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- お金の増やし方を学び、将来の不安解消へ延べ3万人が参加する女性投資セミナー 「マネカツ」/ FANTAS technology株式会社
「マネカツ」WEBサイト 資産運用のノウハウが無料で学べる女性向けセミナー「マネカツ」は、東京都渋谷区に本社を構えるFANTAS technology株式会社が運営しています。 同社は資産管理アプリの提供や不動産投資型のクラウドファンディングなど、AIを駆使した不動産・金融のマッチングサービスを軸に、多面的な事業展開を行っています。 2012年から開講している 「マネカツ」では、「女性に寄り添い、その未来を想う。」というコンセプトのもと、これまで3万人を超える女性たちに資産運用にまつわる講義を提供してきました。 日本証券業協会によると、インターネット取引口座数は2023年9月の時点で4,207万となっていますが、約10年前は1,968万と半数にも満たなかったのです。 男女共に資産運用へ高い関心を寄せる機会の少なかった時期に、なぜ女性が学ぶ機会を提供しようと考えたのでしょうか? 「 結婚や出産といったライフイベントの影響がより大きい女性だからこそ、将来の不安を感じることが多いと考えたからです。 スタート当時、女性たちの間で『資産運用』はほとんど浸透していませんでしたが、女性たちの相談に乗り、一歩を踏み出すためのサポートがしたいと思ったのです」と語るのは、CX本部イベントプロモーションチーム・チーフである安川ななみさんです。 同社の顧客の中には、看護師のような安定した収入を得ている層が多かったのですが、資産運用を相談できる環境が充分でないことに着目したといいます。 社会で活躍する女性を資産運用の面から応援していくこと、 それが「マネカツ」運営の原動力となりました。 「マネカツ」運営元のFANTAS technology本社 「マネカツ」セミナー風景 セミナーには「初心者+トレンド」を取り入れる 現在セミナーの主な参加者は、30~40代の女性です。 しかし、女性の投資ブームが高まっているここ数年は、20代後半の参加者も多くなっているといいます。年代だけでなく、独身・既婚にかかわらず参加者が増えるのを見て、女性のお金に対する意識が全体的に上がってきたと安川さんは感じているようです。 参加者の年収を見ると、500万円以上の女性が大部分を占めるが、 中には年収1,000万円を超える人も。全員に共通するのは、資産運用に関してほとんど初心者だという点でした。 各セミナーでは、実際の店舗経営や金融会社での勤務を経た、経験豊かなファイナンシャルプランナーたちが講師を務めます。 例えば人生の大きな出費として、「結婚・出産などのライフイベント」「住宅費」「教育費」の3つを挙げ、 それぞれの目安金額を算出していきます。 さらに、必要となる老後資金を 試算し、独身の場合と夫婦二人の場合、どれぐらいの資金が手元に必要かを説きます。 一方、資産を増やす方法として、「守りの運用」「攻めの運用」の解説から始まり、投資信託や不動産投資、NISAやiDeCoといったさまざまな金融商品の説明を丁寧に行ってくれます。 その上で、 分散投資の重要性にも触れるので、初心者であっても十分に理解できる内容となっているのです。 セミナーで心がけていることとして、安川さんは「あくまでも初心者 向け+トレンドを取り入れることを意識して、定期的に内容を更新しています。 参加者が今どんな状況にあっても、お一人お一人に合った運用商品が必ずあると思うので、その商品を見つける・始める・第一歩 を踏み出す力になれるような内容にしています」と語ってくださいました。 多くの受講者が投資にチャレンジ 「マネカツ」セミナーが確かな成果を上げていると実感できるのは、 参加者のその後のアクションを見れば分かります。 多くの受講者が投資商品の購入を決めるのです。 「月々数万円の少額で始められる商品から運用開始される方が多いです。セミナー内でもお伝えしていますが、 分散投資をすることが大切なので、それぞれの商品のメリット・リスク を理解した上で複数の商品に挑戦されている方もいらっしゃるんですよ」(安川さん) 女性たちのこうした第一歩を後押しするのは、セミナー終了後に行われるファイナンシャルプランナーとの個別相談会の存在も大きいでしょう。 それぞれの事情に合わせた資産運用を提案してくれるので、 具体的なアドバイスを知りたい女性たちからの人気も高いのです。 参加者からも「お金の知識が全くなかったが、自分に合った投資商品で将来に備える準備ができた」「ライフシミュレーションを作成することで具体的な金額を知ることができた。参加してよかった」と、受講を きっかけに資産運用をスタートできたことへの喜びが伝わってきます。 セミナーの受講対象となる高収入女性へは、どのようなプロモーションを仕掛けているのか気になるところだが、安川さんいわく、主に FacebookやInstagramの広告を通じて、セミナー参加者を増やしているとのことでした。 「以前、初心者向けではない中級者・上級者向けの内容に挑戦したこともありましたが、今のところは展開予定の新サービスはございません」(安川さん)。 今年も投資初心者の女性に手を差し伸べるべく、「マネカツ」セミナーをフル回転していく予定です。 ◆インタビュー: 会社名:FANTAS technology株式会社 CX本部 イベントプロモーションチーム チーフ 安川ななみ 様 https://fantas-tech.co.jp/
- 新常識!「コスメ共有」が母娘をつなぐ「女縁」に着目したコスメブランド「MOTHER AND DAUGHTER(マザー&ドーター)」/ツーウェイワールド株式会社
今春発売! フェムケアを通じてデリケートな相談も 「MOTHER AND DAUGHTER」の企画・製造・販売を行うツーウェイワールド株式会社は、600種類、2万点を超える化粧品の国内卸事業や海外輸出入事業を広く手掛けています。同社発のオリジナル化粧品ブランドも7つ抱えており、「MOTHER AND DAUGHTER」もその1つです。 これまで同ブランドでは、UVケアやボディケア、フレグランスなど母娘で使用できるスキンケア商品を展開してきました。しかし今年3月、初めてデリケートゾーンケアを目的としたフェムケア商品を発売しました。 「きっかけは、輸入事業で海外のデリケートゾーンケア商品を取り扱う機会が増えたことです」と説明するのは、専務取締役の勝谷恵さんです。「デリケートゾーンケアを通して、母から娘へ自分の体を大切にするよう教えられるきっかけになればと思い、今回の商品化に至りました」(勝谷さん) そもそも海外ではデリケートゾーンケアが広く受け入れられており、日本に比べて学校で性教育を施す機会も多いのです。一方日本では、母親の68%が「いずれ話そうとは思っているが、今はまだ性教育(生理やデリケートゾーンケアなど)について話せていない」といった現実が、同社アンケートによって浮き彫りになっています。 こうした現状を踏まえて勝谷さんは、「一番近くにいる女性の先輩」として母から娘に正しい知識を伝える必要性を痛感していました。そのきっかけ作りとして、母娘で取り組むデリケートゾーンケアに注目されたのです。 日々のケアを通じて、生理が始まる小学校高学年~高校生ぐらいの「娘」と40~50代の「母」が、自分たちの体についてオープンに話せる習慣が増えることを狙いました。 ◆KEYPOINT: 母娘両世代が惹きつけられるデザインや色遣いを意識する 商品の良さを知ってもらうためにSNSでのプレゼント企画やモニター企画を積極的に実施する 母娘インフルエンサーを活用して、消費者目線に合わせた商品訴求を行う 今春発売した「MOTHER AND DAUGHTER」のフェムケアシリーズ 毎日のスキンシップで母娘の絆を深める 「MOTHER AND DAUGHTER」から発売されたフェムケア商品は、「デリケート泡ウォッシュ」「デリケートオイルインミスト」「デリケート拭き取りミスト」の3種類です。乳酸菌由来の保湿成分を配合し、乾燥しやすいデリケートゾーンに潤いを与え清潔に保ちます。こうした同社の製品はフェムケア商品に限らず、「子どもでも使えるように、肌に優しい低刺激処方であること」に徹底的にこだわっています。 「何度も試作を重ね、社員全員が胸を張っておすすめできるような商品を作っています」と勝谷さん。 そもそも2018年に同ブランドを立ち上げたのは、日常的なスキンケアで母娘のスキンシップを増やし、互いの絆を深めるためだったといいます。「スキンシップは母と娘をつなぐ言葉を超えたコミュニケーションだと感じています。母親が娘にお肌のケア方法を教えたり、娘が母親と最新のビューティートレンドを共有したり.....。そんなかけがえのない日常の瞬間に寄り添い、支えられるような製品を提供することで、母娘の関係をより豊かなものにしたいと思いました」(勝谷さん) 毎日のお風呂上りに母が娘に塗ってあげるボディミルク、外出前に一緒にケアするUVスプレーなど、コスメは母娘の共有体験をどんどん増やしていきます。現在、同社のこうしたスキンケア商品の使用者は、30~40代の「母」と3歳~12歳の「子ども」がメインとなっているのです。 幼少期から母親との密接なつながりを重ねることで、その後の親子関係が良好になり、強い絆作りにも功を奏していると予想できます。 【母親に対する子どもとの性教育について話す機会についてのアンケート結果】 モニター募集や母娘インフルエンサーを用いたプロモーションを展開 また、「MOTHER AND DAUGHTER」では、母・娘の両世代に受け入れられるよう「デザイン」や「機能性」にも工夫を凝らしています。 まずデザインでは、優しさやかわいらしさを感じられる淡いピンク色をメインカラーとし、アクセントとして高級感のあるピンクゴールドを採用しました。母世代には少女の頃に戻ったような「わくわく感」を、子世代には大切な思い出や希望の詰まったおもちゃ箱のようなデザインになることを意識したといいます。 また、機能性においては敏感肌によるパッチテストを全商品で実施。「特に小さいお子さまは、べたつきや日焼け止め特有のきしみなどを嫌がることも多いので、違和感や嫌悪感を抱かないテクスチャーにかなりこだわりました」(勝谷さん)。 実際の利用者からも「テクスチャーがスルスルした感触なので嫌がる子どもにもべたつかず塗りやすい」などつけ心地が喜ばれています。 現在「MOTHER AND DAUGHTER」はターゲットとなる母娘に向けて、さまざまなアプローチも行っています。Instagramでのプレゼント企画や定期的なモニター募集、さらに母娘インフルエンサーへのPR依頼などを通じて商品の良さを伝えたり、人気キャラクター「うさまる」とタイアップしたスティック型の日焼け止めを販売したりなど、あらゆる世代が手に取りやすいアイテムを目指して疾走中です。 「今後もお母さんとお子さんのお悩みに寄り添って、『この商品をずっと使いたい!』と思っていただけるよう、安心できる商品を開発してまいります」と勝谷さん。日本の母娘の効果的なコミュニケーションツールとして、欠かせない存在になっていきそうです。 「MOTHER AND DAUGHTER」のUVケアシリーズ 「MOTHER AND DAUGHTER」のスキンケアシリーズ うさまるとのタイアップも行っている 「MOTHER AND DAUGHTER」のUVスティック ◆インタビュー: ツーウェイワールド株式会社 専務取締役 勝谷恵 氏 https://www.2wayworld.jp/
