増えていますが、だからこそ、気分が落ちてしまっている今年の冬は、「わくわくする出会い」を待っているのではないでしょうか。(データはHERSTORY 調べ) 女性同士の買物は長く、男女ペアの買物は短くなる傾向がある ドラッグストア研究会のアメリカ視察レポートの中に面白い報告を見つけました。最近の米国の小売業では男性客対策が重視されているというものです。なぜかと言うと、女性の買い物時に男性の同伴者がいると女性の買い物時間が短くなる傾向があるためということです。いかに男性も楽しませて女性の買物を長くさせるか、この対策は非常に興味深いです。 今号の女性視点マーケティングのポイント 男性の購買行動は、目的に一直線で最高の条件で手に入れる 女性の購買行動は、「嬉しい・楽しい(右脳)」と「良い商品(左脳)」かを行ったり来たり。 女性同士の買い物は長く、男性同伴は短くなる傾向がある。 次回は、 女性たちの五感を意識した販売戦略について 解説します。クチコミマーケティングへの理解がさらに深まる内容です。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、次号の配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 女性の体内カレンダーと五感を活かしたブランディング
女性視点マーケティング戦略コラム vol.11 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第11回目は、女性の体内カレンダーと五感を生かした効果的なマーケティング手法について解説します。 HERSTORYでは、長年、女性視点マーケティングを専門に事業を行ってきましたが、 女性視点マーケティングとは具体的に何をどうすることなのか、ということを体系的にお伝えしていきます。 ぜひ、皆様のビジネスにお役立てください。 女性の脳と体は周期性と不安定さには「悩みの共有」が大切 女性の脳は、周期性を持っています。これは排卵など生理との関係が深いです。男性の脳は、胎児期に周期性が不活性化します。女性の脳は、こうした周期性や左右の脳の行き来から、「不安」や「心の揺れ」があるため、女性にとって何より大切なのは「悩みの共有」ができることです。女性同士が、カフェで話す、ロールモデルがいる、相談相手がある、コミュニティサイトで悩みを共有する、傍らで見てくれている人がいる、など、「悩みの共有」をキーワードにすることは、女性脳の本能が求める中枢の「欲求」となります。 体内カレンダーは月単位でカウントされ、ささいなことが目に入る 女性は、体が暦になっています。これを「月経」といい、別名、生理のことです。男女は、共に10歳前後で、初潮や精通を迎えますが、女性の生理は、そこからほぼ毎月約50歳前後まで月単位でカウントがあります。 このように、女性は月単位でカウントする暦のサイクルを体内にもっているのです。この月カレンダーとともに人生の活動的な時代の大半を過ごします。生理の前後から期間中を入れると、月に10日ぐらい「気分が揺れやすい」ときがあるため、心身のバランスを取ろうとします。自らが気持ちを上げる楽しみを探したり、創り出したりするのです。体が暦なら脳も暦を生かしてストレスを癒やそうとします。そのため、日常の小さな変化、ささいな出来事で気分を変えたり、楽しみを見つけだすなどの工夫を取り入れるのです。 季節マーチャンダイジング(MD)を活用が女性の楽しみに 女性は、「もうすぐハロウィーンだから、おばけグッズ買おうかな」「クリスマスだから、玄関にリースをつけよう」「誕生日ケーキをそろそろ予約しよう」身近な暮らしに楽しさを加えることでセルフマネジメントを行っていています。 定期的にやってくる憂鬱な体の変化、それには関係なく毎日が過ぎていくのです。自分のこと、仕事、家事育児、親、知人、地域などさまざまなことが気になるし、だからこそ気を張っています。だからテーブルを飾る、花を生ける、ネイルを華やかにしてみるなど日常に小さなイベントを創り出して気分転換を楽しんでいるのです。 女性視点マーケティングに取り組むときの基本は、季節MDカレンダーを取り入れて、変化を創り出して提案する仕組みを回すことです。女性が集まる店、人気店、売れる商品は、かならず季節MD視点が入っています。 女性は五感が発達している 五感は、筋力やパワーがなく、小さな子どもがいるという状態がある女性たちにとっての予知・察知能力になります。