- アメリカの抹茶ブームを追い風に!本格抹茶を楽しめる専用マシンを開発「CUZEN MATCHA(空禅抹茶)」/ World Matcha株式会社
健康意識の高いアメリカで仕掛けた「ホーム抹茶体験」 自宅で茶葉を挽き、淹れたての抹茶を楽しめる「CUZEN MATCHA」。 開発したのは、東京と米国カリフォルニアに拠点を置くWorld Matchaです。現在は「抹茶マシン」と個包装になった茶葉「オーガニック抹茶リーフ」を販売しています。 代表取締役の塚田さんは、元々大手飲料メーカー・サントリー株式会社に長年勤め、「伊右衛門」「烏龍茶」「特茶」などの数々のヒット商品の企画やブランディングに携わってきました。米国に赴任した際、現地で徐々に始まりつつあった抹茶ブームにいち早く着目。会社に掛け合い、抹茶専門カフェ「STONEMILL MATCHA(ストーンミルマッチャ)」を、米国・サンフランシスコに立ち上げた経験も持っていらっしゃいます。 当時の現地の手応えから、抹茶に大きな可能性を感じた塚田さんは、その後退職し、現在の会社を設立しました。「抹茶は米国で根強い人気があります。健康や美容効果をもたらす抗酸化物質や、リラックス作用のあるテアニンを多く含むからです。現地の若者の間でも、サプリメント代わりに飲む傾向が広まっているんです」と塚田さんは語る。しかし、粉末で扱われることが多いため、自宅で毎日飲みたくてもおいしく作るのが難しい。そこでエスプレッソマシンのように、本格的な抹茶を手軽に作れないかと開発したのが「抹茶マシン」でした。 マシンとは言っても、実物はおしゃれなインテリアそのものですね。 正方形のフォルムには、茶室の丸窓をイメージした大きな円状の穴が空き、その中心部には茶筒を思わせるシルバーのパイプが通っています。ここで挽いた茶葉が、水を入れてセットした専用カップに落ちる仕組みです。操作ボタンは抹茶の濃さを選ぶボタンと、動作のON/OFFを調整する2つのみ。ONボタンを押すと、ほんの数分で淹れたての抹茶の香りが室内に漂います。 ◆KEYPOINT: 日本の素材(抹茶)をいつでも売り込めるよう海外でのブームにアンテナを張る 商品コンセプトに沿ったデザインとシンプル機能で、手元に置きたくなる商品を目指す サービスを体験できる場を増やすことで、クチコミの輪を広げていく 禅を意識したデザインと茶葉へのこだわり 高いデザイン性とシンプル操作が際立つ「抹茶マシン」ですが、開発にあたっては苦慮することが多くありました。「そもそもマシンの商品設計が初めてだったので、お客様にとってどんな機能が必要で不要なのかを見極めていくのが難しかったですね」と塚田さんは振り返ります。 とはいえ、茶と禅を意識した商品コンセプトは外したくない。そこでエンジニアやデザイナーに協力を仰ぎながら、無駄をそぎ落とした必要最低限の機能に絞ることに集中しました。水タンクやホースなどを省き、各パーツの洗浄といった手入れの煩わしさも減らしていきました。代わりに、抹茶マシンを置くことで居心地の良い空間になるよう、見た目のデザインと使い勝手の良さにこだわったそうです。「抹茶を飲んでいない時も、このマシンを置くことで茶室を感じてもらえたらと思いました」(塚田さん) こうしたマシンへのこだわりが実を結び、2020年は世界最大の家電展示会「CES2020」にて イノベーション賞を、続く2021年には「グッドデザイン賞2021」を受賞し、日本国内外で注目される存在となっていきました。 もう1つ、塚田さんが最大限の注意を払うのが茶葉の品質です。抹茶は通常の日本茶と違い、茶葉そのものを丸ごと挽いて飲むものです。米国では野菜を食べる感覚であり、それだけ安全性にも厳しい目が向けられています。こうした消費者のニーズに応えるために「CUZEN MATCHA」で扱う茶葉は全て、農薬を一切使用しない鹿児島産の有機栽培に限定しているのです。加えて、うまみ成分であり興奮を抑える作用も持つテアニンを豊富に含ませるために、被覆栽培も行っています。収穫前の茶葉に覆いをかけることで直射日光を防ぎ、日光で茶葉の苦みが進行しないよう対策するのです。 ペットボトル化に潜むリスクを乗り越え体験の場を増やしていく 「今の日本は急速なペットボトル化により、日本茶の味を大事にする機会が減っています。これは茶葉の生産者にとって苛酷な状況です。『CUZEN MATCHA』の役割は、国産の良質な抹茶への需要を海外で高めることだと考えています。適正価格で商品を買ってもらうことで、日本のお茶作りを支えられたらと思いますね」(塚田さん) 現在マシンと抹茶リーフは、同社の公式サイトや大手通販サイト、デパートなどの公式サイトで購入可能です。これまで世界で8,000台以上が売れ、そのうち8割は米国での売り上げが占めています。 現地での認知度を上げるために、アメリカ発のクラウドファンディング「Kickstarter」(キックスターター)」も活用しました。募集開始から早くも4日目で目標額を達成しただけでなく、ここでの出資者たちが同製品の評判を周囲に広めたことが幸運だったと塚田さんは説明してくださいました。 「やはり一番信用できるのは、実際に体験した人のクチコミ」だという塚田さん。これを受けて今後は、業務用抹茶マシンの開発にも注力する予定です。カフェやレストランなどで「CUZEN MATCHA」のおいしさを知った消費者が、自宅にも導入したいと思えるきっかけを提供し、クチコミの広がりも狙います。「現状は米国と日本に重点を置いていますが、より世界中に広まる仕組みを考えていきたいですね」とさらなる目標を語ってくださいました。 栄養価の高さや美容面で注目が続く日本の抹茶。その魅力を世界に広めるためにも、今後「CUZEN MATCHA」が担う役割は大きいのでしょう。 CUZEN MATCHAが目指す未来 2024年下期発売予定 CUZEN MATCHA 業務用 抹茶マシン ◆インタビュー: World Matcha株式会社 代表取締役 塚田英次郎 氏 https://cuzenmatcha.com/ja-jp
- SNSのひとつの投稿を機会にアクションフライパン検証から商品リニューアルまで発信「冷凍餃子フライパンチャレンジ」/ 味の素冷凍食品株式会社
きっかけはSNSの投稿 味の素冷凍食品株式会社が手掛ける「ギョーザ」は、1972年の発売以来、同社の主力商品として多くの消費者から愛されてきました。油・水がなくても手軽に調理できることを強みにしており、国内の調理冷凍食品の中でもトップクラスの売上を誇っています。特にパリパリの食感を楽しんでもらうため、ギョーザの「羽根の素」に注力し独自技術を開発しました。 「誰が焼いてもきれいな焼き上がりになる」ことを目指していたが、昨年のゴールデンウィーク明け、「味の素の冷凍ギョーザがフライパンに張り付いた」というツイートが目に留まった。「張り付いたギョーザの写真とともに、商品パッケージが投稿されているのを見て、公式にきちんと回答をしなければと考えたのが最初ですね」と語るのは、戦略コミュニケーション部 PRグループ長の勝村敬太さんです。 この件をきっかけに、消費者が普段使用しているフライパンでギョーザの焼き方を検証したいと考えました。6月中旬の金曜日にフライパンの送付をSNSで呼びかけたところ、週明けには予想をはるかに超える1,000個以上のフライパンが届いたのです。 「これは大変だと思い、急きょ募集を締め切りました。当初は100個ぐらい届けばいいと考えていたのですが、最終的には3,520個も集まりました。予想外の反響を目の当たりにして、検証結果をきちんと消費者に報告していきたいと思い、パブリックリレーションのアドバイザーとして本田事務所さんにも入っていただき、7月頃からプロジェクトとして開始しました」(勝村さん) ◆KEYPOINT: 消費者の投稿をよくチェックし、その声に真伨に向き合い、商品改良のヒントを見つける プロジェクト進行や商品改良の過程をオープンに発信することで、ブランドと商品への信頼を生み出す 部署をまたいだ連携、他業種との協力を積極的に行い、問題解決に向けて広く情報を収集する 部署・会社を飛び越えて広がる輪 こうして始まった 「冷凍餃子フライパンチャレンジ」は、10月13日に公式サイトも立ち上がり、詳しい経緯は「note」で発信することに。 全国から集まったフライパンの開梱現場や、さまざまな状態のフライパンでギョーザを焼く様子、フライパン表面に付着した物質をマイクロスコープで追求する過程など、数々の試みをレポートしていきました。 味の素冷凍食品株式会社が実施する「冷凍餃子フライパンチャレンジ」 noteに専用アカウントを作成し詳しい経緯を発信 特にユニークなのは、送られてきたフライパンを3D写真に作り込んでいったことです。 フライパンの表面のみだけでは、ギョーザの焼き具合との関係が詳しく解明できないと考え、フライパンの細かい歪み具合などを把握するため、全方位からの写真を1つずつ撮影。さらに、フライパンの送付元エリアやサイズ・使い込み度などを分類化することで、ギョーザをきれいに焼くのが難しいと集まったフライパンのスペックを、一目で分かるようにしたのです。 こうした情報発信は、勝村さん率いる戦略コミュニケーション部PRチームだけでなく、R&D(研究開発)チーム、QC(品質管理)チームなど他部署からの発信も目立ちます。 「届いたフライパンを調べるのにR&Dチームに相談をしたり、実験機材を持っているQCチームにも協力を仰ぎながら、各部署の知見を集め、連携しながら検証を進めています」(勝村さん) 今回のプロジェクトは、複数の企業が協力している点も興味深いところです。 例えば、フライパンの3D写真を撮影するにあたり、3Dスキャナーの使用方法を指導してくれた株式会社キーエンスや、焼き方のアドバイス・フライパン自体の構造について情報を提供してくれた和平フレイズ株式会社やサーモス株式会社、また張り付きの残っているフライパンに対し洗浄のアドバイスをくれたライオン株式会社を含むさまざまな企業が、それぞれの専門性を駆使してプロジェクトを支えてくれました。 生活者のひとつの声が企業を動かし、他業種まで巻き込んでいったことに、このプロジェクトの勢いを感じますね。 アジア最大級の広告祭「ADFEST 2024」最優秀賞をはじめとした国内外の広告賞を多数受賞 消費者の声に真摯に向き合う 今回のプロジェクトでは、フライパンでの張り付きやすさを追求する傍らで、ギョーザの「羽根の素」にも改良を加えていきました。フライパン表面の付着物を解析し、「羽根の素」に使用する成分の見直しを行うことで、使い込んだフライパンであっても張り付きを起こさないよう工夫を重ねたのです。その結果、12個すべてギョーザが張り付いてしまうフライパンで焼いた場合、張り付きがゼロになったフライパンは26%、1個以上の張り付きが残ったのは46%と改善し、12個全て張り付いたままだったフライパンはまだ28%ほどありました。 今年3月9日、同社では「冷凍餃子フライパンチャレンジpresentsみんなの、新「ギョーザ」焼き体験会」を実施しました。 当日は数多くの応募の中から、一般公募で選ばれた40組が参加してくださりました。会場には親子や友人同士、夫婦などさまざまな参加者が集まり、新しくなったギョーザを焼いていきました。 「焼いたギョーザがきれいにお皿に載った時には、わあっと歓声が上がりました。当社のスローガンに、『感動で笑顔を』という言葉があるのですが、まさに一番見たかった反応を見ることが出来ましたね」と勝村さんも胸をなでおろしていました。 冷凍餃子フライパンチャレンジpresents みんなの、新「ギョーザ」焼き体験会の様子 「全てのフライパンで、必ずきれいに焼くのは難しいとは思うのですが、1枚でも多くのフライパンでギョーザがきれいに焼けるようになり、皆さんが喜んでくれることを目指して、まだまだ改良を続けていきたいと思います」(勝村さん) フライパンに張り付きにくく改 良され、リニューアルした「ギョーザ」 ◆インタビュー: 味の素冷凍食品株式会社 マーケティング本部 戦略コミュニケーション部 PRグループ長 勝村敬太 氏 https://www.ffa.ajinomoto.com/
- 500台突破! 外出先での悩みゼロでSNSの話題に。子育て世帯を応援する「ベビー用 紙おむつ自動販売機」/ ダイドードリンコ株式会社
子育てを応援! 3社が協力 缶コーヒー「ダイドーブレンド」でもおなじみのダイドードリンコ株式会社は、1975年の創業以来、大阪を拠点に飲料の製造・販売や自動販売機事業を手掛けてきました。 現在、自動販売機の業界シェアでは3位を占め、同社の総売上のうち自動販売機での売上比率は8割を超えます。そんな同社の特徴は、主力事業である自動販売機においてさまざまな挑戦を続けてきたことです。 ドリンクと共に、菓子類・生理用ナプキンが購入できる自動販売機や、売上の一部を子ども食堂などに寄付できる支援型自動販売機など、単なる自動販売機の枠組みを超えて、社会的貢献を果たしているものも多いのです。ベビー用紙おむつが購入できるサービスも、その1つです。 「2018年、国土交通省から高速道路のサービスエリアや『道の駅』における子育て応援施設の整備を加速していくことが発表されました。 これをきっかけに、子育てをされる方々への応援をしたいという3社が集まり、『ベビー用 紙おむつ自動販売機』の設置に至りました」。そう語ってくださったのは、自販機営業企画部インサイドセールスチーム兼ダイバーシテイ推進グループの大植あかねさんです。 ◆KEYPOINT: 子育て世代に寄り添い、根本的な悩みを解決するサービス提供でSNSでの共感を得る 子育て世帯を応援する他業種同士が協力してサービスを開発・展開する 乳児連れの利用者が多く集まるエリアに自動販売機を設置する 【 ベビー用 紙おむつ自動販売機 】 この自動販売機の開発に取り組んだのは、同社の他、セコム医療システム株式会社、大王製紙株式会社です。元々の取引先であったこと、そして子育て支援に対する思いが共通していたことが決め手となったといいます。商品選定では、乳児のおむつ替えの際はおしりふきシートの需要が高いという協力会社からのアドバイスを受け、自動販売機のラインナップに加わることになりました。 【設置されている「ベビー用 紙おむつ自動販売機」】 2019年11月時点【1台目】道の駅いたこ 2021年10月時点【200台目】道の駅いわいずみ 2024年2月時点【500台目】東京都葛飾区子ども未来プラザ東四つ木 ドリンクと紙おむつを同時販売する工夫 「ベビー用 紙おむつ自動販売機」ではお茶や水、スポーツドリンクドリンクと紙おむつを同時販売する工夫「ベビー用 紙おむつ自動販売機」ではお茶や水、スポーツドリンクなどの飲料と同時に、「グーンプラス 肌快適設計 パンツ2枚入り」(Mサイズ・Lサイズとも300円 )、「グーン 肌にやさしいおしりふき70枚入り」(240円)を販売しています。「子育てされている方々が多く集まる場所が必須条件」という大植さんの言葉通り、「道の駅」や高速道路などの飲料と同時に、「グーンプラス 肌快適設計 パンツ2枚入り」(Mサイズ・Lサイズとも300円 )、「グーン 肌にやさしいおしりふき70枚入り」(240円)を販売。 「子育てされている方々が多く集まる場所が必須条件」という大植さんの言葉通り、「道の駅」や高速道路のサービスエリア、駅構内、ショッピングモール、市役所や各公園施設など、親子連れで賑わうエリアが設置対象になっています。 商品の取り出し口は、飲料とベビー用品(紙おむつ・おしりふき)で別々に設けられており、外出先で子どものおむつを忘れてしまっても慌てなくても済むのが魅力です。 X(旧Twitter)上でも「どんどん広がってほしい」「一緒に飲み物も買えるのが便利」「子どもの急なトイレでも安心」など、この取り組みを歓迎する声が次々に上がっていました。これまで乳幼児連れの外出は、荷物がかさばってしまったり、急なおむつの替えが用意できない点が根本的な悩みでしたが、そこに応えた点がSNSで高く評価されました。 自動販売機を通じて顧客の課題解決に取り組む 「ベビー用 紙おむつ自動販売機」の設置が始まって今年で5年。 現在43都府県にその輪は広がり、今後も順次増やしていく予定です。 「現時点で目標台数は設定しておりませんが、ニーズに合わせて今後も拡充できればと考えております」と大植さんは語ります。「現在自治体からの要望も増えております。さまざまな場面を想定し、いざという時の備えとして、準備していこうという動きがありますね」(大植さん) この自動販売機自体は、新型コロナウイルス感染症が流行する以前から取り組みを始めていたが、日常生活が元に戻り始めるにつれて、販売数も徐々に増えており、利用者のニーズの高まりを感じているといいます。 「紙おむつ」という商品上の特性もあり、この自動販売機は子育て世帯を中心にSNS上で話題になることも多いが、同社としても設置を希望する業者に向けて、リリースで情報を発信したり、自社公式サイトの「自販機設置コンサルタント」にて設置事例を詳しく紹介し、PRにつなげています。 自動販売機を活用して、多様な取り組みを続ける同社にその原動力について尋ねてみました。「当社は『こころとからだにおいしいものを』という言葉をブランドメッセージにしています。そのメッセージを実践すべく、自販機を活用して顧客に寄り添い、社会課題を解決するという取り組みを長年実践してきました。この姿勢が社員に浸透し、DNAとして引き継がれてきたのではと思っています」(大植さん) 今後も紙おむつや女性の生理用品など、多種多様なニーズに合わせて幅広い展開を行っていくといいます。同社の手掛ける自動販売機はどこまで進化していくのか。今後の動きに注目したいですね。 【「ベビー用 紙おむつ自動販売機」で購入できるグーンの紙おむつとおしりふき】 ◆インタビュー: ダイドードリンコ株式会社 自販機営業企画部 インサイドセールスグループ 兼ダイバーシテイ推進グループ 大植あかね 氏 https://www.dydo.co.jp/
- 旅行で絆を深める!シンガポール・台北・ホーチミン「母娘の旅行プラン」/株式会社JTB
女子旅、家族旅行のニーズに着目 株式会社JTBでは2022年4月の台北を皮切りに、2022年10月からシンガポール、2023年2月からホーチミンで母娘の旅行プランを開始。それぞれ「プチ贅沢(シンガポール)/のんびり(台北)/仲良し(ホーチミン)」という異なるコンセプトを掲げています。 「従来、シンガポールは女子旅が多く、全体の約20%を占めていました。アジアの中では少し遠いイメージがありますが、ヨーロッパよりは近く、街がきれいで治安も良く、初めて海外に行く方でも不安なく過ごせる安心感があります。そこで母娘向けのプランを企画しました」と語るのは、シンガポール企画担当者の西さん。 シンガポールはアジアの中では、比較的予算が必要となる国だ。 「写真映え」が期待できる高級レストランやアフタヌーンティーなど、少しリッチな楽しみ方が魅力。そのため、女友だち同士よりも、金銭的に余裕がある「母と娘」にターゲットを絞り、「プチ贅沢」というコンセプトを打ち出しました。 利用者は「母が50代、娘が20代」という組み合わせが多くありました。 宿泊先も高級ホテルが選ばれる傾向がある。クラブラウンジでは、ホテルによってはアルコールフリーも。そのため、お酒を飲んで語り合い、絆を深めたい母娘にうってつけですね。 ◆KEYPOINT: 既存の旅行客「ファミリー・女子旅」という特性から、「母と娘」というターゲットを作る SNSでトレンドをつかみ、旬なうちに企画から発売まで1カ月程で行う インフルエンサー動画のみならず、動画LIVE配信も活用し、新しい層にアプローチする 【母娘に人気のアジア旅行のパンフレット】 台湾の戦略は少し異なります。元々、旅行者はファミリーが全体の約60%を占めていました。「日本から近く、物価が安く、食べ物がおいしく、親日で安心」という観点から、家族の中でも母娘に特化したプランが打ち出されました。 友だちと違って気心の知れた家族だからこそ、郊外へ足を伸ばしたり、夜の観光や開運スポットを巡るなど、友人同士の旅行よりもより自由に、少しお金をかけたさまざまな体験ができるという点で差別化を図ります。女子旅では、タイトにスケジュールを詰め込む傾向があるが、母娘旅では、時間にゆとりを持った「のんびり」プランにしている傾向がみられました。 企画から販売までのスピードにこだわる 「スムーズにいけば1カ月程度で企画から発売に至ることもある」と、ホーチミン企画担当者の大門さんは語ります。SNSも活用し最新情報をお客様に提供できるよう日々アンテナを張ってはいるが、トレンドをキャッチしスムーズに企画から発売までおこなうには、現地スタッフの協力も必要不可欠となります。各国に拠点を構え、現地とのネットワークも強いことから、都度のお客様ニーズを踏まえた提案が可能です。 【ホーチミンのサイゴン大教会(2024年4月現在修復工事中)】 例えばシンガポールでは、「ラッフルズホテルで、シンガポールスリングを飲む」という旅程が盛り込まれています。現地の名物のお酒をおしゃれな高級ホテルで飲める、シンガポールならではの体験です。 台湾では「九份へ、夜のJTBオリジナルバスツアー(夜色九份)」を催行。個人で訪れると電車とバスを乗り継いで片道約2時間かかるが、ツアーではガイドと車が用意され、約1時間で移動ができます。また非常に混雑する夕方の時間帯を避け、夜の時間帯に設定することで、自分のペースで散策や夜景を楽しめる工夫もしています。慣れない土地での夜の移動などは個人旅行ではハードルが高いため、ツアーの良さ、ツアーならではの特別な価値がありますね。 リサーチもプロモーションもSNSを活用 リサーチのために企画担当者は現地に出向いて視察を行い、最新情報を現地の支店や現地観光局から仕入れています。他にもテレビや雑誌、SNSから流行やトレンドを追っているのです。台湾企画担当者の大槻さんは「台湾旅行者の投稿を見て、ニーズをつかむこともある」と言う。プロモーションもSNSを活用している。ターゲットは全SNSに共通して、潜在的・顕在的に旅行・お出かけに興味がある人。各SNSのユーザー特性に合わせて、コンテンツを制作。1月に開始したTikTokでは若年層をはじめ、新たなファン層の獲得を目指し、さまざまなコンテンツ展開をしています。 SNSで心がけているのは、現地にいるからこそ分かる最新情報やリアルタイムでの様子などを、コンセプトに沿って継続的に発信することでした。特にコロナ禍においては、海外との往来が難しいなか、現地のいまの様子を発信し続けたことで、お客様とのつながりを保ち、身近に感じてもらうことができ、コロナ後の旅行の申し込みにもつながりました。 公式YouTubeの他にも、インフルエンサーを活用したり、Web動画やオウンドメディアを使ってプロモーションを行うこともあるが、新たなアプローチ手法として、ライブコマース型での動画配信「JTB旅LIVE」を開始。ゲストを招き、ライブ動画配信形式でJTBの商品やサービスの価値・形を「生」の声で伝え、「JTBの旅」を楽しみながら理解いただく新たな取り組みを行っています。初回は「お財布別夏の旅行先特集!」と題し、海外・国内の旅行代金の相場感や、JTBの現地サービスなど紹介し、これまでJTBを利用していなかった層にもアプローチしています。 コロナの影響に加え、インフレや円安で海外旅行が難しい状況となり、以前と比べて旅行に対する価値観も変わってきています。「海外旅行を身近に感じ、海外旅行への意欲を高める」ということを、SNSや動画配信等で継続的に発信することで、潜在的な旅行客の獲得が見込まれます。 シンガポールのマーライオン公園 シンガポールではラグジュアリーな旅が楽しめる 台湾(九份)の夜景 のんびりと現地を楽しめる台湾の女子旅 ◆インタビュー: 株式会社JTB https://www.jtbcorp.jp/jp/