五感は、彼女たちに危険回避を早めにさせるだけではなく、安心さ、心地よさ、幸せ感などを与えてくれます。 女性消費者を引きつけるには、五感に響かせることが重要になってきます。いいモノだけど五感に響かなかったり、使えるけど五感に届かなかったりでは、意味がありません。女性たちの五感を意識したモノづくりサービスづくりはマーケティング戦略で鉄板となります。 <女性の五感> 嗅覚…赤ちゃんの匂い、花の匂いなどを分別します。果物が熟れた匂い、パンを焼く匂いなど、妊娠中に、食の匂いで吐き気を持つなども含めて香りは重要だです。「いいにおい」は、女性には重要な引きつけの要素。それは時に無臭も含まれます。 聴覚…赤ちゃんの泣き声で、お腹がすいたのか、などを聞き分けます。夜中の小さな声でも母親は敏感になっています。鳥の声、水の音、木々の音、風の音、笑い声、料理の音、店内の音楽、上司の声、夫の声それらが「しあわせ」音かを聞き分けます。怒鳴るなど危険音からは出来るだけ遠ざかります。 視覚…女性は、目で見た情報と気持ちが共鳴します。美しいか、違和感がないか、視界に不快はないか、素敵か、おいしそうかなど、見た目の情報はできるだけトータルに「なんかいい感じ」と「感じる」を見ます。いいモノを見た目からも引きつけることができればクチコミも起こりやすいと言えるでしょう。 味覚…おいしいかは男女誰しも大切なことです。女性は自分の食べる物は、子どもにつながっていると本能的に知っています。母親の食べた物で子どもの身体は生まれてくるため、体にいい食べ物に対しては敏感です。味、彩り、栄養バランス、体にいいもの、楽しい雰囲気、そのすべてが「おいしい」につながります。 触覚…「赤ちゃん」の肌触りを基準に、「きもちい」「ザラザラしている」など快不快を判断しています。「まるで赤ちゃんの肌のように」という宣伝文句は、女性に響く言葉です。体に直接あたる商品や食品には大切な感触です。 今号の女性視点マーケティングのポイント 女性の五感を意識したモノづくりサービスづくりが重要 季節マーチャンダイジングを取り入れ、変化を創り出し提案することが大切 次回は、 新連載を開始いたします。どうぞお楽しみに! 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、新連載の配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 女性の本能的な購買行動を理解しマーケティング強化に!
女性視点マーケティング戦略コラム vol.9 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第9回目は、女性が購入するときの行動についてどのような傾向があるか解説します。 HERSTORYでは、長年、女性視点マーケティングを専門に事業を行ってきましたが、 女性視点マーケティングとは具体的に何をどうすることなのか、ということを体系的にお伝えしていきます。 ぜひ、皆様のビジネスにお役立てください。 女性は、まるで木の実を拾って歩くような購買行動をとる 女性をみていると、まるで木の実を拾うような購買行動をとっているのが分かります。「寄り道」を好むといったほうがいいでしょうか。 よく女性の買物は長い、という話が出ることがあります。実際にスーパーマーケットの中を男性と女性があるくのを時間で測ると、男性は6分間、女性は、3時26分だった、という図がネット上で、拡散されていたことがあります。 また、「妻と買物にいくと、さっき行った店に、もう一度、戻っていいか、といわることがあるが、正直、あの行動がよくわからない」と妻の行動を不可解だと聞いてきた男性がいます。(これはよく聞かれる質問の一つでもあります) なぜ、女性たちの買物は、木の実を拾うように、あちこち見て歩くのでしょうか。 実は、本能的な行動に起因しています。 女性は、妊娠、出産、子育てをする期間、行動範囲狭くなります。そんな期間でも、身近な場所で、情報を拾って、楽しめるようにできているのです。行動範囲が狭くても、ストレスにならない暮らし方を身につけ、楽しみを見つけることが得意にできているのが女性です。 「そのカバン、かわいい」「イヤリング、素敵ね」「ネイル、秋らしいわー」 朝、職場に女性たちが集まると、即座にこんなあいさつでコミュニケーションを交わしています。身近な視界の、他人の姿をパッと見て持ち物や髪型や服装や表情などを読み取ることができるのも女性ならでわの能力です。 