- 「婚活」のイメージを覆す独自企画で累計470万人を魅了!「PARTY☆PARTY(パーティーパーティー)」/ 株式会社IBJ
[本人確認の徹底で安心して参加できる婚活パーティー] 豊富な婚活イベントを次々に仕掛ける 2006年から婚活イベントを提供する「PARTY☆PARTY」は、1対1で話せる「婚活パーティー」、登山や水族館見物など同じ体験を共にする「体験イベント」、そして趣味や街中の散策を楽しむ「街コン」の3種類を展開しています。運営するのは、婚活事業で25年近い実績を持つ株式会社IBJです。マッチングアプリ「Braidal Net(ブライダルネット)」や、加盟店4,200店を結ぶ結婚相談プラットフォームの運営を手掛ける同社では、昨年、12,527組の成婚数(=婚約数)を達成。 国内の婚姻件数が52万件であることを考えると、約40組に1組が同社を通じて結婚をしている計算になります。業界でも屈指の実績を誇るが、この数字に大きく貢献しているのが「PARTY☆PARTY」です。「マッチングアプリではなかなかお付き合いまで発展しないというお客様のご意見を伺い、この婚活イベント事業が始まりました。」と語るのは、イベント事業本部部長の末吉潤さんです。 同サービスでは、年齢や職業、共通の趣味などさまざまな条件に沿った婚活イベントを用意しています。街コンであれば、「黒門市場」(大阪市)でミッションをクリアしながら散歩を楽しんだり、高尾山(東京都)に登ったりなど独自性の高い企画が多くあります。「婚活」だからといって身構える必要はなく、お互いの好きな場所や趣味を共有することで、自然に距離が縮まるスタイルが人気です。 20代では容姿重視や高身長系の企画が好評ですが、30代では結婚に向けた意識の高い企画が注目されます。40~50代になると、趣味企画(旅行やゴルフなど)や「婚姻歴あり」の企画に人気が集まるなど、年代別の特色も明確になっています。 ◆KEYPOINT: 趣味や手作り体験などをテーマにすることで、多くの人が婚活に参加しやすいきっかけを作る 本人確認の徹底、全額保証制度を導入し参加者に安心と信頼を与える メタバース利用など新ツールを積極的に活用し、距離や外見に縛られない「出会い」を創出する 成婚に向けた2つの工夫 こうした数々の企画を実施していく上で、同サービスでは、話しやすい雰囲気作りと、成婚に向けたツール活用に注力しています。 「婚活では話しやすいことが何よりも大事」と末吉さんも強調するように、成婚までたどり着くためには、相手とじっくり話すことでそれぞれの人柄を知ることが重要になります。特に、1対1での会話がメインとなる「婚活パーティー」では、半個室のブースが雰囲気作りに大いに役立っています。「周りの目を気にせず、目の前の方とのお話しに集中していただけます。完全個室ではないので、女性にとっても安心感があります」(末吉さん) 同社では、こうした設備を持つ直営ラウンジを19カ所運営。新宿や銀座、有楽町、東京などの都心部以外にも、神奈川や千葉、大宮で「話せる場」を提供し、高いマッチング率を生み出しています。 [体験型などさまざまな婚活イベントを実施] [半個室のブースでの1:1の会話を楽しむ] また、手持ちのスマートフォンから利用できるツール「スマホdeパーティー」にも注目いただきたいです。参加中のパーティーURLにアクセスすると、参加者のプロフィールや結婚への価値観、家事育児への参加希望、子どもの希望人数など相手に聞きにくい項目も確認することができるので、相手のことをよく知った上で会話をすることも可能となります。気になった相手には「いいね」を送ることもでき、「マッチング希望」の投票もツールから行えるので、心理的なハードルも高くないのです。 さらにツールを介して、メールアドレスやLINE IDを交換することもできるため、面と向かって連絡先を尋ねたり、断ったりする負担もなく、スムーズな関係維持につなげることができます。まさにイマドキの婚活には必要不可欠なアイテムでしょう。 メタバース婚活で地域活性化に貢献 今年6月には初めての試みとして、長野県茅野市、株式会社日本旅行、株式会社ガイアリンクと協力し「メタバース婚活パーティー」を実施しました。当日は、茅野市周辺に勤務もしくは居住する男性と、東京や埼玉、長野などに在住する女性が参加。エリアの違いでこれまで出会うことのなかった男女10名以上が、メタバース上で知り合う機会を得ました。「これまで訪れるきっかけのなかった土地との出会いを通じて、地域活性に少しでも貢献できればうれしいですね」と末吉さんも期待をにじませておられました。当日の参加者からは、「(対面だと)緊張してあまり話せなかったので、メタバースであればリラックスして話せるのではないかと思った」といった前向きなコメントも届いており、大きな手ごたえを感じています。 婚活をする上で個人情報の扱いは大いに気になるところだが、その点も徹底しています。同社ではイベント前に顔写真付きの公的証明書を用いて、本人確認を必ず行います。さらに個人情報を安全に管理できる事業者として、「プライバシーマーク」も取得。特にうれしいのは、各婚活イベントで定めている、最小開催人数を下回ってしまった場合、次回の参加料金が無料になる「全額保証制度」も導入していることです。これだけでなく、今年6月からは初回もしくは2回目の参加者には、費用負担を軽減する取り組み(男性3,000円、女性0円)も開始。真剣に婚活に取り組みたいと願う人が、一人でも多く参加できるよう門戸を広げ始めています。「婚活パーティーの一番の強みは、実際に会って話すことで、プロフィールだけでは分からない相手や自分の魅力を感じること」と末吉さん。こんな婚活なら行ってみたいと思わせる魅力的なイベントを、今後も精力的に開催していく予定です。 [メタバース婚活パーティーで距離を超えた出会いを提供] [婚活パーティーのイメージが掴めるように作成された 「恋愛理リアリティ―ショー」をYouTube配信] https://www.partyparty.jp/cmp/koihaji ◆インタビュー: イベント事業本部 部長 末吉潤 氏 https://www.ibjapan.jp/
- 婚活マッチングサービス&結婚相談所の同時展開で婚姻数アップに貢献「ゼクシィ縁結び」「ゼクシィ縁結びエージェント」/ 株式会社リクルート
[価値観を大事にしたお相手探しができるゼクシィ縁結び] アプリのマッチングサービスと結婚相談所の併用も 婚活マッチングサービス「ゼクシィ縁結び」と結婚相談所「ゼクシィ縁結びエージェント」のサービス開始は、共に2015年5月でした。両サービスが始まった経緯について、株式会社リクルートDivision統括本部 マリッジ&ファミリーDivision R ZN婚活事業部の堀口健人さんは「これまでは結婚情報サービス『ゼクシィ』を通じて、婚姻組数や幸せな結婚式を増やしたいと考えていましたが、結婚を希望しているが、出会いがないなどの理由をお持ちの方を後押しすることで、ブライダル業界も盛り上がるのではないかと考え参入しました」と語ります。 「ゼクシィ縁結び」には、無料会員と有料会員の2種類があります。無料会員の場合は、相手のプロフィール閲覧やメッセージのやり取り(1回分)などの基本機能が使用できます。有料会員(1カ月プラン4,378円、税込)になると、メッセージのやり取りが無制限になり、自分のプロフィールを上位に表示させたり、各種機能の利用範囲も広がります。 一方、 結婚相談所である「ゼクシィ縁結びエージェント」はコーディネーターが相手を紹介してくれるサービスです(シンプルプランは自分で検索)。利用者は来店して、コーディネーターとの面談に臨み、プロフィール写真や紹介文の添削、活動プランの見直しなどのアドバイスを受けます。プランは「シンプルプラン」「スタンダードプラン」「プレミアプラン」の3種類です。入会すると、婚活マッチングサービス「ゼクシィ縁結び」を3カ月間無料で利用することができるのです。一方「ゼクシィ縁結び」の利用者には、エージェントをお得に利用できる動線作りをアプリ内で行っており、両サービスを併用することでよりマッチング効率を高められる点が魅力的です。 ◆KEYPOINT: マッチング率を高めるため婚活サービスアプリと結婚相談所の機能を併用しやすいようアプリ内に導線を作る 価値観診断などの独自機能で外見だけでは分からない内面的なベストパートナーを導きだす 「デート調整代行」のような第三者を介することで心理的なハードルを下げ、安心して婚活に取り組めるようにする [ゼクシィ縁結びエージェントはコーディネーターが一緒に計画を立てるので安心] 5カ月以内に8割! 高いマッチング率を生み出す3つの機能 実際のマッチング率を見ると、その高さに驚きます。例えば「ゼクシィ縁結び」は5カ月以内に8割の利用者が相手を見つけ、「ゼクシィ縁結びエージェント」に至っては入会1カ月で81%の利用者がお見合いにこぎつけるのです。高いマッチング率の秘訣は、結婚を見据えた真剣な会員が94%もいることと、アプローチ数の多さにある。前者では年間1,460人(1日につき4名ずつ)、そして後者では312人(シンプルプランの場合は240人)へのアプローチが可能となっています。少しでも多くの人と会うことで選択肢が増え、より自分に合った相手が選びやすくなるのです。 こうした利用者の活動を支えてくれる仕組みとして、例えば「ゼクシィ縁結び」では「価値観診断」「学習機能」「デート調整代行」の3つを強みにしています。 利用者にも好評の「価値観診断」は、18の質問に答えることで、自分の価値観タイプが分かり、相手との相性度を測ることができます。診断の元になっているのは、「幸せな 結 婚 生活」を送っている「ゼクシィ」読者6,000人のデータだ。「パートナー同士の価値観が近いカップルほど、日常生活や人生に満足し、幸福度も高くなるといった結果が出たため、こうした診断サービスを取り入れました」と堀口さん。実際この診断を体験した利用者からは、「自分と同じ価値観を持つ、本当にフィットするパートナーに出会えた」など喜びの声が上がっています。実際の雑誌読者を分析しただけあって、最適な相手選びに大きく貢献していることが見て取れます。 また、アルゴリズム機能を利用した「学習機能」も心強いです。利用者のこれまでの検索条件や行動パターンを分析し、よりふさわしい相手をマッチングしてくれるので、相手探しの労力が徐々に軽減されます。 さらに特筆すべきは、「デート調整代行」である。マッチング成立した二人の間にコンシェルジュが入り、デートの日程調整を行ってくれます。当事者同士だと遅々として進まない決め事も、第三者が入ることでスムーズに決まり、その後の関係進展にも大きな助けになりますね。また、会う前に連絡先を交換せずに済み、個人情報を開示することへの不安に寄り添ってくれます。 [ゼクシィ縁結びのコンシェルジュによるデート調整代行] 安全のために24時間パトロールを実施 とはいえ、ネット婚活という特殊なサービス上、個人情報をどこまで管理できるのかは利用者にとっても大きな心配事でしょう。そこで同社では、24時間365日体制でパトロールを実施しています。利用者のメッセージやプロフィール写真などをチェックし、違反していると思われる内容は逐一洗い出しているのです。 また、利用者同士がメッセージを交わす前には、運転免許証やパスポートなどの身分証明書で本人確認も行っています。身元がしっかり分かる人のみ参加できるよう確認作業を徹底しています。 ここ数年は、複数の自治体の結婚支援にも協力してきました。現時点までで三重県や神奈川県、兵庫県姫路市などを含む計8自治体と協力し、入会金や利用料のハードルを下げることで多くの人が気軽に婚活できるように取り組みました。「結婚したくても出会えないといった状況の中で、自分らしい選択ができる支援に繋がることを願っています」と堀口さんも意気込みます。 実際こうした地域との連携を通じて、成婚につながったパターンも報告されており、今後もますます有効な少子化対策の一つとして期待が高まります。「この10年でマッチングアプリが一気に広がり、利用者もかなり増加しました。しかし一方で、マッチングアプリ全体で見ると、今すぐに結婚を考えていない利用者も増えているのではないでしょうか。真剣に結婚を考えているユーザーの多い当社としては、今後もきちんと結婚につながるお相手に出会えるサービスを提供したいですし、それに向けた新しいプロダクトをどんどんリリースしていきたいと思っています」(堀口さん) [ゼクシィ縁結びのアプリでは好みを学習した検索が可能] [ゼクシィ縁結びエージェントで出会って4カ月で入籍した30代カップル] ◆インタビュー: ゼクシイ縁結び ゼクシイ縁結びエージェント Division 統括本部 マリッジ&ファミリー Division RZN 婚活事業部部長 堀口健人氏 https://zexy-en-soudan.net/ https://zexy-enmusubi.net/
- カフェ、シェアキッチン、ブルワリーで地域の新しい出会いを創出する「団地キッチン」田島/日本総合住生活株式会社
団地エリアに誕生したホッとする場所 団地キッチン「田島」 1960年に埼玉県さいたま市に建てられた田島団地は、約1,900の戸数を抱える大規模団地です。 築60年を迎えつつあり、住民基本台帳によると団地エリア(田島6丁目)は、住民の過半数が65歳以上と高齢化も進んでいます。 その一方で、ここ数年さいたま市は、全国トップレベルの勢いで市外からの転入者が増え続けているんだそう※。 (総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」より)昔から住み続けてきた住民と、次々と転入してくる新しい住民。 両者のつながりを築き、地域を盛り上げるきっかけ作りができないかと思案してきたのが、同地に技術開発研究所を構える日本総合住生活株式会社になります。 「当社はこれまで、住宅管理や修繕工事を通して団地と関わってきました。しかし、団地が魅力を維持していくためには、コミュニティー形成を支援していくことが大変重要だと考え、今回のプロジェクトを始めました。 当社も地域の一員として、西浦和にどう貢献できるかを考えた結果でもあります」と語るのは、住生活事業計画部事業計画課の中野瑞子さんです。 中野さんいわく同プロジェクトは、2019年の夏頃から本格的な検討が始まった。 住居地域である田島で飲食業を運営するには、法的な制約があったため、行政側との調整や協議を細かく積み重ねていったという。 さらに「当社は創業から一貫して、『住』を専門としてきましたが、『食』に関する施設やサービスは取扱いが多くありませんでした」と中野さん。 方法を模索していたところへ手を差し伸べてくれたのは、飲食事業について助言をしてくれるさまざまな専門家や、地域で活動する住民がたでした。 ◆KEYPOINT: 誰もが気軽に立ち寄れるスペースとして「カフェ」を運営する 身近な「食」をテーマに「シェアキッチン」「ブルワリー」を併設し、さまざまな角度から住民同士のつながりを作る ガラスで仕切ることでお互いの活動を意識し次の活動への興味を持ってもらう 施設内の様子 多世代が楽しめる3つのアプローチ 周りのサポートを得てスタートを切った「団地キッチン」田島には、若い世代から高齢者世代までが立ち寄りやすい「カフェ」「シェアキッチン」「ブルワリー」の3つのアプローチが用意されています。 清潔感あふれる白を基調としたカフェには、ウッドテーブルと椅子が並び、穏やかな日差しが差し込みます。 店内では、一汁三菜を意識したヘルシーな定食やドリンクを提供しているのです。 子ども用椅子やおむつ交換台も完備しているので、乳幼児連れの家族でもゆっくり過ごすことができますよ。 「カフェ」の真横には、広々とした3種類の「シェアキッチン」が併設されています。 「イベントや講座を実施・製造・販売することで、多様な世代の方が活躍し、まちの魅力を発信できるようにしています」と語るのは、同施設のコミュニティーマネージャー福田哲也さんです。 「シェアキッチンは、イベント利用を目的としたもの、菓子製造業許可対応のもの、そうざい製造業許可対応なものの3種類に分かれています。 料理教室やワークショップに利用したり、セミプロの方による焼き立てパンの製造や、農家の方が収穫物の加工品を製造するなどして利用されています」(福田さん)そんな店内の中でもひときわ気になるのが、ブルワリー(ビール醸造所)だ。ここでは地域の特産品を活かした試みが、積極的に行われているのです。 ブルワリーで醸造しているクラフトビールの三種飲み比べセット 醸造長も務める福田さんいわく、「市や地域のシンボルフラワーである『サクラソウ』をテーマに、クラフトビールを作りたいというご要望を受けたこともあります。 試行錯誤の末、第1弾としてリリースしましたが、さらに改良を加えてこれから完成を目指していきたい」とのこと。 また親子向けの醸造体験では、埼玉名物である「狭山茶」を使用して「狭山茶ラガー」を製造しました。そのすっきりした味わいに、評判も高かったといいます。 定期マルシェで地域の農産物を扱う さらに「団地キッチン」田島は、月1回のペースで県内産の農作物等を味わえる「団地キッチンマルシェ」を開催中です。 当日は各農家がブースを出し、自慢の野菜を販売する。郷土料理のワークショップや販売メニューの調理もあり、当日は屋外だけでなく屋内のシェアキッチンもにぎわいました。 また、公式サイトやSNS(InstagramやFacebook)を通じて、ワークショップの様子やカフェメニューの紹介、「団地キッチンマルシェ」の告知など積極的な情報発信を続けているのも特徴です。 さまざまな世代がふらっと集える「団地キッチン」で、地域の野菜を手に入れ、地域の料理を味わう。 そんな空間は今、地域の住民にとってどのように受け止められているのでしょうか? 同じ部署に所属する鴨志田京子さんによると、「地域の方へ取らせていただいたアンケートの中では、8割以上の方が『団地キッチン』田島ができたことでご自身の暮らしが楽しくなり、良い変化につながったと答えてくれました」と顔をほころばせていました。 こうした住民からの反響は、施設運営に奮闘する鴨志田さんたちの励みになっています。施設の立ち上がりからそろそろ1年。 中野さんに今後の展望を伺いました。 「1周年を記念して、当施設で生み出されるプロダクト(オリジナルクラフトビールやシェアキッチン会員の製造商品など)を販売するコーナーを新設したいと考えています。 ゆくゆくはこの場所から地域の名物が生まれるように、スタッフ一同、施設で活動する方々と共に頑張っていく所存です」(中野さん)西浦和の気軽に集える食堂として、「団地キッチン」田島には今後も幅広い世代から熱い期待が寄せられそうです。 ◆インタビュー: 団地キッチン 日本総合住生活株式会社 日本総合住生活株式会社 住生活事業計画部 事業計画課 「団地キッチン」田島 コミュニティーマネージャー兼醸造長 福田哲也 様(写真左) 副長 中野瑞子 様(写真中) 課長 鴨志田京子 様(写真右) https://www.js-net.co.jp/
- 全国168拠点に急拡大中!「敬護」の新概念で包括的な介護事業に挑む 「コンパスヴィレッジ」/リハプライム株式会社
創業12年で全国168拠点に急展開 リハプライム株式会社が提供する、シニアの「誇り」を護る8つの地域サービス(コンパスヴィレッジ) 2011年、埼玉県さいたま市で設立されたリハプライム株式会社は、主に4種類のデイサービス(コンパスウォーク・コンパスプラス・コンパスフルネス・コンパスカインド)を運営する他、訪問看護や定期巡回などの介護事業を手掛けています。 さらに、福祉用具のレンタル・販売や介護用品の通販サイト、高齢者向けの美容室や移動スーパー、健康食パン専門店の運営など、高齢者からのニーズが高いサービスを次々と立ち上げ、多角的に推し進めているのです。 その中でも、リハビリに重点を置いたリハビリデイサービス「コンパスウォーク」は、全国でフランチャイズ展開を行っています。 現在は直営店・フランチャイズ店合わせて168拠点にまで拡大を続けており、「元気に毎日を過ごすことができる」「体が軽くなりすごく楽になる」など利用者からの評判も上々です。 ◆KEYPOINT: 介護事業のヒントはもっとも身近な肉親の困り事から得る 職員全員に「敬護」精神を浸透させるために定期的な社員研修や動画視聴ができる機会を準備する 高齢者の目標を共有し意欲を引き出すことで、積極的にリハビリできるようサポートする コンパスウォークでの利用者とスタッフの様子 体の不自由な高齢者の声に耳を傾け、多種類のサービスを提供するが、設立の背景には小池さん自身の苦い思い出があります。 「母親を入所させる施設を探しに行った際、利用者さんを『ちゃん』付けで呼んでいる施設がたくさんあり驚きました。 年老いても人生の大先輩である親のプライド(誇り・こだわり)を護るために、介助して護る『介護』でなく、人生の大先輩を敬って護る『敬護』を、私自身が提供しようと決めました。」 この「敬護」の理念は、フランチャイズ店の急速な広がりを後押ししている理由の1つでもあります。 2016年から展開する同事業のキャッチコピーは、「自分の事業で自分の親を護りませんか?」というもの。 この理念に深く共感した各エリアのパートナー企業が続々と集まり、「敬護」の輪は着実に広がり続けている。 社長自ら継続した理念教育を実施 特に「敬護」の心意気を強く感じるのは、同社のメイン事業の1つであるデイサービスの内容です。 利用者の体調や目的に合わせて4種類の施設に分かれますが、中でも多くの利用者が通うのがリハビリ専門の「コンパスウォーク」です。 通常のデイサービスでは、個別リハビリに対応できないところが多い中、「コンパスウォーク」では理学療法士を常駐させ、専門的なリハビリに臨んだり、個別の整体マッサージも受けられます。 福祉用具のレンタルの様子 「敬護」の理念に基づくさまざまなサービス 「ほかの施設との一番の違いは、『敬護』の理念を持つスタッフが、『リハビリと意欲はつながっている』という前提を共有していることです。 そのため、ご利用者様一人一人のお名前や趣味、意欲(通所する意義)や目的を職員が把握するようにしています」(小池さん)利用者全体が参加するようなレクリエーション体操は一切実施せず、代わりに個人のその日の体調や病気に応じて個別の機能訓練を行うことが、「コンパスウォーク」の強みにもなっているのです。 一方、利用者と接する職員たちの育成にも余念がありません。月1回の社員研修として、2時間の講座が行われる「コンパスアカデミー」や、毎朝3分間の動画配信を通じて「敬護」理念の定着を図っています。 会社の理念が形骸化しないよう、どちらも小池さん自らが実施することで、現場職員たちと理念の共有を徹底しています。 「介護・医療業界の経験がある従業員にも、それまでの固定観念を一度捨ててもらい、改めて当社の理念『敬護』の持つ意味と本質を理解してもらいます。 