男女ともに買物は目的買いが基本。でも女性には出会いの売場も大切 小売店をアドバイスするとき、女性のお客様には、通常の「目的買いとしての売場」とは別に、「新しい出会いを提供する立ち寄り場」を考えています。 購入の予定にはなかったけど、思わず買っちゃった!が起こってしまう足止め場があったり、ときには、「これ、お母さんに買っていこう」となったり、また「あ、ママ友会で配るのにちょうどいい」と考えて予定外のものを拾ってしまうのが女性です。 店舗は、女性にとって、移ろいゆく、美しい野原です。たとえるなら商品は、葉や花や木の実です。女性は、「今一番美味しいのはコレ!」と自信をもって旬やトレンドを押してほしいのです。 アンテナを常に張り巡らせている女性の「クチコミ消費」 女性はクチコミをします。私は、女性は存在そのものがチラシだとさえ思っています。表現を変えれば、女性はインフルエンサーで、女性はそもそも、男性よりもしゃべることが好きなのです。「地図が読めない女、話を聞かない男」というベストセラーがありますが、この本の中で男女の一日の発する言語量を比較したところ、女性が3倍という表が載っていました。 こうして情報発信することそのものが好きな女性たちにとって、SNS 社会は最高の環境なのです。より華やかに、より色鮮やかに、お気に入りのモノや風景を撮影しては発信し、それを気に入った人たちがフォローしていくという循環は、女性同士の出会いをつなぎ、大きなコミュニティ化へとつないでいます。実際Instagram は、利用者の6 割以上が女性なのです。 女性の脳は左右が連携している。「あ、そういえば」と寄り道が起こる 男女では、目の前のモノや情報を認識する脳が違います。 女性脳は「右脳(感じる領域)と左脳(顕在意識)が頻繁に連携し、直感が働く脳」なのです。 男性は、頻繁に行き来はしない脳なので、目的が明確ならそれをしっかりと達成することに集中します。女性の「行き来する脳」の神経線維は、数センチから1 メートルを超えるといわれるぐらい長く、目の前のモノを見ながら頭の中でぐるぐると様々な情報や記憶をたどっています。 そして「あ、ついでに」「あ、そういえば」が起きて「寄り道」が起きるのです。「寄り道」といっても当の本人からしたられっきした「思い出した目的買い」にほかなりません。 男性の買物は、目的のモノを「比較検討」して最高の逸品をゲットする! 左右の脳の情報の行き来が働きにくい男性脳は、女性とちがって「比較検討」で商品を選びます。このため、「寄り道」は不要です。 また、太古の昔、長い間狩りが役割だった男性脳は「最短距離と時間で、最大の成果を上げたい」と考えるため、一直線に目的の売り場に行きたがります。 つまり男性の買物は、目的の売場に早く到達して、できるだけ多くの類似品、代用品を見て比較検討し、そこから秀逸のモノを自らの見解で選ぶことに快感を持つようになっているのです。 女性は商品を見ながらアレコレ場面を想像している 男性から見ると女性の買物はなぜあんなに長いのか、と思わることがあるかもしれません。女性にとっての買物は、そのあとに必要なモノを忘れていないか、このあとに会う人たちに必要になるモノはないか、など商品を見ながら想像を最大限に膨らませて、見ているため「出会い」によっては、「あ、これはあのときにいいかも」となります。 買物をしている時間だけを考えると、「時間の無駄」「賢くない買い物の仕方」に見えるかもしれませんが、女性の買物はその場の効率ではなく、その後の日常における効率を考えているのです。 今号の女性視点マーケティングのポイント 女性は木の実を拾うように商品との出会いを探す 女性は商品を見ながらアレコレ場面を想像している 女性の買い物はその後の日常での効率を考えている また女性たち消費行動の理解を深めるにはペルソナの理解が不可欠です。 1990年創業以来、一貫して女性消費行動を研究し続けてきたHERSTORYでは、10代、20代、30代、40代、50代、60代の女性ペルソナを29種類も設定し、毎年変わっていく女性消費者のトレンド把握に役立てています。 マーケティング戦略に不可欠な女性ペルソナ設計の方法や、最新情報を知りたい方は、下記「女性ペルソナ設計まるわかり」資料をダウンロードしてご活用ください。 次回は、男性と女性の購買行動の違いに焦点を当て、その特徴について解説します。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。