そのためにことあるごとに理念研修を行い、『敬護』を軸とした共通言語を学び、業務に従事できるよう人財育成を行っています」(小池さん)シニア向け生活圏「コンパスヴィレッジ」に向けて職員へのこうした教育体制は、施設の現場で着々と実を結び続けています。 利用者からは「職員のきめ細やかな心遣いと温かみのある対応に感謝している」「スタッフが分け隔てなく優しく接してくれるので感心している」など、現場での対応に満足する様子が伝わってきます。 利用者の「動けるようになったらやりたいこと」の意欲を尊重し、手を添えてサポートする職員たち。 その姿勢はまさに、小池さんが日々積み上げたスタッフ育成の成果なのかもしれません。 12年前、自身の経験から「敬護」理念を確立した小池さんだが、その最終形態は高齢者に必要な全てのものが至近距離でそろう「コンパスヴィレッジ構想」の拡大にあります。 「普段から関係を築いている担当者が、シニアのニーズや困り事を解決できるようにした、民間による地域包括サービスです」と小池さん。 現在本社を構えるさいたま市では、デイサービスだけでなく、訪問介護・看護事業、高齢者向けの美容室、健康に留意した生はちみつ食パン専門店、自費の外出支援事業・家事代行、移動スーパー事業など、生活に必要な一通りのサービスが利用可能です。 「これも一番身近な母親の困りごとからアイデアを得ています。自分の親が住み慣れた地域で過ごせるだけではなく、親や親世代の方が誰かの役に立ち、必要とされ、充実する時間を感じて過ごせる事業を創っていきたいですね」と小池さん。 今後は、全国に展開している各拠点に、「コンパスヴィレッジ」を広げていきたいと語ってくださいました。1エリアから始まった介護の新概念「敬護」。 全国各地に「コンパスヴィレッジ」が広がる日は、そう遠くないかもしれませんね。 高齢者向けの美容室と生はちみつ食パン専門店 ◆インタビュー: 会社名:リハプライム株式会社 代表取締役 小池修 様 https://keigo-group.co.jp/
- 累計3,000万人が利用! 日常コミュニケーションとしてのギフト「LINEギフト」/LINEヤフー株式会社
スマートフォンで見た時のホーム画面 強みはコミュニケーションの延長線上にあること 2015年4月にスタートした「LINEギフト」、「LINE」でつながる相手にギフトを贈れるサービスです。 ギフトの種類は「eギフト」「配送ギフト」の2種類があり、前者はスマートフォンに送られたバーコード画面を店舗で提示すると、商品を受け取ることができる仕組みになります。 一方後者は、ギフトをもらう側が受け取りたい住所を指定することで、商品が届きます。 相手の住所を知らなくても、ギフトのやりとりができる点が大きな特徴です。 現在「LINEギフト」には約1,500店舗(2023年10月時点)が出店しており、数百円のものから数万円のものまで取り扱い商品は30万点に上ります(2023年6月時点)。 LINEギフトのユーザー層について、同社の執行役員であり、コマースカンパニーソーシャルコマース統括本部統括本部長でもある嘉戸彩乃さんは、「20代の利用者がもっとも多く、かつ利用者全体の6割以上を女性が占めています。カジュアルなやり取りから誕生日、シーズナルイベントまで幅広く利用されています」と話していただけました。 ◆KEYPOINT: 「ほしいものリスト」を参考にして相手のニーズをつかむ もらった人が好きな色や香りを選べる機能を導入し、相手の好みに合わせた商品を届けられるようにする 「ギフトレビュー」を活用し、どんなシーンで誰からもらったのかなどの詳細情報を閲覧できるようにする eギフトと配送ギフトの2種類から選べる 累計利用者数は2020年からは2000万人増と急伸しており、コアユーザーである20代だけでなく、50代以上の利用者が2倍近く増えるなど利用者層が変化を見せています。 「母の日や父の日などで、両親にギフトを贈る20代が増えたのがきっかけだと思います。その結果、受け取った50代のご両親がご自身でやってみたいと動き始めたのではないでしょうか」(嘉戸さん)。 利用者層の広がりに加え、利用シーンも広がり、元々「LINE」を通じて友だち同士、家族同士でコミュニケーションを取っていたところへ、「物を贈る」という体験が容易に実現できるようになりました。 全て「LINE」上でギフトの選定・配送の手配ができるため、コミュニケーションの延長として気軽に利用する人が増えています。 贈る側の悩みを払拭する3つの工夫 ギフトを贈りたい相手に、より気持ちを伝える手段として、同サービスが導入しているのが「メッセージカード」です。300種類以上の中から、感謝やお祝い、ねぎらいなどの相手との関係性や贈るギフトシーンに応じてカードを選ぶことができます。 メッセージカードを添えられる 手持ちの写真や動画を使用して、オリジナリティ溢れるカードを作ることも可能です。しかしそれ以前に、多くの人を悩ませるのは、相手に何を贈ったらいいのかわからないという根本的な悩みではないでしょうか。この点も「LINEギフト」では、以下のような3つの工夫で対応しています。 ① 「ほしいものリスト」の導入 ② もらった人が好きな色や香りを選べる機能 ③ 「ギフトレビュー」の導入 「ほしいものリスト」とは、自分の欲しいと思った商品に「ほしいマーク」を付けリスト化して登録できる機能です。 自分のリストだけでなくLINEでつながっている友だちのリストも閲覧できるため、贈る相手の趣向や必要としている商品が一目でわかります。 また「もらった人が好きな色や香りを選べる機能」は、一部のビューティー商品に実装されている機能です。リップやファンデーション、香水などを贈られた相手は、自分好みの香りや色を選択し直してから受け取ることができます。 9月に公開したばかりの「ギフトレビュー」もまさにギフトサービスならではで興味深いです。贈られた側が、もらったギフトについて匿名で「満足度」、「満足した理由」、「どんなシーンで、誰からもらったのか」など細かいギフトシーンについて入力していきます。 こうして投稿されたレビューは、各商品ページから確認できるため、贈ろうとしている商品がニーズのあるものかどうか客観的に判断でき、大いに参考になります。 「贈り側にとってギフトをもらった相手がどんな気持ちでいるのかは、やはり気になるポイントですよね。その点このようなレビューを参考にしていただくと、相手の好みを外さないギフトを選びやすくなります。」(嘉戸さん) 相手ありきのギフトサービスを磨いていく メッセージカードを添えられる現在「LINEギフト」の売れ筋は、全体的に食品・酒・スイーツに人気が集中しているといいます。 カジュアルなeギフトだけでなく、飲み比べができる利き酒セットや豪華な牛タンなど特別感のある配送ギフトの人気も高いのです。 また、同サービスは20~30代女性が多く利用していることもあり、スキンケア商品や入浴剤などのビューティーカテゴリーも前年比2倍以上に売上を伸ばしています。 こうした売れ行きは当然ながら、誕生日をはじめ、母の日や父の日、クリスマスやバレンタインなどの季節イベントに合わせて伸びることが多いのですが、最近では「仕事でお世話になったお礼」や「頑張っている友だちへの応援ギフト」など、イベントがない日常の中でもギフトを贈り合うシーンが浸透しつつあります。 そんななか、今後「LINEギフト」で手掛けたいことについて尋ねてみると、「相手ありきのECサービスとして、相手の好みを外さないギフト選びにさらに磨きをかけていきたいですね」と嘉戸さん。 「今後もギフト選びをサポートする機能の拡充を行っていきます。また、出産祝いに赤ちゃんの名前を入れるなど、ギフトに好きな名前を入れられる刻印サービスも準備しています。贈る人だけでなくもらった人も刻印する名前を指定できる仕組みで、ギフト体験がもっと感動的になる演出も磨き込みたいと思っています」と語ってくださいました。 また、利用者層の幅が広がっていくにつれて、利用者の嗜好に合わせた商品ラインナップの変更も視野に入れていくといいます。 文字だけのコミュニケーションを超えた新しいギフト文化。これからの人との距離感を大きく変えていきそうですね。 ◆インタビュー: LINEヤフー 会社名:LINEヤフー株式会社 執行役員 コマースカンパニー ソーシャルコマース統括本部 統括本部長 嘉戸彩乃様 https://www.lycorp.co.jp/ja/
- 目新しい輸入アイテムでトレンドをけん引!Z世代女性の間で人気沸騰 通販サイト「Qoo10(キューテン)」/ eBay Japan合同会社
【Qoo10ウェブサイト】 四半期に一度の「メガ割」で認知度を上げる 「Qoo10」を運営するのは、東京都港区に本社を構えるeBay Japan(イーベイジャパン)合同会社です。グループ会社であるeBay Inc.(アメリカ)は、現在190カ国に展開中で、世界中に1億3千万人以上の購入者を抱えています。こうしたグループ企業の利点を活かし、同サイトはアメリカで運営する「eBayダイレクトショップ」と連携。日本にいながらにして、海外店舗から直接商品を購入できる仕組みも整えました。両者の商品取扱数は12億点にものぼり、豊富な品ぞろえに惹かれて日本での会員数は2,300万人を超えます。 日本に進出した理由について、JAPAN&KOREA広報の吉田さんは「進出当時、日本のEC化率がまだ6%台だったこと、そしてeBayにとって挑戦となる若年女性層(10~30代)へのアプローチが可能な点が魅力的でした」と語りました。 同社の狙い通り、現在「Qoo10」の会員は女性が76%を占めています。また、10~30代が71%となり、若い女性にとって関心の高いサイトであることがうかがえます。 しかし日本での展開当時、その認知度は15%にも満ちていませんでした。 「まずは認知度を上げるために、期間限定セールである『メガ割』を四半期に一度ずつ実施することにしました。実際にサイトに来ていただき、買い物体験を楽しんでもらえたらと思いました」と説明するのは、戦略マーケティング室 モラーノさんでした。 現在も欠かさず開催される「メガ割」は、「Qoo10」の看板企画になっています。クーポンの使用で対象商品が20%OFFになるため、消費者を惹きつけてやまないのでしょう。このおかげで「Qoo10」の認知度は8割近くまで上がり、25歳以下の女性に限れば9割に達しています。 ◆KEYPOINT: 国内でも目新しい商品を扱うことで、SNSでの情報配信をしやすくする SNSの動向からユーザーのトレンドを吸い上げ、商品ラインナップやプロモーションに活かす 海外商品など多様性を取り入れた商品展開をすることで、買い物にエンターテイメント色を加える ユーザーの声を追いかけてトレンドをつかむ 消費者の間にこれだけスピーディに「Qoo10」が浸透していったのは、リーズナブルな価格以外にも理由があります。それは販売商品の多彩な顔ぶれです。同サイトでは国内の商品以外にも、韓国や中国をはじめとする海外製品を扱っています。特に主力となるビューティ・コスメやレディースファッションなどは、全商品の8割近くを占めるほど数が多く、国内の実店舗ではあまり見かけない商品も豊富に含まれます。「誰も持っていない商品をいち早く知り、発信していくことを楽しむ女性が多いと感じています」とモラーノさんも指摘する通り、女性消費者の中には、目新しい商品をSNSで配信するために「Qoo10」に注目しているケースも多いのです。こうしたインフルエンサーの影響を受け、新たなユーザーが同サイトを訪れ、購買につながるというサイクルが出来上がっています。 同社でもSNSでの効果を期待し、その動向に目を光らせているようです。 あるSNSでは、「Qoo10」と競合サイトのどちらで買い物するべきかという議論に出くわしました。そこでモラーノさんたちが行ったのは、競合サイトでは扱っていない「Qoo10」ならではの商品を分析し、前面に出すことで差別化を図ることでした。この分析を「メガ割」の商品ラインナップにも適用し、より消費者のニーズや嗜好に近づけるよう研究を重ねたようです。 一度目に留まったSNSアカウントを丹念にパトロールしてみると、ユーザーの興味や購買したものなどから大まかなトレンドが見えてきます。そのトレンドをしっかり捉えて、プロモーション施策や商品構成に活かすことが、「Qoo10」の強みとなっています。 ワクワク体験を提供できるエンターテイメントコマースを目指して 現在は若い女性層を中心に人気を博している「Qoo10」ですが、最近は40、50代など上の年代層にも注目しています。母娘で趣味やコスメを共有するケースが増えていると実感しているためです。こうした点から、「ビューティ」や「エンタメ」などは年齢層ではなく、その商品や内容に関心を持つすべての世代が、今後も積極的に活用してくれると見込んでいます。 また、家族や知人へのプレゼントとして「ギフトサービス」を活用する人も多くいらっしゃいます。宛先がわからなくても、URL・メールアドレス・LINEを通じて相手に商品を贈ることができるため、今後幅広い年齢層にリーチしやすい機能だといいます。 そんななか新たな試みとして、今年7月中旬、「Qoo10」では初めてビューティをテーマにしたリアルイベント「MEGA COSME LAND2024」を東京ビッグサイトにて開催する予定です。吉田さんいわく、これまでオンライン上でしか紹介できなかったさまざまなコスメを、手に取って見てもらえるチャンスとのこと。利用者と直接コミュニケーションを取れる貴重な機会だとして、イベントの準備にも余念がありません。 【7月に開催するリアルイベント「MEGA COSME LAND 2024」】 オフラインにも乗り出した同サイトですが、今後はどのような方向性を描いているのでしょうか? 「近年のアイドルグループが多国籍メンバーで構成されているのを見ても感じますが、多様性を楽しめる時代にどんどんなりつつあると思います。商品の品ぞろえにおいても、国内製品もあれば海外製品もあるなど、いろいろなものが好まれる傾向が強くなっています。その点を踏まえ私たちは、エレクトロニクスコマース(EC)ではなく、エンターテイメントコマースとして利用者に発信しつづけていきたいと思います」(モラーノさん)。まずは今夏の挑戦に期待が高まります。 韓国麺類」販売数ランキング1位 「ブルダック炒め麺&三養ラーメン選べる15袋セット 2024年4月Qoo10月間コスメランキング『アイシャドウ』 ◆インタビュー: eBay Japan合同会社 戦略マーケティング室 部長 モラーノ絢香 氏 JAPAN&KOREA広報 部長 吉田高夫 氏 https://www.qoo10.jp/
- 消費行動に影響を与えるクチコミ消費と季節を楽しむトレンド消費
市場の8割を左右する女性視点マーケティング詳解 vol.18 女性視点マーケティングの第一人者であり、株式会社HERSTORYの代表取締役でもある日野佳恵子による、本連載。第18回目は、前回に引き続き、女性特有の2つの消費行動についてお話しします。 HERSTORYは、女性視点マーケティングを専門に事業を展開しています。この連載記事では、「女性視点マーケティング」の重要性に焦点を当て、具体的な事例を交えてわかりやすく解説していきます。皆様のビジネスに新たな視点やアイデアを提供し、今後の展開に役立てていただける内容となっています。ぜひ、ご活用ください。 クチコミリーダーとしての役割を果たす女性の「クチコミ消費」 女性はクチコミをします。私は、〝女性は存在そのものがチラシ〟だとさえ思っています。 表現を変えれば、インフルエンサーです。 弊社では、クチコミリーダーとも呼んでいます。「話題の種をまく人」というイメージです。 『話を聞かない男、地図が読めない女』(アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ著主婦の友社)というベストセラーがありますが、この中で、男女が1日に発する言語量を比較したところ、女性が男性の3倍という結果が書かれていました。 情報発信が好きな女性たちにとって、SNS社会は、最高の環境を提供していると言えそうです。 もっともわかりやすいのが、インスタグラムです。 本来、女性はきれいな写真や絵が好きというのもあって、まさに「映え」という言葉が流行したように、より華やかに、色鮮やかに、お気に入りのモノや風景を撮影しては発信し、それを気に入った人たちがフォローしていくという循環は、女性同士の出会いをつなぎ、大きなコミュニティ化を実現しました。 SNSや口コミからの情報が消費行動に影響を与える傾向 インスタグラムの利用者は6割以上が女性です。 以前(2015年)、成城大学経済学部経営学科の神田範明教授ゼミ(当時)で、男女の買物における情報の関心、興味の違いについて比較調査をしていただきました。 男女で大きな差がないものも多かったが、あきらかに違ったのが、女性のクチコミから入手する情報だったのです。SNSも含めて他人が発信している情報を受けて消費行動に移るのは、多くは女性であることが分かりました。 この時の調査では、クチコミやSNSだけではなく、チラシやフリーペーパーに対しても女性は関心が高く、このことから、多様なルートから情報を得ようとしているのは女性だと言えるでしょう。 女性たちは、入手方法は幅広いですが、総じて他人のクチコミから影響を受ける消費行動をしていたのです。 季節ごとに変わるトレンドに合わせて楽しむ女性の「トレンド消費」 女性たちがもっともわくわくする買物は、トレンド消費です。 話題の商品を買うことは楽しいし、盛り上がります。なかでも季節トレンドは毎年楽しめるルーティンサイクルです。春になれば春らしいネイル、夏になれば透明バッグなどの涼しそうな小物、秋になれば秋らしい深みのある色のリップ、冬にはクリスマスコフレなど、季節と色柄がセットで想像できる女性たちは、季節が変わる度に身につけるモノの色柄を変えて楽しみます。 女性のトレンド消費のさらにすごいところは、ここで、「今年の春のピンクは、透けピンクです」とか、「大人ピンクです」「ガーリーなピンクです」と言ってくるところです。この絶妙なニュアンスに「今っぽい」「今年っぽい」がある。以前、女性スタッフと会話をしている時に、「あの会社のインスタの写真、たしかにきれいですけど、たぶん、フリー素材ですよね。毎年、使いまわしている感じの写真なんです。今年らしさがないから、手抜きしているように見えるんですよね」と言っていました。 新しさを感じ取り、常にアレンジしていく女性たち 女性たちは、常に「新しさ」を感じ取る。トレンド感のある商品を買って、気分を上げています。トレンド消費は、新商品ではなくていいので、「今年っぽい使い方」「今っぽい食べ方」「この秋らしい着こなし」など、今まである商品にアレンジを加えたり、言葉を添えて、いかに新しく感じさせるかという編集力が重要です。 そういえば、20代30代の女性インタビューでは、「検索はインスタ」という言葉がよく聞かれます。 その理由は「新しい情報が入る」からなのです。インスタはトレンド入手に欠かせません。 今回までの記事で紹介しました、女性の「7つの消費」は、いかがでしたでしょうか。 女性たちが、いかに多くの消費に関わっているかを感じ取っていただけたと思います。これらは互いに影響し合っています。ひとりの女性から多数の女性に飛び火して大きな消費が創造されているのです。 次回は、「つながりのため」の消費行動についてのお話です。 下記よりメールマガジンの登録をいただくと、次号の更新をお知らせいたします。ご登録のうえ、配信を楽しみにお待ちください。 日野佳恵子 株式会社HERSTORY(ハー・ストーリィ)代表取締役 1990年創業 タウン誌の編集長、広告代理店のプランナーを経て、結婚、出産を機に専業主婦を経験。女性のクチコミ力、井戸端好きに強い衝撃を覚え、広告よりクチコミのパワーが購買に影響を及ぼしていることを確認。一貫して男女の購買行動の違いに着目したマーケティングを実践し、女性客マーケティングという独自分野を確立。多数のコミュニティや実店舗を自ら運営。10万人の生声、3万件に及ぶアンケート分析、5万人以上の男女購買行動を研究。 【著書】 「クチコミュニティ・マーケティング」 「女性たちのウェルビーイング」 「女性たちが見ている10年後の消費社会」等ベストセラー多数。 →著書は一覧こちら 女性視点マーケティングについてさらに詳しく知りたい プロジェクトのご相談 弊社サービスへのご質問 上記については無料相談を受けています。下記よりお気軽にご相談ください。
- 【推し活に関する成功事例】OSYAIRO(おしゃいろ)/株式会社フェリシモ オタク女性の望みを叶えてくれる推し色ブランド誕生秘話
9色の推し色アイテムを楽しむフェリシモの話題のブランド「OSYAIRO(おしゃいろ)」 ペンライトも双眼鏡もおまかせ 推し色ガジェットポーチ アイドル、キャラクター、食品などさまざまな推しを情熱的に応援する女性たちが増えており、推しがいる女性は全体の70.2%にものぼっています。 熱狂を生むオタクマーケットに注目し、市場参入のチャンスを伺ってみてはいかがでしょうか? 今回は、大好きな推し色を毎日持ち歩きたいというオタク女性の望みを叶えるブランド「OSYAIRO(おしゃいろ)」を手掛ける株式会社フェリシモをインタビュー。同社が魅せる、こだわりの推し色アイテムは一体どのように生まれたのかをご紹介いたします。 ◆KEY POINT: 推し活を楽しむ社員たちの実体験から、商品開発のヒントを得る 購入者からのリアルな意見はTwitter・WEBメディア・直接メールを活用して吸い上げていく 推し色の色味と素材のバランスを意識し、日常生活になじむアイテムを作り出す 会社認定の「オタ活部」がきっかけ カタログ通販やWEBサイトで次々と新しい展開を見せ話題を呼んでいる株式会社フェリシモ。神戸に拠点を置き、衣類や雑貨、生活用品など数多くの通販アイテムを開発・販売する一方で、動物や森林保護、国内外の難民や被災者の支援など、さまざまな社会課題にも取り組んでいます。 推し色ブランド「OSYAIRO」は、そんな同社が展開する「部活制度」がきっかけで生まれました。 「2017年夏頃にこの制度を利用して、『オタ活部』を創設しました。その中で、『推し色』でアイテムを作りたいという案が挙がり、現在の『OSYAIRO』につながりました」と教えてくれたのは、クラスター本部 定期便企画MC部リアルメディア制作グループの山川真記代さん。「オタ活部」部長その人です。 「大好きな“推し”の色をもっとふつうに毎日に」というコンセプトを掲げ、2019年に同部から「OSYAIRO」が誕生。山川さんを始め、社内の「オタク部員」たちが同プロジェクトに参加し、ライブポーチやうちわバッグ、ネイルシール、遠征バッグなど「推し活」(好きなキャラクターや芸能人、アイドルを応援する活動)に欠かせない数多くの名品を作り出してきました。 ターゲットとなるのは、自分たちと同じように「推し色や推し活を日常的に楽しみたい!」と願う共感者たち。山川さんいわく、「商品アイデアは、スタッフ自身の経験や、スタッフが見聞きした誰かの『推し活』の経験がヒントになっていることが多いですね」とのこと。商品開発者でもあり、一消費者でもあるその目線で、 ブランド立ち上げ以来、なんと14種類100アイテム以上の「OSYAIRO」商品を世に送り出してきました。「OSYAIRO」で取り扱う推し色は全部で9種類。レッド・オレンジ・イエロー・グリーン・ブルー・パープル・ピンク・ホワイト・ブラックを取りそろえています。 色と風味を楽しむ三輪そうめん 素材×色の組み合わせに悩む 推し色をメインテーマに据えているだけあって、「OSYAIRO」で扱うアイテムはそのカラーに強いこだわりを持っています。 「商品開発でもっとも苦労する点は、素材が変わると色味も変わり、商品が魅力的に見えなくなることもあることですね。特に、青と緑は色選びがとても難しいんです」と山川さん。「アイテムにした時に、かわいくするのがむずかしいなと思うのが青と緑なんです。パステルカラーのような淡い色だと問題ないのですが、濃い青や緑を選ぼうとすると、生地や素材を一から作らない限り、なかなか思いどおりの仕上がりにするのが難しいですね」と悩みます。 フェリシモが運営するWEBメディア「OshiKra(オシクラ)」で取った読者アンケートでも、人気の推し色ベスト3は、緑・紫・青という結果に。読者からの支持が強い緑と青だからこそ、少しでもイメージ通りの「推し色」を開発したいと日々悶々としています。 しかも、カバンやブックカバー、ポーチ、フレームなどアイテムによって素材は大きく変化します。理想の「推し色」を維持しながらも、普段持ち歩いていて違和感のないアイテムにしたいところ。そんなこだわりと現実とを天秤にかけながら、手探りで商品開発を進めています。 アイデアを商品化するのに、かかる時間は約半年。こうしてじっくりと積み重ねた試行錯誤が功を奏し、現在「OSYAIRO」アイテムは、順調に売り上げを伸ばしています。「かわいくて便利そう。欲しい!」「実際使ってみたらぴったりでよかった!」など、購入者も大いに満足しているようです。 「OSYAIRO」商品企画の様子 公式サイト+WEBメディア+Twitterの3方向で認知度を上げる 『OSYAIRO』アイテムの中で近頃話題を呼んでいるのが、「推しを飾って収納できるTフレーム」です。推しのライブやイベントで購入した記念Tシャツを、絵画のように飾れると好評を博しています。 このような生活雑貨の開発に強みを持つのも、これまで多くの雑貨を生み出してきた「フェリシモ」だからこそ。特に注目したいのは、同社の商品の購入者やメディアへの来訪者からの声を積極的に集めて商品開発に活かしている点です。 「Twitterと『OshiKra』サイト、購入者への直接メールを活用して、お客さまに投票やアンケートを実施しています」(山川さん)。こうした消費者とのコミュニケーションは、『OSYAIRO』のプロモーション活動にも欠かせません。現在、同部では公式サイトとWEBメディア「OshiKra」への記事投稿、そしてTwitterの3つを活用しています。新商品が発売されるタイミングで、各チャネルから一斉にリリースを出すことで、メディアからの注目度も徐々に上がり始めています。 「オタ活部」部長として、『OSYAIRO』にかける山川さんの想いは熱い。「『OSYAIRO』のロゴには、”PEACEFUL WORLD,FULL OF COLOR”という言葉が刻まれています。その言葉通り、色のある世界は平和で幸せなもの。皆さんがそんな世界で推し活を楽しめるよう、今後は推し活や『OSYAIRO』を通して、社会貢献できるような取り組みも考えていきたいですね」。 WEBメディア「OshiKra」 今年の6月には、山川さんたちはさらに新しい取り組みとして、7色の組み合わせをアンケートで集めて決めた「推し色そうめん」を新しくリリース。衣食住の垣根を越えた「推し色」のチャレンジは、どこまで続いていくのでしょうか。今後の動きに注目です。 ▶︎ 女性トレンドや消費変化をいち早く掴み、売れる商品を開発するにはペルソナ設計が不可欠 1990年創業以来、一貫して女性消費行動を研究し続けてきたHERSTORYでは、10代、20代、30代、40代、50代、60代の女性ペルソナを29種類も設定し、毎年変わっていく女性消費者のトレンド把握に役立てています。 マーケティング戦略に不可欠な女性ペルソナ設計の方法や、最新情報を知りたい方は、下記「女性ペルソナ設計まるわかり」資料をダウンロードしてご活用ください。 ◆インタビュー: 株式会社フェリシモ クラスター本部 定期便企画MC部 リアルメディア制作グループ 山川真記代 様 https://www.felissimo.co.jp/
- 【まちづくり成功事例】ところざわサクラタウン/株式会社KADOKAWA 地域活性に貢献するまちづくりビジネスとは
所沢市×KADOKAWAが生み出す文化複合施設「ところざわサクラタウン」 ところざわサクラタウン 三菱UFJリサーチ&コンサルティングがコロナ禍の前後で行った調査「居住地を選択する際の主な判断理由」によると、全世代がコロナ後には通勤・通学の利便性よりもそのまちの住みやすさ(居住性)を重視していることがわかりました。 利便性よりも暮らしやすさに価値を感じる消費者と同じ視点を持った「まちづくり」ができる企業が求められており、企業にとっては、まちづくりが今後のビジネスチャンスとなりそうです。 今回は、2020年11月にグランドオープンした「ところざわサクラタウン」を手掛けた株式会社KADOKAWAが、どのように自治体や住民を巻き込んで活気のあるまちづくりに貢献しているのかをご紹介いたします。 ◆KEY POINT: 地元生産の素材を味わえるカフェ・レストランを併設して集客力を高める 子どもたちに向けた体験型ワークショップを設け、親子連れが楽しめるようにする 企業発信の新しい文化を教育現場に提案することで、企業×自治体ならではのメリットにつなげる 浄化センター跡地に誕生した国内最大級のポップカルチャー施設 JR武蔵野線「東所沢駅」から徒歩10分弱。新緑が眩しい東所沢公園を抜けると、一気に視界が開け「ところざわサクラタウン」が見えてきます。所沢浄化センターの跡地に建てられた同施設は、約40,000㎡の広さにミュージアム・イベントスペース・神社・飲食店・オフィススペース・書籍製造・物流工場などを構えています。 都内にも複数の事業所を持つ同社が、なぜ所沢市に進出したのでしょうか? 「いくつか理由がありますが、1つ目は返品された出版物を保管するための倉庫と、受注した出版物をスピーディに届けるための印刷設備を備えるスペースが必要だったからです。これまでの倉庫が老朽化していたこと、トラックで運搬するなど交通の便を考えた時に、条件にかなったのがこの場所でした」と説明するのは、ところざわサクラタウンゼネラルプロデューサーの西澤元晴さん。 西澤さんいわく「ところざわサクラタウン」は一見一般利用者向けに見えますが、実は施設の大部分を占めているのは書籍製造・物流工場と社員の勤務するオフィススペースとのことです。 新型コロナウイルス感染症の流行以前から取り組んでいた「働き方改革」の1つとして、フリーアドレス型の勤務スタイルがここで実践されています。「もう1つの理由は、やはりこの武蔵野という自然豊かな地域を盛り上げたいという気持ちがあったからですね。どうせオフィスや書籍製造・物流工場を置くならば、空いたスペースで博物館や図書館を作ることで、地域の方々が芸術文化に触れられるような機会を作りたいと考えました」(西澤さん) 角川武蔵野ミュージアム内「本棚劇場」©角川武蔵野ミュージアム 地域の魅力を再確認する 所沢市との共同プロジェクトとして、2014年から動き出した「ところざわサクラタウン」の竣工にあたっては、施設の半径約500mの範囲も同時に整備していくことで、多くの人が住みたくなるようなまちづくりを目指したそうです。 株式会社角川アップリンク取締役およびところざわサクラタウンの広報も務める盛田勉さんは「出版社の書籍製造・物流工場ができると聞いた時は、住民の方々も不安が強かったと思います。しかし結果的には、ご家族で散策したり、書店やミュージアムなどさまざまなカルチャーを発信する場所に生まれ変わりました。地域の方々にも喜んでいただけているとうれしいですね」と語ります。 現在敷地内には、大きな岩を彷彿とさせる個性的な外観の「角川武蔵野ミュージアム」を始め、イベントやコンサートを楽しめる2つのイベントスペース、「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」(一般社団法人アニメツーリズム協会が主催)の1番札所にもなっている「武蔵野坐令和神社」などが点在しています。 KADOKAWAならではのコンテンツや素材をベースにした、ファン垂涎のスポットがそろう中、地元で採れた旬の食材を提供する「角川食堂」や、人気ラーメン店の味を楽しめる「ラーメンWalkerキッチン」も併設。四季折々の素材をゆったり味わえます。 また、「角川武蔵野ミュージアム」内で営業する「ロックミュージアムショップ」では、地元の伝統工芸品が販売されています。「川越だるま」「鴻巣の赤者人形」など、埼玉県各所の工芸品を手に取って眺めることができ、図書・美術・博物だけでなく地域の魅力も発見できる空間になっています。 住民同士のコミュニケーション・教育の場にも活用 同施設は他にも、住民が気軽に集い、さまざまな発表ができる大型の野外スペース「千人テラス」や、乳幼児を連れた家族でも不安なく過ごせる授乳室やおむつ交換台、子ども用椅子の提供などにも取り組んでいます。「暑い季節には『角川武蔵野ミュージアム』横で子どもたちが水遊びに夢中になっていますね」と盛田さん。 近年注目を浴びているeスポーツの専用施設「FAV ZONE(ファブゾーン)」も、2022年春に開設。KADOKAWAグループが保有するeスポーツのプロチーム「FAV gaming(ファブゲーミング)」の活動拠点となっており、所属選手たちがプレーする風景を子どもたちが観覧して、憧れを抱くきっかけにもなっているようです。 KADOKAWAも埼玉県の教育委員会に働きかけ、県内の教員たちを招いてeスポーツの意見交換会を行うなど積極的に動いています。 「教育現場の方からしてみたら、『eスポーツ』はゲームで遊ぶ印象でしかないんです。しかしこれだけ若者に支持されていて、生徒たちが憧れる職業にもなっているという現状を伝えるようにしています」(西澤さん)。「将来的には、弊社が抱える多くの編集者やクリエイターたちを巻き込んで、いかにこの施設ならではの企画を練っていけるのかが今後の目標です。IP(知的財産)コンテンツをリアル化して、多くのファンに来てもらう一方で、地域の小学生に向けての工場見学や施設の1日遠足などにも取り組んでいきたいと思います」。 2020年の開設からまもなく3年目。「所沢の顔」として地域住民だけでなく、市外や国外のファンにも愛される存在になりつつあります。 ▶︎ 女性トレンドや消費変化をいち早く掴み、売れる商品を開発するにはペルソナ設計が不可欠 1990年創業以来、一貫して女性消費行動を研究し続けてきたHERSTORYでは、10代、20代、30代、40代、50代、60代の女性ペルソナを29種類も設定し、毎年変わっていく女性消費者のトレンド把握に役立てています。 マーケティング戦略に不可欠な女性ペルソナ設計の方法や、最新情報を知りたい方は、下記「2023年版 女性ペルソナ設計まるわかり」資料をダウンロードしてご活用ください。 ◆インタビュー: 株式会社KADOKAWA レクリエーション事業局 局長/ところざわサクラタウン ゼネラルプロデューサー 西澤元晴 様 株式会社KADOKAWA https://group.kadokawa.co.jp/ ところざわサクラタウン https://tokorozawa-sakuratown.com/ レクリエーション事業局 局長/ところざわサクラタウン ゼネラルプロデューサー西澤元晴 様















